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試合で破った敵校の先輩と偶然再会 ---- 「あっ!」 渋谷の繁華街でばったり出会った俺達は同時に叫んだ。 一人はもちろん俺で、もう一人はこの間バスケの試合で負かした相手校の先輩だ。 俺のめちゃくちゃ恋い焦がれてる人でもある。 去年の大会で彼のプレイを観て一目惚れしたんだ。 もっと早くに彼の存在を知っていたなら同じ高校に入っていたのにと悔しく思う。 「先輩」 「なっ!お前なんか俺の後輩でも何でもねえだろ!気安く先輩なんて呼ぶなよ!」 やはりこないだの試合の時、彼ばかり散々マークしてること根に持ってるようだ。 あれは何も嫌がらせした訳ではなく、ましてや勝つ為の戦略などでもなく、 俺の個人的問題だったんです、先輩。 監督からエースの彼のマークに付けと言われた時は小躍りしたくなるほど嬉しかった。 こんなに密着出来る機会なんてそうそう無い。 試合なんかどうだってよく、俺はひたすら彼の動きに貼り付いた。 それが功を奏して、一番のエースの彼が活躍を阻まれ俺達は勝った。 それくらい俺は先輩のことが好きなんだ。 そして神様がくれたこの偶然の出会いを俺は無駄にはしない。 「先輩」 俺は家来のように先輩の後を追った。 「しつこいぞ。何の用だよ?」 ようやく振り返る不機嫌な顔も・・なんて可愛いんだ。 キツめの瞳に、むしゃぶり付きたくなるようなそのアヒル口。 俺は先輩のことを今すぐ抱き締めたい気持ちを、なんとか理性で押さえ込んだ。 「先輩のバスケのプレイ、俺・・・ずっと憧れてました!」 彼が息を飲んだのがわかった。 まさかライバル校の後輩にそんなこと言われるなんて思いもしなかったんだろう。 「もっと早くに先輩のこと知ってたら俺・・同じ高校に行ったのに」 「そ、そうか・・・」 拍子抜けしたような彼の声に、更にたたみ掛ける。 「先輩から学ぶことは多いです。シュートの正確さ、そしてドリブルのスピード感。  個人プレーだけならうちのバスケ部に先輩にかなう者なんかいません」 アヒル口がにゅうんと横に広がり、笑みに変わる手前で形を止める。 照れてるんだな。 やっぱり可愛すぎる・・・。 「お前も・・・なかなか良かったぜ」 「ありがとうございます!大大大大、大っファンの先輩に褒めてもらえるなんて感動です」 「ははは、よせよ」 やはり思った通り彼は単純だった。 彼の動物的本能としか思えないプレーを観ててそう感じていた。 ならば落とすのも難しくはない・・・。本能に訴えかけるんだ。 「先輩、これから俺の家で夕方からのNBAの試合観ませんか?ここから一駅なんです」 「え・・・でも・・」 「一番の憧れの先輩と一緒にバスケの試合が観れたら・・・  俺、今年の運全部使い切ってもいいくらいです」 「はははは。大げさだな。まあ、いいぜ。どうせもう買い物すんだし」 彼は勝ったばかりのバスケ用シューズの袋を持ち上げた。 「どこの買ったんですか!?俺も次買うとき先輩と同じやつ買います!」 「お前そんなに俺のファンなのか?バカだな。もっと良い選手他にもいるだろ」 そう言いながらも満更ではなさそうだ。 こんなに簡単に俺の口車に乗ってくれちゃうなんて、やっぱ可愛いっ! と言っても、全部本音だけどね・・・・・。 駅まで向かう道々、先輩をほめちぎりながら今日の作戦を考える。 NBAの観戦後はAV鑑賞作戦にするか、それともマッサージ作戦か・・・。 それとも美味しい物食べさせて喜ばす餌付け作戦か・・・。 横に並んで歩く彼の頭上で俺は自然と笑みが零れた。 何か・・・今幸せだ。 エッチまで急がなくても、並んで歩くだけで幸せなこの気持ちはなんなんだ・・・。   ああ、大事にしすぎて手を出せなくなることだけは避けないと。                                    END ---- [[年の差、一回り以上>12.5-169]] ----

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