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弁護士×検事 ---- 初めての事件なのに、何で、因りにも由ってお前が担当検事なんだよ。余計に緊張して、失敗したらお前のせいだからな。 そ知らぬ顔したアイツを俺は睨み付けた。 一緒に机並べて勉強したの忘れましたって、顔だよな。ちょっとばかり、いや、3年ばかり先に司法試験合格したからって、それはないだろ? だいたいお前、お前が何で検事なんだよ。大学時代、通説・判例嫌いで、少数有力学説とかの方に傾いてたじゃないか。あれは教授の機嫌とりだったなんて言わせないぞ。 俺は知ってるんだからな。中坊の頃からお前の愛読書がドストエフスキーで、罪罰なんか何度読み返したか分からないぐらいだって。 死刑廃止論始めに冤罪事件関係は余さず読んでただろ。 「たとえ真の犯人が捕まらなくとも、冤罪に泣く者を一人もだしてはならない。」 って、言葉に感動した青臭いヤツだった筈だよな。 罪罰の台詞をもじって 「パーセンテージの数字の低さに、誤魔化されるな。パーセンテージは後ろめたい心に対する精神安定剤だ。」 「どんなパーセンテージであっても、そこに自分の家族や愛する者が‥」 で、ちょっと言葉を切って俺をじっと見つめて 「お前が、落ち込んだら耐えられない。」 って言って、俺を泣かせて人権派に引きずり込んだのはお前じゃないか。 そんなお前が検事になったって聞いた時、俺は信じらんなかったよ。 それでも俺はお前を信じて、お前に感化された気持ちのまま、儲からない刑事事件が大好きな弁護士事務所に入っちまったんだぞ。 俺をどうしてくれるんだよ。 この裏切り者! 澄まし顔して、立ってんじゃねえ!笑えよ!あの頃みたいな、お前のはにかんだ微笑みを見せてくれよ。 法廷が終ると、始めてお前は、ちょっと哀しい眼を俺に向けた。 「今後の事で少し御相談がありますが。」 などと宣う。 こんな単純な事件、相談も何もある筈もないのに。 いぶかしげな顔をしているとお前は、はにかんだ微笑みを浮かべて、誰にも聞こえない様に小さな声で、 「逢えて嬉しかった。」 と、囁いた。 こんな処で馬鹿か、本当に。 なんで俺も、意地張って、今まで一度も連絡も取ろうとしなかったんだ。 分かった。今夜、絶対聞き出してやる。お前の本心を。ちょっとじゃなくて、じーっくり話そうじゃないか。 検察官にも人権派が、とか、 デュープロセスにこそ人間の実現可能な正義が、 とか言っても誤魔化されないからな。 ----   [[ヨーロッパのとある所で、たった一人はぐれてしまった受け。(殆んど言葉が通じない状況で萌えてください。)>4-089]] ----

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