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真面目なバカヒーロー×嫉妬深い無愛想ライバル ---- 怪獣を前に痛手を負い、立ち尽くす俺の前に大きな爆炎が巻き起こった。 そして炎の中からさっそうと現れた奴に、俺は抱えられ、岩場の影へと避難させられた。 「ブラック、大丈夫か!」 レッドの喧しい声が響き渡る。 何でいつもいつも俺がピンチの時に現れるんだ、コイツは。 今回も情報をいちはやく先に掴んで、この事件は俺が一人で解決するはずだったんだよ。 「何で先走って行ってしまったんだ!心配しただろ!」 「うるさい。 俺は一人でもやれるんだ、お前の手なんか借りたくないね」 「何いってんだ、仲間は協力しあうものだろ? お前はよくやったよ、後は俺達に任せてくれ!」 俺の悪態をさらっと躱し、レッドは奴の仲間の元へ駆け戻って行く。 ヒーロー戦隊のブラックという、孤高でクールな好敵手の位置に俺は属している。 ・・・・・・はずなのにここ最近は何故か常に守られる側に回っている気がしてならない。 ちびっこたちにブラックが見捨てられるのも、きっと時間の問題だろう。 一人落ち込む俺を他所に、岩場の向こうではアイツらの大活躍が繰り広げられている。 「これ以上俺達の街は破壊させない!くらえ、必殺技!!」 あんなに俺を苦しめた怪獣が、息も絶え絶えに苦しみ、もがいている。 こうしてアイツを前にすると力の差をまじまじと見せつけられる。 レッドは馬鹿だ。真相に気づくのも遅いし、いつも仲間仲間とフザケたことばかり抜かしている。 けど、俺はそんなアイツに助けられる程弱くなってしまっていて、 そんな現状を受け入れると悔しさと怒りが入り交じったなんとも言えない気持ちになってしまう。 必殺技もどんどん思いついて、自分のものにしていく。 なのに、その力を決して自分のためには使わない。 「近づくな」と行っているのに何かと俺に構うし、何度断っても一緒に行動しようと誘ってくる。 俺達はライバルだというのに優しくしようと必死でいちいち気にくわない。 何でいいところをあんな馬鹿なヤツに持って行かれるのだ。 そう自分に問うのだけど、まあ、実は薄々感づいていて。 ライバルの俺がピンチになっても奴は絶対に現れるということも、 仲間を何よりも大事にするアイツこそ真のヒーローだということも、 俺が嫉妬しているのはアイツの才能のことだけではないということも。 「やったぞブラック!これで今日はおしまいだな!」 なんだかんだんであっさり怪獣を倒し、お約束の決め台詞を残してから レッドは俺の方へ向かってくる。 コイツの事ばかり考えていたからだろうか、ずっと疑問に思っていたことをぶつけてみた。 「・・・・・・どうして、いつも遅れてくるんだよ、お前は」 そう問うとフッと笑い声が聞こえた気がして俺は顔を上げる。 すると頬にコイツの熱い両手が触れた。熱い。 馬鹿にしてるとしか思えない、満面の笑みを浮かべて、恋愛ドラマみたいな空気の中、 奴はこう言った。 「ヒーローって言うのはヒロインがピンチの時に現れるものだからな!」 ヒロインってなんだよ。というかライバルじゃないのか。 なんだか、あまりにも訳が分からなくなった俺は口を開けたまま頷くしかなかった。 ・・・・・・ヒロインじゃないと否定したいのに
真面目なバカヒーロー×嫉妬深い無愛想ライバル ---- 怪獣を前に痛手を負い、立ち尽くす俺の前に大きな爆炎が巻き起こった。 そして炎の中からさっそうと現れた奴に、俺は抱えられ、岩場の影へと避難させられた。 「ブラック、大丈夫か!」 レッドの喧しい声が響き渡る。 何でいつもいつも俺がピンチの時に現れるんだ、コイツは。 今回も情報をいちはやく先に掴んで、この事件は俺が一人で解決するはずだったんだよ。 「何で先走って行ってしまったんだ!心配しただろ!」 「うるさい。 俺は一人でもやれるんだ、お前の手なんか借りたくないね」 「何いってんだ、仲間は協力しあうものだろ? お前はよくやったよ、後は俺達に任せてくれ!」 俺の悪態をさらっと躱し、レッドは奴の仲間の元へ駆け戻って行く。 ヒーロー戦隊のブラックという、孤高でクールな好敵手の位置に俺は属している。 ・・・・・・はずなのにここ最近は何故か常に守られる側に回っている気がしてならない。 ちびっこたちにブラックが見捨てられるのも、きっと時間の問題だろう。 一人落ち込む俺を他所に、岩場の向こうではアイツらの大活躍が繰り広げられている。 「これ以上俺達の街は破壊させない!くらえ、必殺技!!」 あんなに俺を苦しめた怪獣が、息も絶え絶えに苦しみ、もがいている。 こうしてアイツを前にすると力の差をまじまじと見せつけられる。 レッドは馬鹿だ。真相に気づくのも遅いし、いつも仲間仲間とフザケたことばかり抜かしている。 けど、俺はそんなアイツに助けられる程弱くなってしまっていて、 そんな現状を受け入れると悔しさと怒りが入り交じったなんとも言えない気持ちになってしまう。 必殺技もどんどん思いついて、自分のものにしていく。 なのに、その力を決して自分のためには使わない。 「近づくな」と行っているのに何かと俺に構うし、何度断っても一緒に行動しようと誘ってくる。 俺達はライバルだというのに優しくしようと必死でいちいち気にくわない。 何でいいところをあんな馬鹿なヤツに持って行かれるのだ。 そう自分に問うのだけど、まあ、実は薄々感づいていて。 ライバルの俺がピンチになっても奴は絶対に現れるということも、 仲間を何よりも大事にするアイツこそ真のヒーローだということも、 俺が嫉妬しているのはアイツの才能のことだけではないということも。 「やったぞブラック!これで今日はおしまいだな!」 なんだかんだんであっさり怪獣を倒し、お約束の決め台詞を残してから レッドは俺の方へ向かってくる。 コイツの事ばかり考えていたからだろうか、ずっと疑問に思っていたことをぶつけてみた。 「・・・・・・どうして、いつも遅れてくるんだよ、お前は」 そう問うとフッと笑い声が聞こえた気がして俺は顔を上げる。 すると頬にコイツの熱い両手が触れた。熱い。 馬鹿にしてるとしか思えない、満面の笑みを浮かべて、恋愛ドラマみたいな空気の中、 奴はこう言った。 「ヒーローって言うのはヒロインがピンチの時に現れるものだからな!」 ヒロインってなんだよ。というかライバルじゃないのか。 なんだか、あまりにも訳が分からなくなった俺は口を開けたまま頷くしかなかった。 ・・・・・・ヒロインじゃないと否定したいのに ---- [[永遠の3位争い>20-459]] ----

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