*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「12.5-479-1」で検索した結果

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  • 12.5-479-1
    強敵と書いてライバルと読ませたい攻めとそれを鬱陶しいと思いつつも構ってしまう受け 「はーっはっはっはっ、また俺勝っちゃったじゃん?ごめんねー俺強くって」 うぜえ、こいつすげえうぜえ。 初めて見たときは強くて綺麗な奴だと思っていただけに このギャップにへこたれそうだ。 ちくしょう、何で一緒の学校になっちまったんだお前。 お前と部活一緒じゃなけりゃ、俺にとってはただの強くて見た目のいいやつってだけだったのに。 口は災いの元とはよく言ったもんじゃねーか。 「次はお前だろ?かかってこいよ。今日は絶対に俺が負かしちゃうけどねー?」 ケツを叩いて挑発って子供かお前は。 つか何で俺にばっかりうざさ三割り増しなんだ。 弁当のおかずの大きさが自分が大きいっていっちゃ自慢して、 身長が0.3センチ高いっていっちゃ自慢して、 俺よりも多く連勝したっていっちゃ自...
  • 6-479-1
    雨に濡れて 「イヤだ、イヤだ……諦められない」  人気のない屋上には、梅雨の走りの雨が降りこめていた。跳ね返ったしぶきが煙のように視界を曇らせる。  後ろから追いついて抱きかかえるようにした風間の腕を振り払おうと、駄々をこねる子どものような仕種で朝比奈がもがく。 「絶対に行かせない」  風間はあらんかぎりの力をこめて、柵のほうへにじり寄ろうとする朝比奈の動きを封じんとする。 「どうして!!」  濡れた黒髪を振り乱して朝比奈が絶叫した。 「あんたに関係ないだろ!? 離せ、離してよ!」 「嫌だ、離さない」  見舞いに来た風間が居合わせたことは幸運だった。朝比奈は、医師からなんらかの宣告を受けたらしく完全に自暴自棄になっている。 「あんたに何が分かる!」  暴れる朝比奈の指が風間の頬をかすって、爪が皮膚を裂く。鋭い痛み。手の甲でこすると血が滲んでいた。  舌打ち...
  • 3-479-1
    紳士な吸血鬼受け 腰を抱いたのはやたらとふらついているからで、それを支えるためなんだから決して他意は ないんだようんうん俺優しい、と心の中で自分に言い聞かせていたはずなのだが、いつの間にか うっかり声に出していたらしく男は弱弱しいながらも丁寧な口調で礼を言う。 「ありがとうございます、最近は血液を摂取するのを忘れていたもので……身体に疲労が」 「もしかして俺、何か今喋ってた……?」 「ええ、はい?他意がどうだとか……」 やべーやべーー何口に出してんだ俺、もっと落ち着け! 「昔は吸血鬼同士の遊びで斬り付けあうということをしていたようですが、もしかしてそれでしょうか?」 嬉しいのですが、今は残念ながら力がほとんどないので斬り付けられたら本当に死んでしまいますと 申し訳なさそうに謝罪する男を見て、盛大に顔が引き攣った。悪ふざけで斬り付け……?死ぬ。 間違いなく俺がや...
  • 4-479-1
    刑事 ここ二ヶ月、寝ても覚めても頭の中は奴のことばかりだ。 今や国中を震撼させてる、凶悪連続殺人犯。似たタイプの若い女ばかり七人殺ってる。 今週に入ってからまた一人。どれも美人だったなぁ。 …畜生、イイ女ってのは人類の貴重な財産なんだぞ。そう無闇に殺されてたまるか。 夢見は最悪だし、止めたはずの煙草にもつい手が出る。本数も順調に増量中だ。 明け方、仮眠室から這いずるようにして職場に戻る。 ブラインドから差し込む朝の光を受けて、銅貨のように輝く短い赤毛が目をふと惹いた。 山積みにされたファイルの谷間からちらりと覗くツンツン頭。 新米警部補殿は小難しい顔をして、パソコンの前でブツブツと独り言。ハッキリ言って薄気味悪い。 「オイ、朝っぱらから辛気臭い顔すんな。すこし力抜け。」 ガタガタと椅子の背を揺さぶると、驚いたように肩が大きく跳ねた。 「ああ…警部。ずい...
  • 21-479-1
    おっとり義父×どスケベ息子 義父が、黙ってしまうことがよくあった。 世間では仲の良い婿、舅の間柄もあるらしいが、その頃俺と義父は、「娘の男」と「娘をとられた父」の微妙な雰囲気のまま、あたりさわりのない会話を交わすくらいだったから、ふっと訪れる沈黙は不自然だった。 早くに妻を亡くし、一人娘を嫁がせてしまった義父は、孫を切望していた。 そのことに触れようか、触れまいか、迷う気持ちが沈黙となるらしかった。 うしろめたい気持ちもあって、その沈黙にあえて触れなかったが、一度だけ、言い訳めいた会話にしてしまったことがあった。 半ばやけ、半ばいたずら心だった。 「僕は『好き』なんですけど……仕事も忙しいし時間も合わないけど、僕の方はね」 婿の性癖など聞きたくもなかったろうから、義父は落ち着かない表情になった。 「あちらは……ね。まあ、女性はいろいろデリケートなんでしょう」 「…...
  • 26-479-1
    一番の味方 亮平には高校三年生の弟がいる。母親は病死、父親は蒸発、たった二人の家族だという。 「進学を諦めて就職したいって言ってたお前の弟、どうなった?」 「何言っても就職から変わんね。授業料とか払えないだろって、 そんなん気にしないでさ、やりたいことがあるんだから勉強すればいいのに」 一度言葉を切って携帯をコツコツと叩く。言い淀んでいるのがわかるから、先を促したりはしない。じっと、次を待つ。 「俺の給料明細盗み見して諦めるって…馬鹿じゃねえの」 最後の馬鹿、は、諦めている弟になのか。それとも弟の夢を叶えてやれない自分に、なのか。 「奨学金の話をしても?」 「それでも」 「利息ゼロの貯金箱があんのに?」 「は? 何それサラ金?」 「いや、俺」 「はぁ?」 お前から金なんて借りねーよ、と呆れた風を装ってはいるが、気になっているのだろう。 サラ金かと答えたと...
  • 27-479-1
    恐い話 480です。最初、松田視点で書いていたので一応投下します。更に下品 恐い話からかけ離れてますがご了承下さい。  不器用な俺に対しても笑顔でいてくれる藤岡のことがすきだった。このことに嘘偽りはない。なぜなら、そう、藤岡の意外な一面を知っても気持ちは変わらなかったのだから。 「あー、萌えるー」 「藤岡、もういいだろ。そんな話をするためにいちいち呼ぶな」 「だって、こんな話できるのお前しかいないんだもん」 「もんって言うな。気持ち悪い」  図書室で藤岡を見つけた。たしか藤岡の前に座る男は藤岡の同室者兼幼なじみだったはずだ。仲は悪くないみたいだが、クラスが違うので一緒にいるのは珍しい。それに、藤岡のあの浮かれ具合。今まで見たことがない。  話が気になったので、本棚の後ろに隠れた。怪しいのは百も承知だ。本を読むふりをしてこっそり二人の会話を聞く。 ...
  • 12.5-499
    喫茶店にて 「……という訳なんだ。どうすればいいと思う、マスター?」 またそのお話ですか。 何回喧嘩すればいいんですか、貴方とその愛しい人は。 「悪いと思っているなら、素直にそう言えばいいんです。コーヒーでも飲みながら、ね」 「あいつを連れてきていいのかな。ここ穴場だし、マスターは静かなの好きだろ? あいつ騒がしいもん」 「いえいえ。楽しみにしていますよ」 私を狂わせた貴方をそんなに困らせる憎き恋敵、一度見てみたいじゃないですか。 何度も何度も喧嘩して。 私は貴方が本当に好きだから、応援していますけれど。 ですがもし直接会って、相応しくないと判断したなら―――――― 真夜中に届いた、たった1行だけのメール。
  • 12.5-409
    目が覚めたら、愛の続きを  おはよう、ロイ。  今日は2138年3月9日だ。  今日は一日風もなく暖かい、いい日だったから、愛犬のジョッシュを連れてドライブに行ってきた。  海浜公園に行ってジョッシュを思い切り走らせて、俺は木陰のベンチでずっと本を読んでいた。  君はホラーが苦手だとか古臭いとか言って毛嫌いしているようだけど、やっぱりキングは面白いと思う。  まあ、春の公園で読むのに適した本かどうかは微妙だと言う自覚はあるけれど。  君と飼っていたレトリバーのジョーを覚えているかな。ジョッシュはジョーのひ孫のそのまた孫にあたる。  今年で三歳になるジョッシュはとにかくやんちゃで、僕は振り回されっぱなしだ。  今まで飼ってきた中でも一番の甘えん坊でいたずらっ子で、この間なんか俺をでかけさせないために気に入りの革靴を庭に埋めて隠してしまった。  ジョッシュを宥め...
  • 12.5-469
    愛の戦士? ちょっとおまいら聞いてくれ。 俺の幼なじみ超可愛いんだよ。俺とタメなんだけどさ。 ありえねーの。超いい奴でさ。ホントいい奴でさ。まさに俺の天使って感じなんだ。 クラスじゃ女子に人気があるわけでもないんだけど。 むしろちょっと怖いとか感じ悪いとか言われてることもあるけど俺はハア?って感じだね。 お前ら見る目あんのか?とか思うよ。確かにあいつキツイこともあるけどそれはフェイクなんだって。 あいつは色々不器用なだけでホントはすごいいい奴だから。 まあそんなわけで俺はそいつ大好きだから、一緒に帰ったりもしてて、 ついに「お前好きな奴いたりする」って聞いてみたんだよ。 絶対いないと思ったね。じゃなきゃ聞かないだろ常識的に。 でも駄目だった。うん。いたんだよ好きな奴。隣のクラスのバスケ部の奴。 マジちょっと泣きそうだったよ。そりゃ泣けないけど。 ...
  • 12.5-129-1
    @田舎 「お前、東京の大学行くんだって?」 オレがそう聞くと、松田はちょっと驚いた顔をした。 「あれ、なんで知ってるの。まだ先生と親にしか言ってないのに」 「…や、昨日な」 昨晩の松田とおやじさんの大喧嘩が、隣りのオレん家まできこえていたのだ。 「ああ!やっぱりあれ聞こえてたのか。ごめんな~近所迷惑で」 松田はへへっと笑って頭をかいた。 「…なんでオレに教えてくれなかったんだ」 「だってまだちゃんと決まったわけじゃないし…でも絶対に行くよ。 やりたいことがあるんだ。地元じゃできないんだよ」 「おまえまで故郷をすてていくんかぁ!」 昨晩、そう怒鳴るおやじさんの声を聞いた。 この町にはなんにもない、だだっ広い畑と、年寄りと、雪があるだけ。 若者は職を求めて、あるいは寂れた町を嫌って都会へ出ていく。そうしてオレた ちの同級生もたくさん町を去ることを決めた...
  • 12.5-429
    二十年後 「あなたとこうしてると、幸せってこういうことだって思うよ」 一つ年下の彼は、コーヒーカップを口元に運びながら笑顔を見せた。 厳しい寒さもようやく和らいで、暖かい日差しが極上の毛布のようにオレたちを包んでいる。 こうやって彼とゆっくりできるようになったのは、ごく最近のことだった。 くり返される謀略。強制的に連れ出される戦場。殺さなければ、殺されていた。 その間も彼とは、ずっと一緒にいた。 「この幸せが二十年後も続いてたらいいな」 なんてね、と冗談めかして彼が笑う。 「……バーカ。二十年なんて、甘いこと言ってんじゃねーよ」 顔が赤くなるのを見られたくなくて、そっぽを向いたオレを、しなやかな腕が抱きしめる。 それから、初めてのキスをした。 人一倍寂しがりの癖に他人と関わりを持とうとしない受け
  • 12.5-489
    受けを溺愛する攻め 朝起きるとまず、一日の天気よりあいつの体調が気になってしまう。 あいつは昔から妙に風邪をひきやすい。気付くといつも風邪をひいている。 365日のうち風邪ひいてない日の方が少ないんじゃないかってぐらい常に風邪をひきかけている。 子供の頃からずっとそうで、更にそれを今までずっと近くで見てきたことで、 俺の一日はいつの頃からかあいつの体調を気にすることから始まるようになったのだ。 一度それを知り合いに話したらドン引きされたし、俺も自分でちょっとどうかと思うが、 それでも今日も今日とて俺は起きた瞬間からあいつの体調のことを考えてしまっている。 テレビをつけたら新人のお天気お姉さんが今日はとてもあたたかいですよと笑顔で教えてくれていた。 あったかい、か……それなら大丈夫か。でも逆に汗かいて冷えたりしないだろうか。 あいつが風邪をひきやすいのは体質...
  • 12.5-459
    ずっと敵同士だったのに、急に仲良くしなければならなくなりました。 「いいかテメー。仲良くしてやってもいいが、この線からこっちに入ってくるんじゃねェぞ」 「うえうせぇ。テメェのクセェケツ、こっちに向けんじゃねぇぞ」 「…テメー、このやろう、上等じゃねェか」 「ア?その線からこっちに入ってくんじゃねェっての、テメェこそ」 「…いいか、坊主。ここでは俺が先輩だろうが」 「俺は坊主なんて名前じゃねェな。まァ、俺のテツという名前を呼ぶのは愛しい貴之だけでいいが」 「ふざっけんじゃねェよ!貴之が愛してんのはこのジョン様だけだ!」 「ハ、ジョンってツラかよテメェ。純日本産じゃねェか」 「うるせぇえ!表に出ろ!!」 「おとなりのみっちゃんがひっこす先では犬がかえないので、シベリアンハスキーのテツは、ぼくの家族の一員になりました。 でも、うちにずっといるしば犬のジョンは...
  • 23-479-1
    最近もっぱら受けばっかやってる元攻め 会話の、返事が不自然なものになる。 これ以上ないほど真っ赤な顔をして、ちらちらとこちらを見るくせに目が合うとぱっとそらす。 ……分かりやすい。 歩み寄り、奴の座る柔らかなソファーの開いた空間に腰掛ける。 人ひとりの体重を受けて沈む音に全身を強張らせた奴の、その首に手を回せば、よりいっそう身が縮んだ。 顔を寄せ、キスをする。おどかさないように、掠めるだけの一回。確かめるためにもう一回。 何をするか想像はついてたろうに、呆然としている。 さらに一度キスをして、間抜けに開いた口に舌を潜り込ませた。 唾液をすすって舌を愛撫していくと互いの口から熱い吐息がこぼれる。 唇を離して甘く笑うと、眉は困ったように垂れ下がり、目にはどうしようもないやりきれなさを滲ませていた。 その情けないざまをいとおしく思いながら、片手で自分自身のシャツのボ...
  • 12.5-419
    昆虫採集 「……まだ三月の初めだぞ?」 「何が?」 一応確認してみたのだが、神崎はわずかに眉を寄せただけだった。 「昆虫採集つったら夏だろ?」 俺が首を傾げると、今度は少し呆れたような表情になる。 「そんなことない」 「でもさ、セミはまだ地面の下で爆睡してるんじゃねーの?」 「どうして蝉限定……というか、蝉は地中で眠っているわけじゃないから」 淡々と答えながら、神崎は白衣をハンガーに掛けて隣のジャケットを取った。 白衣を脱いだら見た目年齢が少し下がるなあと頭の片隅で思いつつ、俺は声を投げる。 「じゃあ蝶か。それでもまだ早いだろー。菜の花咲いてねえし」 「違う。なんで菜の花……いや。そもそも、俺はただ昆虫採集に出かけるわけじゃないんだけど」 「あれ、違うの?でもムシ採るんだろ?」 「遊びじゃない。フィールドワークだ」 「一緒じゃん」 軽く言ったら睨まれた...
  • 12.5-449
    人一倍寂しがりの癖に他人と関わりを持とうとしない受け あんたがその手を伸ばせばいいんだ。 俺は誰かみたくここから逃げやしない。 泣き喚いて抵抗するほどガキでもないし、 かと言ってすべてを流れに任せるのも癪だ。 あんたが、あいつのように逃げない人だと解ったら、 仕方ない、その時はその時だ。 だから今は、あんたから来い。 俺の中を散々引っ掻き回して、独りじゃないと刻み込んでくれ。 そうしたら、絶対にどこか行かないよう、 俺から手を伸ばしてやる。 ずっと敵同士だったのに、急に仲良くしなければならなくなりました。
  • 5-479
    オタク眼鏡×真面目眼鏡 「お前やっぱりこの魔女っ子に似てるよね~」  にんまりと笑った、『いかにも』な眼鏡のオタク青年が見ている テレビ画面には、キラキラとピンクやら紫やらの光に包まれて 変身真っ最中の魔法少女がアップで映っている。 「知るか」  対してオタク青年に冷たい視線を当てた、これまた『いかにも』 な眼鏡の真面目青年は、自分の眉間に縦じわが刻まれたことに 気付いていない様子。  ふたりはまだ、気付いていないが、その魔女っ子の笑顔は。  真面目青年が時たま見せる笑顔に、そっくりなのだった。  まだ、気付いていないけれど。  画面とは反対側にいる真面目な青年が、キラキラと、ちゃちな 魔法よりも、余程美しく光っていることは。  彼らはまだ気付いていない、けれど。 W-ZERO3
  • 12.5-289-1
    機械の体 「正気か!? 身体を機械にするなんて……! クローン技術だってあるだろ!」 「生身のままじゃ、奴らを殺せない!!」 幸せだった2人に突然襲い掛かった悲劇。 テロに巻き込まれ、目の前で恋人を殺され、自分も瀕死まで追い込まれた彼はすっかり復讐鬼となっていた。 この前まで、虫を殺すことも嫌がるような奴だったのに。 そしてあいつも、死んでいい理由なんか何一つなかった。 本当に、いい奴だったのに。 「だけど、あんたがサイボーグ技術士でよかったよ。他の奴だったら、理由知ったら絶対やってくれないし」 「……だろうな」 復讐のためか、こいつのためか。 どっちにしても不毛なこと。 ただわかるのは、他の奴にだけは任せられないってことだけだ。 悪の総帥に惹かれる正義の味方
  • 12.5-719-1
    青春真っ只中な二人 青春18きっぷって年齢制限無いのは有名だけど、乗車期間限定なの知ってた? 新宿から山形まで8時間かかるなんて事聞いてない。しかも全部各駅停車と来たもんだ。 反対側の座席の窓からは、梅雨真っ只中のどんよりした暗い空しか見えない。今どの辺だろう。 今年の夏切符は7月から使えるんだけど、さくらんぼ食べれるの10日くらいまでなんだよね。 さくらんぼと聞くとドキッとする俺は変なんだろうか。 一年でこの時期しか味わえない果実。とろけるほど甘くて酸っぱくて、すぐに傷ついて膿んで腐って。 茎を結べるとキスが上手。2個くっついて描かれる。どう考えてもレモンより青春ぽくて恥ずかしい。 よりによってそんな物、今じゃないと駄目だから一緒に腹いっぱい食おうぜなんて熱心に誘うなんてさ。 冬は毛蟹となまこ、あと明石焼きを食べにいったんだ。うまかったよ~と思い...
  • 12.5-339-1
    水の中 水の中では、僕らに言葉は要らなかった。 ただ泳いでれば、水は僕とアイツを繋いでいて、言葉を使わないで互いを分かり合えた。 「俺、水泳辞める」 「え、何で」 高校からの帰り道、唐突に天野は言った。いつもみたいに、ぶっきらぼうな声で。 あんまりあっさりと言うもんだから、僕の耳がおかしくなってしまったのかと思ってしまった。 小さい頃からあんなに水泳好きだったのに。なんで辞めるなんて言うんだろう。 「何でだよ」 立ち止まった僕から数歩歩いて、天野は振り向いた。 よくわからない、恥ずかしそうな、気まずそうな複雑な顔をしていた。 「お前は、大会とか行きたいんだろ」 「うん」 「俺は、そういうの、思ってなくて、ただ、水泳が好きなだけで、泳げれば、それでいい」 口下手な天野は、ちょっとずつ考えながら言葉をつむいでいる。 「うん、知ってる」 昔から、天野...
  • 12.5-909-1
    アリーナ ここはコンサート会場前で、手元にはチケットが二枚ある。 昨日、付き合ってくださいの言葉と共に渡されたものだ。 二枚とも渡したことで奴の馬鹿さ加減はわかろうというものだが。 あと30分で開場だ。誘った当人はまだ来ない。 もしかしたら来ないのかもしれない。 告白された瞬間、俺は思わず「アリーナじゃないとヤダ」と答えてしまった。 素直に頷いておけば良かった。頷ける性格だったら良かった。 きっと来ないんだろう。 一歩を踏み出せない俺に、お前から手を差し出してくれたのに、それを突っぱねたんだ。 来るはずがない。絶対に来ない。 俯いていたら涙が零れそうで、空を見上げる。 ……何か、見た。 妙なものが、上を向く際に視界を掠めていった。 徐々に視線を下げていく。 その妙な物体は明らかに近付いていた!ってか、来るな! 「ア○ーナ姫とーじょー...
  • 12.5-609-1
    死亡フラグをへし折る受 「本当に行くのか」 「うん」 信孝は写真家だ。戦争の現状を撮りたいと言い、 今まさに紛争の只中にある某国へ旅立とうとしている。 …あの国で外国人が何人も拉致されたり殺されたのをまさか忘れたか? 全部自己責任だぞ自己責任。わかってんのかこのバカ。 「なぁ、悠」 「なに」 「一年以内には帰ってくるから…。そしたらさ、その、お前に話が…」 「…わかった。一年だろうが十年だろうが待っててやるから、  五体満足で帰って来いよ」 そんなに顔赤くしながら「話がある」なんて、バカじゃねーのかこのバカ、俺より10も年上のくせに。 全部つつぬけだっつうの。しかしバカに惚れた俺も相当バカだ。 「じゃあ、行ってくる」 「…ん」 気をつけてなとか、しっかりやれよとか、言いたい事は色々あったのに なぜか言葉にならなかった。 ...
  • 12.5-969-1
    ドライブ 「頼むから乗って」 バイト帰り見覚えのある黒いワンボックスが止まると同時に窓が開いた。 びっくりしたじゃないか。 必死な形相で言ってくるモンだから助手席側に回ってドアを開けるとあからさまにほっとした顔になる。 ムカつく。 何も言わずにシートベルトを締めると車は走り出した。 「…車に俺を乗せて逃げ場無くす作戦か?」 「…ごめん、でも、乗ってくれるなんて思わなかった」 だってお前必死な顔してたもん。 駅前のCD屋の洋楽コーナーでよく見かけるスーツの男 という印象が変わったのは1年前 少女漫画みたいに一枚のCDを同時に取ろうとして手が触れ合った。 お互いびっくりしたけどスーツの男が「この店良くいらっしゃってますね、洋楽好きなんですか?」 なんて言ってくるから「好きですよ」なんて返しちゃって。 その後意気投合して俺たちは友達になった。 ...
  • 15-479
    仲間はずれ 浩太がペットを飼いたいと言い出した時は、犬か猫かと思った。 浩太が飼いたいのがヨウムという種類の体長30センチもある大型インコで、 20万以上もすると聞いてびっくりしたけど、日に1時間程度カゴの外で 遊んでやるくらいで普段はカゴの中に居るということで、僕の生活には たいした影響は無いだろうと思ってOKした。 実際に初めて見たソイツは、グレーのウロコ模様の羽根に真っ赤な尻尾で、 白い虹彩の中の黒く小さい瞳孔が猛禽類のような、おっかない顔をした デカイ鳥で、できれば近寄りたくないと思うような鳥だった。 「隆志~ッ!」 「はーい!何?」 「チューするッ?!」 「チューしよっか」 「チュッ!」 「上手にチューしたね」 「えへへへッ! カワイイねッ!」 「ありがとう!かっちゃんもカワイイね」 「カキカキしよっ...
  • 25-479
    二才の差が埋まらない お前は3月生まれ、俺は次の年の4月生まれ。 1年ちょいしか違わないのに、学年は2つ違い。 これって由々しき問題だと思うんだけど、どう思う? 「…なんだって?」 だから、1年ちょいしか違わないのに2学年も離れてることがおかしいっての! 「はぁ。まぁ。そうなるね」 なんだよその気のない態度! 1学年でも離れてたら同じクラスにはなれないし、一生ずっと同級生にもなれないし、机が隣り合うこともないし、運動会は敵味方に分かれるし、いいことないじゃん! 「…ぷっ」 な、なんなのその馬鹿にした目は! それが愛を訴える恋人に向ける目なの!あ~もうムカつく! 「それならさ、1学年も2学年も違いないじゃないの」 言うと思った!冷たいよねそーゆーとこ!他人とか動物とか、もっと言っちゃえば「俺以外」には優しいくせに...
  • 12.5-379
    かくれんぼ  放課後の校内探索が俺の日課――と言う事にしてからもう随分経つ。  もっとも探索とは名ばかりで、単に放課後になると校内を徘徊し、適当な場所を見つけてはぼんやりと過ごす。ただそれだけ。  最初は本当に探索のつもりだったが、それも狭い校内での事。いい加減ネタも尽きてきて、ある程度決まった場所を日毎に選ぶだけになりつつある。 「みぃつけた!」  明るい声とともに俺の目の前に現れたのは、笑う幼馴染の顔だった。ガキの頃からの腐れ縁で、十年以上ほぼ毎日見続けている顔だ。  俺が校内探索を始めた日から、放課後になると俺を探すのがこいつの日課になっている。 「まーたこんな所に隠れちゃって」 「別に隠れてないし」 「用がないなら帰ろうぜー。しっかしお前も毎日よく飽きないよな。もう行ってない場所なんかないんじゃね?」 「そっちこそ。毎日毎日……」  わざわざ探しに来なく...
  • 12.5-979
    声 午後二時四十分。 日差しがまぶしいこの部屋に居ると人の声がする。 『…来たのか?』 「久しぶり」 『久しぶり、元気してた?』 「元気元気」 『そうか、また大きくなったな』 「この前来た時から三ヶ月しかたってねーじゃん」 『いや、顔つきが変わったよ。もう17になったのか?』 「あぁ、先週な」 『おめでとう』 「ありがとう」 姿は見えない。 俺以外誰にも聞こえない。 でもこの声の主はこの部屋に存在してるんだ。 「じーちゃんこの部屋どうするって?」 『取り壊して新しい部屋を作るそうだ。もうこの部屋も古いからな』 「明治からあるんだっけ?」 『あぁ』 「…お前は…この部屋が無くなったらお前はどうなるの?」 『さて…分からないな、また新しい部屋に縛られるか、この部屋と共にいなくなるか』 「そっか」 『あぁ』 「……」 『何...
  • 12.5-799
    そうだな そこなんだよ。たとえばさ、うまいこと告白できたって。うん、そっから先さぁ。 どう転ぶかわからん。おっかねぇ…ん、ゴメンな俺、愚痴ばっか。いつもアリガト。 お前だってやめといたほうがって思、え、なんでお前になるんだ。相手お前って何。 ちょ、なにいってんの。俺の相談じゃないの?えー…まぁ、なんだ、あれだよ。 そうだなぁ先ずはお友達からって事で。あ、もうなってる場合はどうしたらいいんだ? 同じ顔同士
  • 12.5-579
    嘘つき じゃあ一連の流れを無視して久々に語りますね 拙い文章ですが目をつむってくださると幸い。 『嘘つき』って凄い短いのに思い単語だよね。 会話の中でぽつりと出すと途端に生まれる独特の空気。漢字変換すると『嘘吐き』とも出る。それがまた嘘っていうのは人間の口からしか吐かれないものだという現実を突き付けられるんだよね。 嘘にも種類は多様に在る。同人界ではよく『優しい嘘』『自己犠牲の嘘』が使われる。 萌えるよな。凄く萌えるテンプレだよ。 例えば攻めが物凄く身分の高い輩だったとして、受けが攻めのために身を引こうとする。この時に使われるのが『自己犠牲の嘘』だと思うんだ。 「俺…ホントは攻めなんか好きじゃねえし!攻めがしつこいから…っ仕方なく付き合ってただけだ!攻めなんか大嫌いだ!」 こんな風に吐き捨てて攻めから逃げる受け。でも、自分で吐いた嘘が自分に...
  • 12.5-879
    遊びのつもりだったのに 「だって先生、俺が高校受かったらデートしてくれるって言った」 「だからしただろ」 「あんなのデートじゃないよ!図書館行っただけじゃん」 「二人きりででかけるのがデート」 「違うよ!…ならキスしようよ、デートなんだろ…」 「……俺の大学よりいいとこに合格したらな」 そうやって逃れたのが三年ほど前。 高校の長い長い三年間で約束なんて風化していくものだと思ってたけどあれは違うな。 最後の一年間は受験一色のあいつが約束忘れるなよと暗に言っているようで気が気じゃなかった。 今俺とあいつは張り出された受験番号を探している。 ごめん、あれ本気じゃなかったんだ。遊びのつもりだったって言うか。 「先生……」 右手がそっと握られる。右肩に注がれる視線が痛い。俺は良心が痛い。 胴上げや悲鳴のうねりなんかはちっとも気にならない。 そっと吐...
  • 12.5-779
    人外(妖怪、妖精、幽霊、宇宙人なんでも可) 悪い夢でも見た? またうなされていたんだよ。 うっすらと目を開いた君は、汗で額に張り付いた前髪を手の甲で払いのけると 寝返りを打ってまた瞼を閉じる。 ああ、眠れないんだね、つらいんだね。君の安らげる時間は夜しかないのに。 学校での陰湿ないじめ。無関心を装う家族。たった一人の友達にも裏切られて。 きつく結んだ唇が震えてる。思い出したのかい? 今日あったこと全て……。 今までは見守るだけしかできなかったけれど。 もう、良いよね。僕が助けに入っても。 僕はね、味方なんだよ。君のことが好きだから。 誰にも触らせない。怖い夢からもいやな現実からもずっと、ずっと守ってあげる。 2人だけの世界でずっと一緒に暮らそうよ。闇だけでできた、暗く湿った素敵な世界。 僕が手伝ってあげるから。少しだけ息を止めて。...
  • 12.5-679
    メカニックマン×最前線で戦う戦士 あなたが好きです 確固たる信念を持って戦うあなたが好きです 不屈の闘志で戦うあなたが好きです 危険にさらされた子供を庇って怪我を負っても、何一つ曇らぬ笑顔を返すあなたが好きです 熱血バカ、とからかわれても、内心ではそのやり取りを嬉しく思い仲間たちを愛すあなたが好きです 時に壁にぶつかって挫けそうになっても、悩んで苦しんで深く暗い闇の迷路を彷徨っても、 仲間からの激励であったり、上司からの叱咤であったり、あるいはスタッフたちとの何気ない会話からでも 明日への活路を見出し、その一歩踏み出すことを恐れない そんなあなたが好きです 出来ることなら あなたの隣で共に戦いたかった 出来ることなら あなたのそばであなたの背中を守りたかった 適正審査で不合格だった私にはそれも適わず ならばせめて あなたを...
  • 6-479-2
    雨に濡れて あいつの部屋を一歩出たら、雨が頬を打った。  「あれ、つきさま、雨がぁ」 頓狂な声をあげるあいつに、苦笑しながら乗ってやる。  「春雨じゃ、濡れて参ろう」 目を見合わせ、ひとしきり二人で大笑いした。  「ほら傘。いくら五月でも、風邪ひくでしょ」  「これはこれは、かたじけない」 あいつは再びの笑いにむせながら、じゃあね、とドアを閉める。 俺がアパートの角を曲がると、待っていたかのように窓から頭を突き出したあいつが手を振った。 借りた傘をちょいと上げて、挨拶を返す。灰色の空に鮮やかな、真黄色のビニール傘。 駅までの道を歩きながらふと振り返ると、あいつの窓がまだ開いている。 もう顔が確認できる距離ではないけれど、人影が見える。 そうか、この黄色い傘のせいだ。向こうも俺は見えていなくても、傘が見えるんだな。 霧のように街をつつみ、新緑の木々に...
  • 6-479-3
    雨に濡れて 「うわ,もうビショビショ,最悪」  ようやく,歩道橋の階段下の狭いスペースを見つけて滑り込んで,あいつが自転車を止めた。  ほとんど前も見ずに豪雨の中を走りに走ってきたので,俺もあいつも呼吸が荒い。  自転車通学を余儀なくさせられている田舎の高校生である俺達にとって, 帰宅時間の突然の雨は,まあ,たまにあるハプニングだ。  女子は雨が止むのを待ったりしてるが,たいてい男は突っ切って走って帰る。  俺達もいつものように走り出して……常より激しい降りに降参して,こうして雨宿りとなった。  確かに最悪だ。  雨に濡れて,奴の制服のシャツが,その下の肌色を浮かび上がらせてしまっている。  自転車は濡れるに任せるとしても,こう狭いスペースじゃ距離が近すぎて, 目をそらしたところで伝わってくる体温は遮断できない。  いつまでも,いつものように,一緒に帰れる友...
  • 12.5-139
    深爪 「…あっ!痛っ」 またやってしまった。 「気をつけろって言ってるだろ。ばか」 「ごめんごめん」 離れてしまった細くて長い指に再び触れる。 「今度は丁寧にするから」 もう一度ごめんと呟いて傷つけた指を口に含むと、君は真っ赤になった。 君は爪の手入れすら面倒臭がるからせっかくの綺麗な手が台無しだ。 清潔にしておくために短くしろよ、と言ったのが始まりで爪切りは僕の仕事になった。 いつも切りすぎて怒られる。 君は知らないだろう?伸びた爪が僕の背中に傷跡を残していると。 君は知らないだろう。爪痕を見るたび僕の心が痛むことを。 今日も僕は君の爪を切る。もう君が僕の背中に過去を刻まぬように。 むしろ僕が君に跡を残せるように。 「何笑ってんだよ。気持ち悪いな。早く切るなら切れよ…痛い!」 「ごめんってば」 「わざとかよ」 うん。わざと。 ...
  • 12.5-149
    喧嘩友達 「誉れ高き勇者殿ともあろうお方が私如き一介の使用人にいちいちいちいちいちいちいちいち 突っかからないで頂きたいものですねえうっとおしい」 「普通の一介の使用人は魔王討伐に来た勇者を何度も何度も何度も何度も落とし穴に落とさねー んだよ!てか何だあのこの間の落とし穴は!中身ぎっしりナマコってどんな罰ゲームだコラ!」 「ああアレは某南の島に大量に生息するナマコを捕獲・飼育した『対侵入者撃退用自由落下式罠 325番:通称必殺ナマコ穴』と申しまして、落ちた相手の精神的ダメージに対してコストが 少なく皆様には中々の好評を博しております」 「皆様って誰だよ!っつーかそのネーミングセンスはどうなんだ!!」 「ちなみに彼の島では亡くなられた方がナマコになるという伝承がございまして、落ちた方には もれなく悪寒とラップ現象のオマケ付き」 「二重...
  • 12.5-189
    思い出すために 異音がするビデオデッキに不安を覚えたが、今回もなんとか無事に再生できた。 画面の中で大写しになった歯を見せて笑う口元、 それが誰のものかなんて考えなくても分かる。 映像はとうに古くなって黄ばんでいたけれど、俺の中ではいつだって原色のまま変わらない。 ”お前達って友達のくせに仲いいよな” いつだったか誰かにそう言われて、苦笑いしながらも誇らしいような気持ちになったのはいい思い出だ。 けれども今、「友達」の俺に残っているのはこのビデオテープだけだった。 気づけば暗い部屋の中、映像を映し終えたテレビがぼんやりと光っていた。 巻き戻しボタンに手をかけながら考える。 きっと俺はこのテープを壊れるまで、壊れるほど見返すんだろう。 そうやって年々かすれていく思い出を繋ぎとめていくんだ。 いつもの人
  • 12.5-159
    試合で破った敵校の先輩と偶然再会 「あっ!」 渋谷の繁華街でばったり出会った俺達は同時に叫んだ。 一人はもちろん俺で、もう一人はこの間バスケの試合で負かした相手校の先輩だ。 俺のめちゃくちゃ恋い焦がれてる人でもある。 去年の大会で彼のプレイを観て一目惚れしたんだ。 もっと早くに彼の存在を知っていたなら同じ高校に入っていたのにと悔しく思う。 「先輩」 「なっ!お前なんか俺の後輩でも何でもねえだろ!気安く先輩なんて呼ぶなよ!」 やはりこないだの試合の時、彼ばかり散々マークしてること根に持ってるようだ。 あれは何も嫌がらせした訳ではなく、ましてや勝つ為の戦略などでもなく、 俺の個人的問題だったんです、先輩。 監督からエースの彼のマークに付けと言われた時は小躍りしたくなるほど嬉しかった。 こんなに密着出来る機会なんてそうそう無い。 試合なんかどうだって...
  • 12.5-169
    年の差、一回り以上 2月3日 日よう日 ぼくは、きのう、お母さんといっしょに、おばさんのうちにいきました。 いとこのはるきにいちゃんと、ウィーをしたり、サッカーをしてあそびました。 はるきにいちゃんは、大がくという、小がっこうじゃないがっこうにいっています。 せがたかくて、サッカーがうまくて、かっこいいです。 いっしょにおふろにはいったら、ちんちんが、ぼくのより大きくて、 かたちもちがくて、ぼくはびっくりしました。 「でっけー。」 と、いったら、 「おれのは、ふつうだし。」 といって、かおがまっかになりました。 おしっこするときみたくさわったら、かたくなりました。おもしろかったです。 だから、もっとさわりたかったのに、にいちゃんにおこられたので、やめました。 にいちゃんは、 「おとなになったら、おまえもこうなるよ。」 と、いいました。 ぼくは、...
  • 12.5-109
    成人式or同窓会 来るだなんて、思いもしなかった。 心のどこかではなから来ないものだと思い込んでいたから、全く思考に掠めもしなかった。 小中を共にした懐かしい顔が並ぶ中に見つけた顔を、一瞬理解できなかった。 「おい立花、見ろよ。あいつ菊池じゃね?」 随分と頭身が高くなって、あの頃見下ろした目線が見上げた先にある。 女のような顔をしていた菊池は、男らしさが面差しに見え隠れする華やかな男になっていた。 そうだ。あの頃菊池はなよなよとして、友達も女ばかりだった。 男だか、女だかが曖昧なあいつが気に食わなくて、気持ち悪くて。 俺は、幼稚な残酷心でもって菊池をいじめ抜いたのだ。 「立花君」 式の半分は、やれ誰が可愛くなっただの、今どうしてるのかだの雑談を聞き流しているうちに終わった。 ざわついた会場の外で肩を叩かれ、俺は随分怯えた顔をして振り返ったように思...
  • 12.5-59
    悪堕ち 「おや、これは手ひどくやられたものだね」 獄につながれた青年は床の上で上体を起こし、声の主をねめつけた。 その鋭い視線を受け止めて、壮年の男は白々とわらってみせた。 数日に渡る拷問は精悍な面差しに濃く疲労の影を刷いていたが、心は折れていないようだった。 絆の力が、青年をあちら側につなぎ止めている。 その強さを、男は認めざるを得なかった。 しかし、いかに密な結びつきとて弱点がないわけではない。 やり方さえ間違えなければ、思いの強さを逆手にとることも出来る。 しばし言葉を吟味して、男は穏やかに語りかけた。 「君が何故これほどまでに頑なな態度をとるのかは分かっているよ。 我々に与しないことで”あの男”に義理立てしているつもりなのだろう?」 青年は応とも否とも答えなかったが、聞こえていることは確かだった。 男は気にするふうもなく話を続ける。 「...
  • 12.5-89
    筋肉 眠っている彼の背をそっとなぞる。 学生のころから均整の取れた体は変わっていない。 たくましい腕、引き締まった腹筋、無駄な肉のないきれいな背中。 俺の体とは大違いだ。自分の弛んだ腹を見て思わず苦笑が漏れる。 疲れているのだろうか。 背中から腕をなぞりだしても一向に起きない。身じろぎもしない。 疲れといえば、筋肉痛が2日後に来るとか言ってたな。 俺は3日後だった、と言ったらおじいちゃん呼ばわりされた。 変わらないように見えても、お互い少しずつ年をとっているのだ。 いつの間にか小学生の子供がいたっておかしくない年になってしまった。 こいつの年の割りにしっかりした腕に抱きしめられるのは可愛らしい奥さんで、 がっしりとした肩にしがみつけるのは彼に良く似た子供であるべきなのだ。 こんな中年男でいいはずがない。お前にはそっちのほうが似合ってるよ。 お前...
  • 12.5-99
    日付が変わる 特別な日(好きな相手の誕生日とか)って、日付かわった瞬間に メールしたり電話したりしたくなるよね。 その時のいろんなタイプの攻め受け反応あれこれ考えると萌え! 例えばヘタレ攻めなら、日付かわった瞬間にメール送ろうとして でも受け寝てるかも迷惑かもってぐるぐる悩んでる内に日付 かわって一時間経ってたり。 ツンデレ攻めに健気受けがすごーく長いおたおめメール送って ツンデレは「うざい」って返信したあと、書き忘れたからとか 言ってお礼電話したり… 色々考えると妄想止まらないんだぜ! 成人式or同窓会
  • 12.5-019
    変身ヒーローと共闘する刑事。実は正体の方でも非常に親しい人だけどそれは知らない この町に怪人が現れるようになったのと時を同じくして、奴が現れるようになった。 正義の味方だか何だか知らないが、俺が怪人から人々を守っていると必ず現れる。 そしてさっさと怪人を倒して去っていく。 おかげで刑事としての俺のプライドはズタズタだが、 人々の平穏な生活が守られるなら俺のちっぽけなプライドぐらい安いものだ。 それにしても最近本当によく奴と会う。 たとえ俺がいようといまいと怪人が現れたら奴も現れるのだろう。 たまたま怪人の出現回数が増えてるだけなのかもしれない。 だが、そう考えても腑に落ちないぐらい奴に会うのだ。 「なあ、どう思う?」 「それ俺に聞かれても…。偶然だと思うけど。」 確かになじみの喫茶店のマスター代理に聞くことじゃないかもしれない。 だけど、幼い頃...
  • 9-479
    攻めが浮気 あれはいつもの事だ。だから気にしても仕方がない。 「友美ちゃんってかわいいよね、一緒にいると楽しいから好きだな」 「この間早紀ちゃんとラブホ行ってさ、俺はダメだって言ったんだけど」 「悪い、明日佳那子がどうしても付き合ってくれって言うから」 それでも、心が折れてしまうということはあるもので。 俺は何百回も書いては消していたメールをとうとう送信して、 知久の前から姿を消した。 と言う事が2ヶ月前のあらましな訳だが、 朝アパートの扉を開けると、足下に土下座して背中を見せている知久がいた。 「……なにやってんのお前」 「俺が悪かった、もう一度やり直したい」 なにを今更、お前に反省なんて言葉があるわけない。 「一哉がいなくなって考えたんだ。友美や早紀も大切だけど、 やっぱり一哉がいないと、俺…」 当時もよくそう言われた。しかし彼...
  • part12.5
    part12.5 口下手な人の告白 変身ヒーローと共闘する刑事。実は正体の方でも非常に親しい人だけどそれは知らない 演劇部×野球部 年賀状 二人まとめて 悪堕ち ヘタレ×天然 ネタ扱いされる男(2ちゃんねる的な意味で) 筋肉 日付が変わる 成人式or同窓会 30代やもめ男×偏屈な専門家 ...
  • 12.5-719
    青春真っ只中な二人 手を握れ。 そのまま家まで送れ。 方向間逆?だったら最初に言え。 離れたくないなら抱き締めろ。 そんな目で見るな。 だからそんな目で見るな。 なんでお前が泣きそうなんだバカ。 顔が赤いのはトマト食べ過ぎたんだ。 ミニトマト一個でも食べすぎなんだ。 お前少しかがめ。 何もしないから早くかがめ。 いいから早く。 ――バカ、早く目を瞑れ。 空気よめ。 早く帰れ。 いつまでそうしてんだ。 俺は帰る。 またな。 ……5メートル離れてないのに、メール送んな。アホ。 青春真っ只中な二人
  • 12.5-039
    年賀状 2年になってやっと同じクラスになったその友人は、基本的にうるさい。 馬鹿のくせに、他人の領域にはズカズカ入るくせに、意外と本人は秘密主義だ。 ただ異様に人なつこくて明るくて、まぶしかった。 だからって、別に。ほだされたとか、そんなんじゃない。全然。 今も放課後の教室で、何が楽しいのか僕の眼鏡を掛けてみせ、 似合う?などとしきりに訊いてくる。 それが飽きたら今度は僕の髪でも弄り出すんだろう。好きにしろ。 いや、いつもなら足でも踏んでやるんだが、今の僕はそれどころじゃなかった。 12月も残りわずかという今日この日、僕はある使命を果たすべく、 タイミングを計っていた。 さりげなく、なるべくさりげなく… 「どうしたの?」 「ハァア?!」 「うわっ!…いや、なんか大人しいと言うか、それでいて鬼気迫ってると言うか…」 「…別になんでもない。そんなこと...
  • 12.5-769
    無意識な惚気 例えばそれは、彼にとっては昨日の晩飯の話をする位の感覚なんだろう、と思う。 「昨日さー、先輩とゲーセン行ったんだけどー。あの人ガンゲーめっちゃ上手くて」 コイツとその先輩がデキてるってのを、俺は知っている。 たまたま、本当にたまたま、公園でキスしてるのを見ちまったから。 「何か俺が3倍くらいお金使っちゃったんだけどさー」 「お前が下手なんじゃね?」 「ちげーって」 脚を広げて逆向きに椅子に座り、だらりと俺の机に上半身を預けて愚痴る相手をからかってみる。 するとコイツは、目線だけをこっちに寄越しながら、頬を膨らませて反論してきた。 高校生にもなって、ガキかっつーの。 「でもさー、ガンゲーやってる時の先輩って、むちゃくちゃかっこいいんだわ」 頬の膨らみを吐き出して、今度はだらしなく笑いながら、コイツは言う。 「何かさー、年上の迫力っての?目とか鋭い...
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