雑記亭@健忘録内検索 / 「猫の日神ふみ・前」で検索した結果

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  • 猫の日神ふみ・前
      「ふみ子さん」 名を呼ばれ振り返ると、頭に何かを被せられたのがわかった。 頭上に手を伸ばして触ってみると、カチューシャのような枠の外に、何やら毛皮のようなふわふわとした感覚が両方の指に伝わる。 2つ並んで立っている薄めの毛皮に似たそれは、先端にいくほど尖っているようで、それはまるで…… 「!!」 「させませんよ」 自分の頭上にあるだろうものの正体に気付き慌てて外そうとした瞬間、神戸さんは私の両方の手首を素早く掴んだ。 こちらが抵抗できないぎりぎりの強さで腕を胸元にまで引き下ろされてしまい、頬が熱く熱くなっていくのがわかる。 「何ですか何なんですか止めてくださいいい年した大人にこんなことして何が楽しいんですか何が嬉しいんですか恥ずかしいんです止めてください外してくださいぃいいっ!!!」 早口でまくし立てる私を、神戸さんはそれはそれは満足そうな笑みをうかべて眺めていた。 せめてもの抵抗とし...
  • 神ふみ2355 1
    金曜日の夜。今晩は、麻木が神戸のマンションに泊まりに来ている。 二人で夕食を食べて、後片付けをして、ソファーに並んでくつろいでいる、何でもない夜。 「キスしたい」 ソファーにもたれたまま神戸が呟くと、隣の女がびっくりしたように笑った。 「どうしたんですか、突然」 その言葉には答えず、神戸はわざと視線を前に向けたまま、 「キスしたい」 と もう一度はっきり呟いた。 「……どなたと、ですか」 今度は少し照れた声音が、自分に問うてきたことに神戸の頬が緩んだ。 「わからない?」 笑みを浮かべて、視線を隣に流すと、隣に座っている女のまろい頬が自分の予想通りの色に染まっているのが目に入り、笑みを深くする。 「わかりません」 視線を床に落とし、沸き上がる羞恥に耳元まで染め上げながらも、ゆっくり体重を自分の肩にかけてきた彼女がいじらしくなる。 この関係が始まった頃に比べ、最近の麻木は徐々にこちらに歩み寄っ...
  • K視庁まとめ/今まで書いたもの
    彼と彼女の「好き」 だいたい診断メーカーのせい その1。たまにはこんな彼もアリかな、と 神ふみ2355(夜ふかしホリデイ) だいたい診断メーカーのせい その2。えぬえいちけーの某番組パロディ。 神ふみ2355(なでなで) 第二弾。だいたい診断メーカーのせい その3。同上 温泉小ネタ 温泉は浪漫! 神ふみ猫の日 「可愛いですよ、ふみ子さん」 続・神ふみ猫の日 「神戸さんが猫だったら」 / 引用した作品は青空文庫を参考にしました。 にゃんこな神ふみ 友人からの賜り物。こんな「萌え系」台詞を何処で耳にしたのか気になる。 タクシーの車窓から 友人からのネタ。まだ付きあう前、互いに意識し始めた直後くらい。 バレンタインデー神ふみ バレンタインデーの賜り物。 ホワイトデー神ふみ ホワイトデーの賜り物。2355風味。 くまと貴女と(小ネタ) 大きいぬいぐるみと大人の女性って萌える。 恋文の日 原作ドラマ...
  • 猫の日神ふみ(by友人)
    ふと何か思い付いたのか、彼女が思案に浸りはじめた。しばらく眺めていると、その表情がいったり来たりしている。 深く考え込んでいる彼女は外界の刺激に非常に疎い。 ついこの間敢行して、散々に怒られ恥ずかしがられた頭をこうやって撫でる事もなんら障害がない。 彼女の柔らかな後頭部を堪能していると、不意に彼女が顔を上げてきた。目が、合う。 「…どうしたんです?」 普段、彼女はしっかりと穏やかながらこちらの目を射抜くように見てくる。 しかし、今はそれが僅かに揺らいでいるように見える。 「…………ぁ」 「?」 「ご、ご主人様……御用はおありですか、……にゃあ?…っ」 何故か、舌っ足らずな口調で小首を傾げてきた。 そして間髪入れずに顔を真っ赤にし、うつ向いてしまった。 後々彼女がしどろもどろで弁明したところを纏めると、猫語で男性が喜ぶのだという話を何処かで小耳に挟み、それを確かめたかったんだそうだ。 俺の反...
  • 神ふみ猫の日・後
      外したカチューシャをソファーに腰掛けてしげしげと観察していたふみ子さんが、良く出来てますねぇと感心したように言葉を漏らした。 数十分前にあんなに恥ずかしがっていた姿はどこへやら。 それはそれ、これはこれといわんばかりに未知のものに対する興味で動いている今の彼女の態度こそが、作家という特殊な職業で成功している理由なのかもしれない。 「耳はきれいに猫の耳の形をしてますし、内側と外側で布が違います。カチューシャの長さも変えられますよ」 かちかちかち、と長さを調節しながらいかにも興味深いといった様子で真面目に呟いている彼女が手に握っているものは、 紛れも無くジョークグッツで、そんな光景がなんだか少し可笑しくて、つい笑ってしまった。 「えい」 俺が喉の奥で笑っていると、かぽりと頭にカチューシャがかぶせられた。見遣ると、得意げな顔でふみ子さんがこっちを見ている。 「隙あり、ですっ」 ぎゅっと両手首...
  • 神ふみ2355 2
      木曜日の、夜。 「……」 なでなで。 「か、神戸さん?」 「…………」 なでなでなで。 「ど、どうしたんですか」 「………………」 なでなでなでなで。 手洗いから戻ると、ソファーに一人座っていた神戸さんに手招きされた。 何か用でもあるのかと近寄ったら、あれよあれよという間に手を引かれ膝の上に乗せられ、それからただひたすら頭を撫でられ続けている。 かれこれ5分ほど、ずっと……何が起こったのか、全く解らない。 その間、ただひたすら無言で神戸さんは私の頭を撫でている。 こちらの問いに答えるどころか反応すらしてくれないし、私は背中から抱かれるような形で膝に乗せられているから、彼の表情を伺うことすら出来ず、 何ら自分が置かれている立場の情報は増えないままだ。 ただ部屋の中に自分の問いかけの声と神戸さんの掌が私の髪をさらさら鳴らす音だけが在る状況に、ただただ頭の混乱は加速するばかり。 膝の上に乗せ...
  • 七夕神ふみ(夜)
    一般的に、深い仲の男女が週末に二人きりで会うとなれば、まあ、想像に難くないコトが致されると考えていいだろう。 それは俺とふみ子さんの間柄においても例外ではない。 お互い時間が規則的とはいえない仕事に就いているにも関わらず、週末に会うとなると、たいていは最終的にホテルか駐車場の設備がある俺の家で夜を過ごす流れになった。 不思議なことだけど、明日が世間で休日とされている日なのだという認識がそうさせるのかもしれない。 そして、今もそんな週末の夜を俺の部屋で過ごしている最中で、御多分にもれず二人とも裸だった。 ふみ子さんは少し皺が寄ったシーツの上で俯せになり、荒い呼吸を繰り返して身体を静めている最中で、俺はといえば一足先に火照りがある程度引いた身体を動かし、用を成したコンドームを手早く片付けていた。 ふと喉の渇きを覚えて、傍らに横たわる彼女の黒い髪をさらさらと指で流しながら問いかける。 「ふみ子さ...
  • K警視庁まとめ/神ふみあらすじまとめ
      神ふみエピソードまとめ 1,初対面回某大学で奇妙な事件が発生し、特命係派遣。 ここで週1の担当講義を持ってたふみ子さん初登場。 右京さんと互角に文学談義するふみ子さんに感心する神戸くん。 ふみ子さんの発言が事件の手がかりになればよいね……2,認識回喫茶店で集米社の編集者死亡事件発生。 (担当殺害 犯人は愛人(男) ウェイター。ホット紅茶に、氷に仕込んだ毒をちゃぽん) 同席していたふみ子さんは事件の重要参考人に。 作家であることをどうしても話すことが出来ず、本業を黙っているためふみ子さん疑われる。 本職の刑事さんが隠し事臭に気付かないはずがないよね。 で、特命係が無実と真犯人を立証、その後に3人きりのときに右京さんが彼女の隠し事を静かに暴く。 殺された編集者は、麻木のデビュー作に携わった人だった。 ようやく、雁屋祐として生きるきっかけとなった恩人を悼むことができ、初めて涙を流せたふみ子さ...
  • 七夕神ふみ
    コンコン。 路上に停めた愛車の運転席で、窮屈なネクタイを緩めていると、硬くくぐもった音が車内に響いた。 音がした方へ視線を流すと、助手席側のサイドウインドウ越しにふみ子さんがこちらを覗いていた。 笑顔を返し、身体を伸ばしてドアを開けてやる。 「こんばんは、お邪魔します」 律儀に挨拶しながら助手席のドアを開いて、ふみ子さんの身体が外のぬるい空気と一緒に入ってくる。 「こんばんは、ふみ子さん。すいません、急に」 「いいえ、構いませんよ。どうか、されたんですか?」 何のことはない。仕事の終わり際、不意に何となく会いたくなって、そのままふみ子さんに連絡をとったのだ。 自由業でもある気軽さからか、彼女は突然のデートの申し出を快諾してくれた。 普段は2、3日前に会う約束をするから、少し驚かせてしまったんだろう。 本当にただの思いつきだったんだけど、さりげなく心配してくれる彼女の配慮が嬉しくて、冗談を塗...
  • バレンタインデー神ふみ
    「神戸さん神戸さん」 「はい、なんでしょう?」 「き、今日は、えと……、なんの日か知ってますか?」 「……。んー、火曜日ですね」 「……むぅ」 「……」ニコヤカァ 「神戸さん、意地悪してますよね?」 「ええ」 「もうっ! そんなんじゃあ、あげませんよ!」 「ふふ、それは悲しいですね?」 「ぅ……も、もうっ! ………神戸さん、ハッピーバレンタイン、です」 「ありがとうございます、ふみ子さん」チュッギュッ  「……/// あ、あの。私洋菓子はあんまり得意じゃなくて…」 「貴女のお菓子なら大好物ですよ」 「もう……」 「ふみ子さん」 「はい?」 「ありがとうございます。ハッピーバレンタイン」チュッ   そして → 一ヶ月後
  • ホワイトデー神ふみ
    3月14日23時55分。麻木邸玄関にて 「楽しみにしてたのですけど……」 「申し訳ないです」 「いえ、良いんです。神戸さんも御忙しい身ですし」 「すぐに解決するよう尽力しますから」 「……無理は、しないでくださいね」 「えぇ、心配はかけないようにします。……と、言ってる今この状況が心配かけてますか」 「神戸さん」 「はい?」 「ホワイトデーのプレゼント、ありがとうございました」ギュッ 「……何にも渡せていないでしょう?」 「もう……神戸さんが来てくれただけで、最高のプレゼントですよ」 「ふみ子さんは、欲がないですね」 「そんなことはないです。足ることを知ってるだけですよ」 「……それを欲がない、って言うんですよ」頭ポンポン 「ん……」 「じゃあ、……そろそろ」 「……はい」 「ふみ子さん、風邪引かないように」 「あの、……いってらっしゃいませ」 「なんです、それ(苦笑)」 「神戸さん...
  • 「選んで、私を」(神ふみ)
    詳細ヘッダー 長い年月を経て、落ち着いた色合いに変化した調度品たちの中で、厚みのあるピンク色だけが鮮やかに揺れていた。 「どうぞおあがりください」 「じゃ、お邪魔します」 玄関で俺を出迎えたふみ子さんに先導されるようにして、リビングへ足を踏み入れた俺の視界が真っ先に捉えたのは、バラだ。 卓上に置かれた白くシンプルな花瓶に活けられたその花は、質実とした部屋の中に鮮やかな色どりを加えていた。 「お茶を入れてきますね」 ふみ子さんは、そう言い残すと、キッチンへ姿を消した。 俺が、彼女にこのバラを贈ったのは、だいたい二週間前のことだ。 その日も、今日と同じように、彼女の自宅へ遊びに行く予定だった。 だけど約束より少し早く着いてしまいそうになり、時間を調整するためにたまたま立ち寄ったのが、フラワーショップだった。 そこで見つけたのがこのバラだ。 華やかな印象の強い種にしては幾分落ち着いた色の花び...
  • 恋文の日
       仕事から帰宅すると、夜の気温で冷えた郵便受けに見慣れないものが入っていた。 それは少し厚みのある封筒で、薄っぺらいダイレクトメールたちに混じっているからこそ存在が際立っていたが、薄い色の、至ってシンプルな造りだった。 訝しく思いながら手に取ってみると、表に「神戸 尊様」と封筒本体に負けないくらいあっさりとした文体の文字が記されている。 裏をひっくり返してみると、そこには送り主の名前が、「麻木 ふみ子」と、控えめな文字で書かれていた。  リビングのソファーに腰掛け、ペーパーナイフで封を切る。中に納められていた数枚の便箋は、封筒に負けず劣らずシンプルで落ち着いたデザインだ。 三つ折りにされていたものを広げて目を通すと、恐らく彼女愛用の万年筆で書かれただろう文字が、送り主の性格を反映するようにきちんと畏まっている。 「拝啓」と時候の挨拶で始まり、簡単な近況報告が続き、俺に対して日頃感じてい...
  • くまとふみ子ちゃん
    大人の女性が、でかいもっふもふのくまのぬいぐるみと一緒にいるの萌えるよね、というところからスタート。 随時追加予定。     【くまとふみ子ちゃんの出会い】 「な、なんですかこれ」 「最近あまり会えてないので、寂しがらせているだろうなあと思いまして」 「……それで、くま、ですか」 「くまですね」 「大きい、ですね……」 「お気に召しませんか」 「……かわいい、です、けど……」ぎゅ もふん 「それはよかった」ニコー 「……たまに、貴方に酷く子供扱いされている気がするんですが」 「気のせいですよ。 よくお似合いです♪」 (くまごとふみ子ちゃんぎゅっ) 「わ、も、もうっ!」     【くまの処遇】 ファーストコンタクトはこんなんけど、 神戸くんがお邪魔するたびに待遇が良くなっているくま    1回目 ソファーにちんまり  2回目 専用のクッションが追加  3回目 帽子被ってる  4回目 服着てる...
  • K視庁まとめ/ふみ子ちゃん設定
    麻木ふみ子 (あさき ふみこ)  だいたい30歳前後 プロフィール・ベストセラー覆面作家「雁屋 裕」(かりや ゆう)。  メディアへ絶対に顔出しせず、授賞の話が来ても全て断っているが、そのことががさらにメディアにウけ彼女の名を有名にしている。  作風はいわゆる大人の童話系で、小川糸さんとおーなり由子さんを足して2で割った感じ。読んで気持ちいいけど考えさせる内容が多い。  メディア曰く、「現代のアンデルセン」。 ・表向きは文系の研究職と名乗る。週1で懇意の教授がいる大学(母校)に講義をしに行っている。  本人曰く「学生みたいなもの」。文学に対する造詣が非常に深く、特に宮沢賢治や「赤い鳥」周辺が好き。   来歴・物心つく前に両親と死別、祖父母に育てられた。  貧乏ながらも慎ましい生活が骨身に刻み込まれている為、それなりの収入がある現在も祖父母と生活していた長屋に暮らして貧乏生活。  「いつ食え...
  • 突発リクエストノック
    ① 指定ジャンル「I棒」「1133」   無理していませんか。 海風にさらされる港を二人で歩いているとき、唐突に隣から生真面目な声で問われる。 していませんよと彼女と同じくらい生真面目な表情を作って、返事をする。 納得しかねるらしい彼女から、わざとらしく視線を反らして空を見上げると、ほの暗い群雲が太陽を隠した。 あの雲の向こうでは変わらず太陽が照っているはずなのに、間に水蒸気の塊が割り込んだだけで、もう地上にそれは届かない。 群というものは、あの灼熱の塊の恩恵すらも阻んでしまうのか。 陰った空を見上げながら、塩辛い風に外套をはためかせながら、隣の彼女が向けてくる痛いくらい真っ直ぐな視線に気付かないふりをしながら、ぼんやりと考える。 ……ふと、思い出す。 生きているうちに自分の身体に染み付いた術が、外聞に気を配り、うまく世間を渡る術が、あの人から学んだ想いを覆い隠したあの日のことを。 ふうと...
  • 小ネタ/メモまとめ
      狐樹より頂いた小ネタまとめ ※付き合ってもないし体の関係もないけど、お互いに意識してる二人をお楽しみください   ◇   「神戸さん」 「はい」 「どうしましょう」 「どうするって……帰らないんですか?」 「いえ」 「そろそろ遅いんですしお送りしますよ?」 「いやです」 「なんでですか」 「……」 「黙ってたら分からないですよ」 「……」 「……こたつから出たくないです」  fin in神戸くんち 多分ダイニングテーブル型のこたつ   ◇   手作りおはぎを持ってきたふみ子ちゃんを、渋い顔作って焦らせるSんべくん。 セレブはこんな物食べないのだ! と、錯覚するふみ子ちゃんと、それをみて満足気なSんべくん そしておもむろにひょいと取って食べるSんべくん 「いやぁ、おはぎ大好物なんです」   ◇   ふと作品に行き詰って、つい電話する……も、時計を見てみるとなんと時間は27時 慌て...
  • 現で夢の話
      仕事帰りに待ち合わせて、共にレストランで食事をした帰り、そのまま彼女を誘って近場にあった公園を散歩していた。 その折、ふと隣を歩いていたふみ子さんが黙りがちになったので、そちらに顔を向けてみると、その視線はどこを見ているともおぼつかず、ただ足だけを動かしているようで。 「……」 その様子は、彼女の意識が完全に内側に入り込んでしまっている証拠だった。 ここ最近、ふみ子さんはたまに一緒に居るにも関わらず、こうやってするりと内側に入り込んで考え事を始めてしまう。 またか、と少し呆れめいた感情が沸き上がりつつも、付き合い始めの頃にこの癖を見ることはなかったなとも思う。 彼女が俺に気を許しているからこそ、この癖が発露するのだろうか。 それならそれで嬉しくもあるのだが、まあ、やっぱり、両手を挙げて歓迎することは出来ない。 「どうしました、ふみ子さん」 極めて穏やかさを保った声で、彼女の注意を引く。...
  • バスハイジャック回
    改め、雁屋裕誘拐事件回。     1日目 昼過ぎ、宗教団体によるバスハイジャック事件発生。 (どこぞで入手したバス車体を運転、バス停に並んでた人たちを何食わぬ顔で乗せたのちに 「我々と同じように痛みを抱えて生きましょう。同意してくれたら一緒に貴方がたの財産を捨てにいきましょう」  ≒「お前らの家とか燃やそうぜ。同意してくれないといつまでもこのバスの中だよ」と脅迫) それに巻き込まれたふみ子さんは老人など長期間の膠着状態に堪えられそうにない乗客が多かったことから、自分の作家としての名前と身分を引き換えに他の乗客解放を要求。 (「リーダーの方とお話がしたいのですが」  「私は作家の雁屋祐です。信用出来なくば仕事先の連絡先をお教えしますから、確認してください」  「作家・雁屋裕を、貴方がたの好きにお使いになってくれて構いません。ですから、他の皆さんを解放してください」) 犯人側は彼女の価値(身代...
  • 温泉小ネタ
      温泉は浪漫だよね。 随時増えます。いつかちゃんとSS化出来たらいいな 【客室備え付けの家族風呂で混浴なう】「いいお湯ですねえ」 「で、ですね……」 「……ふみ子さん、」 「は、はいっ」 「なんでさっきから俺に背中向けてるんですか」 「え、や、だって、その、明るいから……」 「明るいから?」 「い、いろいろ、恥ずかしいんです、よぅ……」 「……ふぅん?」クスッ 「……うう」←言語化してさらに意識した 「……そうだな、一ついいこと教えてあげます」 「は」 「男と二人っきりのときに無防備に背中向けちゃ駄目ですよ」(背中へキス)「っひゥ……ッ!!」(大声上げそうになって慌てて口塞いだ) 「っくくく……」 「か、からかわないでください!」 「本気ですよ?」ニコ 「え。う、ぅ。お……、お風呂でそんなことしちゃいけませんよッ!!」   【神戸くん温泉苦手だよね】「ふう……」 「神戸さん、大丈夫ですか...
  • たまにはこんな彼も
    ※この話の、後日談かも……?     その日は珍しく、神戸の自宅でゆっくり酒を飲もう、という話になった。 そしてさらに珍しいことに、その夜は神戸が深く深く酔った。 酒に弱いため、ノンアルコールカクテルを楽しんでいた麻木は、泥のように机に突っ伏している神戸の傍らでかいがいしく世話を焼いていた。 「神戸さん、気分はどうですか?  お水、飲みますか?」 隣で意外に広い背中を摩りながら、コップに汲んできた水を差し出してみる。 うう、と声にならない返答が聞こえてきて、少し笑ってしまう。 「神戸さん、いつも格好よくいろんな事件を解決してる正義の味方なのに」 こんな顔もされるんですね、と麻木が笑うと、また神戸がなにかを口にした。 先程のうめき声とは違い、まとまった文節のような気がしたので、耳を近付けて再び話してもらうように促すと、 「せいぎのみかたなんかじゃ、ない、」 回らない呂律で喋りながら、ぐらりと...
  • 小ネタ
    ● ふみ子ちゃん、下戸発覚回   ● メモまとめ
  • K視庁まとめ
    どこかの閑職警察関係者と、覆面作家のお話 ・ふみ子ちゃん設定 ・だいたいのあらすじまとめ ・それ以外の今まで書いたものまとめ
  • 卒業回補完
    ※ten最終回ネタバレ注意         神戸宅。 ソファーに座っている麻木が、 物を取りに立って行った神戸の背中に話しかけた。 「……神戸、さん」 「なんですか」 「なにか、ありましたか?」 「なにもッ……いえ」 「…………」 「……俺、特命係から離れることになりました」 驚いた表情を見せるふみ子に、極めて冷静を装い神戸は続ける。 「有り体に言えば、異勤、ですね」 「……そうですか」 「……」 無言のまま、荒々しくソファーへ腰掛ける神戸。 隣に座っている麻木は無言のままである。 「ふーっ……」 「……」 「何があったか、聞かないんですか」 「ええ……神戸さんはお仕事のお話はいつもされませんし、そう決まったことなんでしょう」 「そうです、けど」 「……」 「……」 「どんなに理不尽でも、きっと、意味有ることになると思いますよ……あの、的外れでしたら、すみません」 遠慮がちにとつとつと言葉...
  • タクシーの車窓から
      「では、神戸君。戻りましょうか」 「はい。……タクシー!」   事件が解決し、一段落ついたので署に戻ることにする。 今日は車に乗らずに出ていたので、帰るための足を用意しなければ。 朝から降り続いた雨がようやく上がった湿った空の下で手を振り上げると、早速一台のタクシーが目の前に停まった。 相変わらず、暇な特命係に持ち込まれる事件は後味の悪いものばかりである。 後味のいい事件っていうのも、それはそれで気味が悪いんだろうけど。   「神戸くん」 「はい?」   停まったタクシーの運転手は、寡黙な男だった。 珍しく有線もかかっていない静かな車内で、杉下さんが唐突に話しかけてくる。   「いつも我々は君の車を使っていますが、たまにはタクシーなんてのも、悪くは無いものですねぇ」 「それはまあ、そうですね」 「それでは君は、タクシーのどこを悪くない、と思うのでしょうか?」   唐突に提示された疑問に...
  • 夢と現のはなし
      ゆうべ、口づけされる夢をみた。 夢の中の私は、床にしゃがんで泣いていた。 その側に、彼がひざまづき、涙で湿った私の唇にキスをする。 前後の状況こそ覚えてないものの、私の頬に掌をあて、互いの唇を触れ合わせるその動きはとても自然で、夢の中とはいえ少し感心してしまったのだ。 「どうしました、ふみ子さん」 ふいに、厚みのある穏やかな声が耳を打つ。決して大きな声量ではなかったが、日が沈んで久しく、人足も絶えて暗く静まり返った公園に、その声はよく響いた。 夜、二人で一緒にごはんを食べた帰り道。神戸さんから、少し夜風にあたりませんかと誘われて、近場の公園を並んで散歩していた。 ぽつぽつと浮かぶままにやりとりしていた会話が途切れた隙に、ふと思い出した事に集中してしまっていたようだ。 無意識に動かしていた足を反射的に止めて顔を上げると、神戸さんがこちらの表情を覗っていた。 少し遠くにある街灯の白い光に照...
  • ホテル回
      「ふう……」 酒に強い方とはいえ、かなりの量を飲んだ頭にはだいぶアルコールが回ってきた。カウンターに肘をつき、額に手を当てる。 「神戸さん、どうして連絡くれなかったんですかぁ」 隣にいるのは、今夜の独り酒の原因である。 “忘れるはず”だった人に、よりによって現場で遭遇する羽目になるとは、自分もよくよくついてない男だ、と神戸は胸の内で天を仰いだ。 話を聞いてみると大学の同窓会の帰りとかで、立派に“空気酔い”している。 店に入ってきた折に呑んでいる所を発見されて小一時間、ここ一ヶ月の不実を店内の迷惑にならないボリュームの声量で責められ続けている。アルコールを実際に摂取していないにもかかわらずそのテンションはまるで酔いが回っているようだ。器用な女性だと思う。 「ここ一ヶ月、連絡をしなかったのは貴女も同じじゃないですか」 「神戸さんのお仕事は不規則ですから、連絡がしづらいんですよぉ」 ...
  • 小ネタ/下戸発覚回
      神戸尊は、後悔していた。 まず、その日、神戸は美味しいワインが呑みたかった。 しかし、いつもアフターを一緒に過ごす大河内の都合が悪かった。変わり者の上司は先に退勤しており、呼び出すわけにはいかない。 そのまま一人で呑むという手段もあるにはあったのだが、神戸は何となくそういう気分ではなかった。誰かと一緒に呑みたい気分だった。そこで神戸は、彼女に、誘いをかけて、しまったのだ。 「行きつけの店があるんです。美味しいお酒、飲みませんか」 「私、お酒弱いから、お強い人は物足りないと思いますよ」 「構いませんよ、貴女が一緒に呑んでくれるだけで充分です」 彼女が神戸の予想をはるかに上回るほど酒に弱い、と気付いたときには手遅れだった。 辛うじて背筋は普段通りにすいとまっすぐ伸びているが、首が少し座っておらず、少しふらふらと揺れている。 彼女の特徴である垂れ目は潤み、とろんとした光を湛え、化粧っ気のない...
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