*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「18-419」で検索した結果

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  • 18-419
    泥棒に入る家を間違えた  俺は今絶体絶命のピンチに陥っている。  明らかに泥棒に入る家を間違えた。  入り込んだ先には誰も居ないはずだったのだが、開けた扉の向こうには―――。  「……お前さー、ちゃんと下調べくらいしろよ」  いつも俺を追い掛け回している刑事が呆れ顔で、しかも歯ブラシなんて咥えたまま佇んでいた。  「お前くらいだろ。毎回毎回追いかけられても全く懲りてないの」  予想もしていない状況に俺の頭はすっかりついていけなくて、まるで金魚のように口を開閉させるばかりだ。  「あ…、ちょっとそのまま待ってろ」  そう言ってアイツは扉の向こうに消えていった。  い、今の内に逃げないと!  目の前から姿が消えたことで、ようやく頭が働き出した。  「だから待ってろって言っただろ」  出ようと後ろを向いたところを、襟首をむずっと捉まれた。  「どうせ隣の家にで...
  • 8-419
    同じ月を眺めている 眠れない。 自分の眠りがこんなにも浅かったのだと忘れていた。 いつも、アイツがいたから。 アイツの気配はいつだって心地よかった。 寒い季節、隣の温もりは自分を眠りに誘った。 いつだって一緒に夢を見た。 あの日までは。 いつもと同じようにアイツの横で眠りに落ちた。 けれど、何だかいつもとは違って。 顔に近づく気配にうっすらと目を開けた。 そして、唇に触れる何か。 目があった瞬間、アイツはビクリと体をこわばらせた。 何も言わずにアイツが立ち去った後で、ようやくキスだとわかった。 その日を最後にアイツはいなくなった。 アイツといるときはほとんど見ることのなかった月。 今は満ち欠けが追える程だ。 この月に願いが届けばいいのに。 アイツに、願いが届けばいいのに。 あの日、最後だと思って彼に触れた。 拒絶される...
  • 28-419
    年下の彼 ガチャリバタンガサガサパタパタと、それまで自分一人で静かだった空間が騒がしくなった。 「せんぱーい!酒とつまみその他買ってきましたよー!」 「はいはいお疲れ様。おつまみはここ置いといてね。お鍋ももう出来るから器とコンロ、テーブルに出しといてくれる?」 来たばっかりで悪いけど、と付け足してから僕はまたお鍋に向き直る。 僕が何も言わなくても勝手知ったる他人の家とばかりに、鍋に使う食器の位置もコンロの置き場所も熟知している彼はいそいそと食事の準備を始めた。 一年前、最初に彼を招待した頃は逐一“これはここ”と教えていたというのに…と少し感慨深い。 「先輩の卒業にかんぱーい!ついでにいただきます!」 「ふふ、ありがとう」 彼が買ってきた焼酎を杯に注ぎチンと軽やかに音を重ねる。美味しそうにぐつぐつ煮える鍋を、二人で囲んだ。 三年の時に同じ学...
  • 20-419
    あと少しだけ待ってて 2001.3.16 「今日、久しぶりに君に会った。 随分と間が空いてしまって申し訳ない。元気なのは元気なんだが、足の調子が良くなくてね。 君が綺麗だと言ってくれた手も、ほら、こんなにも老いぼれてしまった。 そういえば、今朝、庭の桜が蕾を膨らませていたよ。もうすぐ開花するだろうか。 君に見せられないのが残念だ。」 1953.4.2 「今日は君と桜を見に行った。来年も君と居たい。」 1951.5.10 「お互い皺くちゃの爺さんになるまで一緒に居ようと言われたとき、恥ずかしくて笑い飛ばしたけど、本当は嬉しかった。 ずっとずっと君と居たい。」 1952.6.23 「近頃、君は変な咳が続く。心配だ。」 1961.6.27 「まだ君のところへは行けない。会いたい。」 1974.7.1...
  • 1-419
    たまねぎ×長ねぎ 今日も一人の仲間が部屋から連れて行かれて原形をとどめないほどに切らて殺された。 自分にもすぐにそのときが来るのを俺は知っている。 これは俺達の運命なのだ。 新しい奴が部屋につれてこられた。 俺の上にそっと寝かされたそいつは、まっすぐに伸びたその緑色の髪をドアで折り曲げられて ずいぶん怒っていた。 そのプライドの高さ。美しい髪。真っ白なすっきりとした目鼻立ちの顔。 俺は一目で恋に落ちた。 その夜彼は一度外に出され、その自慢の髪をバッサリと切られた。 短くなった髪でも十分に彼は美しかったが、彼は一人静かに涙を流していた。 口下手な俺は掛ける言葉を見つけられず、ただ彼の涙を見ているしかなかった。 翌朝俺は熱湯に溶かされた味噌の匂いで目覚めた。 「味噌汁か・・・」 彼はまだ無事か?と上を見れば、まだそこにいた。 だが、それ程に神は優...
  • 7-419
    自分の萌えを熱く語れ!  皆さん今晩は。 萌えについての勉強ですが、今日は『自分の萌を熱く語れ!』というテーマで少しお話しをしたいと思います。  大きく分けて属性というものは装備系統と基本系統にわかれますが、属性は日々誕生し、増え続けるものであります。 その多くの属性を全て理解することは不可能に近いと思いますが、理解を広げることにより自分自身をより深く理解、分析することが出来ますし、また新たな属性を発見する手助けになると思います。  たとえば青木君、君の萌え属性は、この用紙には猫耳と書かれていますね? 中にはもとから生えている物でないといけないという方もおられますが、猫耳というのは系統に置き換えると装備系と言えるでしょう。 何の変哲もないキャラや人物でも、そのアイテムを付加することによって簡単に萌えるキャラや人物にレベルアップするというものです。 猫耳に代表され...
  • 4-419
    皇帝ペンギン 「ほら、あっちゃん見て、すごいよ!」 頬を上気させた従兄弟が、今にも走り出しそうな勢いで俺の袖を引いている。 従兄弟の目指すガラスの向こうには、寒そうな氷の上でのんきな寝顔を晒す皇帝ペンギン。 あーあー、目ェ輝かせちゃって。 好きだとは知ってたけど、こんなに喜ぶんならもっと早く連れてきてやればよかった。 「かーわいいなぁ。よちよち歩いててさ、赤ちゃんみたいだよね~」 かわいいのはお前の方だよ。ああクソッ、その笑顔、無理して会社休んだ甲斐があったってもんだ。 「…ねぇ、あっちゃん。」 突然、コツンと水槽ガラスに額を当てて。 「転勤しちゃっても、また来ようね」 明るい声とは対照的に、ぎゅっと手のひらを握られた。 「…帰りにぬいぐるみ買っていくか」 明日から居ない俺の代わりに、お前が寂しくないように。 でもな孝平。俺の転勤先にも、お前...
  • 3-419
    スターの恋 「おい、ドア開けろ!部屋に入れろよ!ていうか服!!服返せよ!!」 都内某高級マンション一室の廊下。 扉のドアを外からガチャガチャやりながら、声を殺しつつ必死に叫ぶ不審な男が居た。 彼の名は工藤雅也。今や歌にドラマにバフラエティーにと、多方面で人気を誇るアイドルであり その名を知らぬ者は居ないといって過言ではないだろう。 しかし今の彼には大スターの面影は微塵も見られない。というのも彼は今現在、世にも奇妙な格好をしていたからだ。 乱れた髪に上半身裸、下半身パンツ一丁で靴下着用。そして何よりも目立つのは顔から胸にかけてこびりついた、精液。 「おまえっ!手でしてやるだけだって、約束しただろ…!卑怯だぞ…!」小声でドアに向かい怒る雅也は涙声だった。 まあ思えば最初から罠だったのだ。 雅也もデビュー当初は五万といた若手アイドルのうちの1人だった。 多少人...
  • 6-419
    催眠術でたぶらかす 隣で寝ている彼。 昨日あんなに乱れて、求めて、溺れた彼。 ベッドシーツは昨晩の情事の余韻に乱れ、空気は甘く気怠く体にまとわりつく。 欲しいから、何もかも欲しいから、どんなことをしても彼が欲しかったから。 卑怯だと知っていたけれど。欺瞞だと分かっていたけれど。 それでも、使わずにはいられなかった。 この眠りから覚めたら、彼はきっと離れていってしまう。 無理矢理彼の心の内を暴き立て、淫靡に、卑猥に、深層意識をかき乱し。 そうやって手に入れたものは後悔と、行き場のないさらなる愛情。 彼が、微かに目を開けた。眩しそうにこちらを見る。 手放すものか。商売道具に手を伸ばし、彼の目をのぞき込む。 「…あなたはだんだん…」 vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv
  • 9-419
    相手を「さん」づけで呼ぶ 「あのさぁ、もう付き合って半年になるんだし先生はやめようよ。  だいたい俺、別にお前の先生じゃないし。好きに呼んでいいからさ。」 ある日突然、俺の恋人がそういった。 確かに、彼の言うことは正しい。 俺たちの出会いが医者と看護師なんて立場だったから、ついそう呼んでしまうんだけど。 職場でならともかく、普段そう呼ぶのはおかしいってのはわかってた。 でも、外で呼ぶ機会がそうあるわけでもないし、ついそのままになっていた。 そもそも、何て呼べばいいんだ? 「もう、呼び捨てでもいいって。」 悩みが顔に出ていたらしく、彼にはそう言われたけど。 俺より年上で、キャリアなんてずっと上で。 憧れと尊敬の入り混じった想いを抱えている相手を、呼び捨てになんか出来るわけがない。 でもなぁ、苗字で呼ぶのは他人行儀だしなぁ。 あとは、「くん」づけか...
  • 5-419
    共依存 ふと後ろに何か気配を感じて、振り向く前に声が上からかかってきた。 「何読んでんすか、センパイ。心理学?うわっ」 「なんで、何が、『うわ』なんだよ」 ページに目を落としたまま応えると後ろの気配が横に移動する。 ギイイと音を立てて椅子を引きずり、彼は座った。机の上で手を組んで、俺の本を覗き込む。 「いや、いかにもアンタが読みそうって思って」 「部活はどうしたよ」 「え?雨降ってるじゃないすか」 「……」 「たまには休まないと。面白いですかセンパイ、こういう本…」 言いながらさらに身体を傾けて、覗いてくる。おい、読めません。あ、君左巻きか。…。 「…」 「…君が読んでもつまらないでしょ。しかも途中から」 「…なんか、これ、アンタと滝センパイみたいっすね」 「ハア?」 「『きょういぞん』」 「…」 これ、ここ、と彼は一文を指しているらしい。うん。...
  • 2-419
    日本人×独逸人 「今日残業になってしまったので…すみません」 言いつつ男は、我ながらちっとも済まなそうではないな、と思った。声に感情を出すのが苦手だ。 すると電話口の向こうでも、抑制の効いた声が、構わないから仕事を優先してください、と言ってきた。 もう一度謝り、電話を切る。ため息が出た。 仕事を優先しろと言われた以上、もしこれで無理をして会いに行ったら、 きっと彼は男を軽蔑するだろう。以前同僚にいたフランス人が同じことをした時、 自分の役目を果たしもせず恋愛事にうつつを抜かす人間は、もっとも軽蔑すべき対象だと 童顔に皺を寄せて言っていた。彼の母国ではそんなことは有り得ないらしい。 久しぶりの逢瀬になるはずだった。本当は会いに行きたい。 けれどやはり自分も、与えられた職務を全うすることが優先だと思ってしまう。 どんなに辛くとも、果た...
  • 18-459
    割烹着が似合う攻め 「あ、おかえりなさい」 いい匂いに導かれるようにして玄関から直接台所へ向かうと、 同居人は振り返ってにっこりと微笑んだ。 手にはお玉。コンロの上では鍋がくつくつと音を立てている。 「腹へったー。今日なに?」 「風呂吹き大根と、牛肉の甘辛炒めと、あとスーパーに菜の花が出てましたから  和え物にしてみました。おみおつけの具は新たまねぎとしめじ。  すぐ食べられますから、手を洗ってきてくださいね」 素晴らしい。なんて素晴らしい。 用意された食事はどれもおいしそうで――実際とても美味い事を俺は知っている―― それを整えてくれている手は白くて器用だ。 いっそ古臭いくらいな黒ぶち眼鏡もこいつにはよく似合っている。 気はきくし、家の中にはホコリひとつ落ちてないし、近所の奥様方にも可愛がられているらしい。 仕事で疲れて帰ってきたあと...
  • 19-419
    似た者カップルと正反対カップル 「俺は辛いのダメだって、何度も何度も!何度も!!伝えてんだよ。  そろそろ通じたかなって思ってたのにさ、あいつ昨日の夕飯何出したと思う。  カレー、それもド辛口!口入れた瞬間、火花散ったよ、目の前で」 「君のド辛口は、世間的には中辛だと思うけどな。食べられたの?」 「あんなの食える訳ないじゃん!牛乳で薄めて…、そんでも辛かったから、あと半熟卵作って貰って……」 「結局食べてるじゃない」 「……腹減ってたし、どうにか食ったけどさあ」 「うち、二人ともカレーにはチーズ派だなあ。とろけるチーズ試した?」 「試した試した。美味しかったから勧めたんだけどさ、何なのあいつのカレーに対する情熱。  『カレー様にトッピングなんて失礼だろ!』って頑なに拒否。意味分からない」 「あー……、今すごくイメージ湧いた」 「あんたんトコは良いよね。俺、味覚...
  • 18-429
    どう見ても中学生です。本当にありがとうございまs(ry 「初体験かー……ミチノリ君はいつ?」 何の気なしに投げた言葉で、彼の動きはぴたりと止まった。 居酒屋の貸し切り一部屋。すっかり出来上がった一角では、サークルの同期と先輩達が下ネタで盛り上がっている。 「あ、ありますよ……初体験ぐらい」 あるなしじゃなくて時期を聞いたんだけどなぁ、とは言えなかった。かわいそうに、彼はもう氷しか入ってないグラスに口をつけたまま、気まずそうに俯いている。 これから先輩になる自分にぐらい、正直に本当のことを言えばいいのに。いや、まだ心を開いてないうちに突っ込みすぎてしまった自分の失敗か? 下ネタは万国共通のATフィールド中和ツールだと思っていたのだが、そんなこともないらしい。人間色々だ。そこんとこ、ちゃんと見極めようよ俺。何やってるんだ俺。何やってるんだ、新歓隊長。 ささいな自己嫌悪に...
  • 16-419
    わんこ攻めとへたれ受け 後輩の園田はわかりやすい奴だ。 いつも好奇心に瞳を煌めかせ、楽しいこと嬉しいことを見つけるとぱっと顔が輝く。 理不尽なことを見れば真剣に怒る。 他人が困っていれば共ににおろおろし、人の悲しみに一緒になって涙を流す。 何かに落ち込むことがあればショボンと項垂れるが、 前向き思考で立ち直りが早く、すぐにまたにこにこと顔を輝かせる。 俺に何故か懐いていて、先輩先輩とまるで子犬がじゃれつくように俺にまとわりつく。 そんな園田を俺は煩いと思うよりむしろ可愛く感じていた。 楽しげに笑うその姿が傍にいないとなんとなく寂しく感じるようになっていた。 だから、 「萩野先輩、俺、先輩のことが好きなんです!俺の恋人になってください!」 真っ赤な顔で真剣にこちらを見つめる園田に、 「お、おう」 つい、肯いてしまったのだ。 もちろんその言葉に嘘はなかった。...
  • 25-419
    昔、あるところに 昔、あるところに世界を護った孤独な竜がいました その竜は優しい竜でしたがとても大きく強かったので 小さな人間達にはどうしても竜が恐ろしく見えてしまいました ある日その竜の巣に一人の旅人が転がり込みました 全身傷だらけで今にも息絶えてしまいそうな旅人は言いました 『自分は世界を脅かす恐ろしい事実を知ってしまった  これを皆に伝えるまでは死ぬ訳にはいかない  不躾な願いとは分かっているがこの巣でしばし休ませて欲しい』と 竜はその願いを聞き入れました、旅人の瞳が真実を物語っていたからです 旅人は介抱のお礼代りにいままでしてきた旅の話を沢山しました 年中雪がふる国の話、夜の明けない街の話、双子ばかりが住む島の話 魔法が発達した都市の話、そしてこの世界に迫る闇の話 幾分か元気になった旅人が巣を立つ前日の夜、竜は旅人に聞きました 『お前は私が恐ろしく...
  • 23-419
    まとも×電波 「仲哀天皇からの電波を受信しました。あなたは自分と結ばれるべきなのです」 「はあ?」 部活を終えて体育館脇の水道で手足を洗っていたら学年随一の変人がやってきた 確か歴史研究部だったよな。こないだ同級生の同じ部のヤツから話を聞いた なんか馬鹿なオレにもすぐ分かるようなマジキチな仮説を大マジで唱えたらしい 「モーゼもキリストも仏陀も孔子もムハンマドも全て日本人なのです」 「漢字も楔形文字もひらがなとカタカナを参考に発明されたものです」 「古事記と日本書紀を参考にしてヘロドトスは『歴史』を司馬遷は『史記』を書いたのです」 「アレクサンダー大王は神武天皇、始皇帝は応神天皇なのです」 …………なんか似たようなことを言っている新興宗教があったような気がするな 無視に限る。無視。無視……オレはそそくさとその場を後にしようとした …………ついて来やがる。うぜー...
  • 13-419
    倒した戦闘員のマスクをはいでみたら マスクの下から、見慣れた素顔がご対面。シュールな展開だ。 俺は衝撃に打たれ、地面に組み敷いた黒づくめの男を呆然と見下ろした。 「えーと、師匠……?」 「よお。久し振り」 「あ、どうもご無沙汰してます……ってアンタ何してんですか!?」 「見ての通り、戦闘員」 「……」 師匠だ。間違いなく師匠だ。 一年前にふっつりと消息を絶った師匠が、敵にまぎれて襲いかかってくるなんて。 空白の一年間に、一体何があったのだろうか。 沈黙に耐えかねたのか、師匠はふにゃりと笑って口を開いた。 「いや、不肖の弟子がしっかりやってるかなぁと心配して、ちょっと様子見に」 「それは、半分嘘ですね」 「半分は本当だ」 「で、もう半分は?」 「あっ!痛たたた……さっき蹴られたところが……肋が折れたかも…痛たたた」 上からどいてやると、師匠は痛い痛いと...
  • 21-419
    まわし 327 名前 風と木の名無しさん [sage] 2016/02/17(火) 17 54 20.61 ID hY801abL0 まわし ああ、またまわされちゃった。 僕がもっと魅力的だったら、まわしさんもGJをつけてくれるのかな。 何が足りないの? 僕もう萌えがわからないよ、まわしさん。 ねえまわしさん、一言でいいんだよ。 ねえ、まわしさん。 まわし
  • 24-419
    いつもと違うお父さん ぼくのおとうさん いちねんさんくみ さいとう りょうた ぼくにはおかあさんがいません。 だけどおとうさんとおにいちゃんがいます。 おにいちゃんはほんとうのおにいちゃんじゃないけど、いつもおうちにいます。 ぼくは、おとうさんもおにいちゃんもだいすきです。 おとうさんがおしごとでおそいときも、おにいちゃんがあそんでくれます。 このまえおとうさんとおふろにはいったとき、おにいちゃんがはいってきました。 ぼくはたのしかったけど、おとうさんはおかおがまっかでした。 なんだかいつもとちがって、おもしろかったです。 おにいちゃんはぼくたちのかぞくです。 これからも、かぞくさんにんでなかよくしていきたいです。 矢追小学校、1年3組の教室 授業参観で保護者が見守る中 元気よく発表された作文に スーツ姿の二人の男性が顔を真っ赤...
  • 14-419
    無口、無愛想、世俗離れ 「何だって客人に愛想のねぇ主人だなあ」 「…………」 「まあいつもの事だが」 勝手に上がり込んでくる浪人をもてなす由はないとでも言いたそうに、男は瞼を伏せただけだった。 険しい山奥の小さな屋敷。ここでこの家主は一人句を詠み書を書き綴り、土を耕しては日々を営んでいる。いつからそうしているのか知らぬ。 ある時浪人が山越えの道に迷い、夜半過ぎに助けを求めこの屋敷の戸を叩いたときから、この主はここにこうして在った。 警戒とも歓迎とも違う、ただただ愛想のない簡素な招き入れに、浪人は訝しんだ後、この男に興味を持ったのな俗な興味をぶつけることもやめにした。 今はただ、町で見つけた魚の干したものや甘い菓子、また浪人の大好きな酒と肴など、ここでは手に入らないだろう物を土産とし 「今日はお天道様がよくみえるねえ」 「そろそろ蝉の鳴くのもききおさめだねえ...
  • 11-419
    動かないで 「動かないで」 小さく、抑えた、懇願する声。 え、なになになにが起こったんだ。 動かないでって、俺はただ喉渇いたから冷蔵庫に行こうとしただけなんだけど。 それだけでも離れてほしくないということなのだろうか。 ちょっと待て、こいつどれだけ可愛いんだ! (顔まで可愛くて言動も可愛いってそんな、) 自分を見上げる必死な顔。奴の両手は俺の腕にすがっている。 正直嬉しすぎるこの状況、しかし混乱して上手い言葉が見つけられない。 やっとのことで捻りだした言葉は結局全く格好良いものじゃなかった。 「え、なに?どしたの」 「コンタクト落とした…」 凄く慌てた顔をしている。 眼鏡家に置いてきたからコンタクトが見つからないと何も見えないのだと言う。 聞きながら、俺はちょっと不貞腐れた気分にならざるをえなかった。 はいはい、そうですよね、...
  • 10-419
    囚人のジレンマ 「ねぇ……寝ちゃった?」 隣からの小さな声。 「……まだ、寝てないよ」 「そか」 そう言うとクスクスと笑いながら身を寄せてくる。 「おい」 「いいでしょ。恋人、なんでしょ?」 「そうだけど」 だけど、今はまずいだろう。 今自分達がいるのはラブホでも自室でもなく古い旅館。 ここにいる理由というのは一般的に言う修学旅行というやつで 周りには雑魚寝したクラスメートがたくさんいる。 「見られたらマズイだろ」 「そうだね。でも、こうしてたい」 そう言いながら腕を回されれば逆らえない。 惚れた弱みは絶大だ。 「寝るまでこうしててやるからさっさと寝ろよ。明日、辛いぞ」 「どうしようかな……」 「おい」 胸に埋められていた頭が耳元に移動してくる。 「ね……シたくない?」 ベッドでしか聞けない甘い声に背筋がしびれる。 「…………だめ」 本...
  • 17-419
    思い出のなかに生きる人と見守る人 会話の途中で目が不自然に揺れたのに気づいてしまった。 テーブル横の通路をトレーを持った集団が通りすぎる。 夕方のファーストフード店。学生らしき客が多く、店内は雑然としていた。 この席もそうだった。 確か、クラス委員長の山本の彼女が可愛いらしいという会話だった。 「で、可愛いって何系よ?」 何も気づかない振りをして話の続きを促す。 「ん、あー…、あっ○ーな?らしい」 「マジか!それは意外なとこきたな」 だよな、と笑う。さっきの一瞬なんてなかったことになった。 これでいいんだと安心する。 たまに見せる表情に本当は気づきたくなかったんだ。 いつも同じ他校の制服を目で追うことも、その似合わないピアスを触る癖も知ってる。 ワックスを変えた時に微妙に避けられていたのも分かってた。 だけど理由は知らない。知りたくもない。 なぁ、も...
  • 15-419
    メンズブラ 「で?これは何なんだ?」 「ブラです」 「で?これをどうしたいんだ?」 「勇次につけ....あたっ!殴るなよ!」 「もう一度聞くぞ?これをどうしたいんだ?」 「勇次につけてもら....ぶへっ!!グーはやめて!グーはっ!!」 「俺を女扱いするつもりか?お前は!」 「してないよ!これ、メンズブラだもん!」 「メンズ...?」 「男性用ブラジャー、メンズブラ。勇次の白い肌に映える黒! セットでこっちのレースの超ビキニブリーフも!」 「お前なあ、こんなの、俺に着せたら楽しいと思ってるわけ?」 「楽しいと思うよ!いや、別に似合う似合わないの問題じゃなくてさ、 非日常っつうかさ。いつもなら絶対しないような格好をさせたらさ、 勇次もちょっと恥ずかしくなっちゃって、頬なんか染めちゃったりして、 『そんなに見るなよ』とか言っち...
  • 18-449
    照れ隠しで抱きしめる リョウタはめったに喋らない。代わりにしょっちゅう俺を抱きしめる。 あいつが学校から持って帰った絵やら習字やらをほめると、黙って抱きつかれる。 上級生(俺のクラスのやつだった)とケンカをした時も、 その場では顔色ひとつ変えなかったのに、俺が後で「強かったな」と言った途端 くっついてきて、しばらく離れなかった。 この前なんか、二人で河川敷で遊んだ帰りに夕焼けを眺めていると、 いきなりギュウっとされて苦しいくらいだった。 そういえば引っ越してきたばかりのあいつに 「今日からお前俺の弟な」 と言った時も、うなずく代わりに抱きついてきた気がする。 ある日、いつものように寄ってきたリョウタを見てふっと気づいた。 こいついつの間にか俺よりデカくなってないか? 黙ってすがりついてくる仕草はまるで子供なのに、 俺の身体に回された腕も込められた力...
  • 18-479
    卒業 「卒業式でー泣かないーと冷たい人と言われそおー」  眼下に別れを惜しんで泣いている女子があちらこちらに見えた。  屋上から下を見ながら、あいつは古い歌を歌った。 「女って浸るなあ。会おうと思えばいつだって会えるくせにさあ」 「いいだろ別に。それより卒業ソングだったらいくらでも他にあるだろ。 そんな昔の曲、チョイスすんなよ。」 「お袋の十八番だよ。いいだろ。わかるお前もお前だけどな」  そういってあいつは笑った。 「お前、親とカラオケに行くのか。すげえな」 「俺しか相手いないじゃん。会社のストレス発散カラオケなんだから」 「それでも普通はいかねーよ」  卒業証書が入った筒を手に持ちながら、なんとなくこの場から離れがたくて、 俺達はさっきからなんでもない話をしていた。 「歌詞なんかみないで歌えるぜ。でもー、もおっとー」 「うわー、やめろー...
  • 18-439
    敬語紳士×ガテン系オヤジ 「まだ残っていたんですか」 「あ、先生」 「ノートを写しているんですね。それは誰の分ですか?」 「振生くんのです。最近、また学校に来なくなったから……」 「ノートを持っていってあげるんですね。しかし、彼は読んでくれるでしょうか」 「みんなそう言います。でも、僕、振生くんはきっと悪い子なんかじゃないと思うんです。こんなこと、僕が言うのもおかしいかもしれないですけど……」 「どうしてそう思うんですか?」 「今まで、彼の家には5回行きました。彼はいつも不機嫌な顔で、2回目なんか渡したノートをそのまま投げつけられました。3回目には、怖いお友達がいっぱいいて、指をさして笑われました。」 「それはそれは」 「僕もその時には、もしかしたら迷惑なのかもしれないって思いました。でも、やっぱり僕にはこれぐらいしかできないんです。だから、それからも、迷いなが...
  • 18-469
    ゼロ距離 「…ひま」 「…おおー」 「…なんかすることないの」 「…」 「返事ぐらいして」 「…俺はね、人生を楽しむにはちょっとしたスリルが必要だと思うわけ」 「ん?うん」 「ここにポッキーがあります」 「ありますね」 「さて問題ですポッキーがあってヒトが2人でやることと言えば?」 「えっお前何考えてんの」 「答えは?」 「ポッキーゲームだろ、やだよ何で俺がお前とポッキーゲームやんなきゃいけな…、っ!」 「俺はね、人生を楽しむにはちょっとしたサプライズも必要だと思うわけ」 「…」 「…嫌、だった?」 「……別に…」 「良かった」 やっと埋まった、最後の距離。 卒業
  • 18-409
    フツメンヒーローとイケメン戦闘員 正義のヒーローモチツキマンは大忙し。 今日もモチツキグリーンが商店街を歩いていると……。 「るんたったー♪るんたったー♪」 「くっくっくっ楽しそうだなモチツキグリーン」 「えと、どちら様でしたっけ?」 「地球の平和は俺達が乱す!悪の組織紅生姜団のイケメン戦闘員小林です」 「ああ、先週お会いした?」 「ここで会ったが百年目、お前を捕まえてグリグリしてやる」 「俺、地味だし普通だし、せっかくならレッドとかレッドとかレッドとか狙ったら?」 「そんな!グリーンだって立派なヒーローだし、カッコイイとおも……つか、さりげなく仲間売るなw」 「それに俺、今日パン教室の日なんで戦闘は無理そうなんですけど」 「話聞け」 「俺……パン教室……楽しみに……」 「あーじゃあパン教室一緒に行きますよ。戦闘はそれからって事で」 「ありがとう...
  • 18-499
    はじめての一人暮らし 「こんなもんかな」 掃除を終えた後の部屋にダンボールを運び込み、家具を配置。 とりあえず必要最低限のものを取り出して、とりあえず当面の生活の場は整った。 業者に手伝いを頼んだとはいえ、やっぱり一日仕事だったな 俺はテーブルの上に烏龍茶のペットボトルを置くと、コップに注いで誰ともなしに 乾杯の動作をとってみた。 今日からここが俺だけの部屋。 兄弟が多い家で育ったせいでプライベートというものに縁の無かった俺にとっては 小さなアパートの一室でもここは聖域だ。 思い浮かぶのはこれからの新生活。もちろん不安もあるが、一生に一度の大学生活に はじめてのひとり暮らし…期待の方も当然大きい とりあえず今日の夕飯は何にするかなぁ…その前に実家の家族に電話入れた方がいいかなぁ などと考えていた俺は、ふと本棚に置いてある写真立てに目を留めた。 ...
  • 18-489
    勃起力検定 キーンコーンカーンコーン。 今日の授業が全て終了した。僕は黒板に板書された801妊娠の仕組みを慌てて写し終える。 担任でもある先生は、黒板をざっと消すとそのままHRに突入した。 「えー、明日はいよいよ本番です。攻めの皆も受けの皆も、落ち着いて頑張って下さいね。」 先生は、敬語受けらしい柔らかな笑みを浮かべ、受験前最後のHRをそう締めくくった。 ここ、801国の人間はまず大きく2つの性別に分類される。「攻め」と「受け」である。 (ごく稀に「リバ」という性別も存在するらしいが、僕はまだ見た事がない。) そして攻め、受けは、高校を卒業する際にそれぞれ検定を受験する事が法律で義務付けられている。 この検定によって、〇〇攻め、〇〇受けという細かい分類がなされ、一生をその肩書きで過ごすのだ。 攻めである僕らが明日受けるのが「勃起力検定」、略して「勃検」だ。...
  • 5-419-1
    共依存 ある一夜。 村外れのあばらやに一人の旅人が忍んでおりました。 年の頃は十二、三。 透けるように白い肌は、破れた屋根から零れる月光に照らされ、その腕から流れ落ちる朱い筋さえもキラキラと反射させています。 彼は今、訳のわからぬままに「敵でも味方でもないもの」に取り囲まれておりました。 その名を「ニンゲン」という生き物です。 彼も以前は、そう呼ばれた生き物でした。 彼の両親が一年に一度、森に現れる獣を退治すると出掛けるまでは。 …貧しい我が家に一人取り残された彼が、自らが誠の孤独になったことを悟るまでは。 彼は祈りました。 獣を捕えるまでは旅を続け、けして見失うことなく獣に復讐を、と。 獣を追うことが彼の生きる縁になり、年を季節を忘れて、幾年も十幾年も獣は彼の姿を確認し、彼も獣の後ろ姿を追いました。 その内に幾度も通り過ぎた街や村で噂が立ち始めました。 ...
  • 17-419-1
    思い出のなかに生きる人と見守る人 双子の弟が事故でいなくなってしまった。 しばらくして、弟のパソコンを開くと沢山メールが届いている。 全部同じ人物からで、英語だった。 内容は、メールが返ってこないことへの不安がひたすら書かれていた。 弟は最近まで留学していたから、多分そこでできた友達だろう。日本の知り合いには一応連絡をしていたけれど、彼のことは気づかなかった。 僕は弟のメールソフトから、彼に弟はもういないことを告げた。 なのに、未だに彼から毎日のようにメールが送られてきている。 内容は、今日何をしたとか、こんなことがあったとか、そんな些細なことが綴られていた。勉強し始めたのか、短い拙い日本語でメッセージが添えられていた。 「あいたい」「さびしい」「またあいましよ」 彼のメールを読んでいると、まだ弟がここにいるような気がする。 「日本 い...
  • 22-419-1
    知りたがり×隠したがり 「なぁなぁ、受けは俺のどこが好き? ちなみに俺は全部好きだよ」 「ああそうかい」  また始まった。 「受けはいつ俺を好きになった?」 「忘れた」  冷たくしてもこたえず、また問い掛けてくる。 「えー。俺はね、忘れ物して慌ててたら何も言わずブッキラボウに貸してくれた時に、いいなーと思った」 「……」  無視しても同じだ。 「じゃあさ、俺のことどれだけ愛してる? 俺は空よりも広く愛してる~!」 「教えない」 「それじゃあ」 「ああもう、いつもいつも五月蝿!」  怒鳴っても、攻めはなぜ怒ってるのか判らず不思議そうに首を傾げる。 「好きな相手の事は、何でも知りたいじゃないか」 「だからって、何度も同じことを聞くな」 「だって聞きたいんだモン」  口を尖らせ拗ねたように言う攻めに、呆れたように背を向けた。  そうしなきゃ平静を保てな...
  • 12.5-419
    昆虫採集 「……まだ三月の初めだぞ?」 「何が?」 一応確認してみたのだが、神崎はわずかに眉を寄せただけだった。 「昆虫採集つったら夏だろ?」 俺が首を傾げると、今度は少し呆れたような表情になる。 「そんなことない」 「でもさ、セミはまだ地面の下で爆睡してるんじゃねーの?」 「どうして蝉限定……というか、蝉は地中で眠っているわけじゃないから」 淡々と答えながら、神崎は白衣をハンガーに掛けて隣のジャケットを取った。 白衣を脱いだら見た目年齢が少し下がるなあと頭の片隅で思いつつ、俺は声を投げる。 「じゃあ蝶か。それでもまだ早いだろー。菜の花咲いてねえし」 「違う。なんで菜の花……いや。そもそも、俺はただ昆虫採集に出かけるわけじゃないんだけど」 「あれ、違うの?でもムシ採るんだろ?」 「遊びじゃない。フィールドワークだ」 「一緒じゃん」 軽く言ったら睨まれた...
  • 23-419-1
    まとも×電波 血の臭いが嫌いだと言う。 だったらその場に留まっていないでさっさと離れれば良いと薦めたのだが 「そしたら血の臭いで僕だけ浮きだってデフレスパイラルだ。ストレスで血を吐く」 と返って来たので、それきりその提案はしないでいる。 血の色も服が汚れて目立つから嫌いだと言う。 その割にいつも白地のパーカーを着ていることを指摘すると 「服が白くないと僕は夜から出られなくなる。何も見えない。カラスは鳥目だから」 と返って来たので、服についてはもう何も言わないことにして、よく落ちる洗剤を買ってやった。 臭いが付いたり服が汚れたりするのが嫌なら、せめて返り血をなるべく浴びないようにしろ、 そんな忠告をしてみたところ 「努力してみる」 と素直に頷かれた。たまに会話が普通に成立する分、この男は厄介だ。 俺はビルの階段を昇っている。 一階でエレベータのボタン...
  • 10-419-1
    囚人のジレンマ 愛しい貴方へ。 真円だった月が、半分に欠けました。僕らの処刑が執り行われるという新月まであと半分です。 『自分が間違っていた』と一言告げさえすれば、晴れて自由の身になれる事は保証されています。二度とお互いに会えなくなるという一点を除いて。 僕らがいかに不道徳か、非を認め改心しろと説いていた父親も、無駄と悟ったのかここ三日程姿を見せません。 僕は、貴方を愛した事、貴方に愛してもらえた事を決して後悔も恥じもしていません。 だから、貴方と重ねたこの唇で貴方との愛を否定するような真似はどうしてもしたくないのです。 例え命を絶たれるとしても。 ……けれど、貴方はどうなのでしょうか。 約束してくれましたよね。『新月の日に一緒に逝こう』と。 命が惜しくなったりしていませんか? もしかして、僕らの在り方を否定してでも、生きる道を選びたくな...
  • 21-419-1
    まわし 「お前の親父、化粧まわし作ってたんだって?」 「そうだよ」 「あの相撲取りの?」 「うん。脳梗塞で入院してからやめたけど」 「え? そうなの? 大変だな」 「今はだいぶ良くなったから大丈夫」 「じゃあ、今はどうしてんの? お前が作ってんの?」 「そんなわけないだろ。俺は不器用だし性にあわなかった」 「お前、頭がいいからなあ。職人じゃもったいないよな」  それどういう意味?とちょっとだけ反論したかったが、やめておいた。 どうせ他人に言ってもわかるわけがないので。 「なら親父さんの代で終わりなんだ」 「大丈夫。将ちゃんがいるから」 「将ちゃん?」 ----------------------  規則正しく機を織る音が作業所に響く。  俺は彼の手が止まる瞬間を見て声をかける。 「将ちゃん」  将ちゃんがやっと振り向いて俺...
  • 18-449-1
    照れ隠しで抱きしめる あまりに関谷が俺を褒めるものだから、照れ隠しに抱きしめてみた。 関谷はぎゅむ、と声ともつかないうめき声をあげ、じたばたしている。 参ったか、これで黙らざるを得まい、どうだ俺の嫌がらせは。言葉にすればそんな気持ち。 とにかく、いつも生意気な後輩に一矢報いたつもりだった。 実のところ、逆襲の必要はもうなかった。 真面目だが一本気すぎて扱いにくいと評判だった関谷は、 一緒に担当した今回のプロジェクトを通じて、徐々に素直になっていたから。 鼻っ柱の強い後輩に認めさせる……先輩としての勝利だ。 だからもう気は済んでいた。まさか薬が効きすぎているとは思いも寄らなかった。 「いい仕事でした……加納さんの企画は的確だった。  客も予測以上に入ったし……内容もよかった。ゲストも受けた。  地味なテーマなのに満足度高かったですよ。取材も結構来ましたし...
  • 18-459-1
    割烹着が似合う攻め 「おっはよー」  朝っぱらからやたらテンションの高い声に起こされて不機嫌なところへ、はた迷惑な声の主の現れた姿にぎょっとした。 「…なんだ、それ」 「タクちゃんほんまお寝坊さんやなぁ。そんなんやとお仕事大変やん」 「いやだから」 「あ、この割烹着? 俺が東京出てきたときにオカンがくれたんよ」  似合てるやろ、とくるりと回って見せる。  顔はいいくせに妙に庶民的なせいか、似合ってはいる、と思う。 「…お前、料理できたのか」 「できるわぁ! 俺のたこ焼きは天下一品やったやろ!」 「ああ……そうだったか」  そういえば、先日目の前の奴が押し掛けてきて作っていったたこ焼きは美味しかった。  天下一品かどうかはともかく。 「タクちゃん、朝ごはんできてるで。俺桃子ちゃん起こしてくるわー」 「あ、ああ……」  二階の子供部屋に上がっていく長身を...
  • 18-439-1
    敬語紳士×ガテン系オヤジ 「アイツはなぁ、いいヤツなんだよぉ」 「ええ、分かりました、分かりましたから…」 「ぅ…ぐす…アイツは、アイツは両親事故で亡くしてな、それでも頑張って高校行ってなぁ…」 「ええ、本当に、頑張ったんですね」  静かなジャズの流れるバーには、マスターのほかその2人しかいなかった。  片方は細身にグレイのスーツ、オールバックの髪に細縁の眼鏡と、公務員のようないでたちで、シックなバーの雰囲気に溶け込んでいる。  もう片方は連れ合いとは対称的で、髭面でさほど背は高くないが、ほの暗い照明にも薄いTシャツの下に逞しい筋肉が盛り上がっているのがわかる。アスリートというよりは、肉体労働で鍛えられたようだ、とマスターはグラスを磨きながら思った。ついでに、珍しい組み合わせだ、とも。その髭面が、顔中をくしゃくしゃにして泣いている。すっかり酔っ払っているのか、呂律も回...
  • 18-179-1
    冗談っぽく「好きなやついる?」と聞いたら真顔でうなずかれたorz 179 名前:相談したい名無しさん[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 01 51 55 ID QSlQ0VRmO 冗談っぽく「好きなやついる?」と聞いたら真顔でうなずかれたorz 180 名前:相談したい名無しさん[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 01 55 04 ID Gtr5sd23O kwsk 181 名前:相談したい名無しさん[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 01 57 13 ID QSlQ0VRmO こんな時間にごめんな、飲み会の帰りなんだけど、その飲み会の席で言われた 真顔だぜ真顔、俺も真顔で「うん…、上手くいったら紹介しろよ」とかどもっちゃったよ スペックは当方フツメン、向こうイケメン。 182 名前:相談したい名無...
  • 18-519
    ホームステイ 日本なんかに来るんじゃなかった。 誰だよ。日本人はみんなシャイだなんて言った奴。 めっちゃ話しかけてくるんですけど? ホームステイ先のオカーサン、めっちゃ話しかけて来るんですけど。日本語で。 意味わかんねーよ。日本語わかんねーよ。せめて「ハロー」くらい言えつーの。 誰だよ。日本人は真面目だなんて言ってた奴。 オトーサン「U・S・A!U・S・A!」って手拍子してるぞ。めっちゃ笑顔で。 外人ナメてんのか。テンション高すぎだろハゲ! 誰だよ。日本人はみんな親切だなんて言った奴。 この家の長男、ケンイチとかい言う奴、めっちゃ無愛想だぞ? 唯一英語が喋れるのに。喋れるのに!! お前いる意味ねーだろ。何の為に英語可のステイ先を選んだと思ってんだよ。 サムライか?サムライだから喋らねーのか? 何時代だっつーの。江戸か?お前だけ江戸時代なのか?...
  • 18-919
    きれいなお兄さん×大型わんこ 太腿を撫でられるうちに、居ても立ってもいられなくなってきた。 「お、お、お兄さんは」 声がうわずる。そのことが余計に俺を逆上させた。 「……なんで俺なんかを構うんですか」 お兄さんは目を細め、俺の鼻をつまんだ。 「可愛いからさ。見てるとかわいくてかわいくて仕方がないんだよ」 ムガ、と鼻が鳴る。毎度毎度、この人の言っていることがわからない。 剣道、柔道で鍛えられたむくつけき大男である俺の、どこが可愛いというのだろう。 「俺はもう小学生じゃありません」 「知っている。高校生でも大学生でもないね、立派にお勤め人だ。むろん小さい頃も可愛かったが」 そういうお兄さんこそ可愛かったじゃないですか、と言いたいのを堪える。 美少女然とした子供だった3つ上の幼なじみは、いまや美女とも見紛うばかりの美青年とあいなったが、 自分の外面にとんと興味が...
  • 18-819
    雨でシャツが透ける  近頃暑い日が続いていたが、今日は昼前から降り出した雨のせいで寒いくらいだった。  赤井が部活の練習を終え、着替えて帰ろうとした時も、随分と弱まってはいたが、まだ 止む気配がない。汗をかいた体に外の空気は冷たくて、赤井は身震いした。傘を持ってき ていない赤井が体育倉庫に投げ込まれたボロ傘の存在を思い出し、取りに行くと、倉庫の そばの木で雨宿りをする少年がいた。  友人ではない。しかし赤井は彼を知っている。 「えーと、黒部?」 「……赤井。同じ、クラスの」  俺のことなんか知ってたのか、と少し驚いた。去年、今年と続けて同じクラスだったの に、授業以外でこいつがしゃべる所を見たことがない。虐められているわけではなさそう だが、彼は孤立していた。 「何してんの、お前」 「待ち、合わせ」  傘もささずにどれだけここにい...
  • 18-219
    コンビニ コンビニにはBLが満ちている、と俺は思う。 一、常連の高校生二人。朝練のためか朝早く来てパンを引っつかんで金払って咥えて、 走り去って行く。うふふあははと微笑み合いながら。 朝シフト、眠いのを我慢した甲斐があったとガッツポーズをしていると、同じく朝シフ トの上野から「この腐男子め」とばかりにぽかりと頭を叩かれた。 殴った後にチュッパチャップスくれても許さないんだからな! ………あ、プリン味って美味いんだ。 俺がオレンジが好きだな!と言うと上野は律儀に試食して感想をくれた。 二、常連のサラリーマン。二週間ほど前から同伴者が増えた。 サラリーマンより年下であろう長身の青年。どでかプリンを買うか買わないかで揉めて いる姿が微笑ましい。 夜シフト、増やした甲斐があったと肉まん詰め替えながらにやにやしていると、同じく ...
  • 18-019
    不器用な俺様 あの馬鹿、去年のクリスマスは「どうせ彼女居ないんだろ、クリスマスは飲みに行くぞ!寂しいクリスマ スだろうから付き合ってやる!」とか言うから、 「彼女とのクリスマスディナー予約してるんで無理です」と言って、ぽかんとしている馬鹿を置いて帰って 一人でショートケーキワンホール食い散らかした。 馬鹿が暇だとか言ったら誘おうと思って用意してたデパ地下グルメ食い尽くして、酒かっくらって寝て 翌日愉快になってにこにこ出社したら、真っ赤にした目を擦っている馬鹿が後輩にお盛んですねと からかわれていた。 あの馬鹿、今年のバレンタインは「どうせ彼女と別れたんだろ最近付き合いいいもんな!俺は最近秘書 課の子と仲良くなっちゃって大変だけど……あ、あとこれ美味いぞ」とか言ってココアコーヒーなるも のを薦めてきたので、 「今日仕事入ってて会えないからって、彼女から昨...
  • 18-319
    新ジャンル ヘタレヤンデレ受け 顎痛い!腰痛い!攻めの馬鹿少しは手加減しろようわああん! …ごめんなさいごめんなさい2回戦は無理無理っていうか絶対無理! いやー!おかーさーん!!! って、冗談でも止めてくれ…お前の目本気すぎて分からねぇよ!! ん、ああ、その赤い糸、まぁ糸っていうより紐?もしろ縄? それ昨日買ってきたんだった。 これ何に使うかって? ほら、俺が前にさ、海行きたいって言ったじゃん。 そん時に使おうかなって…何にって? これをさ、俺とお前の手と足にぐるぐる巻いてガッチリ縛るの。 あ、手はもちろん繋いでてな。 で、一緒にキスしながら海に飛び込む。 にゅうすいじさつ、二人は死んでも離れない。 きっと呼吸できないから苦しんで苦しんで死ぬと思うんだけどさ。 一面真っ青で水泡が俺たちを包んで、お前の黒い髪の毛がゆらゆら揺れるんだ。 どんどん沈んで、...
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