何度繰り返しても。 ---- 誰もいない、いや、正確には俺と先輩しかいない放課後の図書室。 俺は机の上に座って足をぶらつかせながら、本の整理をしている先輩を見つめていた。 「先輩、キスしていいですか?」 そう言って机から降りて先輩に近づく。 先輩は見事なまでに固まり、ギギッと言う効果音が付きそうな動作で俺から顔を背ける。 「キス、していいですよね?」 いつも顔を背けるだけで抵抗しないから、返事は聞かずに抱き寄せる。 短いキスをいくつもすると、強ばっていた体から徐々に力が抜けていくのを感じる。 何度繰り返してもキスに慣れない先輩が可愛くて、俺は抱きしめる腕に力を込めた。 ---- [[何度繰り返しても。>6-189-1]] ----