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14-269 - (2009/03/24 (火) 23:13:05) のソース

今は無き思い出の場所 
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「随分変わったな…」

この町に来るのは14…もう15年振りになるだろうか。
転校というものを数回経験した俺は小学校のうち2年間を過ごした土地なんてほとんど忘れてしまっていた。
しかしあれから15年、俺も父と同じく転勤の多い職に就き、再びこの町に住む事になった。

町というのは15年でこんなにも変わるものなのだろうか。
俺の記憶が正しければ今日から俺が住むマンションは昔小さな公園があった場所だ。
確か学校の帰り道にあって、毎日日が暮れるまで一緒に遊んだ奴がいた。
俺の家があった場所には知らない家族の知らない家があった。
引っ越しで無くしてしまったがあの頃の俺の部屋には奴が水族館の土産にとくれたマンボウの置物があった。
いつも奴と一緒に行っていた駄菓子屋はコンビニになっていた。
俺が好きだった駄菓子は電子レンジで温めると膨らんで柔らかくなる事を発見し、その食べ方を奴と2人で『裏技』と呼んだ。

俺が転校する前日も奴はいつも通り馬鹿みたいに笑って「また明日」って言ったっけ。
そんな事を思い返しながら昔駄菓子屋だったコンビニに入り、雑誌のついでにあの駄菓子を見つけてレジに持っていく。

「雑誌が一点、駄菓子が一点…こちら、温めますか?」
どこか見覚えのある店員の悪戯っぽい笑顔を見て
俺はやっとあの時のままのものを見つけた気がした。