第7回三国志バトルロワイヤル ログまとめ内検索 / 「7-156」で検索した結果

検索 :
  • 7-156
    440 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/29(土) 00 09 55 夏侯楙「っぁあ~っと、良い目覚めだぜ。     ・・・誰も俺を起こしちゃくれなかったんだな。     まぁいい、とにかくどこぞに行くとするかぁ。     それか、あの燃え上がる許昌の中に戻るか・・・     なんつってな、ひとまずは南だ。     赤壁、もしかしたら、先帝があそこで悔しがってるかもしれねぇ。     其の苦は、我が苦か誰が苦か 誰かの為に生きられるなら!     其は、我が夢か誰が夢か 何も怖くはない!     いざ強く! 一人では解けない愛のパズルを抱いて!     野性持て! この町で優しさに甘えていたくはない!     さぁ、時よ! 君だけが守れるものが何処かにあるさ!     運よ、有れ! 一人でも傷ついた夢を取り戻すよ!...
  • 各話リスト(2)
    ...んの天気予報です 7-156 ※夏侯楙・周瑜 音楽を奏でつつ各々移動 7-157 ふぞろいの林檎たち 2スレ目 7-158 忘却の空 7-159 血に濡れた道 7-160 新しい朝希望の朝? 7-161 呂蒙の一日 外伝:孫権の一日 7-162 栄華の墓所 7-163 楊儀くん 7-164 ※張燕 諸葛弩に毒を塗る 7-165 第4回放送 7-166 記憶 7-167 ※袁術 打倒董卓・劉協を決意 7-168 洛陽にて・・・ 7-169 呪都 7-170 軍師と才女 7-171 張角さんのDEATH予定NOTE 7-172 ※張燕 沮授から武器を強奪 7-173 ※甘寧 諸葛亮と遭遇 7-174 ※呂布 諸葛瑾を肩に乗せ移動中 7-175 不幸の始まり 7-176 流れ流れていつか消えゆくとしても 7-177 気を付けろ! 両目は急に ...
  • 7-151 九春
    417 名前:九春 1/2 投稿日:2006/07/28(金) 00 56 52 こほん。 こほっ、こほん。 (煙たいですねぇ。) 許都から立ち上る煙は、荀イクの腰を下ろしている丘まで漂ってきていた。 小高い丘だ。風が心地良い。 周りには誰も居ないし、眼前で燃え上がる許都を肴に、 一杯やりたいような気すらしてくる。 (そう言えば、) 荀イクの標的――曹操は、酒の製造法にまで精通していた。 (確か――春、が何とかとか・・・。) かつての思い出に浸りながら、荀イクは微笑んだ。 こほっ、こほん。 もう一度、咽る。風が調度、こちらに向かって吹いてきているのだ。 右手をぱたぱたと眼前でひらめかせて、煙を払う。 払った先に、数秒前には存在し得なかった影を見つけた。 418 名前:九春 2/2 投稿日:2006/0...
  • 7-150
    409 名前:1/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 19 42 「へへへ、いい獲物を見つけたぜ・・・」 偵察に赴き、茂みに隠れていた裴元紹は、その任務に明らかに似合わない言葉を呟いた。 彼から少し離れた小川のほとりには、1人の男が水汲みをしている。 優男に見えるが、そんなことはどうでもいい。 裴元紹の気を惹いたのはその男が帯刀している物だ。 (ありゃあ、見たこともない剣だ。叩き売ってもいくらになるか・・・見当もつかねえぜ!?) 山賊上がりのせいか、金を基準に考えるのが彼のクセである。 が、それよりも裴元紹が思考のメインに置いたのは 彼ともう1人の『姐さん』の行動に関してのことだ。 今の自分達には武器がない。 素手ならともかく、強力な武器を持った奴が目の前に現れたら 姐さんを守る事どころか、逃げるのすら困難だ。 だが、あの優男が...
  • 7-154
    433 名前:1/4 投稿日:2006/07/28(金) 18 28 46 「顔良…!それに顕甫まで…。つーか、なんで我が軍勢だけこんなに死んどんのじゃー!!!」 兗州の小屋の中怒声が木霊する。小屋の中には意識が戻らない曹彰、そして、今しがた放送を聞き、打ちひしがれている袁紹。 これで彼の陣営は、沮授と、自分を見限り、曹操についた張コウだけとなってしまった。 「えーい!劉備のとこだの孫家のとこだのはどーした!私のとこだけ集中打か!」 ここまで仲間が大量に死んだとあって、袁紹はやけ起こし回りに当り散らしている。 『だ、旦那ー!落ち着いてくれよ!誰かに見つかるだろ!!』 「これが落ち着いてられるかばっきゃろー!」 村正の制止も聞かず、大声で怒鳴り散らす袁紹。と、その時。 「誰だ?こんなとこで騒いでる阿呆は?」 バタン、と、扉が開く音と共に、曹洪と曹仁が現...
  • 7-158 忘却の空
    4 名前:忘却の空1/11 投稿日:2006/07/30(日) 02 45 13 (誰の仕業か知らないが・・・ずいぶんと惜しい事をする) 歴史に残るであろう華美な宮殿。 質素だが美しい木々が飾る街道。 人々が生の活気を見せた市場。 ・・・既にそれらは灰になっているのだろう。 遠目にもわかる、ひどく雄々しげな炎を巻き上げている許都。 それを遠くの平地から眺めながら、張コウは懐かしさと喪失感、そして軽い怒りを覚えた。 が・・・。 (・・・まあ、いいか。オレのものじゃないし・・・) 怒りを覚えたところで火をつけた者の正体がわかるわけでは無し。 万が一わかったところで、己の身を危険に晒してまで報復するほどでもない。 それよりは『今後どうするか』と考えた方が己のためになる。 そう考えた彼は衣服から地図を取り出し、軽く眼を向けた。 夜陰だが、月光...
  • 7-152 許昌葬送曲
    420 名前:許昌葬送曲 1/2 投稿日:2006/07/28(金) 03 05 44 散々に暴れまわる炎の中を、一筋の笛の音が響いた。 悲しみと、怒りと、羞恥と、狂気と哀願と。そのどれともつかぬ 音色が、許昌中を駆け巡った。 ゆるりゆるりと。 泣くように。 「公達殿。」 落とし穴に落ちて怪我を負った荀攸のつま先に、自らの衣を破いて作った 包帯を巻きつけながら、典韋は何も言わない軍師の横顔を見上げた。 その顔は、何の感情も映してはいない。 「公た「典韋殿。」 典韋の呼びかけを遮って声を発した荀攸の瞳から、 溢れんばかりに涙が浮かんでは、流れ落ちた。 悲しい、曲だ。 かつて、許昌でよく響いていた曲と、旋律はまるで同じものだが、演奏者の感情を そのまま叩きつけたようなその音色は、強く心を揺さぶるものだった。 「いやだな。」...
  • 7-159 血に濡れた道
    16 名前:血に濡れた道1/11 投稿日:2006/07/30(日) 03 07 15 かつて、三国のうち最も強大であった魏帝国の、あの賑々しかった都は、今はただ閑散としていた。 人の気配がまったくしない。 月の明かりだけが、あの頃とまったく変わっていない……。 だがその月も、もうすぐ朝の日の光で消えてしまうのだ。 民家から当分の水と保存食を含めた食料をかき集めた司馬孚は、貂蝉を待たせている民家へと急いだ。 3度目の放送が終わった直後に、彼らは潜伏していた司馬邸を出、このギョウへと向かった。 夜通しの強行軍であったが、彼らはそれ以前に十分な休息をとっていたため、朝を迎える前に目的地へとたどり着いた。 だが、目的としていることは果たせなかった。 ギョウに行けば、曹丕か曹植、あるいはかつて魏に仕えた誰かがいるのではないかと期待していた。 しか...
  • 7-167
    56 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/08/01(火) 00 43 35 寿春は後世の何者かが再建したのだろうか? 皇帝の住まう地ではなく、軍事拠点の様なものになっていた。 なぜかこの地に、もう皇帝ではないのだぞ?と言われている気がした。 そして一陣の風が駆け抜ける。何かを取り払うように・・・ 「私は何に抗っていたのだ?妾の子か?名門という鎖か?漢か?」 自問自答の末、答えは出た。 「・・・運命に従う己だ!」 私は、私の運命に抗っていたのだけだった。 名門の家に生まれ、漢の高官となり、三公となる。そして死ぬ。 そんな運命を受け入れる気であった。 妾の子の事も、先に自分が三公まで上り詰めればよいと考えていた。 だが、私の考えを改めさせた者がいた。董卓だ。 奴を討たねば、この気の昂りは治まらぬだろう。 そして、真に討つべき...
  • 7-157 ふぞろいの林檎たち
    441 名前:ふぞろいの林檎たち1/5 投稿日:2006/07/29(土) 00 57 06 それは、ほんの些細なことがきっかけだった。 蜀を目指して上庸のあたりを歩いている頃だったか。 三人は疲弊しきっており、ろくな食料も手に入らぬせいで空腹でもあり、気が立っていた。 馬忠は少し遅れて足を引きずりながら無言で歩き、 夏侯惇と廖化は肩を並べていたものの、言葉を交わす元気も無かった。 辺りは静まりかえり、時折聞こえるは鳥の鳴き声とお互いの荒い息づかいだけ。 「玄徳様がいればなあ」 廖化が、漏れる吐息に忍び込ませるようにそっと呟いたのだ。 「玄徳様がいれば、こんな目に会わずに済むのに」 下を向いて黙々と歩いていた彼は途端に顔を上げ、 妙にキラキラとした目で夏侯惇を見やってきた。 「聞けよ、元譲。俺ってばさ、すげー玄徳...
  • 7-153 ファイトだ諸葛瑾!
    425 名前:ファイトだ諸葛瑾! 1/3 投稿日:2006/07/28(金) 12 29 53 諸葛瑾は絶望していた。 ああ、なんだってこんな目に。 この遊戯が始まってからというもの、本当に踏んだり蹴ったりである。 同じ呉将の、朱桓と朱然に武器を巻き上げられ。 なんだか目つきの悪い男に絡まれて。 何処からか銃弾がかすり。 どっかの呂蒙だか阿蒙だかとクロス衝突して。 そして今。この状況は、どうだ。 全泣きで全力疾走して、大混乱のままぶつかったその壁は、言った。 「俺は呂布。字は奉こら待て逃げるな貴様オイ」 ・・・襟首掴まれて引き戻された。 426 名前:ファイトだ諸葛瑾! 2/3 投稿日:2006/07/28(金) 12 30 28 「なんにも持っておらんのか貴様。ふん、使えんやつだ」 呂布は、諸葛瑾が何の武器も所...
  • 7-139
    373 名前:1/2 投稿日:2006/07/26(水) 16 56 01 夕闇が迫り始めた扶風郡の林で、董卓は汗をかいていた。 肥満によるものではなく、戦闘を控えた充実感のある汗を。 数時間前。戦の気配を感じて北に向かった董卓は、血肉まみれの戦場跡にたどり着いた。 顔ぶれを見るに、先程戦った一味のようだ。 「……足りんな」 バラバラの死体ばかりだったが、計算すると二人ほど足りない。 放置されていた、李儒を粉砕した槌を拾う。重いが、騎兵戦以外ならジャベリンよりもこちらの方が使いやすそうだ。 さすがに荷物が重くなってきたが、涼州随一とされた豪力を誇る董卓にはまだ余裕があった。 死体の側にある倒木に腰掛け、感覚を鋭くする。言わば野性に返るのだ。数分間集中する。 この先にはもう誰もいない。少し東南に下った所に……一人、いや二人か? 戦って負けて逃げ...
  • 7-100
    237 名前:無名武将@お腹せっぷく[sage] 投稿日:2006/07/18(火) 15 32 52 朝焼けの中、灯火に照らされていた許都が陽の光に馴染んでいく。 その様を遠くから眺めながら、彼、荀イクは目を細める。 曹操様をもてなすには、最高の舞台です。 死亡者放送が流れる。 袁家の者たちがかなり死んでいる。 やはり彼ら程度では曹操の敵役としては役者不足であったか。 徐晃も逝ったようだ。 陳留を任せた満寵ももう少し暴れてくれるだろうか。 走り去っていく徐庶。 あれは少々不安定なようだ。ギョウあたりに向かってくれれば好都合なのだが。 張繍にももう少し頑張ってもらいたいところだ。 他には・・・馬超あたりか。 郭嘉はそろそろ北に着いただろうか? 昼も夜もない許都を見下ろす丘の上で、荀イクは静かに狙撃の構えを取る。 光源は十分。狙撃も容易だろう。...
  • 7-137
    365 名前:1/4 投稿日:2006/07/26(水) 05 35 17 「皆の者、朕は嬉しいぞ~」 その慇懃無礼な献帝の声が、夜闇に包まれた森林の静寂を壊す。 音に反応して、辺りでも大きな木、その大降りの枝の乗る男が目を閉じ眉間にしわを寄せた。 ―今夜は静かだな―彼がそう思った矢先にこんな不愉快な音が耳に入る。 (・・・ふん・・・こんな場で穏やかな夜を望むなんて事が、そもそも無意味ってものか) 内心の不快感を表すように張コウは舌打ちした。 『張角以外の誰にも会っていない』 それが彼の幸運でもあり、また不運でもある。 前夜は銃声や怒声、悲鳴は耳に届いたものの、さほど近くもなかったし戦闘を行う事もなかった。 おそらくだが、知った者も声を上げてはいなかったと言える。 そして十分に竹刀を扱い 『通常の剣よりはずっと軽い。威力は低いが急所を突...
  • 7-189 幼い想い
    153 名前:幼い想い 1/8 投稿日:2006/08/11(金) 05 07 27 今は夜。しかし夜のいつだろう。 曹幹につれられこの民家に入ってから、もうずいぶんの時が経っているかのように感じる。 三日目なのか四日目なのかも釈然としてない。 曹幹の支給品であるらしい白い鳩は、もう眠りに落ちていた。 だが華雄と曹幹、そして曹丕には眠ることはとうていできそうにない。 外に降り続ける豪雨の音はうるさかったし、敵が来るかもしれない、という不安もある。 だがそれらよりもずっと、曹丕の容態が第一だった。 肩の傷から病原が入ってきたのであろう。 体は紅潮し、肌はさわり続けていれば火傷するのではないのかと熱く、意識は朦朧で、目は虚空を見つめている。 華雄の存在をわかっているかもどうかすら定かではない。 ときおり全身から絞り出される、かすかな、しかし十分に苦し...
  • 7-135
    355 名前:1/5 投稿日:2006/07/26(水) 01 19 04 永安の、劉備が劉封達と出会った小屋。そこでは蔡文姫と劉封の二人が、何か作業をしていた。 「すみません、手伝って貰って」 「いえ、私だけ何もしないのもあれですし」 劉備の礼に笑顔で返し、作業に戻る蔡文姫。数個の麻袋に、胡椒と塩を詰めているようだ。 「劉備様達は無事でしょうか…」 夜が明け、支給品で朝食をとった後、龐統と劉備は周囲に仲間がいないか偵察にいったのだった。 偵察中に敵に襲われた時の為、蔡文姫と蔡文姫の護衛として劉封、そして支給品のボーガンは小屋に残した。 その時、龐統に、なにかの役に立つかもしれないから。と、小屋で見つけた数個の麻袋に、同じく小屋で見つけた塩と、劉備の支給品である胡椒を小分けに入れておいてくれ、と頼まれたのだった。 最初は、劉封が、自分一人でやる。と、言っ...
  • 7-173
    85 名前:1/7 投稿日:2006/08/03(木) 23 43 50 漢水沿いを歩いていた甘寧は支流の側で一人の農夫と出会った。 農夫は服の裾を捲ろうとしていたようだったが、甘寧に気付き呼び止めた。 「ああ、お前さん丁度いいや。  川に沈めてある仕掛けを取ってくれないか」 ほぼ全裸に近い格好の甘寧にとっては大した手間ではない。 ざぶざぶ川に入り、沈めてあった籠を引き上げる。中には魚が結構入っていた。 「おー、大漁じゃねえか」 甘寧に言われて農夫も籠を覗き込む。 「ほう、随分穫れたな。お前さんも食ってくかい?」 早く強敵と出会い存分に戦いたい。 そう思っていた甘寧も飯の誘惑にはちょっとぐらつく。 「大根飯でも炊くか。今朝穫った山菜も煮浸しにして」 支給されたパンや穫った木の実やらをかじりはしたが ここのところまともな飯は食っていない...
  • 7-149
    406 名前:1/3 投稿日:2006/07/28(金) 00 13 32 三人対一人の戦いは終結を迎えようとしていた。 孫堅は右腰と左腕が血まみれになっていたし、華雄は服がズタズタになり、全身切り傷だらけで朱に染まった姿になっていた。 黄忠は辛うじて致命傷を避けてはいたが、疲労は極地に達していた。もう一撃受ければ両断されかねない。 そして項羽は、つい先ほど華雄の決死の攻撃に左肘から先を切り落とされていた。 「……見事だ。借り物の身体とはいえこの項羽をここまで痛めつけるとは」 言って、片手で剣を構え、踏み出す。 「最期は一騎打ちにて決したい。渾身の一撃同士での決着を望む」 「よし……いいだろう、俺が受ける」 出ようとした華雄を止めて、孫堅が七星の剣を構える。 五歩の間を取り、対峙する。 「名を聞こう」 「孫堅文台、孫武の子孫なり」 ...
  • 7-178 子供
    105 名前:子供1/2 投稿日:2006/08/06(日) 15 23 58 信義を守り、老人・子供・女だけは殺さない、逆に守る 逝ってしまった戦友の信条を、華雄は守りたいと思った。 だから、 「あなたは、おいしゃさまですか!?」 雨のギョウで、そう自分に尋ねてきたずぶぬれの子供を無下にすることも出来なかったのだ。 とうさまが、とうさまが、とそればかり繰り返す子供に連れられてきた民家には、傷ついた男が寝込んでいた。 傷から来る発熱であろう、意識は無くただ荒い呼吸を繰り返していた。 「とうさま、おいしゃさまをおつれしました。とうさま…」 子供はそういうが、自分は医者ではない。そもそも微塵もそんなみてくれをしていない。 (切り傷の手当てのため、薬草臭かったのがいけなかったのだろうか) 子供の想像力とでもいうか…思い込む力には理解し難いものがあ...
  • 7-166 記憶
    53 名前:記憶1/3[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 00 10 45 馬超は司隷の国境近くで、雍州に行くか荊州に行くか迷っていた。 知っていたより、随分と距離が短い。小さくなっている土地。 …本当に、どういう世界なんだろう。 ふと、思う。 自分達はやっぱり死んでいて、ここは地獄ではないのだろうか。 それならばこの残酷な試みも納得がいく。生前に犯した罪を思えば当然だ。 …そうだとしても、何が変わるわけでもないのだが。 空を見上げる。空は、生前と変わらぬ美しさを見せていた。 煌く星。穏やかに光を放つ月。 東から夜が明け始め、かすかに闇を暁に染めている。 地獄でも、こんな美しい物があるのだろうか…。 「…ん?」 どん、という鈍い音が聞こえた。爆音…?誰か戦っているのか。 雍州の方角だった。 それにしてもこうも音が響くとは、随分と大掛かりな武器もあ...
  • 7-125 記憶
    314 名前:記憶1/3 投稿日:2006/07/23(日) 10 43 38 寝息が聞こえる。 良かった。拙い応急処置しか施せなかったが 眠れるくらいならきっと大丈夫だろう。 潘璋は孔融の傍らで何か考えていたようだったが、やがて口を開いた。 「俺が馬鹿だったんだ。過去の下らない記憶なんかに拘って」 泣きそうな顔で潘璋が呟くと、孔融が振り返る。 それ以上は言うなとその眼が言っているような気がした。 「もう過ぎたことだ。あとは彼の言葉を理解するのが先決だろう。」 そう言いながらも表情は暗い。彼自身田疇に助けられた身である。               待て。 過去の記憶? 「でもまさかあいつがあんな死に方するとは思わなかったんだ。」 「潘璋殿、過去って…何だ?」 二人の間に沈黙が流れた。 「どれくらい前の過去なんだ?私は何も覚...
  • 7-169 呪都
    59 名前:呪都 1/13 投稿日:2006/08/02(水) 01 14 54 ゆるやかな笛の音は左手から発せられ、都をかき抱くように空間を渦巻く。 空は音に呼応するかの如く嘆き泣き、立ち上る炎に抱かれては、消えた。 おそらくは、全て雨が悪いのだ。 全ては。 60 名前:呪都 2/13 投稿日:2006/08/02(水) 01 15 30 何処となく、質素な邸宅であった。 主の性格を現しているかの如く隅々まで手入れの行き届いたその場所は、 轟々と燃え続ける炎の被害をまるで受けずに、ただ其処に在った。 内部から、悲しげな旋律が流れてくる。 所々途切れたその曲は、まるで泣いているかのように聞こえた。 「于将軍の家、ですね。」 荀攸の言葉に、典韋が頷いた。 于禁、字は文則。曹操の最も有能な五大将の一人として、盛名を馳せた男である。 ...
  • 7-199 共鳴
    211 名前:共鳴 1/11 投稿日:2006/08/21(月) 03 20 35 司馬孚達は黙々と、夜の北の地を歩いていた。出発したばかりの時は劉禅が気楽なことを話しかけていたが、 司馬孚がそっけない返答しかしなかったため、劉禅はそのうち飽きたようだ。 途中、休憩をした。劉禅にははっきりした目的地でもあるのか、時計のいう二時間ほど休んだら再び歩くつもりらしい。 劉禅はその間、食料探しに出かけた。司馬孚が黎明の時に集めた食料がすでにあったが、劉禅はそれでは不満らしい。 司馬孚はすでに十分疲れていたので参加しなかったが、外見いかにも鈍そうな劉禅がまだ疲れを見せないとは、どういうことだろう。 司馬孚はひとり残された。逃げることが頭によぎったが、すぐに振り払った。仇は、この手で取らなければ意味がない。 休憩場所は、涼しげな林の中だった。司馬孚は木に寄りかかって、身を休...
  • 7-124 餞
    310 名前:餞 1/4 投稿日:2006/07/23(日) 00 49 07 「お前か!ずっと俺の後をコソコソ尾けてやがったのは!」 「うわっ!」 良かった、幽霊じゃなかった。 安堵と、その反動からくる苛立ちは怒りになり張飛はその男の首を掴んで釣り上げた。 「てめえ一体何どういうつもりだ!」 「ちょ、ま、待ってください、張飛殿!」 名前を呼ばれて張飛は首を傾げる。はて、知り合いだっただろうか? 「わ、私は陳羣、字長文ですっ。お忘れですか、張飛殿っ」 首を掴まれながら陳羣は一応名乗ってみた。 だが張飛のことだ、きっと覚えていないだろう。 そもそも個人的に付き合いがあったわけでもない。 陳羣は半ば絶望的な気持ちでこれからどうするべきかを考えていた。 「う~ん…そう言われてみればどっかで…」 ああ、張飛殿。思い出す努力をしてくださる...
  • 7-146
    392 名前:1/4 投稿日:2006/07/27(木) 21 28 21 劉備は蜀の険しい道を出来る限りの速度で進んでいた。 なんせ道のりはこちらの方が厳しいのだ。少しばかり急いで行かないと遅くなってしまう。 「しっかし、誰もいないな……。まあ蜀の国の将は少ないみたいだから、しゃあねえか」 せめて憲和の奴でもいればなあ、と愚痴をこぼしつつも見方に逢えない不運を嘆く。 だがその不運こそ、言い換えれば敵に遭遇しないで済む彼の強運なのだが。 そのまま北に進み、あっさりと漢中にまで到達してしまった。 人っ子一人なく、不気味なほどに静謐を保っている。休憩をかねて探索をしてみるが何も見つからない 「こりゃ誰もいねえな。ここまで静かだと逆に不気味だねぇ」 そのままトントン拍子に北へ向かうと、陽平関にまで辿りついてしまった。 いくつかの小砦は残されており、そ...
  • 7-104
    251 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/18(火) 23 37 21 夏侯楙「愛してるの響きだけで、強くなれる気がしたよ!!     きっと今は自由に空も飛べるはず!!     さよなら! 君の声を抱いて歩いていく!!     うぃ~っ、となぁ!     酔っぱらいたぁ、このくらい豪勢じゃあないとなぁ!!!     ん~っと?なんだありゃ? 許昌がキラキラ光ってんなぁ?    (………おかしい、これだけ騒げば誰かが気付いても良いはず………     あれだけ叫んでいるのに誰の気配もしない………     本当に当に誰もいないのか、あるいは監視しているのか………     それに、何故あんなに光って居るんだ………     誰の仕業か………一度行ってみよう)     いいねぇいいねぇいいねえ!!! 酒の肴にもって...
  • 7-116
    286 名前:1/3 投稿日:2006/07/21(金) 11 43 07 曹植は荊州北部の道を慎重に歩いていた。 「……なんだろう。誰かいる気がする」 後追う南蛮夫婦 の二人はいまだに彼をつけていたのだ。 だがさすがに曹植も異変を感じてはいるようである。武の修行を積んでいなくとも父の偉大な血の力なのか。 はたまた孟獲と祝融の二人の尾行があまりに下手なのか。 「祝融、いい加減襲っちまおうぜ。大丈夫だぞ、きっと」 「あいつの武器が厄介なもんだったらどうしてくれんのさ。アンタ盾になってくれる?」 「いや、それは……。だが見ろ、あんなヒョロヒョロの男に負けるわけないだろ」 「だから、アンタは銃ってのの恐ろしさを知らないんだから黙ってて。そんなんだから諸葛亮に負けんのさ」 「ぐう……」 彼らは、武器を探していた。 孟獲の支給道具は『サー...
  • 7-132
    347 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/24(月) 21 59 13 爆風と爆音に追われながら、爆走を続ける夏侯楙 その姿は、ただただ必死さだけに溢れていた。 酒をあれだけ飲んだというのに、常人ならば立ち上がるのがやっとという量であったのに、 夏侯楙は勢いを緩めることなく、酔いを見せることなく疾駆を続ける。 見なれた通りが炎に包まれ、自らと偉大なる父の幻影が燃えて行くのを傍目で見ながら。 昔にも、どこかで父と語らった気がする。 啖呵を切り、命を落とした、そんな気がする。 火の粉が容赦なく降り注いでくるが、それを避けながら、それでも速度を落とさず走り続けた。 火勢は強くなってきたようだ、さて、どうしたものかな。 黒い大きな影が夏侯楙の前に現れた・・・ ああ、南門だ。 そうか、この辺りももう既に・・・ 俺以外はいない...
  • 7-194 骨肉
    177 名前:骨肉 1/18 投稿日:2006/08/16(水) 21 27 50 「西で、誰かが戦っている」 黙々と雨の中夜の道を歩いていた最中、曹彰は呟いた。 「銃の音だ。洛陽の宮中で聞いた、あの銃と同じような轟音と、それとは違う音も聞こえる。撃ち合ってるんじゃない。誰かと誰かが、同じ相手を撃っているんだ」 一方、袁紹は銃声なんてまったく聞こえていなかったので、曹彰を訝しんだ。 「妖槍に操られたあとだから、幻聴が聞こえんのも無理はないだろうが……」 曹彰は露骨に不愉快な表情を浮かべたため、曹仁が慌てて補足した。 「孟徳と孟徳の子供たちは、みんな耳が良いんだよ」 「ふぅむ、初耳だな」 なお袁紹は信じなかったが、気が付けば曹彰はどこかへと勝手に進んでいた。 「おい、曹彰! どこへ行く!」 曹彰は袁紹の呼びかけに制止し、振り向く。その顔は決意に満ち...
  • 7-122
    306 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/22(土) 20 42 40 「ひゃっはぁ、どうやら特別な武器があるみたいだねぇ」 張角は気をこのミニ中国大陸に広げ、特異な存在の放つ気配を感じ取っていた。 しかし自分に与えられた、この世の物とは到底思えない念を発する手帳は他のどれよりも異様だ。 どの言葉でも例えようのない、人知の及ばぬ世界の存在であるという気配。 DEATH NOTEと表紙に記されている。この手帳の名前であろうか。 自らが持つものの他に、遠くに良く似た気配を感じる。 おそらくこの手帳はもうひとつ有り、別の誰かに支給されているのだろう。 ページを繰り、張角は笑った。 今此処に、DEATH NOTEを持つ者の戦いが再び始まる…… @張角【DEATH NOTE】 ※ゲームに乗っていなさそうな人間、弱い武器を持っている...
  • 7-179 嘘
    107 名前:嘘1/3 投稿日:2006/08/06(日) 22 02 02 夜が明けた。 郭嘉の熱は随分と落ち着いたが、まだ起き上がれる状態ではなった。 当たり前だ、熱が下がっても傷がふさがるわけがない。 それでも、静かに寝息を立てる郭嘉を見て陳羣は胸を撫で下ろした。 「…おや?」 たん、たたん、たんと小屋の屋根が音を立てる。雨だ。 本降りになる前に、なにか食べ物を探して来た方がいいだろうか。 桃園があるくらいだ、他に何かが実っていてもおかしくはない。 陳羣は腰を上げた。と、同時に 「あちっ!!!」 という悲鳴が外から聞こえてきた。 「だ、誰だ!!」 閃光弾を掴み、慌てて外に出る。そこには… 「…お、お久しぶりです陳羣殿」 ぱちぱちと火花を立てる、奇怪な着物を脱いでいる賈クがいた。 「いや、便利な着物だったのだが…これ...
  • 7-111
    275 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/20(木) 19 24 36 力任せの大声と、それによって生まれた絶妙なる不協和音が辺りを異空間にした。 さらには人を不快にする酒の匂いが、その音に乗って飛んでいた。 「これは素敵なちょいといかすー! 歌って笑って御陽気にー!  しゃんしゃん手拍子足拍子ー! しっかりやりましょ時間までー!  貴方が私にくれたもの!麒麟が食べ残したピラフ! キャラメル拾たら箱だけ~!! おかしな言葉を喋る、酒井のりピー!!   誰だ誰だ誰だ! ストーブコンロに火をつける!赤い炎のチャッカマーン!!  サラダー、自由よー! 食べ放題よー! レタスータマネギー!トーマトー!!  っときたもんだぁ!」 (ここまで反応がないとなると、本当に誰もいない、と考えた方が良いか。  さぁ、懐かしの許昌、何...
  • 7-174
    92 名前:1/2 投稿日:2006/08/04(金) 00 36 44 「い・い・か・げ・ん・離れんかぁー!」 背に付いた諸葛瑾と歩くこと数十分、我慢の限界を迎えた呂布が、諸葛瑾に吼える。 「やだい!やだい!おじちゃんの後ろにくっついているんだい!」 「いい年したおっさんに、おじちゃんとか言われたかねぇ!」 首を激しく横に振りながら、頑として呂ふに引っ付く諸葛瑾に、青筋をぴくぴくさせていた呂布の怒りは、頂点に達した。 「なら力づくで引き剥がして、貴様の骸を野にさらしてやる!」 そう怒鳴り、諸葛瑾に腕を伸ばしたその時、死亡者の放送が始まった。次々と呼ばれる死亡者の名前。その中には、自分がよく知っている名前も呼ばれていた。 「陳宮…貂蝉…」 最後まで、自分に付いてきてくれた信頼できる頭脳。 一目ぼれし、董卓を斬る理由を作った、心の底から愛した女。 ...
  • 7-172
    82 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/08/03(木) 00 46 18 「その武器いいな。俺にくれよ。」 文官風の男から鞄と手榴弾を捥ぎ取り、御礼に矢を渡す。 山賊とはいえ、人から物を貰ったら、御礼ぐらいするのだ。 断末魔の叫びが聞こえるが気にしない。 間違えて、肩に矢を深く突き刺したような気もするが気にしない。 「殺せ・・・殺してくれ・・・」と不気味な声が聞こえるが気にしない。 なぜなら、用があるのは、袁紹の軍師ではなく、袁紹本人だからだ。 「さて、まずは・・・南皮にでも行ってみるか。」 @張燕【諸葛弩(猛毒付き)、手榴弾×3】 ※まずは南皮へ向かいます。矢の節約を心がけています。 @沮授[鬱病・左肩重傷・猛毒に侵されています]【なし】 ※最低でも3日後には死にます。常山付近にて放置プレイ。
  • 7-164
    48 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/31(月) 12 48 21 10万の精鋭を擁しながら、曹操に降った・・・ 昔は、青と黒の軍勢だけで天下を統一できるとも言われていたが、 今となっては、懐かしいだけの話だ。 「張角と一緒に、また夢を見るか?それとも曹操と盟を結び、北の雑魚を俺が殲滅するか?」 先の事を考えながらも、その手は休む事無く動いている。 黒山賊の──いや、俺のか。──本拠地は、全く変わっていない。 敵の侵攻を阻む要害、自給自足の為の牧地(自給自足は結局、できなかったな・・・)、 そして、毒を作る基となる植物を栽培する地。 全てが残っている。不自然なほどに・・・ 「完成したか。十本のうち、一本でも当たれば、3日苦しんだ後に死ぬだろうな。」 このまま、篭城を決め込めば絶対に負けない。 だが、禁止区域になり易い地で...
  • 7-106 運の王様
    254 名前:運の王様 1/5 投稿日:2006/07/19(水) 03 15 39 夜が明けて、二度目の放送を聞いてなお、袁尚と劉禅は林から脱出できずにいた。 というのも、視界が少しでも開けている場所に移動するとそこにはすでに劉諶が待ち構えており、 これはまずいと反対側に回れば、やはりそこにも劉諶が回り込んでいるのである。 「まったくどうなっているんだ。何故奴にこうも我々の位置が知れてしまうんだ!!」 「はあ。でも正確に分かっているわけではないですよ。  もし正確に位置を知る術があるなら、我々はとっくにあの諸葛弩でハリネズミですから」 「なら!! 一体なんだってこうも回り込まれるんだ!!!」 随分イライラが溜まっているのか、袁尚は身を潜めるものにしては少々大きすぎる声で怒鳴る。 劉禅はとにかく落ち着かせようとバナナを一本勧めた。 袁尚は...
  • 7-110
    270 名前:1/4 投稿日:2006/07/20(木) 18 11 08 ようやく正平に会えた。思えば長い道のりだった気がした。 だが―。 どうやらここでゲームオーバーらしい。 死の銃口がこちらを向いている。最後の最期で友に会えたのは僥倖だったか。 そう思い、眼を閉じようとした瞬間だった。 ―強い衝撃と共に押し倒され、気が付けば無様に地面に延びていた。 「諦めるのは、八方手を尽くし終えたときだけにしろ。勝手に戦を終わらせるな」 私に体当たりした男はそれだけ言い放った。 「なぜだ…?あんたとは面識がないはず…?」 私は自然に口走っていた。 「さぁな。ここでは理由無く人が死ぬ。 だったら人を助けるのにも理由など要らないんじゃないか?」 一呼吸おいて、 「それに、無傷ってわけじゃない。こめかみから血が出てる」 ...
  • 7-143
    383 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/27(木) 11 48 17 近くで摘んだ、辛味のある薬草を齧る。それでようやく、落ち着けた。 張燕は握り締めていたトランシーバーから力を抜くと、近くにあった川へ投げ込んだ。 「胡車児は死んだか。ならば本来の趣旨に戻るのみよ」 黒山賊の首領だった張燕。戦闘になら自信はある。真っ向勝負はともかくゲリラ戦は大の得意だ。 そこで、ひとまずは本拠地であった常山に向かっていたのだが……。 「むっ?」 人気のない森の中に、何か武器のようなものが落ちている。 慎重に進み、回収する。弩のようなものだ。 「連弩の類型か」 だが形が違う。小型に改良されており、その上一度に十本の矢を放てるようだ。 「俺には一度にそれだけの矢は必要ないが……だが、射程は短いようだ」 扱いやすいように矢も詰めているた...
  • 7-102
    245 名前:無名武将@お腹せっぷく[sage] 投稿日:2006/07/18(火) 23 13 20 「ふふふ、ふはははは!優勝は私のものと決まった!」 徐州にて叫ぶ怪しげな男の名前は虞翻。 二董が探す今大会唯一の医者だ。 「サンダーボルト。敵を全員殺すのか・・・って俺も危なくないか?」 彼が持つ五枚のカードのうち、1枚目はサンダーボルト。 敵を全員殺してくれるらしいが、絵からするに、確実に自分も死ぬ。 「死者蘇生?これって役に立たなくねぇか?」 二枚目は死者蘇生。死んだ者を生き返らせるらしい。 が、絶対に使わない。誰かを生き返らせるなど自殺行為だ。 「・・・あとの三枚も中々のカードだな。」 所々に書いてある、墓地やらモンスターという文字が気になるが、 効果が凄すぎるから気にはしなかった。 彼は、このカードを使えば、説明通りの効果を得られると思っているが、 言...
  • 7-121
    304 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/22(土) 13 24 40 韓遂は戦いの場から距離を保ち、少しずつ離れて逃げようとしていた。 「何がなんだかわからんが、このままでは危険だ。ここは逃げて故郷に行こう」 踵を返し、走り去ろうとした韓遂の前に、顔色の悪い男が立ちふさがった。 「逃げる場所なんてねぇんだよボケ。とっととくたばれ、おっさん」 小銃弾が叩き込まれ、韓遂は踊るようにして死んだ。 「ちっ、ろくなもん持ってねえな。このカスが」 韓遂を射殺したのは于禁だった。死体を蹴飛ばすと、残っていた食料だけを確保する。 「さて、あいつらはどうするかな」 前方では三対一の戦いが行われている。 攻撃しているのが一人の男だが、三人相手に善戦しているようだ。 全員を横薙ぎにしてしまうのもありだが、確率の考えると決して望ましい策ではな...
  • 7-105
    253 名前:無名武将@お腹せっぷく 投稿日:2006/07/19(水) 00 21 19 楊儀は永い眠りから醒め、まだ重い身体を引きずって荊州北西部の魏興まで歩いてきていた。 「いたた、足が痛い、駄目だ」 近くにあった小集落で足を止め、座り込む。 そして、何ともなしにまたMDウォークマンを起動させてみた。 「昨日はいい曲が入っていたからな、また聞いてみようかな」 すると、何とも勇壮な曲が流れてくるのだった。 『君はついに 立ち上がった 血に染まった赤いマントに わずかに聞いた君の両目に光る 涙が 何かを語った 獣のように 挑戦者は 襲いかかる 若い力で やがて君は  静かに倒れて落ちた 疲れて眠れるように わずかばかりの意識の中で 君は何を考えたのか 立たないで もうそれで充分だ おお神よ 彼を救いたまえ ロ...
  • 7-129 于禁
    331 名前:于禁 1/4 投稿日:2006/07/24(月) 01 36 20 剣戟の音が止んだ。 と、同時に于禁の脚は、地に伏せる韓遂の亡骸を越えて、 前方で戦っていた四人とは全くの逆方向へ駆け出していた。 ――状況が変わってたのかもな。 と理解できたのは、誰も居ない場所まで逃れてからのことだった。 戦場では、このような事が度々あった。頭で理解するより先に、躯が動く。 …自分の生存本能とやらには本当に呆れる。 この執着が後の嘲りに繋がったというのに…。 332 名前:于禁 2/4 投稿日:2006/07/24(月) 01 37 06 于禁は忠臣だった。 将の層の厚い魏国の中でも、その冷静さと統率力を買われて、誇り高き五大将 に任命されたほどの、名将中の名将だった。 ―――それなのに。 (雨だ。あの雨がすべて悪い。すべて。)...
  • 7-134 血統
    353 名前:血統1/2 投稿日:2006/07/25(火) 23 42 06 馬超は武器を抱えたまま、ふらふらと歩き続けた。 意識はしていなかったが、染みついた習性が人の気配を避ける。 そのまま運良く誰にも会わずに、夜を迎えた。 山道を進んでいる途中に大木の洞を見つけ、そこに腰を落ち着ける。 …とたんに襲ってくる疲労。 瓦礫を退けた後、ここまで武器を抱えて歩いてきたのだ。 思えばそれなりの重労働であった。精神的なものもあったかもしれない。 ほどなくして、放送が聞こえてくる。 呼ばれた中に知った名もあったが、どうでも良かった。 なぜ自分がここにいるのか。何をすればいいのか。 考えがうまくまとまらない。一度死んだ脳だ、めぐりが悪いのも道理だろう。 そうだ、確かに自分は死んだ。親しい者たちに看取られて…。 心残りはあったが、自分には上等な死に...
  • 7-195 遭遇
    195 名前:遭遇 1/3 投稿日:2006/08/17(木) 19 30 41 開始当初から、幽州を目指していた関羽だったが、彼はまだ并州にいた。 人が避けそうな、深い山岳地帯を選んで進んだのが間違いだった。 二日目の昼のこと、并州北部の険しい山の中を歩いていたら、突如として、歩いていた崖沿いの道が崩れ落ちた。 関羽は抵抗する暇もなく、崖下へ転がり落ちていった。 途中、崖の急斜面に細々と生えていた木の幹にしがみつき、九死に一生を得たが、 上を見上げても歩いていた道はすでに高く、下を見下げても深い崖底の一面に荒い巨石が転がっている。 周りを見回してもこの木のようなとっかかりになるものは特になく、そのまま時を過ごさなければならなかった。 寒い夜を堪え忍ぶと、明るい日が斜面に降り注いできた。しかしすぐに雨雲がやってきて、陽を覆い被し雨を降らせてきた。 激しい...
  • 7-191 忠臣
    169 名前:忠臣 1/2 投稿日:2006/08/12(土) 02 37 44 春には、見渡す限りの美しい桃を咲かせる、豫州は[言焦]県。 此処には、三国志の最たる英雄といえる曹孟徳の、生家があった。 朱や銀で彩られた雅やかな佇まい。麗しい女人の肌を思い出させるような、白い庭園。 今でこそ、がらんどうの内部にただ一人が腰を下ろすのみだが、 その優美な面影はまるで失われては居なかった。 「―――いらっしゃいませんでした、ね・・・」 優麗な面持ちに、夕日が落ちた。気づけばもう、三日目も空が赤い。 荀イクは、緩やかに寝台から立ち上がると、左手の窓を閉めた。 そう。もう、三日目も半ばを過ぎたのだ。 私は漢室最後の忠臣、荀文若。 皇帝陛下の御望みを叶え、その無聊を慰めるために、戦う者。 なのに。 なのに、未だ三人しか殺せていないのだ。...
  • 各話リスト(1)
    タイトルが付いているものはそのタイトル、付いていないものは概要を併記します。 7-000 第7回三ロワについて 1スレ目 7-001 オープニング 7-002 于禁登場 7-003 阿会喃登場 7-004 魏延登場、王平死亡 7-005 禰衡登場、孔融生存確認 7-006 董衡&董超登場 7-007 沮授登場、朱霊・淳于瓊・曹仁・曹洪・曹操生存確認 7-008 呂布登場、関羽生存確認、呂範死亡 7-009 曹丕・曹幹登場 7-010 孫権登場(右目負傷)、淳于瓊・周泰死亡 7-011 夏侯覇登場 7-012 司馬懿登場、刑道栄死亡 7-013 劉封・蔡文姫登場 7-014 裴元紹登場 7-015 司馬孚・甘寧登場 7-016 曹丕、曹幹を抱えて逃走中 7-017 郭嘉・陳羣登場 7-018 姜維登場、諸葛亮生存確認 7-019 張繍登場、...
  • 7-130 甘寧帰郷
    336 名前:甘寧帰郷 1/5 投稿日:2006/07/24(月) 14 51 57 「おお懐かしき蜀の地よ」 甘寧は荊州から永安に入り、永安から成都へと向かっていた。 狙いはもちろん蜀の猛将。蜀といえば、なんといっても天下に名高い五虎大将。 張飛は天下無双と呼ばれた呂布に次ぐというし、関羽も張飛と実力はほぼ僅差だという。 馬超は呂布にも劣らぬと言われ、黄忠は漢中にて魏の猛将夏侯淵を討ち取り、趙雲の単騎駆けは呉の内でも語り継がれていた。 「くくく……虎に今から会えるかと思えば、全身がざわついてくるぜ」 実際には五虎の誰一人として蜀の地にはいないのだが、もちろん甘寧はそんな事は知らない。 劉璋は成都城の城壁の上にいた。 かつての自分の本拠地であり、劉備に降伏した後は劉備の本拠地となったこの地。 城壁から内を見れば、劉璋の時代にはなかった、劉備一族...
  • 7-112 いつか見た夢
    276 名前:いつか見た夢 投稿日:2006/07/20(木) 22 00 56 『伯寧』 徐晃がいた。笑っていた。少し悲しそうに。 何か不愉快な事がたくさんあったような気がしたのだけれど、 きっと悪い夢だったのだろう。 遅い。遅すぎる公明。 君はいつだって要領が悪すぎる。 だから楊奉なんかのところにわざわざ君を迎えに行く羽目になったんだぞ。 『すまなかった』 いいんだ。もういいんだ。 ただ何だか眠くて、酷く疲れてしまった。 徐晃が手を差し伸べる。 満寵が見上げると、徐晃はいつの間にか少年の頃の姿になっていた。 その手を取った満寵もまた。 『行こうか』 二人とも笑っていた。胸は高揚感で一杯だった。 光る階を、二人は競うように昇ってゆく。 すごい。 二人なら何でも出来ると思っていたし、どこまでだって行け...
  • 7-141 焔の夢
    379 名前:焔の夢 1/3 投稿日:2006/07/27(木) 00 29 27 エン州は東郡。 だんだんと日が差してきた薄暗い森の中を、 ガサリ、ガサリと音が立つのにも構わずに、その男は歩いていた。 (曹操) 血走った瞳に異常な光が宿る。 (賈、ク。何処に居るのだ) ガサリ。ガサリ。 男―――張繍は手に持った山刀で周囲の枝を払いながら進む。 切っ先が滑る度に、梢が音を立てて切り落とされた。 (賈ク。何故迎えに来ぬのだ。董卓の下で培った私の武と、  冷厳なるお前の智謀が合わされば、曹操など一ひねりだろう?) 今や、張繍は完全に狂っていた。 体は、曹操を屠る為のみに動き。 心は、この山刀が曹操の首を飛ばすことだけを願って、 彼はただひたすら、前へと進んでいた。 (賈ク、曹操は許昌だぞ。奴の行くところなど其処くらいしかあるまい。...
  • 7-196 空の雫
    198 名前:空の雫 1/6 投稿日:2006/08/18(金) 03 20 22 許都。 簡易に埋葬した典韋の墓の前で、追悼を表する荀攸。 その後ろから、何の感慨もなくその姿を眺める張コウ。 もうそろそろ、日が沈む頃だろうか。 (いつまで、ここにいるつもりなのか・・・) 心の中で荀攸に毒づきながらため息をつき、張コウは空を見上げた。 天に快晴の予感を感じさせる陽光の面影はすでになく、逆に豪雨をこの身に突き刺してくる。 雨は体力を奪い、時に病をもたらす。 手当てすることすら不完全なこの地で、雨中に長くいるのは決していい判断とはいえない。 特に、重傷を負っている荀攸なら当然の事だ。 (そんな事がわからない旬軍師ではないはずだが・・・。  それとも、悪来典韋とはそれほどまでに人間的な魅力的のある男だったのか?) 自分が曹操に下った時、すでに典...
  • @wiki全体から「7-156」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。