モデラート「私たちの勝ちです。」 ルムマス「仕方ないから願いを聞きます。」 モデラート「二つあります。」 パシ「二つはダメだろ。」 モデラート「まずは聞いてください。一つはルムマスは私達三人のパシリになってください。」 ルムマス「こっちに拒否権は?」 アイス「無いですよ。」 神速「二つ目は何?」 モデラート「これは私個人の願いですけど・・・私が乱射魔だということを内緒にしてほしいです。」 パシ「え・・・」 神速「別にバレても問題ないんじゃないかな。」 モデラート「嫌なんです、銃の話題になると暴走しちゃうし・・・」 ルムマス「わかったよ、内緒にしといてやる。」 モデラート「ありがとうございます。」 ルムマス「その代わりこっちも要求がある。二つだ。」 モデラート「なんですか?」 ルムマス「一つは敬語をやめてくれ、背中がムズムズする。」 アイス「そうだよ、普通に話してよ。」 モデラート「わかりました・・・じゃなくてわかった、あと一つは?」 ルムマス「俺のパシリ取り消し。」 モデラート・アイス・フランソワ「それはダメ。」 ルムマス「けちー。」 ルムマス「まぁいいかで早速何やればいい?」 モデラート「そうだな、休みの日にみんなで遊びに行きたい。だからプラン考えといて。」 ルムマス「はいよ。そういうのは得意ですから。」 ---- 次の日 ルムマス「明日はみんな暇か?」 神速「俺は平気。」 パシ「俺も。」 フランソワ「空いてますよ。」 アイス「暇だよ。」 ルムマス「モデラートは?」 モデラート「もちろんだよ。みんなで遊びに行くから。」 ルムマス「なんかいい意味で変わったな。」 モデラート「そうかな。」 アイス「そうそう。表情がよくなってる。」 フランソワ「で、どこ行くの?」 ルムマス「この季節だし花見だろ。この近場でいうと有線山だな。」 パシ「持っていくものは?」 ルムマス「そうだな、僕はシート、パシは飲み物、神速はお菓子でいいかな。」 アイス「私達は?」 ルムマス「来てくれるだけで嬉しいです。」 ---- 次の日 神速「雲ひとつ無い花見日和だな。」 パシ「家にあった缶のジュースとさっき買ったジュースを合わせると結構あるね。」 フランソワ「なんか悪いね、全部お願いしちゃって。」 ルムマス「負けたんだからこれくらいするさ。」 アイス「早速シートひいて花見しよ。」 モデラート「そうだね。」 一行は楽しく花見をしていた。 だが少し経つと異変がおこった。 アイス「この缶のオレンジジュース飲んでいい?」 パシ「どうぞどうぞ。お好きに飲んでください。」 ルムマス「じゃあ俺も飲む。」 ルムマスは勢い良くジュースを飲んだ。 ルムマス「ブッ・・・なにこのジュース・・・苦い。」 パシ「何々・・・大人のオレンジジュース。これお酒だ。」 ルムマス「俺は酒は無理だ~。」 そう言ってルムマスは倒れるように寝てしまった。 アイス「ヒック。」 神速「アイスは大丈夫か?」 アイス「ヒック。」 モデラート「なんか様子が変?」 アイス「誰の様子が変だって言うのよ。あたしはあたし、アイス様に決まってるでしょう。」 フランソワ「なんか性格変わってない?」 アイス「変わってないわよ。それよりパシ、ちょっとこっち来なさい。」 パシ「なんでしょうか?」 アイス「そこで一発芸やりなさい。さもなくば・・・殺す。」 パシ「暴君?!」 アイス「はやくやりなさいよ。」 フランソワ「アイスちゃん、ちょっと落ち着いて。」 アイス「あぁ、あたしにたてつこうって言うの?いい度胸じゃない。」 神速「まぁまぁ、喧嘩はよくないよ。せっかくの花見だし楽しもうよ。」 アイス「せっかくだ、フランソワと神速でキスしなさい。」 フランソワ「ふえぇ。」 フランソワは情けない声が漏らした。 神速「俺が・・・フランソワと・・・。」 神速に至っては思考停止している。 モデラート「アイスちゃん、ちょっと横になったら?顔色悪いよ。」 アイス「全然平気だぜ。それよりモデラートにはなにやって貰おうかな。」 パシ「結局俺は一発芸しなくていいんだよね。」 アイス「存在を忘れてた。いいよもう、お前つまんないから。」 パシは膝を抱えてシートの隅でなにか呟いている。 フランソワ「パシ、大丈夫?」 いまだに気が動転してる神速とは違いいち早く正気に戻ったフランソワは改めてアイスを見た。 アイス「そういえばフランソワ、神速とどうなの?」 フランソワ「なっ、何のこと?」 アイス「わかってるぞ、フランソワは神速のことが好きなんだろ。」 フランソワ「でも・・・神速はモデラートのことが好きだし・・・ってなに言わせるの?!」 隣を見るとモデラートも興味津々な顔で参戦していた。 フランソワ「うっ・・・そんなことよりアイスはどうなの?」 アイス「御免、あたしは女の子が大好きだから、ちなみに今はモデラートを狙ってます。」 モデラート「ええ、私?」 ---- そんなグダグダな会話が続いて夕方になった。 ルムマス「ふわぁぁぁ、よく寝た。」 ルムマスは冷静に一人思案を巡らせる。 ルムマス「そろそろかな。」 そんなルムマスが辺りを見回すとそこには膝を抱えたパシ、気が動転した神速、顔を真っ赤にしたフランソワ、一人花を見ているモデラート、そして全ての元凶でぐっすり眠ってしまってるアイスが目に入る。 ルムマス「その前に目の前のことをかたずけなきゃな。」 ルムマス「お前ら、そろそろ帰るぞ。」 [[本編(8)]]へ続く