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1-769 - (2011/04/25 (月) 01:12:55) のソース

シンガーとピアニスト
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あなたは自分を未熟者だと言います。
私はその弱さを叱ります。
そしてあなたの声を褒めるのです。
あなたのその声。甘く低く、よく響く声は素晴らしい。
あなたからそれを引き出す道具が、私の手元にある、このピアノです。

古いイタリア歌曲。意味も知らぬまま、あなたは歌います。

   私の想いを縛り付けた
   いとしい絆、やさしい結び目よ、
   私は、自分が苦しみながらも楽しんでおり、
   捕われの身に満足していることを知っている。

あなたは歌うたびに私に告白し、私は歓喜しつつキーを叩く。
ふだんの生活では許されぬ想いですが。
しかし舞台の上で、稽古場で、音の世界でだけならば、相思相愛でいられます。
そのくらい良いでしょう? 
もうすぐ最後の小節を弾き終えれば、それで恋歌はおしまいですから。

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[[卵とさいばしとフライパンの関係について>1-779]] 
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