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年の差でフリーン、最後の夜
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「別れてやる」
ちょっとした事に腹をたてたに時に使うはったりにアイツはいつもと違う反応をした。
「そうだね、僕達終わりにしよう‥」
「…‥は?」
一瞬自分の耳を疑った。いつもなら、それはやだなぁと笑いながら暢気に言うアイツが。
深刻な顔で、声色でそんな事を言うなんて思いもしなかった。
「子供が出来たんだ、彼女に」
「‥じょ「冗談じゃないよ。君の事は変わらずに好きだけど、彼女を裏切るのはもう嫌なんだ」
彼女を愛しているから‥という言葉が胸に痛い。
こんな時何を言えば良いんだ。
頭が回らない。
「最後に抱かせろよ」
回らない頭でそれで別れてやるからさぁと鼻で笑う。
伝えたい言葉は本心と食い違う。
自分の性格を怨んだのは、この時始めてだった。
「…わかった」
そう頷くアイツを、ギシリと鳴く安いベッドに押し倒して荒々しく口づけた。
想いも伝えられない自分のガキさを嘲笑いながら。
こんな安アパート壁が薄いとは思ってたけど。
ここまでヤバイとは思って無かった。
隣ではどうやら情事の最中らしく、喘ぐ声が引っ切りなしに聞こえる。
しかもわりかしハスキーな気がする‥…。
「もしかして…」
いや、もしかしなくてもモノホンなんじゃ…。
その時、頭に浮かんだキーワードは男同士。
その事に全身に鳥肌が起つのを感じながらもただただ興味本意で壁に耳を押し付けた。
「っ、…痕…つけないで…ぁ」
ベットの軋みと共にやはり低めの声がうわずって聞こえる。多分女性では無いだろう。
「マジか‥」
自分の予想が当たった事に若干眩暈を覚えながら、なおも耳を寄せる。
「…最後ぐらい‥…俺のもんだったって解らせろよ‥」
切なそうな、それでいて甘い声が鼓膜を刺激する。
昨日 引越の挨拶に行った時に近い声を聞いた気がした。
そうだ、挨拶の品を手渡した時に興味なさ気な顔をしていた男だ。
少し我が儘そうな話し方が気に食わなかったので覚えていた。
‥あの男が…。
なんだか自分でも良く解らない気持ちになり盗み聞きを止めて頭から布団を被って寝る事にした。
…‥‥最悪だ。
朝、下着の不快感で目が覚めた。昨日アレが夢にまで…‥俺はノーマルの筈なんだけど。
そして悪い事は続くらしくゴミを捨てに行く時に隣の奴と鉢合わせた。
30位の優男が一緒に並んでいて、俺は急いでドアを閉めてしまったが。
でも何故かドアを閉める瞬間隣の奴は俺に笑った気がした。
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[[桃と梨>2-239]]
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