「7-509」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

7-509 - (2011/04/17 (日) 03:11:31) の編集履歴(バックアップ)


ツンデレ攻め×ツンデレ受け

「あ…の、こんなとこにずっといると日射病になる……」

 夏日の日差し照りつける第二校舎の屋上に、そいつは午前中からずっと一人でいた。
向かいの、第一校舎の生徒会室からはこの屋上の一角が見えて、昼休みの間も「あの男子
生徒はこのくそ暑いのに屋上で何をしてるんだ」と話題になった。
「嶋ノ辺、あいつここに連れてこい。俺一応説教しなきゃならないかも。同じ一年だろ」
村上先輩は、よく横柄な物言いをするけどそれは誰にも媚びないからで、本当は気さくで
後輩にも威張ったりしない人望の厚い生徒会長で、僕はこの人のおかげで生徒会にも学校
にも気後れせずに居場所を作ることができた。……だから、嫌だったけど村上先輩の頼み
だから、僕は屋上にいるそいつを呼びにいった。

 屋上の扉を開けると、熱気と光線が額を打つように襲ってきて、それだけで立ち眩みが
した。……こんなところにずっといて大丈夫なやつが、いるのかよ。
―同じクラスの市。市は、確かに僕より背は高いし体つきもしっかりしているけど、でも
こういう事ってそういう問題じゃないっていうか……現に壁にもたれて足を投げ出した格
好でなんかぐったりしている。
「市、そんなとこにずっといるなよ、って村上生徒会長が。一緒に生徒会室まで来いっ
て。……聞いてるか?」
「俺がどこにいようと、何も言われる筋合いない、だろ。村上にもお前にも」
……こいつは。また、わざと僕の癇に障る言い方を選んで、生徒会長を呼び捨てにした。
僕と市は、小学校のほんの一時期同じ塾に通っていた事があって、短い間だけど気が合ってかなり仲良くしていた。だから高校では本当なら久しぶりの再開で、むしろ僕はとても
喜んでいた。なのに、市は僕が話しかけてもよそよそしかったし、それどころか僕に対してだけ、やたらと感じの悪い態度を取り続けた。……はっきりいって無愛想で何考えてる
かわからない市はクラスでも浮いていて、一方僕は中学の先輩でもある村上先輩のお陰で
二、三年生ともいい関係が築けてるし、こんな奴の事は、気にかけなければそれでいい。