*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「12.5-639」で検索した結果

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  • 12.5-639
    てるてる坊主と雨男 「お前さー、何で俺の言うこと聞けねーんだよ。お前の仕事だろ?」 窓枠に頬杖をつきながら、ここ数日止むことのない雨とボクを交互に見て恨めしそうに呟いた男は 派手に溜め息をついてからピシャリと立て付けの悪い窓を閉めた。 今日の天気は連日の雨に加えて風が酷く、ボクの体は右へ左へ揺さぶられて全身びしょ濡れ。 まったく。溜め息をつきたいのはこっちのほうだよ、と一人ごちる。 肝心な時に決まって雨が降ってしまって困っているらしい彼が、古い木造アパートの軒先に ティッシュ5枚ほどを使ってボクを作ったのはちょうど3ヶ月前。 あの時は確か彼女との初デート。結果、大雨。しかもフラれてしまって散々だったらしい。 ボク一人じゃダメだと思ったのか、その1ヵ月後、彼が代表に選ばれた陸上の大会の前日には ボクと同じような格好をした偽者を数え切れないほど作って...
  • 12.5-609
    死亡フラグをへし折る受 「俺、今回の仕事を最後にしようと思うんだわ」 ―――だからさ、 そこまで言いかけて彼は急な呼び出しに飛んでいってしまった。 彼の仕事は時間を選ばずで、ベッドで甘い囁きでも交わそうかという時にでも非情だった。 おまけに会うたびあちこちに新しい傷ができていて、常々僕はそれを問い質した。 「お前はいつも馬鹿面で俺を待ってりゃいいんだよ」 なんて言葉で丸めこまれて、いつも僕は黙るしか他なかった。 知っていたからだ。 図体ばかりが大きくあまり気の強いほうではなくて、幼い頃に蟻の行列を踏ん付けたことをまだ気に病むような小心者の僕に心配させまいとしていた彼の心情を。 そんな彼は、結局一年が過ぎても戻らなかった。 僕は後悔している。あの時、彼を引き止めなかったことを。もっと早くに足を洗ってくれと言い出さなかったことを。 ―――だからさ、 彼は何を、言...
  • 12.5-659
    爪先にキス そっと爪先にキスをした。 貴方が帰ってくるまで、私はずっと待ちつづけています。 いつのまにかできた主従関係。 同じ日に生まれたのに、身分の違いというのはこんなに皮肉な物か。 貴方は微笑んでこう告げた。 「じゃあ、ちょっとハワイまでサーフィンしにいってくるね」 気をつけていってらっしゃいませ。 全国の子供達が貴方の活躍を期待していますぞ。 声変わり
  • 12.5-699
    どうしていつも君は5分遅れて来るんだい? 朝が弱いわけじゃない。 どっちかっていうと目覚ましが鳴りだす前に起きてる事が多い。だって朝練楽しみだし。 冷えた空気のロッカールームで着替えるときの緊張感が好きだ。朝もやが降りて少し湿ったトラックのにおいが好きだ。シューズの紐を調整しながら、走りこむイメージを固めるのが好きだ。んでもってそのイメージ通りに走れるように基礎練するのも好きだ。もちろん走るのも。 でも一つだけ嫌なことがある。1学年しか違わない、部長でもマネジでもないのに口喧しい奴。 大体上って言ったってアイツ3月生まれじゃん。俺5月だし。実質タメの癖に俺にばっか威張っちゃってさ。お前になんか指図されたくないっての。4月で区切る制度って何とかなんないかな。 奴より良い記録残しても、監督に認められても、先輩・後輩ってのはひっくり返せない。 休み時間にだれていると、隣...
  • 12.5-619
    最後に伝えたい言葉 「十中八九脳漿ブチ撒けて御陀仏、やな」 ヒュゥ、と場違いな口笛の音。こんなときでも口許には狂犬じみた笑み。 ――嗚呼、神様仏様。 この人のこのカオが見れなくなることだけが心残りです。 つい先刻まで縛られていた手首をさすりながら窓を覗き込む。 ここから飛んで助かる可能性は五分…というのはあまりに楽天的過ぎる数字だろう。 まぁ、どちらにしろ連中はおれ達を生かして帰すつもりはあるまい。 それならいっそ今ここでこの人と一緒に死ぬ方のも悪くない。 想い人と共に死ぬ。なかなか甘美な響きじゃないか。ああ、ますます悪くない。 死の間際の感傷か、押し殺してきた言葉が自然に口をついて出る。 「神崎さん、最後に聞いて欲しいことがあるんですわ」 「ぁア? なんや改まって」 「――おれ、ずっとあんたのこと愛してました」 「へッ! 寝言ぬかしよる。お...
  • 12.5-629
    青より赤が似合う 放課後。 「ねえ」 あきれた君の声。 「いつまでかじりついてんの」 これ見よがしの溜息さえ、夕暮れに似てこの胸を鮮やかに染める。 目印を残して僕は厚い本を閉じた。朱に透ける瞳はまるで、何かの監視員気取り? 「信じらんない。もう間に合わない」 「そんなに見たいドラマなら、どうしてさっさと帰らないんだ。机にかじりつこうが図書室に根を生やそうが、とにかく俺の勝手だ」 「ちょっと! どこ行くんだよ!」 よく喋るから無駄が多い。身振りが大仰だから行動が鈍い。鞄を掴んだ君はやっと、僕が廊下を抜ける途中で追いつく。ほら、加減なく後ろ手を掴む。 「待てよ!」 「おまえこそ『どこ行くんだよ』?」 「どこ、って……」 いつも明るいから沈黙が深い。さっき綺麗だと思った夕焼け色の瞳がさっと伏して、けれど弾かれたようにまた僕を見上げた。長いまつげ。 「おまえが教...
  • 12.5-679
    メカニックマン×最前線で戦う戦士 あなたが好きです 確固たる信念を持って戦うあなたが好きです 不屈の闘志で戦うあなたが好きです 危険にさらされた子供を庇って怪我を負っても、何一つ曇らぬ笑顔を返すあなたが好きです 熱血バカ、とからかわれても、内心ではそのやり取りを嬉しく思い仲間たちを愛すあなたが好きです 時に壁にぶつかって挫けそうになっても、悩んで苦しんで深く暗い闇の迷路を彷徨っても、 仲間からの激励であったり、上司からの叱咤であったり、あるいはスタッフたちとの何気ない会話からでも 明日への活路を見出し、その一歩踏み出すことを恐れない そんなあなたが好きです 出来ることなら あなたの隣で共に戦いたかった 出来ることなら あなたのそばであなたの背中を守りたかった 適正審査で不合格だった私にはそれも適わず ならばせめて あなたを...
  • 12.5-689
    暗闇に目を覚ませ ああ君、騙されちゃいけない。 もう二度と、けしてあの男への愛しみを語ってはならない。 そうやって切なく掴む胸から、君の盲目が生まれている。 何も見えやしないだろう。こんな明るい陽光のした、君の世界は彼へ彼へと翻っているのだ。 「……それは彼を皮肉っているのですか。嘲っているのですか。彼は紳士です。世間は彼を知らない……。本来ならもっともっと上の爵位を戴いて然るべき方です。あの」 だが君は知っているだろう。 「あの、生まれつきだという弱視さえなければ、彼は」 君の言葉を詰まらせた処に真実がある。君は知っている。 彼はすでに人でない。 それでもなお君は言い募るつもりか。降り注ぐ陽光。大地を染める暗緑。今また一陣の風が行過ぎて、君は何かを願うように風の道を仰いだ。 「世界は美しい。善良な瞳を灼くものなど存在しないのだ」 「ならば灼かれます」 「堕...
  • 12.5-649
    真面目×ノーテンキ 「笑ってんなよお前、もっと真面目に考えろよ……!」 「考えてもムダだって、ブルースリーも言ってんじゃん」 「……なに」 「考えるな!感じるんだ! さあ!感情の赴くまま!おれを!貪るがいい!」 「馬鹿かお前……ふざけてる場合かよ…… お前、ホモだぞ?おれ達ホモになっちまうんだぞ……?」 「おれに言わせりゃここまで来て今更グダグダ言ってるアンタの方が よっぽどふざけてると思うけどね」 「……ッ、悪、ぃ」 「あーもう、やめてよね一々マジに取んの」 「……悪い」 「まァた謝る!もっと気楽に考えなよ、1度しかない人生なんだから何事も経験してみなきゃ損よ?」 「1度しかないから踏み外したくないんだろ」 「あーあー、堅いねェ」「性分、だ」 「つーかおれとこうするの、道踏み外してるって思ってるんだぁ」 「そ、そういう意味じゃなくて!」 「あは...
  • 12.5-669
    声変わり 「中野はさ」 屋上で弁当食って残り時間はいつも通りの昼寝タイム。 声のするほうにごろりと寝返りを打つと小金井がぽっかり浮かんだ雲を眺めながら続けた。 「まだ安定しないよな。体質とかかね?」 「あー。そうかもしんない」 適当に相槌を打ちながら小金井の喉仏を見つめた。 俺の声はちょっと変だ。だからあんまり喋りたくない。 顔に似合わないね、といわれる重い声とはしゃぐような子供の声が時々入れ替わる。 こんなのがもう1年も2年も続いている。 皆のように「大人の男の声」になったらこの気持ちはなくなるんだろうか。 逆か。変なキモチがあるから、子供っぽい独占欲ばっかだから、こんな声のままだとか。 ・・・俺の声が俺を責める。 「ずっとこうだったらヤだな」 いつまでもガキみてぇじゃん、と言ってるそばからもう声が裏返ってしまう。 「ソレはそれで味があっていい...
  • 5-639
    女の子大好き!な受け 知り合った頃は、女なんか面倒だ、それよりお前といるほうがずっと楽しいと言っていた。 その言葉に安堵した俺を彼はどういう気持ちで見ていたんだろう。 俺といるほうが楽しいと言う言葉をどうして真に受けていたんだろう。 どうして俺はもっと焦らなかったんだろう。 どうして、俺は彼に好きだと告げられなかったんだろう。 いつからだったか、人が変わったように 彼女が欲しい、女が欲しいと繰り返す彼にどう接していいのか分からない。 笑うべきなのか、諌めるべきなのか。それとも怒るべきなのか。 俺はどの選択肢も選べない。 彼女が出来たと報告されたら。 考えただけで寒気がするこの感情は恋なのか、それとももっと違う倒錯した何かなのか。 好きだ好きだ好きだと馬鹿みたいに繰り返したら 彼は振り向いてくれるのか。 恋愛の選択肢に女じゃない俺を入れて...
  • 25-639
    酌み交わす 「酌み交わす」……それは雑音さえもBGMとして、二人の世界がそこに存在することを意味する。 20代前半同士が仲間内の賑やかな飲み会から少し隅に外れて二人だけで酌み交わすとか。 30代中頃の隠れゲイが恋人にフラれた同僚を慰めつつ胸を締め付けられつつ平気な顔で酌み交わすとか。 30代後半同士が会社で独身なの俺らだけかー、などと言いながら少しずつ、でも確かに近くなる距離を感じながら「まさか」「もしかして」という予感に戸惑いつつ、だけど世間体やら突き進んでみるには遅すぎる年齢やらを気にしてちょっとした後ろ暗さを抱えて酌み交わすとか。 40代ノンケ同士が行きつけの飲み屋でいつものモツ煮をつまみながらキャッキャウフフと娘息子の話に花を咲かせつつむしろ二人がお花ですみたいな状況で酌み交わすとか。 50代同士幼馴染あるいは腐れ縁がお正月に家族ともども互いの家を訪れ騒がし...
  • 12.5-609-1
    死亡フラグをへし折る受 「本当に行くのか」 「うん」 信孝は写真家だ。戦争の現状を撮りたいと言い、 今まさに紛争の只中にある某国へ旅立とうとしている。 …あの国で外国人が何人も拉致されたり殺されたのをまさか忘れたか? 全部自己責任だぞ自己責任。わかってんのかこのバカ。 「なぁ、悠」 「なに」 「一年以内には帰ってくるから…。そしたらさ、その、お前に話が…」 「…わかった。一年だろうが十年だろうが待っててやるから、  五体満足で帰って来いよ」 そんなに顔赤くしながら「話がある」なんて、バカじゃねーのかこのバカ、俺より10も年上のくせに。 全部つつぬけだっつうの。しかしバカに惚れた俺も相当バカだ。 「じゃあ、行ってくる」 「…ん」 気をつけてなとか、しっかりやれよとか、言いたい事は色々あったのに なぜか言葉にならなかった。 ...
  • 12.5-039
    年賀状 2年になってやっと同じクラスになったその友人は、基本的にうるさい。 馬鹿のくせに、他人の領域にはズカズカ入るくせに、意外と本人は秘密主義だ。 ただ異様に人なつこくて明るくて、まぶしかった。 だからって、別に。ほだされたとか、そんなんじゃない。全然。 今も放課後の教室で、何が楽しいのか僕の眼鏡を掛けてみせ、 似合う?などとしきりに訊いてくる。 それが飽きたら今度は僕の髪でも弄り出すんだろう。好きにしろ。 いや、いつもなら足でも踏んでやるんだが、今の僕はそれどころじゃなかった。 12月も残りわずかという今日この日、僕はある使命を果たすべく、 タイミングを計っていた。 さりげなく、なるべくさりげなく… 「どうしたの?」 「ハァア?!」 「うわっ!…いや、なんか大人しいと言うか、それでいて鬼気迫ってると言うか…」 「…別になんでもない。そんなこと...
  • 12.5-739
    一度だけキスをしたことがある 学食は混んでいたから、並んで座るしかなかった。 「お前誰ともつきあったコトないの? マジで?」 入ったばっかの大学で、最初に声をかけてきたこいつ。 なんとなくそのままつるんで、一緒にメシを食っている。 なんでこんな会話になったんだか。 こいつモテそうだから、誰か紹介してやるとでも言うのかな。 「わるかったな。どーせ寂しい人生だよ」 笑っていいのか、憮然とするべきなのか。 割りそこなった割り箸は食べにくい。 「キスもしたことないんだ?」 ねーよ、と返そうとして言いよどむ。 なんかまるでなんも知らない赤ンボみたいに言われるのが癪だ。 「い、一度、だけ」 ばか俺。なんでつっかえる。 へぇ、とヤツのニヤニヤ笑いが深くなる。 「それっていつ?」 「幼稚園の、とき…」 言ってからしまったと思った。 正直に白状することないじゃない...
  • 12.5-139
    深爪 「…あっ!痛っ」 またやってしまった。 「気をつけろって言ってるだろ。ばか」 「ごめんごめん」 離れてしまった細くて長い指に再び触れる。 「今度は丁寧にするから」 もう一度ごめんと呟いて傷つけた指を口に含むと、君は真っ赤になった。 君は爪の手入れすら面倒臭がるからせっかくの綺麗な手が台無しだ。 清潔にしておくために短くしろよ、と言ったのが始まりで爪切りは僕の仕事になった。 いつも切りすぎて怒られる。 君は知らないだろう?伸びた爪が僕の背中に傷跡を残していると。 君は知らないだろう。爪痕を見るたび僕の心が痛むことを。 今日も僕は君の爪を切る。もう君が僕の背中に過去を刻まぬように。 むしろ僕が君に跡を残せるように。 「何笑ってんだよ。気持ち悪いな。早く切るなら切れよ…痛い!」 「ごめんってば」 「わざとかよ」 うん。わざと。 ...
  • 12.5-399
    ロボットのくせに ※暗い話注意※ ミスターRは優秀なロボット。 ロボットだからといってあのブリキの玩具なんかを想像するのは止めて欲しい。 人工皮膚で覆われた最新型のアンドロイドなんだ。 製作者である私でも人込みの中に紛れてしまえば見つけることは難しいだろう。 これは、そんなすばらしく優秀なロボット、ミスターR のお話。 広い広いその研究所には二人だけ。 金髪に青い瞳の美しい男と赤毛でむっつりとした大男。 人間が便利に暮らせるような食べ物や乗り物、そしてロボットを研究している。 「御主人様、お食事の用意が整いました」 いつも同じ部屋で並んでいるような気がするのに一体いつ準備をしているのか、 美しい男は毎日決まった時間にそう告げる。 研究助手の片手間で執事業、驚くべき優秀さだった。 「放っておいてくれ、後から自分で食べる」 「昨日もそうおっ...
  • 12.5-839
    王佐の才 世は乱れた。 かつて、あまたの犠牲の上に築かれた体制は時を経て形骸と化し、 既に民の不満を抑え込むだけの力を持たなかった。 空白となった権力の座を巡って群雄が相争い、至るところが戦場と化した。 そんな時代に生を受け、戦乱で二親を失った少年がいた。 市で一切れの餅を盗もうとして折檻されていたところを、通りすがりの男に拾われた。 男は無位無官、当時手勢数百の頭に過ぎなかったが、 いずれこの国を統べるのだと夢を語った。 少年は男について行くことにした。景祥という名をもらった。 まったくの無学だったが、雑務の合間に男から読み書きを習い覚えた。 生来聡明であった景祥はその後多くの師に学び、長じて男の片腕となった。 神算鬼謀をもって勢力を支え、他の股肱達と力を合わせて版図を広げていった。 そしてついには天下を平定し、男を王の座に押し上げたのである。...
  • 12.5-539
    ヒゲ つ、と伸ばした手で顎を捕らえる。 親指の腹でやんわり撫ぜると、ざり、とした髭の感触。 ――嗚呼。 オンナノコのような横顔に欲情したのは遠い昔の話、青春期の気の迷い。 だってあの頃コイツは可愛かった。そこいらの女よりよっぽど可愛かった。 「…なに?」 怪訝そうな声に、はっと我に返る。 「…あ、いや。…ヒゲ、が」 「髭?」 「……お前でも生えるんだなぁ、と…」 「あァ?俺だって髭くらい生えるさ。当り前だろ、こんな時間だし」 ガキの頃はともかく、そう言って苦笑する。俺の手に顎を預けたまま。 …手を放すタイミングを完全に逃した。 指先に、ちくちくと刺さる、むず痒いような刺激。 ――自分は男だと、俺に主張するように。 そう、ガキの頃ならともかく、だ。 女のような白い首筋、細い腕。 あの日の横顔。夕陽を受けてきら...
  • 25-639-1
    酌み交わす 萌え語りさせてください 1.忘年会で返杯につぐ返杯で、酔ってタメ口になって和気藹々と明るく酌み交わすリーマンが一番に浮かぶけど 2.バブルの頃のクリスマス デートの予定もないしバカ騒ぎのパーティも苦手で不参加の男同士(両片思い)が食事でもと出かけるが、どの店も満席で入れない どっちかの家に行くのもなんか気恥ずかしくて、街うろついてやっと見つけたのは純和風の小料理屋 店の雰囲気でビールではなく熱燗頼むけど、お銚子や杯の扱いに慣れてなくてぶつけたり入れすぎたりと、ぎこちなく酌み交わして数十年 一緒に暮らしてる二人が、こんな冬の夜にコタツに入って熱燗をごく自然に酌み交わしながら鍋つついて暮らしてる、なんてのもいい 3.それなりの地位のライバルが、お前がまさかこんな所にくるのかって路地裏の屋台で鉢合わせ 帰るのは自分が逃げるみたいで嫌で、気に入らない...
  • 12.5-939
    君が僕の事を好きな事はずっと知っていたよ 知ってた。気づいてたよ、初めて出会った頃から。 人懐っこいくせしてあんまり深い友達付き合いしないお前が 俺とはよくつるんでいろんなところ行って。 ゲーセン、カラオケ、買い物、水族館、映画館って それは好きな女の子と行けよってところまで 俺たちは男二人できゃっきゃと遊びに行った。 結構楽しかった。なによりお前がすごく嬉しそうで。 こいつ、俺のこと好きなのかなって、俺は勘違いしそうになる 自分を必死で止めてた。だって、普通に考えて男同士で お互い好きになるって確率はめったにない。 それに、お前は普通に女の子も好きで、ときどき彼女がいて、 そういうときは俺とは遊ばずに楽しそうにデートの報告なんか してきて、そのうちいつの間にか別れてたけど。 だから、そう。お前は俺のことは好きだけど、俺が望んでるような 好きじゃなくて、...
  • 12.5-59
    悪堕ち 「おや、これは手ひどくやられたものだね」 獄につながれた青年は床の上で上体を起こし、声の主をねめつけた。 その鋭い視線を受け止めて、壮年の男は白々とわらってみせた。 数日に渡る拷問は精悍な面差しに濃く疲労の影を刷いていたが、心は折れていないようだった。 絆の力が、青年をあちら側につなぎ止めている。 その強さを、男は認めざるを得なかった。 しかし、いかに密な結びつきとて弱点がないわけではない。 やり方さえ間違えなければ、思いの強さを逆手にとることも出来る。 しばし言葉を吟味して、男は穏やかに語りかけた。 「君が何故これほどまでに頑なな態度をとるのかは分かっているよ。 我々に与しないことで”あの男”に義理立てしているつもりなのだろう?」 青年は応とも否とも答えなかったが、聞こえていることは確かだった。 男は気にするふうもなく話を続ける。 「...
  • 12.5-89
    筋肉 眠っている彼の背をそっとなぞる。 学生のころから均整の取れた体は変わっていない。 たくましい腕、引き締まった腹筋、無駄な肉のないきれいな背中。 俺の体とは大違いだ。自分の弛んだ腹を見て思わず苦笑が漏れる。 疲れているのだろうか。 背中から腕をなぞりだしても一向に起きない。身じろぎもしない。 疲れといえば、筋肉痛が2日後に来るとか言ってたな。 俺は3日後だった、と言ったらおじいちゃん呼ばわりされた。 変わらないように見えても、お互い少しずつ年をとっているのだ。 いつの間にか小学生の子供がいたっておかしくない年になってしまった。 こいつの年の割りにしっかりした腕に抱きしめられるのは可愛らしい奥さんで、 がっしりとした肩にしがみつけるのは彼に良く似た子供であるべきなのだ。 こんな中年男でいいはずがない。お前にはそっちのほうが似合ってるよ。 お前...
  • 12.5-99
    日付が変わる 特別な日(好きな相手の誕生日とか)って、日付かわった瞬間に メールしたり電話したりしたくなるよね。 その時のいろんなタイプの攻め受け反応あれこれ考えると萌え! 例えばヘタレ攻めなら、日付かわった瞬間にメール送ろうとして でも受け寝てるかも迷惑かもってぐるぐる悩んでる内に日付 かわって一時間経ってたり。 ツンデレ攻めに健気受けがすごーく長いおたおめメール送って ツンデレは「うざい」って返信したあと、書き忘れたからとか 言ってお礼電話したり… 色々考えると妄想止まらないんだぜ! 成人式or同窓会
  • 12.5-019
    変身ヒーローと共闘する刑事。実は正体の方でも非常に親しい人だけどそれは知らない この町に怪人が現れるようになったのと時を同じくして、奴が現れるようになった。 正義の味方だか何だか知らないが、俺が怪人から人々を守っていると必ず現れる。 そしてさっさと怪人を倒して去っていく。 おかげで刑事としての俺のプライドはズタズタだが、 人々の平穏な生活が守られるなら俺のちっぽけなプライドぐらい安いものだ。 それにしても最近本当によく奴と会う。 たとえ俺がいようといまいと怪人が現れたら奴も現れるのだろう。 たまたま怪人の出現回数が増えてるだけなのかもしれない。 だが、そう考えても腑に落ちないぐらい奴に会うのだ。 「なあ、どう思う?」 「それ俺に聞かれても…。偶然だと思うけど。」 確かになじみの喫茶店のマスター代理に聞くことじゃないかもしれない。 だけど、幼い頃...
  • 12.5-339-1
    水の中 水の中では、僕らに言葉は要らなかった。 ただ泳いでれば、水は僕とアイツを繋いでいて、言葉を使わないで互いを分かり合えた。 「俺、水泳辞める」 「え、何で」 高校からの帰り道、唐突に天野は言った。いつもみたいに、ぶっきらぼうな声で。 あんまりあっさりと言うもんだから、僕の耳がおかしくなってしまったのかと思ってしまった。 小さい頃からあんなに水泳好きだったのに。なんで辞めるなんて言うんだろう。 「何でだよ」 立ち止まった僕から数歩歩いて、天野は振り向いた。 よくわからない、恥ずかしそうな、気まずそうな複雑な顔をしていた。 「お前は、大会とか行きたいんだろ」 「うん」 「俺は、そういうの、思ってなくて、ただ、水泳が好きなだけで、泳げれば、それでいい」 口下手な天野は、ちょっとずつ考えながら言葉をつむいでいる。 「うん、知ってる」 昔から、天野...
  • part12.5
    part12.5 口下手な人の告白 変身ヒーローと共闘する刑事。実は正体の方でも非常に親しい人だけどそれは知らない 演劇部×野球部 年賀状 二人まとめて 悪堕ち ヘタレ×天然 ネタ扱いされる男(2ちゃんねる的な意味で) 筋肉 日付が変わる 成人式or同窓会 30代やもめ男×偏屈な専門家 ...
  • 12.5-719
    青春真っ只中な二人 手を握れ。 そのまま家まで送れ。 方向間逆?だったら最初に言え。 離れたくないなら抱き締めろ。 そんな目で見るな。 だからそんな目で見るな。 なんでお前が泣きそうなんだバカ。 顔が赤いのはトマト食べ過ぎたんだ。 ミニトマト一個でも食べすぎなんだ。 お前少しかがめ。 何もしないから早くかがめ。 いいから早く。 ――バカ、早く目を瞑れ。 空気よめ。 早く帰れ。 いつまでそうしてんだ。 俺は帰る。 またな。 ……5メートル離れてないのに、メール送んな。アホ。 青春真っ只中な二人
  • 12.5-379
    かくれんぼ  放課後の校内探索が俺の日課――と言う事にしてからもう随分経つ。  もっとも探索とは名ばかりで、単に放課後になると校内を徘徊し、適当な場所を見つけてはぼんやりと過ごす。ただそれだけ。  最初は本当に探索のつもりだったが、それも狭い校内での事。いい加減ネタも尽きてきて、ある程度決まった場所を日毎に選ぶだけになりつつある。 「みぃつけた!」  明るい声とともに俺の目の前に現れたのは、笑う幼馴染の顔だった。ガキの頃からの腐れ縁で、十年以上ほぼ毎日見続けている顔だ。  俺が校内探索を始めた日から、放課後になると俺を探すのがこいつの日課になっている。 「まーたこんな所に隠れちゃって」 「別に隠れてないし」 「用がないなら帰ろうぜー。しっかしお前も毎日よく飽きないよな。もう行ってない場所なんかないんじゃね?」 「そっちこそ。毎日毎日……」  わざわざ探しに来なく...
  • 12.5-769
    無意識な惚気 例えばそれは、彼にとっては昨日の晩飯の話をする位の感覚なんだろう、と思う。 「昨日さー、先輩とゲーセン行ったんだけどー。あの人ガンゲーめっちゃ上手くて」 コイツとその先輩がデキてるってのを、俺は知っている。 たまたま、本当にたまたま、公園でキスしてるのを見ちまったから。 「何か俺が3倍くらいお金使っちゃったんだけどさー」 「お前が下手なんじゃね?」 「ちげーって」 脚を広げて逆向きに椅子に座り、だらりと俺の机に上半身を預けて愚痴る相手をからかってみる。 するとコイツは、目線だけをこっちに寄越しながら、頬を膨らませて反論してきた。 高校生にもなって、ガキかっつーの。 「でもさー、ガンゲーやってる時の先輩って、むちゃくちゃかっこいいんだわ」 頬の膨らみを吐き出して、今度はだらしなく笑いながら、コイツは言う。 「何かさー、年上の迫力っての?目とか鋭い...
  • 12.5-829
    どうしようもないバカ野郎 夏にはまだまだ早いだろうに、額にも背中にも汗が伝う。 狭苦しい四畳半に二人きり。 なのに、奴はトランクス一枚で、部屋のど真ん中に転がっている。 「アチーよークーラー買おうよー」 起きたままそんな寝言を呟いて、大の字に伸ばした手足をモゾモゾさせる。 「無理。欲しけりゃそれだけの金を稼いで来るんだな」 吐き捨てるように返せば、不貞腐れてそっぽを向く。 空気の重い沈黙に耐えかねたのか、のっそりと立ち上がって部屋を出て行った。 本当にどうしようもないバカ野郎だ。 怠け者のくせに貪欲で、耐えるということを知らない。 奴への憤りに、体の内側からも暑くなる。 外気の熱を吸った壁は、凭れさせている背中の皮膚を焼いていくようだ。 中からも外からも暑さを押し付けられ、あんな奴とはもう別れようと考えていた。 「たっだいまー!はい、キンちゃ...
  • 12.5-979
    声 午後二時四十分。 日差しがまぶしいこの部屋に居ると人の声がする。 『…来たのか?』 「久しぶり」 『久しぶり、元気してた?』 「元気元気」 『そうか、また大きくなったな』 「この前来た時から三ヶ月しかたってねーじゃん」 『いや、顔つきが変わったよ。もう17になったのか?』 「あぁ、先週な」 『おめでとう』 「ありがとう」 姿は見えない。 俺以外誰にも聞こえない。 でもこの声の主はこの部屋に存在してるんだ。 「じーちゃんこの部屋どうするって?」 『取り壊して新しい部屋を作るそうだ。もうこの部屋も古いからな』 「明治からあるんだっけ?」 『あぁ』 「…お前は…この部屋が無くなったらお前はどうなるの?」 『さて…分からないな、また新しい部屋に縛られるか、この部屋と共にいなくなるか』 「そっか」 『あぁ』 「……」 『何...
  • 12.5-249
    パラレルワールドの自分 父さん母さん。パラレルワールドの自分はゲ○でした。 一体なんのSF小説か、俺は自分の世界とは違う、パラレルワールドというやつに跳んで来てしまった。 原因不明。もう、まさしくファンタジー。 跳んだ先がその世界の自分の部屋だったから、運がよかったといえばよかったのかもしれない。 しかし。 パラレルワールドの俺は、ゲ○だった。 「なぁ、お前本当に男だめなの?」 「だめっちゅうか、そもそも考えたことがなかった選択肢っちゅうか・・・・・・」 「外見はまるっきりオレなのにな。ちょっと自分とヤるってのも楽しそうだったのに、残念だ」 いやいや、本当に残念そうにため息を吐かないでくれ。お願いだから。 俺この部屋以外でどこ行けばいいのかわからないんだから。 生まれて初めて貞操の危機なんてもの感じた・・・・・・。 「双子・・・・・・は無理だな。オ...
  • 12.5-559
    子どもの頃は受けに泣かされていた攻め 「先生!」 「…病院内でデカイ声をだすな」 「もう診察時間終わってんだから別にいいだろ、それよかメール見た?見た?」 「ああ」 先生と呼ばれた男は、思わず口許を緩ませる。 「合格おめでとう。晴れて俺の後輩だな」 青年が選んだ進路は、男の母校である大学の歯学部。 「お祝いに何か買ってやろうか?何が欲しい?ゲームか?」 「ガキかよ!」 「ガキだろ、俺から見りゃあな」 お前が小学生の頃から知ってんだぞ、そう言って青年の髪に手を伸ばし、くしゃりと撫でてやる。。 ただの歯科医と患者と呼ぶには親しい存在だ。 自分に憧れて歯科医を目指す、と言ったこの青年を、可愛く思わないはずがない。 大切な、弟のように思っている。 …それが、青年の望まないことだと薄々察しながら。 案の定、青年の瞳に不機嫌なひかりが宿る。...
  • 12.5-469
    愛の戦士? ちょっとおまいら聞いてくれ。 俺の幼なじみ超可愛いんだよ。俺とタメなんだけどさ。 ありえねーの。超いい奴でさ。ホントいい奴でさ。まさに俺の天使って感じなんだ。 クラスじゃ女子に人気があるわけでもないんだけど。 むしろちょっと怖いとか感じ悪いとか言われてることもあるけど俺はハア?って感じだね。 お前ら見る目あんのか?とか思うよ。確かにあいつキツイこともあるけどそれはフェイクなんだって。 あいつは色々不器用なだけでホントはすごいいい奴だから。 まあそんなわけで俺はそいつ大好きだから、一緒に帰ったりもしてて、 ついに「お前好きな奴いたりする」って聞いてみたんだよ。 絶対いないと思ったね。じゃなきゃ聞かないだろ常識的に。 でも駄目だった。うん。いたんだよ好きな奴。隣のクラスのバスケ部の奴。 マジちょっと泣きそうだったよ。そりゃ泣けないけど。 ...
  • 12.5-069
    ヘタレ×天然 ヘタレって、特に好きな人の前だとかっこよく振舞えないよね。 好きな人に振り向いて欲しくて頑張ってるのに その頑張りが報われないというちょっとかわいそうな人のような気がする。 だけど天然が相手になると、ヘタレのヘタレ行動が フォローされると思うんだ。 例えばヘタレが告白しようとしてるシーンで 「て、天然!俺はお前が…す…す…なんでもない…」 「そっか、なんでもないのか。ところで俺、ヘタレと手繋ぎたいなー」 と天然の発言でヘタレは告白できなくても、何かいい感じになる。 だけど天然に振り回されて『いい感じ』だけで終わっちゃったりして。 可愛くももどかしい組み合わせじゃないかな。 筋肉
  • 12.5-849
    追う者×追われる者 忘れもしない光景。 体育祭最後の華、選抜リレー。 その時のアイツのカッコ。何故か女子の制服を着てコースに着いた。 「うちの団のコンセプト、男女衣装取替えなんだよな」 そういって不適に笑うあいつの顔が、今でも焼きついている。 結果は惨敗。 陸上部では、短距離で負けたことなかったのに、アイツの背中に追いつく事だって出来なかった。 そのときは悔しくてただ泣いていた。 あれからもう3年経った。 「なぁ、お前陸上やらねぇの?」 「だからもうやらないって言ってんだろ!!」 気がつけば、あの時と立場が逆になっていた。 しつこく陸上部に勧誘してくるアイツに、『俺を捕まえられたら入ってやる』なんていった日からまだ3日。 俺の肩に手がかかる日は、多分近い。 最後の一つ
  • 12.5-799
    そうだな そこなんだよ。たとえばさ、うまいこと告白できたって。うん、そっから先さぁ。 どう転ぶかわからん。おっかねぇ…ん、ゴメンな俺、愚痴ばっか。いつもアリガト。 お前だってやめといたほうがって思、え、なんでお前になるんだ。相手お前って何。 ちょ、なにいってんの。俺の相談じゃないの?えー…まぁ、なんだ、あれだよ。 そうだなぁ先ずはお友達からって事で。あ、もうなってる場合はどうしたらいいんだ? 同じ顔同士
  • 12.5-299
    悪の総帥に惹かれる正義の味方 『やあみんな!いつも正義の味方コットンファイぶろぐを応援してくれてアリガトウ! 広報担当、マーブルコットンことこの俺、木綿沢五兄弟三男のタツヤが 今日もゲキアツな情報をお届けしちゃうっすよ~。 っっっっつー、か!!もう!!!聞いて!! コットンファイブ大 ピ ン チ ! ! ! ! ただいまストライプとギンガム、マジ喧嘩中です・・・(|||_ _)シーン… ・・・え~、とゆーのもですねぇ、この前からみんなにもちょこちょこ報告してた うちの末っ子・フラワーの初恋!?の話あったじゃん? あれの相手っていうのが、な・ん・と!! 暗 黒 真 空 連 合 総 帥 ・ ダ ー ク 市 松 大 帝   …だったことが発覚 (O口O) おっさんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! …って言ったら、「31歳はおっさん...
  • 12.5-429
    二十年後 「あなたとこうしてると、幸せってこういうことだって思うよ」 一つ年下の彼は、コーヒーカップを口元に運びながら笑顔を見せた。 厳しい寒さもようやく和らいで、暖かい日差しが極上の毛布のようにオレたちを包んでいる。 こうやって彼とゆっくりできるようになったのは、ごく最近のことだった。 くり返される謀略。強制的に連れ出される戦場。殺さなければ、殺されていた。 その間も彼とは、ずっと一緒にいた。 「この幸せが二十年後も続いてたらいいな」 なんてね、と冗談めかして彼が笑う。 「……バーカ。二十年なんて、甘いこと言ってんじゃねーよ」 顔が赤くなるのを見られたくなくて、そっぽを向いたオレを、しなやかな腕が抱きしめる。 それから、初めてのキスをした。 人一倍寂しがりの癖に他人と関わりを持とうとしない受け
  • 12.5-289
    機械の体 貴方様を強く優しく抱きしめとう御座います 体温が溶け合う程、熱を分かち合えたら、 貴方と私、どちらがどちらかも分からぬ位に 一つになってしまえたらいいのに けれどそれは叶わぬ譫言 …そう、思っていたのに。 嗚呼。 最期の時を迎える筈の私は 場違いな、筆舌に尽くしがたい程の幸福を感じて居ます 歓喜の熱を感じているのは そう、体ではなく心なのです 捨てられたと悲嘆に暮れている貴方様を、 慰め、癒やすことが許されるならば 何も畏れることはありませぬ 貴方様と一緒ならば、何も。 …溶鉱炉の中 二つの機械の体はあっという間に、その形を無くした 機械の体
  • 12.5-549
    王子×厳つい護衛 この醍醐味は肉体的にも年齢的にも何から何まで受け>攻めであること。これに尽きる。 きっと王子は可愛くってまだ体も華奢なんだ。 護衛はそんな王子を綺麗でピュアな天使か何かかと思ってる。実は虎視眈々と自分を狙ってることに気づかない。 それが油断してたら上に乗っかられて拒むんだけど、本気で暴れたら王子吹っ飛んじゃうしそんなの勿論できない。 王子第一主義だからそんなの選択肢にもない。 嫌なら振り払って欲しい。って縋り付く王子を無下にできるわけなんてない! 「あなたを拒まないことをお許し下さい…」 って王子の間違いを正せないことに罪悪感抱えながらなし崩しに関係持ったらいいんじゃないかな。 このカプ最大の醍醐味はこの先王子が成人・適齢期になった頃。 王子の一番の妨げは自分だと常々感じていた護衛の身の引き方の潔さは異常。 そこはもう王子の腕の見せ所。 立...
  • 12.5-929
    出征 俺はもともと虚弱体質だったこともあり、兵役から免れた。 しかし、あいつには容赦なく赤紙が送られてきた。 「行くな」と言いたい・・・・・・しかし、このご時世にそんなことを言えば 非国民とののしられること請け合いだろう。 俺は、せめてあいつに無事で帰ってきてほしくて、千人針を縫った。 出征当日。 「お国のために行ってくる!」 あいつの笑顔はいっそ清清しかった。 俺は千人針を渡す機会をうかがっていたが、 あいつは家族友人に囲まれていてとてもそんな機会は巡ってこなかった。 隅であいつをじっと見つめている俺にあいつが気がついた。 「お前も来てくれたのか」 あいつは穏やかな笑みで俺に駆け寄ってくる。 だめだ、来るな。俺の女々しい心が見透かされそうだ。 「・・・・・・生きて帰ってこいよ」 俺がやっと口にできたのはそれだけ。たったそれだけ。 それが、最後の言葉...
  • 12.5-349
    嫌いが好きに変わる 「先輩、確認したい事があるんですがいいですか。」 「なんだよ」 「先輩はハーブティー大っ嫌いでしたよね。匂いをかぐのもまっぴらごめんとか。」 「…そうだけど?」 「はい。じゃ、これを…」 「ぐあっ…!!やめっ…それペパーミントティー…!」 「えいっ!」 「うぶっ!!…な、なんだよ今の?!何飲ませた、今っ!」 「先輩!どうですか、ペパーミントティー!ほらほら!」 「うわっやめ…!…て、あれ?なんか良い香りだな…好きかも。」 「よっしゃぁぁぁぁ!!」 解説しよう! この研究所に移動してきた二年前から、俺は先輩に人目惚れ片想い一直線だが 何故か先輩からはことごとく嫌われ続けてきた! だが、俺の募るばかりの先輩への想いが、ついに奇跡をもたらした! 「それがこれ!新薬『嫌いが好きになる瞬間』だ!一粒で一つ、嫌いなものが好きになる効果があるぜ!...
  • 12.5-489
    受けを溺愛する攻め 朝起きるとまず、一日の天気よりあいつの体調が気になってしまう。 あいつは昔から妙に風邪をひきやすい。気付くといつも風邪をひいている。 365日のうち風邪ひいてない日の方が少ないんじゃないかってぐらい常に風邪をひきかけている。 子供の頃からずっとそうで、更にそれを今までずっと近くで見てきたことで、 俺の一日はいつの頃からかあいつの体調を気にすることから始まるようになったのだ。 一度それを知り合いに話したらドン引きされたし、俺も自分でちょっとどうかと思うが、 それでも今日も今日とて俺は起きた瞬間からあいつの体調のことを考えてしまっている。 テレビをつけたら新人のお天気お姉さんが今日はとてもあたたかいですよと笑顔で教えてくれていた。 あったかい、か……それなら大丈夫か。でも逆に汗かいて冷えたりしないだろうか。 あいつが風邪をひきやすいのは体質...
  • 12.5-749
    超ネガティブな攻×甘やかしまくる受け どれだけ「君が好きだよ」って言っても。鸚鵡返しに「俺はあんたが好きだ」って繰り返す。 君は口下手で不器用だから。本当に言いたいこと、したいこと、伝えられないんだよね? それでもいいよ。 そのかわり、2人だけの合言葉を作ろうよ。 君が自信をなくしたときに言う言葉。自分を否定する言葉。 それを全部「好き」に変換する良い方法を考えたんだ。 意味もなくゴメンと謝ったら1回。 俺でいいの?って聞いたら2回。 キスをするってどうかな。 そっぽを向いて「もうしない」って言ったら3回してあげる。 何万回変換したら、君は君だけの言葉で「本当の気持ち」を教えてくれるのかな・・・・・・。 遅くなった誕生日プレゼント
  • 12.5-459
    ずっと敵同士だったのに、急に仲良くしなければならなくなりました。 「いいかテメー。仲良くしてやってもいいが、この線からこっちに入ってくるんじゃねェぞ」 「うえうせぇ。テメェのクセェケツ、こっちに向けんじゃねぇぞ」 「…テメー、このやろう、上等じゃねェか」 「ア?その線からこっちに入ってくんじゃねェっての、テメェこそ」 「…いいか、坊主。ここでは俺が先輩だろうが」 「俺は坊主なんて名前じゃねェな。まァ、俺のテツという名前を呼ぶのは愛しい貴之だけでいいが」 「ふざっけんじゃねェよ!貴之が愛してんのはこのジョン様だけだ!」 「ハ、ジョンってツラかよテメェ。純日本産じゃねェか」 「うるせぇえ!表に出ろ!!」 「おとなりのみっちゃんがひっこす先では犬がかえないので、シベリアンハスキーのテツは、ぼくの家族の一員になりました。 でも、うちにずっといるしば犬のジョンは...
  • 12.5-149
    喧嘩友達 「誉れ高き勇者殿ともあろうお方が私如き一介の使用人にいちいちいちいちいちいちいちいち 突っかからないで頂きたいものですねえうっとおしい」 「普通の一介の使用人は魔王討伐に来た勇者を何度も何度も何度も何度も落とし穴に落とさねー んだよ!てか何だあのこの間の落とし穴は!中身ぎっしりナマコってどんな罰ゲームだコラ!」 「ああアレは某南の島に大量に生息するナマコを捕獲・飼育した『対侵入者撃退用自由落下式罠 325番:通称必殺ナマコ穴』と申しまして、落ちた相手の精神的ダメージに対してコストが 少なく皆様には中々の好評を博しております」 「皆様って誰だよ!っつーかそのネーミングセンスはどうなんだ!!」 「ちなみに彼の島では亡くなられた方がナマコになるという伝承がございまして、落ちた方には もれなく悪寒とラップ現象のオマケ付き」 「二重...
  • 12.5-819
    来るの遅過ぎだよ 黒く縁どられた彼の顔は見たこともないほどの満面の笑みを浮かべていた。 陸上部のユニフォームを着てるから、きっと大会かなんかのとき撮ったんだろう。 ああ、そういえば。あいつは陸上部だったっけ。 友達と知り合いの中間、俺達の関係を言葉にするとしたらそんな感じで 話したことはあってもアドレスなんて知らないし、ふたりきりになったらまず間違いなく沈黙。 だから昨日急に俺んちにやってきた時だって冷静に考えてみればなんで場所知ってんだよ て感じなんだけど、とにかくそのときはうわ、なに話そう…そればっかり考えてて。 だから宿題のことだのクラスの女子のことだの色々頭をめぐらせている俺の腕を掴んで スキって言ったかと思えばたちまちキスしてくるなんてことはまったくの予想外な上に そんな状況で俺の身体は拒否するどころか縋るようにあいつに抱きついて、俺も。 なんて...
  • 12.5-359
    梅は咲いたが桜はまだかいな 男は孤独な人間を思い通りにする手管に自信があった。 孤独について誰よりも多くを知り尽くしている、そう思っていたからだ。 だから、もちろんその身寄りのない資産家の跡取りの青年にも、 莫大な金をいずれ必ず自分のものにする、そのつもりで近づいていた。 出会ったのは初夏。 閉め切った屋敷中の窓にかかる重々しいビロードのカーテンを、新しい絹のカーテンに変えて回った。 夏の日差しの下、全力で伸びる草木と死闘を繰り広げながら、荒れ放題の庭を手入れした。 整えた庭園に青年を引っぱり出しては、明るい光を浴びた瑞々しい芝の上に優しく寝転ばせて、 世界で一番君が愛おしい。そう語る眼差しで、青年の顔を覗き込んだ。 その夏、青年は男に「ありがとう」と告げた。 秋に男は青年を連れ回すために、車を用立てた。 男はこれまでの人生の中で自分が一番信頼する車種を選ん...
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