*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「14-419」で検索した結果

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  • 14-419
    無口、無愛想、世俗離れ 「何だって客人に愛想のねぇ主人だなあ」 「…………」 「まあいつもの事だが」 勝手に上がり込んでくる浪人をもてなす由はないとでも言いたそうに、男は瞼を伏せただけだった。 険しい山奥の小さな屋敷。ここでこの家主は一人句を詠み書を書き綴り、土を耕しては日々を営んでいる。いつからそうしているのか知らぬ。 ある時浪人が山越えの道に迷い、夜半過ぎに助けを求めこの屋敷の戸を叩いたときから、この主はここにこうして在った。 警戒とも歓迎とも違う、ただただ愛想のない簡素な招き入れに、浪人は訝しんだ後、この男に興味を持ったのな俗な興味をぶつけることもやめにした。 今はただ、町で見つけた魚の干したものや甘い菓子、また浪人の大好きな酒と肴など、ここでは手に入らないだろう物を土産とし 「今日はお天道様がよくみえるねえ」 「そろそろ蝉の鳴くのもききおさめだねえ...
  • 4-419
    皇帝ペンギン 「ほら、あっちゃん見て、すごいよ!」 頬を上気させた従兄弟が、今にも走り出しそうな勢いで俺の袖を引いている。 従兄弟の目指すガラスの向こうには、寒そうな氷の上でのんきな寝顔を晒す皇帝ペンギン。 あーあー、目ェ輝かせちゃって。 好きだとは知ってたけど、こんなに喜ぶんならもっと早く連れてきてやればよかった。 「かーわいいなぁ。よちよち歩いててさ、赤ちゃんみたいだよね~」 かわいいのはお前の方だよ。ああクソッ、その笑顔、無理して会社休んだ甲斐があったってもんだ。 「…ねぇ、あっちゃん。」 突然、コツンと水槽ガラスに額を当てて。 「転勤しちゃっても、また来ようね」 明るい声とは対照的に、ぎゅっと手のひらを握られた。 「…帰りにぬいぐるみ買っていくか」 明日から居ない俺の代わりに、お前が寂しくないように。 でもな孝平。俺の転勤先にも、お前...
  • 24-419
    いつもと違うお父さん ぼくのおとうさん いちねんさんくみ さいとう りょうた ぼくにはおかあさんがいません。 だけどおとうさんとおにいちゃんがいます。 おにいちゃんはほんとうのおにいちゃんじゃないけど、いつもおうちにいます。 ぼくは、おとうさんもおにいちゃんもだいすきです。 おとうさんがおしごとでおそいときも、おにいちゃんがあそんでくれます。 このまえおとうさんとおふろにはいったとき、おにいちゃんがはいってきました。 ぼくはたのしかったけど、おとうさんはおかおがまっかでした。 なんだかいつもとちがって、おもしろかったです。 おにいちゃんはぼくたちのかぞくです。 これからも、かぞくさんにんでなかよくしていきたいです。 矢追小学校、1年3組の教室 授業参観で保護者が見守る中 元気よく発表された作文に スーツ姿の二人の男性が顔を真っ赤...
  • 20-419
    あと少しだけ待ってて 2001.3.16 「今日、久しぶりに君に会った。 随分と間が空いてしまって申し訳ない。元気なのは元気なんだが、足の調子が良くなくてね。 君が綺麗だと言ってくれた手も、ほら、こんなにも老いぼれてしまった。 そういえば、今朝、庭の桜が蕾を膨らませていたよ。もうすぐ開花するだろうか。 君に見せられないのが残念だ。」 1953.4.2 「今日は君と桜を見に行った。来年も君と居たい。」 1951.5.10 「お互い皺くちゃの爺さんになるまで一緒に居ようと言われたとき、恥ずかしくて笑い飛ばしたけど、本当は嬉しかった。 ずっとずっと君と居たい。」 1952.6.23 「近頃、君は変な咳が続く。心配だ。」 1961.6.27 「まだ君のところへは行けない。会いたい。」 1974.7.1...
  • 1-419
    たまねぎ×長ねぎ 今日も一人の仲間が部屋から連れて行かれて原形をとどめないほどに切らて殺された。 自分にもすぐにそのときが来るのを俺は知っている。 これは俺達の運命なのだ。 新しい奴が部屋につれてこられた。 俺の上にそっと寝かされたそいつは、まっすぐに伸びたその緑色の髪をドアで折り曲げられて ずいぶん怒っていた。 そのプライドの高さ。美しい髪。真っ白なすっきりとした目鼻立ちの顔。 俺は一目で恋に落ちた。 その夜彼は一度外に出され、その自慢の髪をバッサリと切られた。 短くなった髪でも十分に彼は美しかったが、彼は一人静かに涙を流していた。 口下手な俺は掛ける言葉を見つけられず、ただ彼の涙を見ているしかなかった。 翌朝俺は熱湯に溶かされた味噌の匂いで目覚めた。 「味噌汁か・・・」 彼はまだ無事か?と上を見れば、まだそこにいた。 だが、それ程に神は優...
  • 7-419
    自分の萌えを熱く語れ!  皆さん今晩は。 萌えについての勉強ですが、今日は『自分の萌を熱く語れ!』というテーマで少しお話しをしたいと思います。  大きく分けて属性というものは装備系統と基本系統にわかれますが、属性は日々誕生し、増え続けるものであります。 その多くの属性を全て理解することは不可能に近いと思いますが、理解を広げることにより自分自身をより深く理解、分析することが出来ますし、また新たな属性を発見する手助けになると思います。  たとえば青木君、君の萌え属性は、この用紙には猫耳と書かれていますね? 中にはもとから生えている物でないといけないという方もおられますが、猫耳というのは系統に置き換えると装備系と言えるでしょう。 何の変哲もないキャラや人物でも、そのアイテムを付加することによって簡単に萌えるキャラや人物にレベルアップするというものです。 猫耳に代表され...
  • 3-419
    スターの恋 「おい、ドア開けろ!部屋に入れろよ!ていうか服!!服返せよ!!」 都内某高級マンション一室の廊下。 扉のドアを外からガチャガチャやりながら、声を殺しつつ必死に叫ぶ不審な男が居た。 彼の名は工藤雅也。今や歌にドラマにバフラエティーにと、多方面で人気を誇るアイドルであり その名を知らぬ者は居ないといって過言ではないだろう。 しかし今の彼には大スターの面影は微塵も見られない。というのも彼は今現在、世にも奇妙な格好をしていたからだ。 乱れた髪に上半身裸、下半身パンツ一丁で靴下着用。そして何よりも目立つのは顔から胸にかけてこびりついた、精液。 「おまえっ!手でしてやるだけだって、約束しただろ…!卑怯だぞ…!」小声でドアに向かい怒る雅也は涙声だった。 まあ思えば最初から罠だったのだ。 雅也もデビュー当初は五万といた若手アイドルのうちの1人だった。 多少人...
  • 5-419
    共依存 ふと後ろに何か気配を感じて、振り向く前に声が上からかかってきた。 「何読んでんすか、センパイ。心理学?うわっ」 「なんで、何が、『うわ』なんだよ」 ページに目を落としたまま応えると後ろの気配が横に移動する。 ギイイと音を立てて椅子を引きずり、彼は座った。机の上で手を組んで、俺の本を覗き込む。 「いや、いかにもアンタが読みそうって思って」 「部活はどうしたよ」 「え?雨降ってるじゃないすか」 「……」 「たまには休まないと。面白いですかセンパイ、こういう本…」 言いながらさらに身体を傾けて、覗いてくる。おい、読めません。あ、君左巻きか。…。 「…」 「…君が読んでもつまらないでしょ。しかも途中から」 「…なんか、これ、アンタと滝センパイみたいっすね」 「ハア?」 「『きょういぞん』」 「…」 これ、ここ、と彼は一文を指しているらしい。うん。...
  • 6-419
    催眠術でたぶらかす 隣で寝ている彼。 昨日あんなに乱れて、求めて、溺れた彼。 ベッドシーツは昨晩の情事の余韻に乱れ、空気は甘く気怠く体にまとわりつく。 欲しいから、何もかも欲しいから、どんなことをしても彼が欲しかったから。 卑怯だと知っていたけれど。欺瞞だと分かっていたけれど。 それでも、使わずにはいられなかった。 この眠りから覚めたら、彼はきっと離れていってしまう。 無理矢理彼の心の内を暴き立て、淫靡に、卑猥に、深層意識をかき乱し。 そうやって手に入れたものは後悔と、行き場のないさらなる愛情。 彼が、微かに目を開けた。眩しそうにこちらを見る。 手放すものか。商売道具に手を伸ばし、彼の目をのぞき込む。 「…あなたはだんだん…」 vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv
  • 9-419
    相手を「さん」づけで呼ぶ 「あのさぁ、もう付き合って半年になるんだし先生はやめようよ。  だいたい俺、別にお前の先生じゃないし。好きに呼んでいいからさ。」 ある日突然、俺の恋人がそういった。 確かに、彼の言うことは正しい。 俺たちの出会いが医者と看護師なんて立場だったから、ついそう呼んでしまうんだけど。 職場でならともかく、普段そう呼ぶのはおかしいってのはわかってた。 でも、外で呼ぶ機会がそうあるわけでもないし、ついそのままになっていた。 そもそも、何て呼べばいいんだ? 「もう、呼び捨てでもいいって。」 悩みが顔に出ていたらしく、彼にはそう言われたけど。 俺より年上で、キャリアなんてずっと上で。 憧れと尊敬の入り混じった想いを抱えている相手を、呼び捨てになんか出来るわけがない。 でもなぁ、苗字で呼ぶのは他人行儀だしなぁ。 あとは、「くん」づけか...
  • 8-419
    同じ月を眺めている 眠れない。 自分の眠りがこんなにも浅かったのだと忘れていた。 いつも、アイツがいたから。 アイツの気配はいつだって心地よかった。 寒い季節、隣の温もりは自分を眠りに誘った。 いつだって一緒に夢を見た。 あの日までは。 いつもと同じようにアイツの横で眠りに落ちた。 けれど、何だかいつもとは違って。 顔に近づく気配にうっすらと目を開けた。 そして、唇に触れる何か。 目があった瞬間、アイツはビクリと体をこわばらせた。 何も言わずにアイツが立ち去った後で、ようやくキスだとわかった。 その日を最後にアイツはいなくなった。 アイツといるときはほとんど見ることのなかった月。 今は満ち欠けが追える程だ。 この月に願いが届けばいいのに。 アイツに、願いが届けばいいのに。 あの日、最後だと思って彼に触れた。 拒絶される...
  • 2-419
    日本人×独逸人 「今日残業になってしまったので…すみません」 言いつつ男は、我ながらちっとも済まなそうではないな、と思った。声に感情を出すのが苦手だ。 すると電話口の向こうでも、抑制の効いた声が、構わないから仕事を優先してください、と言ってきた。 もう一度謝り、電話を切る。ため息が出た。 仕事を優先しろと言われた以上、もしこれで無理をして会いに行ったら、 きっと彼は男を軽蔑するだろう。以前同僚にいたフランス人が同じことをした時、 自分の役目を果たしもせず恋愛事にうつつを抜かす人間は、もっとも軽蔑すべき対象だと 童顔に皺を寄せて言っていた。彼の母国ではそんなことは有り得ないらしい。 久しぶりの逢瀬になるはずだった。本当は会いに行きたい。 けれどやはり自分も、与えられた職務を全うすることが優先だと思ってしまう。 どんなに辛くとも、果た...
  • 19-419
    似た者カップルと正反対カップル 「俺は辛いのダメだって、何度も何度も!何度も!!伝えてんだよ。  そろそろ通じたかなって思ってたのにさ、あいつ昨日の夕飯何出したと思う。  カレー、それもド辛口!口入れた瞬間、火花散ったよ、目の前で」 「君のド辛口は、世間的には中辛だと思うけどな。食べられたの?」 「あんなの食える訳ないじゃん!牛乳で薄めて…、そんでも辛かったから、あと半熟卵作って貰って……」 「結局食べてるじゃない」 「……腹減ってたし、どうにか食ったけどさあ」 「うち、二人ともカレーにはチーズ派だなあ。とろけるチーズ試した?」 「試した試した。美味しかったから勧めたんだけどさ、何なのあいつのカレーに対する情熱。  『カレー様にトッピングなんて失礼だろ!』って頑なに拒否。意味分からない」 「あー……、今すごくイメージ湧いた」 「あんたんトコは良いよね。俺、味覚...
  • 16-419
    わんこ攻めとへたれ受け 後輩の園田はわかりやすい奴だ。 いつも好奇心に瞳を煌めかせ、楽しいこと嬉しいことを見つけるとぱっと顔が輝く。 理不尽なことを見れば真剣に怒る。 他人が困っていれば共ににおろおろし、人の悲しみに一緒になって涙を流す。 何かに落ち込むことがあればショボンと項垂れるが、 前向き思考で立ち直りが早く、すぐにまたにこにこと顔を輝かせる。 俺に何故か懐いていて、先輩先輩とまるで子犬がじゃれつくように俺にまとわりつく。 そんな園田を俺は煩いと思うよりむしろ可愛く感じていた。 楽しげに笑うその姿が傍にいないとなんとなく寂しく感じるようになっていた。 だから、 「萩野先輩、俺、先輩のことが好きなんです!俺の恋人になってください!」 真っ赤な顔で真剣にこちらを見つめる園田に、 「お、おう」 つい、肯いてしまったのだ。 もちろんその言葉に嘘はなかった。...
  • 25-419
    昔、あるところに 昔、あるところに世界を護った孤独な竜がいました その竜は優しい竜でしたがとても大きく強かったので 小さな人間達にはどうしても竜が恐ろしく見えてしまいました ある日その竜の巣に一人の旅人が転がり込みました 全身傷だらけで今にも息絶えてしまいそうな旅人は言いました 『自分は世界を脅かす恐ろしい事実を知ってしまった  これを皆に伝えるまでは死ぬ訳にはいかない  不躾な願いとは分かっているがこの巣でしばし休ませて欲しい』と 竜はその願いを聞き入れました、旅人の瞳が真実を物語っていたからです 旅人は介抱のお礼代りにいままでしてきた旅の話を沢山しました 年中雪がふる国の話、夜の明けない街の話、双子ばかりが住む島の話 魔法が発達した都市の話、そしてこの世界に迫る闇の話 幾分か元気になった旅人が巣を立つ前日の夜、竜は旅人に聞きました 『お前は私が恐ろしく...
  • 23-419
    まとも×電波 「仲哀天皇からの電波を受信しました。あなたは自分と結ばれるべきなのです」 「はあ?」 部活を終えて体育館脇の水道で手足を洗っていたら学年随一の変人がやってきた 確か歴史研究部だったよな。こないだ同級生の同じ部のヤツから話を聞いた なんか馬鹿なオレにもすぐ分かるようなマジキチな仮説を大マジで唱えたらしい 「モーゼもキリストも仏陀も孔子もムハンマドも全て日本人なのです」 「漢字も楔形文字もひらがなとカタカナを参考に発明されたものです」 「古事記と日本書紀を参考にしてヘロドトスは『歴史』を司馬遷は『史記』を書いたのです」 「アレクサンダー大王は神武天皇、始皇帝は応神天皇なのです」 …………なんか似たようなことを言っている新興宗教があったような気がするな 無視に限る。無視。無視……オレはそそくさとその場を後にしようとした …………ついて来やがる。うぜー...
  • 18-419
    泥棒に入る家を間違えた  俺は今絶体絶命のピンチに陥っている。  明らかに泥棒に入る家を間違えた。  入り込んだ先には誰も居ないはずだったのだが、開けた扉の向こうには―――。  「……お前さー、ちゃんと下調べくらいしろよ」  いつも俺を追い掛け回している刑事が呆れ顔で、しかも歯ブラシなんて咥えたまま佇んでいた。  「お前くらいだろ。毎回毎回追いかけられても全く懲りてないの」  予想もしていない状況に俺の頭はすっかりついていけなくて、まるで金魚のように口を開閉させるばかりだ。  「あ…、ちょっとそのまま待ってろ」  そう言ってアイツは扉の向こうに消えていった。  い、今の内に逃げないと!  目の前から姿が消えたことで、ようやく頭が働き出した。  「だから待ってろって言っただろ」  出ようと後ろを向いたところを、襟首をむずっと捉まれた。  「どうせ隣の家にで...
  • 13-419
    倒した戦闘員のマスクをはいでみたら マスクの下から、見慣れた素顔がご対面。シュールな展開だ。 俺は衝撃に打たれ、地面に組み敷いた黒づくめの男を呆然と見下ろした。 「えーと、師匠……?」 「よお。久し振り」 「あ、どうもご無沙汰してます……ってアンタ何してんですか!?」 「見ての通り、戦闘員」 「……」 師匠だ。間違いなく師匠だ。 一年前にふっつりと消息を絶った師匠が、敵にまぎれて襲いかかってくるなんて。 空白の一年間に、一体何があったのだろうか。 沈黙に耐えかねたのか、師匠はふにゃりと笑って口を開いた。 「いや、不肖の弟子がしっかりやってるかなぁと心配して、ちょっと様子見に」 「それは、半分嘘ですね」 「半分は本当だ」 「で、もう半分は?」 「あっ!痛たたた……さっき蹴られたところが……肋が折れたかも…痛たたた」 上からどいてやると、師匠は痛い痛いと...
  • 11-419
    動かないで 「動かないで」 小さく、抑えた、懇願する声。 え、なになになにが起こったんだ。 動かないでって、俺はただ喉渇いたから冷蔵庫に行こうとしただけなんだけど。 それだけでも離れてほしくないということなのだろうか。 ちょっと待て、こいつどれだけ可愛いんだ! (顔まで可愛くて言動も可愛いってそんな、) 自分を見上げる必死な顔。奴の両手は俺の腕にすがっている。 正直嬉しすぎるこの状況、しかし混乱して上手い言葉が見つけられない。 やっとのことで捻りだした言葉は結局全く格好良いものじゃなかった。 「え、なに?どしたの」 「コンタクト落とした…」 凄く慌てた顔をしている。 眼鏡家に置いてきたからコンタクトが見つからないと何も見えないのだと言う。 聞きながら、俺はちょっと不貞腐れた気分にならざるをえなかった。 はいはい、そうですよね、...
  • 10-419
    囚人のジレンマ 「ねぇ……寝ちゃった?」 隣からの小さな声。 「……まだ、寝てないよ」 「そか」 そう言うとクスクスと笑いながら身を寄せてくる。 「おい」 「いいでしょ。恋人、なんでしょ?」 「そうだけど」 だけど、今はまずいだろう。 今自分達がいるのはラブホでも自室でもなく古い旅館。 ここにいる理由というのは一般的に言う修学旅行というやつで 周りには雑魚寝したクラスメートがたくさんいる。 「見られたらマズイだろ」 「そうだね。でも、こうしてたい」 そう言いながら腕を回されれば逆らえない。 惚れた弱みは絶大だ。 「寝るまでこうしててやるからさっさと寝ろよ。明日、辛いぞ」 「どうしようかな……」 「おい」 胸に埋められていた頭が耳元に移動してくる。 「ね……シたくない?」 ベッドでしか聞けない甘い声に背筋がしびれる。 「…………だめ」 本...
  • 21-419
    まわし 327 名前 風と木の名無しさん [sage] 2016/02/17(火) 17 54 20.61 ID hY801abL0 まわし ああ、またまわされちゃった。 僕がもっと魅力的だったら、まわしさんもGJをつけてくれるのかな。 何が足りないの? 僕もう萌えがわからないよ、まわしさん。 ねえまわしさん、一言でいいんだよ。 ねえ、まわしさん。 まわし
  • 28-419
    年下の彼 ガチャリバタンガサガサパタパタと、それまで自分一人で静かだった空間が騒がしくなった。 「せんぱーい!酒とつまみその他買ってきましたよー!」 「はいはいお疲れ様。おつまみはここ置いといてね。お鍋ももう出来るから器とコンロ、テーブルに出しといてくれる?」 来たばっかりで悪いけど、と付け足してから僕はまたお鍋に向き直る。 僕が何も言わなくても勝手知ったる他人の家とばかりに、鍋に使う食器の位置もコンロの置き場所も熟知している彼はいそいそと食事の準備を始めた。 一年前、最初に彼を招待した頃は逐一“これはここ”と教えていたというのに…と少し感慨深い。 「先輩の卒業にかんぱーい!ついでにいただきます!」 「ふふ、ありがとう」 彼が買ってきた焼酎を杯に注ぎチンと軽やかに音を重ねる。美味しそうにぐつぐつ煮える鍋を、二人で囲んだ。 三年の時に同じ学...
  • 17-419
    思い出のなかに生きる人と見守る人 会話の途中で目が不自然に揺れたのに気づいてしまった。 テーブル横の通路をトレーを持った集団が通りすぎる。 夕方のファーストフード店。学生らしき客が多く、店内は雑然としていた。 この席もそうだった。 確か、クラス委員長の山本の彼女が可愛いらしいという会話だった。 「で、可愛いって何系よ?」 何も気づかない振りをして話の続きを促す。 「ん、あー…、あっ○ーな?らしい」 「マジか!それは意外なとこきたな」 だよな、と笑う。さっきの一瞬なんてなかったことになった。 これでいいんだと安心する。 たまに見せる表情に本当は気づきたくなかったんだ。 いつも同じ他校の制服を目で追うことも、その似合わないピアスを触る癖も知ってる。 ワックスを変えた時に微妙に避けられていたのも分かってた。 だけど理由は知らない。知りたくもない。 なぁ、も...
  • 15-419
    メンズブラ 「で?これは何なんだ?」 「ブラです」 「で?これをどうしたいんだ?」 「勇次につけ....あたっ!殴るなよ!」 「もう一度聞くぞ?これをどうしたいんだ?」 「勇次につけてもら....ぶへっ!!グーはやめて!グーはっ!!」 「俺を女扱いするつもりか?お前は!」 「してないよ!これ、メンズブラだもん!」 「メンズ...?」 「男性用ブラジャー、メンズブラ。勇次の白い肌に映える黒! セットでこっちのレースの超ビキニブリーフも!」 「お前なあ、こんなの、俺に着せたら楽しいと思ってるわけ?」 「楽しいと思うよ!いや、別に似合う似合わないの問題じゃなくてさ、 非日常っつうかさ。いつもなら絶対しないような格好をさせたらさ、 勇次もちょっと恥ずかしくなっちゃって、頬なんか染めちゃったりして、 『そんなに見るなよ』とか言っち...
  • 14-439
    きみといつまでも 「おーい、瀬!」 いつものように僕は君の名前を呼ぶ。 「・・・何ですか、バカ竜」 いつものように君は返事をする。 「瀬は本当にツンデレだなぁ。デレてよん。」 「嫌です。ていうか本当にうざいです死んでください。」 本当にいつものこと。 でも、前はこれがいつもじゃなかった。 僕は、数年前にこの子と出会った。 瀬は一人だった。家族は軍の奴等に殺されたらしい。 軍の奴等から逃げて倒れている時に、僕が助けた。 もう、最初の頃はとっても無口だったのに、今じゃこうさ。 まぁ、これはこれでいいけど。 「なに考えてるんですか、気持ち悪い。」 「もー、変なことなんて考えてないよ?」 「普段の行いが悪いんですよ。」 むぅ、せっかく助けてあげてるのにぃ! …本当はこんなくだらない事してないで、逃げなきゃなきゃないのにね。 僕らは一応軍に逆らったも...
  • 14-449
    学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん。でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし 「最近制服見ないなあ。もう学生は冬休みか?」 つり革に捕まって電車に揺られていると、どうしても眠気が襲ってくる。 まさか立って寝るわけにもいかない。そう思って隣に立っている同僚の三田に話題をふった。 「……でも、冬休みはクリスマス前後だよなあ?……クリスマスっていえば、お前予定決まった?」 三田は答えなかった。ただこちらを見ている気配だけがする。 かまわず口を動かす。俺は寝たくない。 三田が僅かに身じろぎした。かっちり着込んだコートが俺のよれよれのコートにぶつかる。 「……俺、今年はクリスマスにちゃんと家で過ごせるかも怪しいよ」 そろそろ日付が切り替わる電車の中は人がすし詰め状態なのに、いやに静かだ。 ひそひそ喋る俺の声と、どこかの誰かから音洩れしているらしい流行...
  • 14-429
    犬型獣人 俺が二十歳を過ぎた頃、義父が死んだ。 施設から買い取った俺を押し倒し、好きなだけ弄んだ義父。 笑顔がなくなり、表情は固まり、感情は消え失せ、最後には声も奪われた。俺から全てを奪った義父は金欲にまみれた親戚たちに見送られて地獄へ旅立った。 金目のものは、全て親戚たちが平らげ、俺に残されたのは、片田舎の小さなお寺兼別荘だった。親父の祖父が親父の精神修行のために、この寺を建築したと聞いた時は流石に呆れた。 農業、簡単な修理、炊事等、生活に必要な文献を買いあさり、人目を避けて自給自足の生活を始めた。 寺に住み始めた三年目の秋、野生の柿を発酵させた酒が良い出来になった。 ほんの気まぐれで、寺の前に置かれているお稲荷さんの石像の足下に、赤カブの煮物と飲み口が少し欠けた湯呑みに柿酒を注いで置いた。 その日の晩、柿酒をあおり、胡座をかく。落ち葉の落ちる音が心地よ...
  • 14-489
    傍若無人なくせに天然 「へへへ…観念しろよ。こんなとこに誰か来るとでも思ってるのか?」 「っ…く、……ぐぁ…!」 茶髪の男に容赦なく脇腹を蹴り飛ばされ、床に蹲る俺を見下ろして、他の二人が下卑た笑い声をたてた。 …迂濶だった。次に試合で当たるF高は、退部させられた生徒の中に、教師も手を焼く問題児がいると聞く。 「探り入れると『不慮の事故』が起きる」という噂はこういうことか…。気づいた時にはもう遅い。 「お前、二年の諸井だろ?いろいろ聞いてるぜ、K高の期待の星とかって」 「どんな奴かと思ったら、ヒョロっこくて女みてえじゃねえか。こりゃ別なほう期待したくならねえ?」 「だははは、お前最っ低ー!!俺ぁてっきり、腕捻るくらいでいいかと思ってたのによ」 「優しくしてやろうぜー、アッチのほうも脆そうだしな。モロイだけに」 「さぶっ、笑えねー!!」 などと言うくせに嘲笑する声に...
  • 14-469
    すっげーオンチな鼻歌をあこがれてる人に聞かれてあせる! 放課後になると、音楽室から聞こえてくるピアノの音。 俺の憧れの、広瀬先輩の弾くピアノの音。 先輩のピアノを聞くために、ひとり教室に残ることが気づけば日課になっていた。 沈む夕日を眺めながら、今日も待っている訳だがいっこうに聞こえてこない。いつもの時間を、20分も過ぎていた。 今日は弾かずに帰ってしまったのだろうか。それとも、教師に捕まっているとか?もう帰ってしまおうかとも思ったけど、後少ししたら聞こえてくるかもしれない、と思うと帰れなかった。 先輩がいつも弾いている曲はなんていう曲なんだろう。 綺麗な顔立ちの先輩に似合った綺麗な曲だ。 「ふんふんふん~ふふふ~」 こんなんだっけ?違う気がする。 「ふふ~んふんふふ~ふ?」 「ブフッ」 ん?俺の鼻歌に混じって誰かの吹き出した声が聞こえた気がした。 何...
  • 14-459
    こういう、お題になる予定じゃなかったネタでもさらりとまとめて萌えさせてくれるお姉さん方が大好きです。踏んで 「これはもう恋だろ!と俺はようやく悟ったわけだ。一度認めればスッキリするもんだな」 「うーん…相手が誰かは知らないけど…それ、成就しそうなの」 「いや、無理。俺が一方的に好きなだけ。そいつは俺のことなんか眼中にないしな。それでいいんだよ」 「うん。まあ、君はそういう奴だよね。凄く単純で正直」 「お前に言われたくねーよ。お前はどうなんだよ。あっちの方は進んでんのか」 「題材が見つからないから何も進んでない。描きたくないものを描いたって仕方が無い」 「にあわねー。お前が『新進気鋭の芸術家』だなんて全然にあわねー」 「なんとでも言えば。君に僕の絵を理解してもらおうなんて思ってないから」 「るせーな。どうせ俺は頭悪いよ…っと。俺そろそろ帰るわ」 「予定でもあるの?」...
  • 14-499
    歩けなければ這ってでも 歩けなければ這ってでも、 貴方の元に向かおうか。 痛みさえ今は、 とこしえに続く甘美な旋律。 死など恐るるに足りやせん、 いずこにも貴方のいない世界こそ死だ。 「久し振りに舞台の上で台詞をそらんじたら本当にそんな気分になったんだ」 「とんでもないな、それで人の腰を立てないようにしに来たのか」 ああ愛しい人よ、だからどうか今だけは這い蹲って鳴いてくれ。 へっぴり腰で艶めいた声のする君の元へ、必ず俺は帰るから。
  • 14-479
    青春だねぇ 俺には今好きな人がいる。すごく格好良くて、すごく優しい年上の人。 購買部に行けばその人に会える。笑顔でパンを売っている。 原田祥子さんと言うのだと、俺は最近知った。苦心の末、さりげなく聞き出せた。 空が爽やかに晴れた日。今日もまた俺はそこに向かう。 しかし問題が一つ。…明らかに俺の後をつけている奴のことだ。 「おいっ」 声をかければ、隠れているつもりの影はびくりと跳ね、そろそろと出てくる。 「テメーだってことはバレバレなんだよ、矢内」 矢内は小動物のような目と大きな体のアンバランスさが恐ろしい1年だ。 何かと俺を慕ってついてきてくる。それは別に嫌じゃない。 でもこの時間は、この時間だけは俺の至福の時間なのだ!邪魔されてたまるか! 「ついてくんじゃねえ!うぜーんだよ!」 一喝して足を速める。しかし矢内はなおもついてくる。こいつ…。 俺は階段を上が...
  • 5-419-1
    共依存 ある一夜。 村外れのあばらやに一人の旅人が忍んでおりました。 年の頃は十二、三。 透けるように白い肌は、破れた屋根から零れる月光に照らされ、その腕から流れ落ちる朱い筋さえもキラキラと反射させています。 彼は今、訳のわからぬままに「敵でも味方でもないもの」に取り囲まれておりました。 その名を「ニンゲン」という生き物です。 彼も以前は、そう呼ばれた生き物でした。 彼の両親が一年に一度、森に現れる獣を退治すると出掛けるまでは。 …貧しい我が家に一人取り残された彼が、自らが誠の孤独になったことを悟るまでは。 彼は祈りました。 獣を捕えるまでは旅を続け、けして見失うことなく獣に復讐を、と。 獣を追うことが彼の生きる縁になり、年を季節を忘れて、幾年も十幾年も獣は彼の姿を確認し、彼も獣の後ろ姿を追いました。 その内に幾度も通り過ぎた街や村で噂が立ち始めました。 ...
  • 17-419-1
    思い出のなかに生きる人と見守る人 双子の弟が事故でいなくなってしまった。 しばらくして、弟のパソコンを開くと沢山メールが届いている。 全部同じ人物からで、英語だった。 内容は、メールが返ってこないことへの不安がひたすら書かれていた。 弟は最近まで留学していたから、多分そこでできた友達だろう。日本の知り合いには一応連絡をしていたけれど、彼のことは気づかなかった。 僕は弟のメールソフトから、彼に弟はもういないことを告げた。 なのに、未だに彼から毎日のようにメールが送られてきている。 内容は、今日何をしたとか、こんなことがあったとか、そんな些細なことが綴られていた。勉強し始めたのか、短い拙い日本語でメッセージが添えられていた。 「あいたい」「さびしい」「またあいましよ」 彼のメールを読んでいると、まだ弟がここにいるような気がする。 「日本 い...
  • 12.5-419
    昆虫採集 「……まだ三月の初めだぞ?」 「何が?」 一応確認してみたのだが、神崎はわずかに眉を寄せただけだった。 「昆虫採集つったら夏だろ?」 俺が首を傾げると、今度は少し呆れたような表情になる。 「そんなことない」 「でもさ、セミはまだ地面の下で爆睡してるんじゃねーの?」 「どうして蝉限定……というか、蝉は地中で眠っているわけじゃないから」 淡々と答えながら、神崎は白衣をハンガーに掛けて隣のジャケットを取った。 白衣を脱いだら見た目年齢が少し下がるなあと頭の片隅で思いつつ、俺は声を投げる。 「じゃあ蝶か。それでもまだ早いだろー。菜の花咲いてねえし」 「違う。なんで菜の花……いや。そもそも、俺はただ昆虫採集に出かけるわけじゃないんだけど」 「あれ、違うの?でもムシ採るんだろ?」 「遊びじゃない。フィールドワークだ」 「一緒じゃん」 軽く言ったら睨まれた...
  • 22-419-1
    知りたがり×隠したがり 「なぁなぁ、受けは俺のどこが好き? ちなみに俺は全部好きだよ」 「ああそうかい」  また始まった。 「受けはいつ俺を好きになった?」 「忘れた」  冷たくしてもこたえず、また問い掛けてくる。 「えー。俺はね、忘れ物して慌ててたら何も言わずブッキラボウに貸してくれた時に、いいなーと思った」 「……」  無視しても同じだ。 「じゃあさ、俺のことどれだけ愛してる? 俺は空よりも広く愛してる~!」 「教えない」 「それじゃあ」 「ああもう、いつもいつも五月蝿!」  怒鳴っても、攻めはなぜ怒ってるのか判らず不思議そうに首を傾げる。 「好きな相手の事は、何でも知りたいじゃないか」 「だからって、何度も同じことを聞くな」 「だって聞きたいんだモン」  口を尖らせ拗ねたように言う攻めに、呆れたように背を向けた。  そうしなきゃ平静を保てな...
  • 23-419-1
    まとも×電波 血の臭いが嫌いだと言う。 だったらその場に留まっていないでさっさと離れれば良いと薦めたのだが 「そしたら血の臭いで僕だけ浮きだってデフレスパイラルだ。ストレスで血を吐く」 と返って来たので、それきりその提案はしないでいる。 血の色も服が汚れて目立つから嫌いだと言う。 その割にいつも白地のパーカーを着ていることを指摘すると 「服が白くないと僕は夜から出られなくなる。何も見えない。カラスは鳥目だから」 と返って来たので、服についてはもう何も言わないことにして、よく落ちる洗剤を買ってやった。 臭いが付いたり服が汚れたりするのが嫌なら、せめて返り血をなるべく浴びないようにしろ、 そんな忠告をしてみたところ 「努力してみる」 と素直に頷かれた。たまに会話が普通に成立する分、この男は厄介だ。 俺はビルの階段を昇っている。 一階でエレベータのボタン...
  • 10-419-1
    囚人のジレンマ 愛しい貴方へ。 真円だった月が、半分に欠けました。僕らの処刑が執り行われるという新月まであと半分です。 『自分が間違っていた』と一言告げさえすれば、晴れて自由の身になれる事は保証されています。二度とお互いに会えなくなるという一点を除いて。 僕らがいかに不道徳か、非を認め改心しろと説いていた父親も、無駄と悟ったのかここ三日程姿を見せません。 僕は、貴方を愛した事、貴方に愛してもらえた事を決して後悔も恥じもしていません。 だから、貴方と重ねたこの唇で貴方との愛を否定するような真似はどうしてもしたくないのです。 例え命を絶たれるとしても。 ……けれど、貴方はどうなのでしょうか。 約束してくれましたよね。『新月の日に一緒に逝こう』と。 命が惜しくなったりしていませんか? もしかして、僕らの在り方を否定してでも、生きる道を選びたくな...
  • 21-419-1
    まわし 「お前の親父、化粧まわし作ってたんだって?」 「そうだよ」 「あの相撲取りの?」 「うん。脳梗塞で入院してからやめたけど」 「え? そうなの? 大変だな」 「今はだいぶ良くなったから大丈夫」 「じゃあ、今はどうしてんの? お前が作ってんの?」 「そんなわけないだろ。俺は不器用だし性にあわなかった」 「お前、頭がいいからなあ。職人じゃもったいないよな」  それどういう意味?とちょっとだけ反論したかったが、やめておいた。 どうせ他人に言ってもわかるわけがないので。 「なら親父さんの代で終わりなんだ」 「大丈夫。将ちゃんがいるから」 「将ちゃん?」 ----------------------  規則正しく機を織る音が作業所に響く。  俺は彼の手が止まる瞬間を見て声をかける。 「将ちゃん」  将ちゃんがやっと振り向いて俺...
  • 14-439-1
    きみといつまでも command:きみといつまでも Y/N? 801はファンタジーだ!! と割り切ってるがどうしてもNのルートに考えが行って しまう私を許してください。決して不幸話が好きなんじゃないんです。 仮にA君とB君がいるとしましょう。 この2人が「いつまでも」何かを共有または同じ状態(精神的なものも含む)に いられるでしょうか? 答えは圧倒的にNOだと思うんです。 たとえA君の隣にB君がいるのが当たり前の世界であっても 「いつまでも」そのままって言うわけには行きません。 歩き始めたならいつかは終点にたどり着きます。朝は夜になり、人は年老います。 感情が動かない人はいないでしょう。うつろうのが人の心。記憶もいつか薄れます。 A君は年をとっても「B君が好きだ」と思う、そこまでが事実だと仮定しても。 どちらかが先に死んだら? 社会的な圧力に...
  • 14-449-2
    学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん。でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし 「なに言ってるんですか。久しいもなにも、先輩が卒業してまだ一年経ってませんよ」 「俺は過去に囚われない男だ」 「もう一度言いますけど、一体なにを言ってるんですか」 「俺は常に未来しか見ていない。過去は振り返らない。学生時の習慣もまた然り」 「去年の今頃、先輩は年賀状用の芋版を作る!とか言ってサツマイモ買い漁ってましたよね」 「ああ、あの焼き芋うまかったな!やっぱ焚き火でやるとホクホク感が違うよな」 「思いきり覚えてるじゃないですか」 「あの後小火になりかけたよなー。あれは焦ったな!」 「その様子だと、全然反省してないですね」 「あーなんか焼き芋食いたくなってきたな。食っとけばよかったなあ」 「……だったら、今から買いに行きますか」 「んで、話を戻すけどさ、冬休...
  • 14-439-2
    きみといつまでも ―――なんかさ、あいつって変に色白じゃん。 身体つきなんかは意外とがっしりしてたりするのにさ、あいつの印象っていうのがまた、 ニュルニュルっていうかニョロニョロっていうか… なんかとにかく掴みどころもないし、 すっごく変なヤツじゃね? 他のみんながそんな風に僕を噂してるのは知っている。 どうせね、そうさ。 色白なのは生まれつきだし、どうせニュルニュル?ニョロニョロ??どっちの表現でもいい けど、掴みどころなんてありませんよ。 なんだよ、みんなだってゴツゴツしてたりペラペラしてたりヒョロっとしてたり、どうせ 五十歩百歩のくせしてさ。 ―――まぁ、中には。とんでもなくカッコのいい、オイシイ奴だっていたりするけれど。 でも、彼らがすき好んでそういう風に生まれたわけじゃないのと同じに、僕だって望んで こんな風に生まれてきたわけじゃない。...
  • 14-449-1
    学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん。でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし じゃあたまには萌え語りでもするか なおこの萌え語りはフィクションです。気分を害してしまったら申し訳ありません 「学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし」 このレスから勝手に妄想したのはおっさん、もしくは高校中退した若者です。 おっさんの場合は、あるやもめ暮らしの冬の日、突然見知った少年が訪ねてくる。 学校はどうした、さぼりじゃないのかとうろたえまくるおっさんに、 「今冬休みだから大丈夫」なんて少年は笑いながら答えます。 そして寂しそうに上の言葉をぼやくおっさんに少年はいとおしさを感じるのです。 若者の場合は街ではしゃぎまわる学生らしき集団を見て、いらいらしながら言ってくれるといいと思い...
  • 14-439-3
    きみといつまでも 「せんぱっ……卒業おめでとうございまっ……うえええええ」 卒業式の後、派手に泣き出した後輩を前に、俺は苦笑する。 卒業するのは俺で、コイツはまだあと1年この学校に通うはずで。 なのに、あまりに大泣きするものだから、俺の方は感傷やらなにやらは全てどこかに行ってしまった。 「コラ、泣くな。どっちが卒業生だか、分からないだろ」 「だって、だってぇ」 涙を隠そうともせず、鼻水まで垂らして泣いている後輩を、俺はずっと可愛がってきた。 そして、相手も慕ってくれていたことは、現在目の前に繰り広げられている光景からすれば、疑いようもない。 「たかが卒業だ。そんなに、大したことじゃないだろ?」 「大したことですよ!! 大したことなんですよ!! だって、俺、先輩の「後輩」ってポジションしかないのに!!」 「は?」 訳の分からない内容で食って掛かられて、思わず聞き...
  • 14-459-1
    こういう、お題になる予定じゃなかったネタでもさらりとまとめて萌えさせてくれるお姉さん方が大好きです。踏んで 「…で、どうしてお前がここにいるんだ」 「…それ、俺が一番言いたい台詞」 ほんの好奇心だった。 ほら、あるだろ、少し前に流行ったメイドリフレってやつ。メイドさんがマッサージしてくれるやつ。 可愛くてうまい娘いるって後輩から聞いて、ちょっとだけ興味沸いたわけよ。 …まさか、昔からずっとつるんでるこいつ(もちろん男)が出てくるなんて予想もしてなかったわけよ。 「人手が足りないと頼まれたんだ。こんな制服だけど、給料がよくて助かる。何より腕を買っていただいた。それだけでありがたいよ」 整体師として開業するのがこいつの夢だ。そういやこないだ、新しい仕事先ができたと言っていた。力を発揮できると嬉しそうにしていた。真面目なこいつらしくて微笑ましかった。 …が、よ...
  • 14-449-3
    学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん。でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし 「優希くん、学校どうしたの?」 「休みだけど」 「こんな時期に? 普通クリスマス前後じゃない?」 「今は試験休みだってば」 「俺だまされてないよね?」 「じゃあ学校に問い合わせれば?」 「あー。学生やめて久しすぎて休みの時期なんてもう全然わかんねー」 「親でもないのにうざいよ、達也さん」 「親以上ですよ、俺は」 この人は俺の後見人。 火事で家族も家もなくした俺を血のつながりもないのに 周りの反対を押し切って引き取ってくれた人。 もちろん簡単に出来たわけじゃない。 後見人になる時には変な勘ぐりもあったらしい。たぶん今もある。 俺の知らない所で、達也さんは俺がなるべく傷つかないようにしてくれている。 「早く大人になりたい」と言うと、 「そんな...
  • 14-489-1
    傍若無人なくせに天然 「傍らに人無きが若し」 「ん?」 「お前のこと。一般的には傍若無人。近くの人にとって迷惑な行動をするって意味」 「俺、迷惑なんかかけてないよ?」 「ほー。よくそんなことが言えるな」 「そりゃ言えるでしょ」 「この間、同じゼミの女の子に何をした?」 「失恋話を聞いてなぐさめた」 「こう言ってな。『あいつ浮気者だよ。この間俺も食われたよ。まだつきあってた時期じゃね?』」 「なんで聞いてるんだよ!」 「聞きたくないのに聞こえたんだよ」 「え? ああ…、いたね。そういえば」 「男に男とられたって、あの後大変だったぞ」 「でも、あれで未練がなくなったはずだ。俺は役にたったと思う」 「そうくるか」 「そうだよ」 「教授たぶらかして、やめさせるし」 「ちょっと待て! 向こうが勝手にやめたんじゃないか!」 「『生徒でいるのがつらい』って言っ...
  • 14-719
    追い掛けられる悪夢 義也はいつも困ったような顔をして笑う。 「夜ね、よく眠れないんだ」 授業中、豪快に舟をこいでいた彼を起こしてやった時も そんな顔をしていた。 それがきっかけでよく話すようになり 彼はちょくちょく俺の部屋に遊びに来るようになった。 俺は一人暮らしだったし、自宅にいるより気楽だったのだと思う。 彼の家が複雑な事情の下、父子家庭であり しかも父親と折り合いが悪いらしいのは会話の端々から読み取れた。 眠れない、というのは本当のようだった。 初めて泊まりに来た夜、義也は酷くうなされた。 肩をゆすって起すと、息が荒く、体が激しく震えていた。 昔母親がしてくれたように、 やさしく腕を叩いて「大丈夫、夢だよ」と言うとわずかに震えが収まった。 「起きるにはまだ早いから、もう一回寝な」 すがるような瞳が揺れる。 「怖い夢見てたらまた起し...
  • 14-819
    無意識誘い受け 「間にっ合っ…たっ!?」 「ギリギリ。ちなみに一限目は自習」 「まじでぇ!?なんだよも~…だったらメールしろよ、凄い頑張って走ったし!というか起こしに来ないお前が悪い」 「委員会だっての。昨日言ったろ?」 「…そうだっけ?うんまぁいいや、それよりぎぶみー水分」 「ほら。全力疾走する労力とあと5分早く起きる労力、どっちが大きいか身に染みただろ」 「あふぁほぶぉふんふぁ、にひようひふふぁふぁひふぉ、ひふふぇいひひふぁんにひっふぇきふふほふぁ!」 「朝の5分は日曜昼下がりの昼寝一時間に匹敵するよな」 「ぷはー生き返るー。ほら朝から運動なんて健康的だし水は美味いし」 「じゃあ明日からは自力で起きるという事で」 「それはまた別という事で」 「もちろん明日までのレポートも別で」 「そ、それはもっと別で…」 「…あと何枚だ?」 「…………………7枚?」...
  • 14-199
    受に抱かれて眠る攻(攻を抱いて眠る受) 「……ぅん…」 寝ぼけて軽く身じろぎをしたカズヤの髪をそっとなでる。 茶色いふわふわした髪に指を絡ませているこの瞬間が俺の小さな幸せだ。 俺の腕の中で眠っているまだあどけなさの残るこの男は、さっきまで俺を組みしいていた。 年下だけど、ときどきそれを忘れそうになるぐらいしっかりしていて頼りになる男。 普段の生活はもちろん、情事の最中までも頼りない俺をリードしてくれる男。 でも、こうして眠っている時だけは年相応に見える。 起きている時は絶対にこんな顔見せてくれないだろう? こんな風に俺に甘えてはくれないだろう? お前が俺達の年齢差を気にしてることは知ってる。 俺は別に気にしてないけど、お前にとっては大きな差だってことも。 だからって、無理して大人になろうとする必要はないのに。 そう言ってもきっとお前は聞...
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