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闇に濡れたCatastrophe」を以下のとおり復元します。
直枝理樹は立っていた。
焦点が定まっていない目で。
見つめるのは、虚空――――。

「……鈴」

棗鈴―――――彼が守れきれなかった、大好きだった人。
しかし、彼女は壊れてしまった。
自分も、壊れてしまった。
弱い自分では、彼女は守れなかった。

「…………」

これからは強く生きようと―――その先の彼が考えようとも。
彼は、今弱いのである。
弱いままなのである。
そんな彼がどう足掻こうとも、主催に対抗できる術はない。
優勝しても、得られるものは虚しい『孤独』のみ。
鈴がいるのに自分が優勝するなんて、ありえない。

では、鈴を優勝させてはどうだろうか。
―――それも却下だ。
彼女が帰ったって、さらに壊れるだけだ。
僕はそんなこと、認めたくないし、させたくない。
じゃあ、どうすればいいんだろうか。


 ________ 
 |皆を探す   |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ________
 |自殺する   |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ________
 |主催に対抗する|
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「……僕は」

そこまで言ったところで、直枝理樹は止まった。
考えているのかは分からない。
だが、彼の口から赤い『何か』が流れていた。
腹には穴があいて、そこからも赤い『何か』が流れていた。


■        ■


持田哲志は普通の少年である。
普通に怖がりで
普通に明るくて
普通に素直で
普通に芯が強くて
普通に意識する人がいて




普通に、妹思いなのである




彼は、眼前で妹を殺された。
その事実は、普通の高校生の彼には耐えきれない事実であった。
彼は今、泣いていた。

「由香っ……ごめん………助けれ、なくて」

死者は生き返らない。
そんな事、重々承知だ。
優勝しても、人は生き返らない。
由香は―――――帰ってこない。

「……絶対に、許すものか」

彼は、支給品を探る。
手に当たった物体…それは紛れもない、銃だ。
こういう場にとっては当たりである。

「……皆には悪いけど、僕は―――由香を殺したあいつらが許せない」

彼は銃を持って、立ち上がった。
体から出る、黒い『ソレ』には気づかずに。


■        ■


持田哲志が直枝理樹を見つかるのに時間はかからなかった。
ただ空を見ている少年…それが哲志の抱いた印象だった。
殺すべきなのか、見逃すべきなのか。
良心が、一瞬だけ働いた。
だが―――――それはあくまで一瞬である。
『黒化』した彼には、思考力はあってもその通りに動くわけではない。
持っていた銃、デザートイーグル50AEを直枝理樹に向ける。
そして、引き金を――――――引く。









優しかった少年は、闇へと堕ち












強くなろうとした少年の命は、無へと還った




【直枝理樹@リトルバスターズ!  死亡】




【H-3 街/未明】

【持田哲志@コープスパーティ】
【装備:デザートイーグル50AE(6/7)@現実】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:『黒化』、精神的疲労(極大)、反動による手の痺れ】
【思考・行動】
1:由香の敵をとる
2:みんなには…会いたくない
【備考】
※文化祭後クラスでの会談中からの参戦です
※『黒化』により目的のために無差別に行動するようになっていますが、思考はある程度残っています


※直枝理樹の死体及び直枝理樹の支給品(基本支給品、ランダム支給品×3)がH-3に落ちています


【デザートイーグル50AE@現実】
米国のマグナムリサーチ社が1987年に開発に着手したが、上手く行かなかった為にイスラエルのIMI社が作動構造を考案し、再設計されて完成した物。
拳銃の歴史上で類を見ない大口径拳銃で、護身用や軍用などの目的で開発された銃ではなく、熊やイノシシなどを狩猟する為の猟銃として販売されている。
だが、その迫力のある外観からハリウッド映画やテレビゲームなどに数多く対人用の拳銃として登場している。
生産は数年前にIMI社からマグナムリサーチ社に移った。威力が非常に高く、反動が大きい事でも有名。



|[[Melodia〜僕に捧げるIの歌〜]]|時系列|[[嘘の境界]]|
|[[幻物語]]|投下順|[[男はつよいよ]]|
|START|直江理樹|DEAD END|
|START|持田哲志|[[]]|

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