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13-689 - (2013/08/15 (木) 04:16:31) の最新版との変更点

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-攻→明るく陽気で優しい、音楽好きな王 
-受→笛の名手、しかし極度のあがり症な使用人
+中年王子と老いた忠臣
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-「天が立ち止まった」 
- 柔らかい金髪に彩られた笑顔で、主君は弾んだ声を発した。 
- 手首を捕らわれ、私は呆然とかぶりをふる。 
-「お……畏れ多いことです、私、私なぞの、その」 
- 泣きたい気分だった。握る横笛が震え、咄嗟に跪いた膝が覚束なく揺れる。 
- 王の音楽狂いを知らぬ者はいない。だが、よもや使用人宿舎の片隅に、「笛に惹かれて」現れるなぞと誰が思おうか。 
- 目眩を起こしそうな私を、しかしこの高貴なる闖入者は、今にも踊りだしそうな所作で引き立たせた。 
- 思わず踏んだたたらに、楽しげに足取りを合わせステップまで踏む。 
-「へ、へへへ陛下……!」 
-「それ巧いぞ、ほらターン!」 
-「う、あ、ちょ……っ」 
- 強く引かれ、取り落としかけた笛を咄嗟に抱え込む。と、主君は不意と私を引き寄せた。 
- 芳香と衣服の滑らかさが、意外な程優しい腕から、私の身を包み込む。 
- 発汗と発熱と涙と鼻水と、訳の分からなさに半泣きで目を白黒させる私を──腕の中の横笛をみつめて、王は太陽の笑みを浮かべた。 
-「天が立ち止まったんだ。お前の音に。私は女神に導かれた!」 
-
- 後に、王が寵する音楽神の化身の噂が立ったが、その者の正体はようとして知れなかった。 
- 彼が人前には現れず、王にのみ笛を捧げているらしき理由について、人々はあれこれと推測を重ねた。 
-「あいつは、あがり症だからね」 
- 王が嬉しげに口に出した言葉が真実か否か、知るのは一人、王付きとなったある使用人のみだったという。 
+「懐かしいな」
+目の前にいる、誰よりも何よりも大切な御方が呟いた。
+彼の目は窓の外を向いている。
+自分もそこへと目を向ければ、翼を大きく広げた鳥が飛んでいるのが見えた。
+この御方が幼い頃より、この時期になると飛んでいる鳥だった。
+「あの鳥が欲しいと言って、お前に取りに行かせたなあ」
+そうだ、今でこそこの様に立派になられたが、小さな頃は酷い我侭で一度言い出したら聞かない性格をされていのだ。
+あの時は結局捕まえる事ができなくて、ぐずるこの御方の手を引いて帰ることとなった事を思い出す。
+今、私の動かない手を握る彼の手は、その頃とは似ても似つかない。
+ただ、暖かさだけが同じだった。 
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-[[相互オナニー>13-709]]
+[[攻→明るく陽気で優しい、音楽好きな王 受→笛の名手、しかし極度のあがり症な使用人>13-699]]
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