MTG.2 FINAL16・開幕戦

MTG.2 FINAL16・開幕戦 試合結果(キックボクシング)

『ポール・ポワログールvsステファン・ギタ』
最終予選トーナメント優勝で頭角を現した無名のギタを、ポワログールが得意のローキックとレネッサを追い込んだパンチで攻めて行く。徐々にポワログールのペースとなっていき、ダウンは奪えなかったが見事に判定で勝利。今年に入って勝ち星に恵まれなかったポワログールだったが、やはりその強さは本物だ。

『シャナハンvsベンジェイ』
香港大会トーナメント優勝のベンジェイの相手は、去年のベスト4ファイター・シャナハンだ。1Rからシャナハンの止まらないパンチのラッシュに苦戦するベンジェイ、しかしパンチを貰いながらも怯まず兄と対極した打たれ強さを見せる。中々リズムに乗れずクリーンヒットが出せないベンジェイだったが、徐々に1Rから見せていたローキックがシャナハンに効き始める。決着は再延長5Rまで続き、僅差の判定でベンジェイが判定勝利!大金星を挙げ、兄ハレナに変わってリベンジを成し遂げた。しかし一部の意見では、3Rが終了した時点でシャナハンの勝ちで良かったのでは?という声が挙がっている。

『イルミッジvsハンドレ』
今年に入って2連敗のイルミッジ、去年の勢いとは変わって一気に低迷を続けており、更に追い討ちをかけるように相手がハンドレに決まった。海外ではイルミッジの開幕戦落ちが濃厚だろうと言われたが、まさかの圧倒的な1RKO勝ち。ハンドレがいつものようにローキックで下から崩そうとする前に、持ち前のパンチがハンドレに面白いように当たり3度のダウンを奪って見事な1RKO勝ち。やはりこの男の拳はあまりにも危険すぎる・・・

『シュガイラvsニカ』
お互いがローキックを得意とし、高度なテクニカルファイトが展開されると予想されたこの試合。その予想通り、お互いの良さが十分に出た試合となった。シュガイラは手数の多さでポイントを稼ぎ、ニカは的確なパンチと蹴りで確実にシュガイラの体力を奪っているという印象だ。奥脚への左ローキックが得意なシュガイラだったが、サウスポースタイルのニカに合わせ本人もサウスポースタイルに。ニカのパンチをしっかりガードし、速いローキックも紙一重でかわしたり上手くカットしていく。ニカの打ち終わりには必ず奥脚ローを返して、コンビネーションでもニカを圧倒。ニカもカウンターのパンチを狙っていくが、中々シュガイラに決定打を決める事ができない。シュガイラのローキックは一発の威力は劣るが、確実に相手にヒットさせる上手さが光り3Rにはニカが顔を歪め完全にシュガイラペースとなる。ニカがローキックを効かされているの初めて見た・・・と客席からポロリ。この3Rのジャッジが大きく響き、判定3-0でシュガイラが圧勝した。

『スロミラーvsコスティナ』
オランダ大会トーナメントでフローリン、グランレオ、ジオザラスの3強に勝利して圧倒的な強さで優勝したスロミラーと、今年の優勝候補筆頭とされるコスティナの対戦。スロミラーのオランダ大会優勝の要となった強烈なジャブや前蹴りをどう攻略するかという所で注目されたコスティナだが、100kgまで絞ってスピードとキレを重視して今回の試合に備えてきたコスティナに、スロミラーのハメ技は通用するのか。1R、スロミラーが前蹴りを出せば、その脚を掴んで軸足へローキックを叩き込む。ジャブも見切り、突発的な前蹴りもサイドステップで避ける。接近せずとも、ローキックやミドルキックがヒットし逆にスロミラーが追い込まれていく。2Rになると、スロミラーが自ら前に出始めて長い手足でコスティナを攻め立てていく。意外とスロミラーのローキックが強烈で、コスティナが転がるシーンが目立ち始める。動き始めたスロミラーのジャブや前蹴りも入るようになり、ややスロミラーが主導権を握り始める。2Rのジャッジでスロミラーがポイントをリードし、異様な雰囲気が会場を漂う。だが3R、スロミラーのパンチに狙っていたかのようにコスティナが左フックのカウンターを浴びせてダウンを奪う。これが大きく響き、判定でコスティナが見事勝利し、FINAL8へ進出。しかし2Rにポイントを先取されたのは危なかった、スロミラーからダウンを奪えず3Rもこのままのペースだったら負けていたかも知れないという部分で、コスティナらしくない試合だった。

『ハレナvsプレネロフ』
お互いが高いオフェンス力をもち、グラスジョーという特徴を持った二人の対決。案の条、この二人の対決に『判定』など必要なかった。1R、プレネロフが一気に飛び込んでくるかと思いきや、警戒し見合う。ハレナが自分の距離になると、左ジャブ~右ローキックのコンビネーションを叩き込みいずれもヒット!プレネロフはハレナのスピードに対応できない、その目にも止まらずスピードに会場が沸く。プレネロフが右フックを返すが、空を切る。プレネロフが前へ出てきた所へ、サウスポーへ変更したハレナの右ジャブがカウンターでヒット!たったこの一発で何とプレネロフがダウン!ダメージは少なく立ち上がるも、いきなりペースを乱されてしまう。このままハレナが圧倒するかと思われた時、ハレナの左ストレートとプレネロフの左フックが同時にお互いの顔面にヒット!MTG史上初めてのダブルノックダウンだ!ハレナはフラフラになりながらも立ち上がるが、プレネロフは一向に立ち上がる事ができない・・・これでレフェリーは試合をストップし、ハレナが1R1分16秒KO勝ちを収めた。しかし非常に危なかった、試合が終わってもハレナは一人で歩く事ができずセコンドと弟ベンジェイに肩を抱かれてリングを後にした。

『レネッサvsシモーヌ』
セミメインであるこの試合、レネッサの相手は現在5連勝中と絶好調のキューバのアルビアー・シモーヌだ。レネッサはウェイトを108kgに増量、パワーをつけての開幕戦となり自信と余裕で溢れているようだ。1Rからレネッサはガードを固め、ローキックを蹴ってシモーヌの動きを止めにかかる。対するシモーヌも相手がレネッサでも果敢に前へ出て左右のボディを連打、最後に得意の重いローキックを返す!すると、これでレネッサが身体ごと転倒・・・予想以上に重いローキックにレネッサの笑みが消える。試合再開後も、シモーヌはパンチとローキックで打ち分けてレネッサを追い込んでいく。しかしレネッサも負けじと右フック→左ボディブロー→右ローキックのコンビネーションを見せて会場を沸かせる。2Rもお互いの手数は止まらずシモーヌがアッパー等でレネッサのガードを崩そうと試みるが崩せない、想像以上に堅いガードにシモーヌが少しづつ焦り始める。そうこうしている内にレネッサの巧さが光り始め、逆にシモーヌの顔面にパンチをヒットさせて行く。シモーヌがローキックを返してもカットされ、逆にローキックを貰ってしまう。3R、シモーヌが口を開け始めて疲れを見せ始める。そんな中でもレネッサは悠々と攻め続け、たまらずシモーヌがクリンチ。シモーヌのパンチや蹴りはもうあまり力がなく、レネッサのローキックを貰い続けたダメージで足も止まり始める。ここで首相撲へ持ち込んで飛びヒザ蹴りを見せる、やや浅いが確実にシモーヌのダメージは蓄積している。3R終了間近、レネッサがここで初めてブラジリアンハイキックを見せる!これをシモーヌは読めず、ガードする前にテンプルへ貰ってしまう。だが倒れず、レネッサに力ないローキックを打った所で3Rが終了。判定の結果は当然、レネッサが3-0で圧勝した。

『プクロケンvsアンドレアス』
ついにメインの試合が訪れた、去年の王者プクロケンが向かえるのはスーパーヘビー級屈指のハードキッカー・アンドレアスだ。106kgから112kgに増量して破壊力を増やしたアンドレアスにどう戦うのかが注目される。1R開始直前から二人は目を離さない、会場内が一気に緊張感に包まれる。1R、アンドレアスが先手の左ローキックをプクロケンの内腿にヒットさせる!これだけで会場からはオォ~ッ!と声が上がるのが凄い。アンドレアスは続けざまに強烈な右ローキックを放ち、会場に大きな音を立てる。この一瞬、プクロケンの表情が歪む。プクロケンは何かを狙っているかのようにあまり手を打ってこない、そうこうしている間にもアンドレアスは強烈なローキックを当てていく・・・もう若干ローキックが効き始めている模様。だがその瞬間、プクロケンが思い切った右ハイキックを繰り出す!これをアンドレアスはガードするが、ガード越しに効きアンドレアスがバランスを崩す。その隙を逃さずプクロケンは一気に接近し左右のパンチの豪打を浴びせていく。右ストレートでアンドレアスのガードをこじ開けてアンドレアスの顔面にヒット!ダウン!アンドレアスがロープ際でダウン!もの凄い歓声が会場を包む!カウント7でアンドレアスは立ち上がり、試合が再開。しかし想像を絶するプクロケンの豪打にアンドレアスのセコンドも驚きを隠せない。試合再開後、アンドレアスが再び右ローキックを放つ!カットされるが、やはりこのローキックの破壊力は驚異的だ・・・MTGで初めてプクロケンが顔を歪めている。しかしその行為も空しく、プクロケンがアンドレアスを前蹴りでロープ際へ吹っ飛ばしその勢いのまま右飛びヒザ蹴りを放つ!これはヒットにはならなかったが、また先ほどのパンチの豪打を右、左、右、左と浴びせていく!ガードの甲斐なく、アンドレアスが崩れる・・・2度目のダウンだ。レフェリーが再び試合を再開、プクロケンが再び接近し左フックを放つ!その時、アンドレアスの右ストレートがカウンターでプクロケンの顔面にヒット!しかしプクロケンは構わずパンチのラッシュに持ち込む。しかしここで1Rのゴングが鳴る・・・1Rで2度ダウンを奪われたアンドレアス、ここでパンチによるカウンターで一発KOを狙うか、このままローキックで攻め続けていくかをセコンドと相談しているようだ。そして2R、落ち着きを取り戻したプクロケンに再びアンドレアスが右ローキックを当てる!プクロケンの太ももはもう真っ赤に腫れあがっている、しかしKOするにはまだ足りないようだ。アンドレアスは左の奥足ローキックを狙いたい所だが、近づけばプクロケンが何をするか分からない為、無闇に近づく事ができない。アンドレアスが左ローキックを再びプクロケンの内腿にヒットさせる、するとプクロケンは右ローキックを返す!重い、重いローキックだ。続け様にプクロケンが左ジャブ→右ミドルキックを放ち、これを顔面ばかりガードしていたアンドレアスはブロッキングに失敗、アンドレアスの顔が瞬時に歪みその場で片膝をついてダウン!歯を食いしばって再びファイティングポーズを取る。しかしもうアンドレアスの勝利は絶望的か・・・一発でプクロケンを仕留めなければ厳しい。試合再開後、またプクロケンが右ミドルキックを放ちこれはブロッキング。ここでアンドレアスが右フック→左ローキックのコンビネーションで初めて奥足へのローキックに成功。だがプクロケンがそのまま右ストレートをガラ空きになっていたアンドレアスの顔面にヒット!4度目のダウンを喫してしまう・・・深く入った為、脳震盪を起こしているのか立ち上がる事ができない。この瞬間、レフェリーが試合を止めた・・・見事前年王者のプクロケンがアンドレアスを返り討ちにし、今年もFINAL8へ進出。だが無傷では済まず、プクロケンは一人で歩く事ができないぐらい脚をやられてしまった。真っ赤に晴れ上がった脚がアンドレアスのローキックの破壊力を物語っていた。

■大会翌日、FINAL8のトーナメントの組み合わせ抽選会が行われた。組み合わせの結果と共に、リザーブファイト2試合も発表された。
リザーブファイト1ではアンドレアスvsシモーヌというハードキッカー同士の試合が実現。KO決着必至の試合となるだろう。
リザーブファイト2では、オランダ大会でハレナをハイキックでKOした実力派オリンダスがアルバニアの白鰐オウランと激突。お互いアグレッシブなので、良い試合になる事は間違いない。
トーナメント組み合わせ抽選会では、1番を引いたプクロケンが迷いなくAブロック第一試合へ。次に2番を引いたポワログールがBブロック第三試合へ。3番を引いたイルミッジはAブロック第二試合へ。4番を引いたシュガイラは、迷いなくイルミッジの横へ向かって笑顔で握手をかわす。この瞬間、イルミッジvsシュガイラのリマッチが実現。去年の決勝トーナメント初戦でイルミッジに2RTKO負けを喫したシュガイラがリベンジを図る。5番を引いたレネッサは、Bブロック第四試合へ。6番を引いたハレナは、何と前年王者プクロケンの元へ!誰もが戦いたくないと思う中、ハレナがプクロケンを選択した訳を聞くと「前年の王者が優勝するのは詰まらない。だから俺が初戦でKOしてやるさ。」と強気のコメントを残す。これに対してプクロケンは「ハレナの打たれ弱さは今日の試合でも十分伝わった、ガードしても俺の攻撃を判定まで耐え抜く事はできないだろう。」とこちらも強気のコメント。お互い笑顔だったが、二人の目は笑っていなかった。続いて7番を引いたコスティナがレネッサの待つBブロック第四試合へ。こちらでも優勝候補同士の試合となり、ハイレベルな試合展開となるのは疑いの余地がない。コスティナは「プクロケンはハレナに取られてしまったので、仕方なくレネッサを選んだ。本当はプクロケンと戦いたかったんだけどな。」とレネッサを挑発。対するレネッサは「俺を選んでしまった事を12月、後悔させるよ。」と笑顔でコメント。そして最後に残ったベンジェイがポワログールの待つBブロック第三試合へ。この二人は本トーナメントでは地味な存在ながら、地味強通しのマニア向けの試合になるだろう。一ヵ月後に行われるMTG.2決勝戦、優勝は果たして誰か?一回戦で大番狂わせは起きるのか?

MTG.2 FINAL8・決勝戦 2009年12月2日
リザーブファイト1
メイオール・アンドレアス vs アルビアー・シモーヌ
リザーブファイト2
サダウ・オウラン vs ハキーム・オリンダス

トーナメント
ジェレラル・プクロケン vs ハレナ・ソーレイマン
サリ・ハロム・イルミッジ vs ヨロガヌ・シュガイラ
ポール・ポワログール vs ベンジェイ・ソーレイマン
ドリトン・レネッサ vs ダリルスレビア・コスティナ

オープニングファイト

オープニングファイト1(3分×3R・延長1R) 
×オーブス・ハレット vs プリンス・ラブ○
3R判定0-3
オープニングファイト2(3分×3R・延長1R) 
ヴァンダレイ・ディディ vs クァク・ユンジン×
2R1:26、KO ※右フック。2R、ユンジンはパンチ連打でダウン1
オープニングファイト3(3分×3R・延長1R) 
フォレスト・フォルスター vs オスチャダー×
3R判定3-0 ※3R、オスチャダーは左ヒザ蹴りでダウン1

MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
ポール・ポワログール vs ステファン・ギタ×
3R判定3-0 
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
×アレクセイ・シャナハン vs ベンジェイ・ソーレイマン
再延長R判定1-2 
MTG.2 FINAL16・開幕戦 スーパーファイト(3分×3R・延長2R) 
×フラーネ・アシャジュラフ vs ファディール・トンプソン○
3R2:39、KO ※右フック。1Rと3R、アシャジュラフは右フックでダウン2。3R、トンプソンは右フックでダウン1あり 
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
サリ・ハロム・イルミッジ vs オンドレ・ハンドレ×
1R2:23、KO ※3ノックダウン、左フック。1R、ハンドレは右フックと左フックでダウン2 
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
ヨロガヌ・シュガイラ vs ニカ・カリス・エリフルト×
3R判定3-0 
MTG.2 FINAL16・開幕戦 スーパーファイト(3分×3R・延長2R) 
アレハンド・コルデロ vs 井上"豪拳"剛三×
2R1:10、KO ※右フック。1R、井上はパンチ連打でダウン1 
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
×グレゴリー・スロミラー vs ダリルスレビア・コスティナ
3R判定0-3 ※3R、スロミラーは左フックでダウン1
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
ハレナ・ソーレイマン vs ポーラ・プレネロフ×
1R1:16、KO ※左ストレート。1R、ソーレイマンは左フックでダウン1。プレネロフは右ジャブでダウン1 
MTG.2 FINAL16・開幕戦 スーパーファイト(3分×3R・延長2R) 
×アリハン・ムラコスキー vs タブール・カブレラ
2R2:27、KO ※左フック。2R、ムラコスキーは右フックでダウン1
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
ドリトン・レネッサ vs アルビアー・シモーヌ×
3R判定3-0 
MTG.2 FINAL16・開幕戦(3分×3R・延長2R) 
ジェレラル・プクロケン vs メイオール・アンドレアス×
2R1:29、KO ※右ストレート。1R、アンドレアスは右ストレートとパンチ連打でダウン2。2R、アンドレアスは右ミドルキックでダウン1。 

最終更新:2009年11月04日 18:38
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