どういたしまして ---- 差し出されたケータイは確かに俺のものだった。 いつの間に落としたのだろう。 「ありがとうございます!あの、これ何処に落ちてたんですか?」 「信号のところで落とされましたよ。」 「これ先週買ったケータイなんです!本当にありがとうございます!」 「どういたしまして。」 そうしてやわらかな笑顔と共に去っていった彼の所に、僕は恋心を落としてしまったのだ。 ---- [[六月の結婚式>7-269]] ----