*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「18-899」で検索した結果

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  • 18-899
    機械音痴 「あーぁ、またバグっちゃったよ…」 3010年、ロボット工学の進歩により、一人が1台ロボットを持つ時代がやってきた。 それぞれのパートナーとなるこのロボット達は、通話やメールの通信機能はもちろん、電子通貨の管理、 対話・遊び相手などのコミュニケーション、家事や買い物などの雑用といった持ち主の身の回りの世話までもこなす、スーパーにハイなテクノロジーによって作られたロボットだ。 乱暴に言ってしまえばパソコンとメイド・執事を足したようなもので、スペックはそれぞれの持ち主にもよるが、莫大な金を払えば夜の相手もさせられるらしい。 まぁ俺のは中古で譲ってもらった旧式の男型だから、そんな気にもならないが。 「動けよー、今日中に動いてくんないと、大学のレポート出せねーだろー!もー!このポンコツ!!」 乱暴に足元を蹴飛ばしてやると、大げさな機械音とともにそ...
  • 8-899
    嗜好の違い 「ありえない」 「なんでだよ」 オレの手の中には真っ黒なビターチョコレート。 コイツの手にはゲロ甘お子様チョコレート。 ありえないのはそっちだ。 「そんな苦いの、チョコレートっていわない」 「るせぇ。んな甘スギの食えるか」 「こっちだってそんなの食えねー」 「だったら食わなきゃいいだろ」 まさか一緒じゃなきゃ嫌だなんて言うなよな。 「オレは食べないけどお前食べるんだろ」 「そりゃ食うだろ」 「んなの困る」 「なんで」 「だってキスが苦い」バカか。 しなきゃいいだけだろ。 こっちだって。 「甘すぎるのなんてお断わりだ」 散々悩んだ挙句、真っ黒なチョコレートを手にとり渋い顔。 無理して食わなきゃいいのに。 やっぱり、甘すぎだ。 一番星
  • 28-899
    ほっぺぷにぷに ぼくは彼が好きで、彼の薄くて柔らかなほっぺたが好きで、 「じゅんくん」 と、呼ぶとにこにこと笑うので、笑ったすきに集まったほっぺたを、ぷにぷにと。 僕は彼が好きで、彼のいつでもあたたかな優しい指先が好きで、 僕が笑うと頬をいじくりまわして、やたらと嬉しそうにするので、 「どうしたの、京平」 と、言いながら笑ったまま、ぷにぷにと。 ぷにぷに。 泣いてるときにいきなりキス
  • 18-889
    先輩に対して信仰に近い尊敬を抱いてる後輩 先輩と俺が出会ったのは、高校二年のときだった。 廊下ですれ違ったその時、先輩はふと振り向いて、どうしてだか俺に声をかけてきてくれたのだ。 その時先輩は髪の毛を丁度黒く戻していた頃で、夕日にその黒髪は酷く優しく映えていたのを覚えている。 すっと切れ長に通った紅茶色の瞳を細めて、確かお前は崎塚っていったっけ、と呼びかけてくれたあの声を俺は今でも忘れていない。 その後の高校時代を、俺は先輩の後ろに付き従うようにして過ごした。 髪もぼさぼさで図体のでかいだけの自分が、いくら許容してくれるからと言って先輩のお傍にいてはならない。 それは分かっていたけれど、全くもって俺の体はそれを許さなかったので、せめて先輩のお役に立てるように努力したつもりだが、果たしてそれはきちんと功を奏していたのか分からない。 先輩が殴られそうならかわって殴られた...
  • 1-899
    強気メイド×弱気ご主人 「!」 朝の忙しい時だと言うのに、メイドは思わずその足を止めた。 主人の様子がおかしい。 シャツを身につけ、カフスももう留めた筈なのに、やや下に向けた顔は上がる素振りさえ見せない。 「どうかなさいました?」 「あー……。んー……」 そんなメイドの問いかけにも、主人はイマイチ色の良い返事をしない。 メイドは主人に歩み寄り理由を問った。 「……何です?」 「いやー……今日のタイどれにしようかと思ってさぁ」 そうして並べられた幾つものタイ。 最早、この主人に遣える様になってからこんな状況は珍しくなくなってしまった。 「これにしましょう」 そうしてメイドが迷わず手に取ったのは重厚なワインレッドのタイ。 黒の格子が幾重にも連なったそれは、シンプルだが今日のコーディネートにも申し分ない程合っている。 「これぇ?これで良い?」 「不服ですか...
  • 5-899
    医師×リハビリ中の怪我人 売店の入り口ですれ違ったのは、外科病棟に入院してる高校生の男の子だ。 担当医の先輩が、無口で食が細くてリハビリにも上の空だとぼやいていた。 しかしなかなか美形で、女性陣にはストイックでかわいいと評判、その彼だが、 …一瞬でよくわからなかったけど、今泣いてなかったか? おれはレジ台に豆乳を置いて、おばさんに聞いてみた。 「今出てった患者さん、どうかしたの?」 「あら先生。いえ、それがねぇ…」 次の日、おれは朝食の時間帯に彼の病室を訪ねた。 「あら、森下先生…」 「やぁ、ちょっと彼に用があって。いいかな?」 「そうなんですか?…じゃあ菊川君、私またあとで来るけど、少しでもいいから食べてね。」 そう言って看護士が病室をあとにすると、菊川君は無言でおれを見た。 机の上には、手の付けられていない病院食。 思わず口元に笑みがうかんだお...
  • 2-899
    エロイチッス パターン1 [耽美系美少年×小動物系少年] この場合ムードなど考えず攻めからのいきなりのキスがいいでしょう。ムードなど攻めから発せられる色気で十分補えます。 受けの肩を抱き寄せ、驚く隙も与えず口をふさぐ。 受けはとっさに眼を閉じるが、攻めは眼を開いたまま。 この眼を開いたまま、というところが最大のポイントでございます 唇が離れた後は、突然で呼吸のタイミングを合わせられなかったためか潤んだ瞳の受けが 少々上目遣い気味に攻めを睨むといいでしょう。 パターン2 [堅物男×子悪魔男] 攻めの方が年上、ただしタメ口というのが重要です。 セックスの最中でもそうではなくても、受けが攻めに跨った状態で 受けから攻めのネクタイ等を引き口付ける 攻めもしばらくしてからそれに合わせ、ぴちゃぴちゃとそれぞれの唾液を絡ませる音が響くでしょう。 この場合学生よ...
  • 9-899
    シャワー中に濃厚なキスで はい、背中綺麗になった。ほら、今度は前だよ、一朗。 アハハ、そんなにくっつくなよ。洗えないじゃないか。 あ、こら、キスすんな。泡がつくだろう。 やっ…舐めるなよ…んんっ、まだ途中…。 んはっ、舌まで入れるな。やっ…洗えな…んっ… バスルームから響いてくる悩ましげな会話を聞きながら、俺は心中穏やかではない。 俺とは一緒に風呂に入ることさえ拒否するのに、なんだ、あの楽しげな会話は! 突然やってきた一朗はあっという間にあいつの心をとらえてしまった。 つい先月までは二人楽しく過ごした週末の夜でさえ、もう俺の存在など祐希の眼中にない。 俺がどんなにお前に会える週末を楽しみにしてるか、祐希は知らないんだ。 でも、あからさまに嫉妬するなんてみっともないじゃないか。ただでさえ5つも下なのにガキだと思われたくない。 我慢にガマンを重ねた怒りと切...
  • 6-899
    8あいしてる 双子の弟が、さっきから珍しく机に向かって何かやってる。 「アラタ、なにやってんの。」 「んー、ラブレター」 …はぁ? アホか。 「……………誰に。」 「よっし、できた!!」 アラタは興奮した調子で俺の方を向くと、読むからな?と言って咳払いをした。 「*8あいしてる  はじめまして、でも俺はいつも*8のことを考えてます!  *8はもしかして誰かが自分のこと見てるなんて思ってないかもしれないけど  俺はやさしくてしっかりものでいつもみんなを支えてくれる*8が大好きです。  みんな*9や*0のことばっかり褒めるけど、その*9や*0が輝けるのも  *8のおかげだってこと全然わかってないよな!  だから俺がみんなのぶんもお礼を言います。  いつもありがとう!!  これからもずーっと*8のファン 小岩井新 ……どう?!」 …*8っていう...
  • 4-899
    野生児王様×ツンデレ神官 「な なにをする きさまらー!」 薄暗い石造りの部屋に、悲痛な叫び声がこだましました。 この国の王様である彼は、あろう事か教会地下『反省室』別名『調教ルーム』で逆さ釣りにされています。 目の前には禍々しいデザインの棍棒を持ったイケメンの神官を筆頭に、ずらり修道士たちが仁王立ちしてます。 神官は王様の幼馴染で、神童だとか何だとか呼ばれ、女性にもモテモテのすごい人なのです。 しかし、その胃は荒れ切って、心痛も限界というところにきていました。 「神官、お前も俺を裏切るのか!」 「もともと仲間じゃありません。」 キッパリと神官は言いました。いいかげん、王様の行動には辟易していたのです。 「俺が何をしたと言うんだ!」 「城下街のありとあらゆる年頃の娘に特攻かけといて今更何を言ってるんですか!  実に苦情は200件にのぼりましたよ!…お仕置きで...
  • 3-899
    怖がり×幽霊 母親の実家が寺、というのが、君の一番の悩みだって、僕は知ってる。 夏休みに里帰りする時には、聞いたこともない病名をあみだしては、行くのを嫌がっているのも知ってる。 そこまで嫌がっても、親に殴られて来るハメになっているのも、知ってる。 でも、僕は君を待ってるから。 あれは、小学生の時。 「おばけなんてないさ」と勇ましく歌っている君が、あまりにもかわいくて、思わず墓の間から出てきてごめん。 ドロドロドロ、とか、効果音とか、照明とか、色々つけてまで怖がらせてごめん。 それから毎年、君が来るたびに、ご両親の目を盗んでは怖がらせてごめん。 一度は、君が寝ている布団に忍び込んだこともあったよね。あの時の君の顔よかった。 お風呂入ってシャンプーしてる時に、髪の間から、僕の手を出して、君の手を握り締めた時は、失神してたね。 ごめんね。失神した時は、さすがに...
  • 14-899
    リセット 「どんな職業でもいい。ただ、自分に誇りを持てる大人になって欲しい。私の願いはそれだけだ」 そんな手紙を遺して去っていったな、あんたは。 本当は親父の友達だったとか、その親父を戦場で見捨てた罪滅ぼしに俺を引き取ったとか、そういうことに文句を付けたいわけじゃない。 むしろ感謝している。 それは親父が本当は生きていたからとか、その裏で身も心も削っているのに同情したとかじゃない。 あんたと暮らしていて、俺は幸せだった。 それを言いたかっただけなんだ。 俺、ちゃんと大人になったよ。 2人の親父の背中を胸に、胸を張って生きているよ。 なのに何で。 「大きくなったね。……前に会った時はほんの赤ん坊だったのに」 いなくなった時と同じように唐突に姿を表したあんたは、俺のことはこれくらいしか覚えていなかった。 もしまた会えたら、色々話そう...
  • 27-899
    滅多に好きと言ってくれない 「ね~ぇ。祐樹君っ」 「なんでしょう亮さん」 「祐樹君はクールで美人さんで、それなのに可愛いよね!もう見惚れちゃう!」 「ありがとうございます。亮さんもかっこいいですよ」 「えへへ~ありがとぉ~」 半年前、俺を校舎裏に呼び出して、真っ赤な顔で「好きです」と告白されて、ただの先輩後輩だった彼と付き合いだすまで解らなかったことがある。 「祐樹く~ん」 「なんですか」 「ぎゅーってしていい?なでなでしていい?」 「どうぞ」 俺の恋人は、照れ屋な癖に意外にスキンシップが好きだ。 「祐樹君髪の毛さらさらだねえ」 「亮さんは癖っ毛ですよね」 「ちゅーしたいなー」 それなのに、俺に対する態度と言動が全く噛み合ってくれない。 「嫌です」 「何で!?僕の事嫌いなの!?」 「俺は亮さんの事が大好きですよ」 「じゃーちゅーしてよぉー」 ...
  • 21-899
    先輩わんこ×後輩クーデレ 「カワムラー!」 背後から、のしっ、と覆いかぶさる重さに、俺はため息をついた。 「先輩、邪魔。」 「お前あいかわらずいい匂いだな~」 髪の毛に顔を埋めたまま、ふんふんと鼻をならしている。 俺の抗議に耳を貸す気はないらしい。 しかたなく読書の続きを諦め、読みかけの小説を机に伏せた。 「汗臭いでしょう。今日、ラスト体育の授業でしたから。」 「そんなことないぞ?スゲーいい匂い。」 あー落ち着く、などと言いながら、人の頭に顎をのせて深呼吸を繰り返す。 重い。 「…先輩って、昔飼ってた犬に似てます」 「え?お前犬飼ってたの?」 「ええ、拾ってきた雑種の大型犬を。」 「へぇ。何々?どんなとこが似てる??」 やたら嬉しそうに頭上で跳ねる声。 「すぐテンションがMAXになって周りが見えなくなるところとか」 「うん」 「すぐ俺の頭に顎のっ...
  • 17-899
    君だけは笑っていて 死にネタ注意! 「自分が生まれたとき、周囲の皆は笑っていて自分は泣いていた。  だから自分が死ぬときは、周囲の皆が泣いて自分は笑っていたい」 そんな言葉があるけれど、俺は…俺の望みは違う。 せめて、最期の時は、最愛の人の笑顔を見届けて逝きたい。 愛してるよって告げて、二人とも笑顔で最期の時を過ごしたい。 だって、君は笑顔が素敵な人だから。 でも現実はそうはうまくいかなくて。 白い壁と天井をバックに、君はいつも泣いている。 俺の顔を見るたびに顔をくしゃくしゃに歪めて、涙を流している。 ああ、せっかくの美男子が台無しだ。 …なんて…その涙の原因は俺なんだけど。 でもやっぱりもう一度笑顔が見たいな。 「わ…ら…って…?」 渾身の力を振り絞って、最期の言葉、最期の願いを君に伝える。 その言葉は君の耳に届い...
  • 24-899
    ドMな主に逆調教される従 セックスが苦痛で仕方ない。そう思ったのは初めてだった。 割とあらゆることの敷居は低い方だった。 だから親の借金のカタに使用人にされようと、そこの同い年の坊ちゃんに無理難題言われてコキ使われようと、さして苦痛ではなかった。僕は器用だったから。 外の世界を知らないことにも不満はなかったし、今じゃ顔も忘れた両親のことなどもっとどうでもいい。 そんなことに思いを馳せるより、冬の暖炉に炭をくべたり、夏にクソ坊ちゃんを仰いでいることの方がよほど意味があると思えた。 一生ここで、自分のできる限りのことを果たして生きようと、そう思っていたのに。 先週金曜日、20時17分、旦那様と奥様は会食でお出掛けに。お嬢様は海を飛び越えラムBBQに。 そして借金のカタ系男子である僕の目の前には、どんぶらこどんぶらこと、それは見事な桃に似た、お尻が白く揺れていたのです。 ...
  • 19-899
    高校を卒業したら 「俺さ、大学は東京にしようかと思ってるんだ」 無事高校3年に進級して、いよいよ大学受験が身近になった春、4月。 放課後、図書館で苦手な数式と格闘していた俺の対面で、英語のテキストをぱらぱらと斜め読みしながら、あいつが言った。 なんか余裕って感じでムカツク。 「へぇ、俺と一緒だ」 とは言っても俺とあいつの偏差値は天と地、とまでは行かなくてもスカイツリーと地上、程度には差がある。 ───勿論地上にいるのは俺の方だが。 だから目指す大学自体は違って当然だとしても、とりあえずその所在地自体は、東京で一致しているということだ。 俺にとって、先の言葉にそれ以上の意味はなかったのだけれど。 「そうか、一緒なんだ」 どこか嬉しそうにあいつはそう言って、相変わらず意味もなく繰り続けていたテキストをぱたりと閉じた。 「じゃあさ、大学受かったら」 「ん?...
  • 20-899
    俺が君を壊しました  俺が君を壊しました。 「――実は……その、お前に話したいことがあるんだ。聞いてくれないか」  その言葉を聞いた時、俺は心から歓喜しました。  だって君の顔は仄かに赤らんでいて、恥ずかしげな目は俺を見るに見れないでいたし、それは恋心を含んでいることを疑うべくも無かったのだから!  俺はもう何年も前から君に恋をしていたけど、臆病者だから、恐くて、怖くて、君の一番近くにいる自覚はあったけど、俺は最後の決定打を打つ言葉を告げることができないでいたのです。  だが俺だけじゃなかったんだ、君も同じ想いを持っていたんだと、俺は本当に、いつもの無表情がだらしなく崩れたのを自覚しながら、情けなくも喜びました。  だから俺は快諾しましたよ。俺と君以外誰もいない部屋で、俺は君の話を聞くことを。 「……お前の後輩に、秋山光というのがいたろ...
  • 15-899
    背骨 「なー、背骨って触ると歪みがわかるらしいぞ」 「そうなのか?」 「うん。だからさ、ちょっと触ってみて」 そう言ってシャツを脱いだ岸の背中に、躊躇いがちに腕を伸ばした。 この男のあまりの無防備さと信頼に、胸の痛さを覚えるのはいつものことだ。 それでもなお震える指を、そっと背骨に這わせた。 脂肪のない背中に浮き上がった背骨は、少しの歪みもなく整然と並んでいた。 「わっ。なんかその触りかた、ヤバい」 少し上擦った声を聞いて、慌てて指を離す。 「ごめん。くすぐるつもりはなかったんだ」 「いや、くすぐってーっていうか……」 「なんだ。はっきり言え」 「いやー、やっぱいい」 多少気まずくなった空気は、岸の笑顔によって霧散した。 しかしながら、その背骨の整然とした感触は、俺の一生抜けない刺になったのだ。 大麻智くん
  • 10-899
    B面タイプ×A面タイプ 彼との間で何度も繰り返された議論(否、単なる口論)を今夜も蒸し返してしまった。 「あんな弱いチームのファンなのは、お前の単なるマイナー趣味をひけらかすためだろう?  大体、弱いチームのファンって何が楽しいわけ? お前マゾなのか?   ああ、俺に対してサド気味だから、釣り合いを取っているってわけだな」  それを聞いた彼は、俺の顎を掴むとおっとりと微笑んで、額に優しく口付ける。 「僕はあのチームが好きなだけだよ。ユニフォームも素敵だし。  君のご贔屓のチームのように強くはないけれど、応援したくなる」 「…ひねくれもの…この、B面趣味野郎が」 その表現を聞いた彼が軽く首を振る。 「なら君はA面趣味って訳だ。  それで…?僕がひねくれているって?  ああ、実際、この不自然な関係は好きだけれどね」 今度は唇にキスされ、その後喉...
  • 16-899
    if 「なあ、もしもの話しようぜ」 「明日地球がなくなるなら何したいー? とか? 俺とりあえず屋上から愛を叫ぶ!」 「誰にだよ。……そういうんじゃなくてさ、もっとこう、身近なかんじで」 「ひーみーつ!……身近?」 「たとえばー、もしも俺が女だったらどうする? とか」 「えっ! たっつん女だったのかよ! それ何てエロゲ?」 「ちげーよ。つーかお前、俺と何年の付き合いだよ。俺の裸さんざん見てるだろーよ。バッチリついてます。お前よりデカいです」 「いや、いやいやいや。知ってる。知ってるけどノってやっただけ。あとね、男はデカさじゃない。心意気!」 「うん。で?」 「だから……え、えー……うん。とりあえず、おっぱいもましてもらう」 「おっまえ……即物的すぎるだろそれ。  エロゲとかなんとか言ってたときも思ったけどいい加減思考が下半身直結すぎだよ」 「そんなもんだよ、...
  • 1-899-1
    強気メイド×弱気ご主人 「邪魔ですよ!ご主人様!」 仕事に没頭していた私の耳に響くひときわ大きな声。 驚いて振り返るとメイドさんが不機嫌な顔で腕組して立っていた。 「掃除の邪魔です、ご主人様。仕事も結構ですが僕の仕事を邪魔しないで下さい。」 「……あの…雇い主は一応私なんですから…」 弱々しく反論を試みるもじろりと一瞥されて黙り込んでしまう。 いつもこの調子だ。 「いーからさっさと退く!それともなんですか?足腰立たなくされたいんですか?」 高飛車に言い放ちながらひょい、と顔を覗き込まれた。 昨夜のことを思い出して知らず知らず顔が火照る。 「あ、赤くなった。昨日激しかったもんね。」 更に動揺する私の腕を引いて立たせるとそのまま背中を押して部屋の外に放り出す。 掃除終わったらまたエッチしよーね、と無邪気に笑ってそのままド...
  • 9-899-1
    シャワー中に濃厚なキスで 目が回る。 アイツを伝いながら落ちてきたお湯が顔の上を流れていく。 鼻側を通るそれに呼吸もままならない。 口の中を蹂躙しているアイツの舌。 何度も歯を立てかけ、思い止まる。 俺はアイツの声が好きだった。 馬鹿なことをした。 アイツと俺、どっちのキスが巧いかなんてどうでもいいじゃないか。 ああ、目が回る。 震えた膝がタイルに当たる寸前、アイツの腕が俺を支えた。 「……の決着はオレの勝ちだったんだぜ」 「へー、マジで?で、どうやったのよ?」 浮上した意識が最初に捉えたものはシャワー室ではない天井だった。 どうやら気を失っていた俺を運んでくれたらしい。 次いで把握した声はアイツの美声とくぐもった友人の声。 ドアの外にいるらしい友人に得意気に話している。 「いやー、シャワー中だったから後ろに回ってがーっ...
  • 3-899-1
    怖がり×幽霊 「あそこはね、多いんだよ。古い建物だらけだろ?おまけに俺が住んでたのが、中心部からちょっと離れたテムズ川の岸辺近くで、倫敦塔が目の前に―」 「や、止めろよ!聞きたくないっ。良、その目も怖わいよ。」 克が恐ろしそうに良を遮った。この手の話にはからっきし弱いのだ。 それにしても、良は帰国以来、前にも増して色白くなった。もともと少し影のある印象的な美しい面立ちが、そのためにいっそう凄みを増した。その口から怪談が語られたら確かにぞっとはするだろう。 良は脅える克の肩を抱いて頭を撫でた。この真面目で臆病な友人が可愛いくて仕方ない。 脅かすのは良の悪い癖だ。サドっ気があるのかも知れないが、脅かせば素直に反応し、無防備になる克を見たくてつい悪癖が出る。 それに、脅えた克を腕の中で安心させ、寝つくまで背中をさすってやるのは堪らない。 自分にしがみつくように...
  • 18-879
    尊敬する上司 「あの、部長…ちょっと…いいですか?」 「ん?どうした」 昨夜俺は、信じられない現場を目撃してしまった。 入社以来ずっと俺に目を掛けてくれていた部長、その部長が…。 「ぶ、部長…ゆうべ、駅前に、いらっしゃいましたよね…?」 「え?…あ」 「俺見ちゃったんです、部長が、その…ホ、ホテルから出てくるの」 「…そうか、あー見られちゃってたか…」 「しかも相手の人って…お、男の、人で…」 「ん。そう、だね」 どうして、男なんかと。 奥さんもお子さんもいて、幸せそうな家庭で、仕事も出来て、部下に優しくて、頼りがいがあってでも時々お茶目で。 尊敬して崇拝して憧れてた部長が…男と…。 「どうして!あんなの見たら俺、俺っ!」 「うん、軽蔑しただろうね…」 「俺…あ、諦められない!!です!」 「え?」 「だって、部長には奥さん...
  • 18-849
    同性結婚 「結婚して下さい!」  プロポーズされた。  街中で、しかも知らない男から。 「…は?」 「あ、っと違った、結婚を前提にお付き合いをしてください!」  ちょっと睨んだにも拘らず、やけにさわやかなイケメンはそう言って俺に手を差し出してくる。なんだそれ握手しろとでもいうのか。反射的に握りそうになっただろ危ない危ない。  俺はそのイケメンの面を見た。イケメンは目をきらきらさせて俺を見つめている。その瞳には一筋の曇りもなかった。  俺は俺の格好を見た。おろしたてではないが普通にスーツ。ついでに俺は女顔では決してない。身長もこういってはなんだが日本人離れしているし、友人曰く俺は憎らしいほどたいそうなイケメンだそうである。  ああなるほど。 「ただの残念な奴か」 「えっ、ちょ、違います!違いますって――」  なにかまだわめく奴に背を向けて俺は歩きだす。さて取引...
  • 18-869
    バカップルコンテスト 「始まりました。第73回八百市学園学園祭名物、フィーリングカップル! ルールは簡単!無造作に選んだ五組の受けと攻め。 古典的なあのテーブルを囲み、告白大会をしようじゃないかという恒例行事です!」 「司会は学園祭実行委員高幡と」 「イベント実行サークル部長の目白でお送りします! さて、今年も多くの期待を背負い五組の片思い、両思い、たまに当て馬の皆さんが参加してくださいました!」 「皆さんから向かいまして左側の皆さん。奥から順に 眼鏡攻め、やんちゃ攻め、包容攻め、チャラ男攻め、当て馬攻めとなっています」 「右はツンデレ受け、不良受け、平凡受け、親衛隊長受け、年上受けですね~ さて、今年はどのような組み合わせが見られるのでしょうか!? フィーリングでボタンをプッシュ!第一印象で愛を語ってください!」 「早速、相思...
  • 18-839
    風呂場のドアが壊れて開かない 「先輩、お背中お流ししますよー」 肩まで浴槽につかってのんびりしていたところに能天気な声が響いてきたと思ったら 後輩がタオル片手に風呂場に入ってきた。全裸で。 「なんで全裸になる必要がある」 「服着たままだと濡れちゃうじゃないですか」 「…とりあえず背中は自分で流すからお前は部屋に戻ってろ!あと服着ろ!服!」 「終電逃して泊めてもらうんだから、これぐらいのご奉仕は当然ですよ」 あ、ご奉仕とか言ってちょっと恥ずかしいですね。変な意味じゃないですよ~などと言いながら 意味もなく頬を染める後輩に、心底うんざりしつつも俺は浴槽から立ち上がり有無を言わさず 後輩を風呂場から押し出そうとした。 だがドアを開けようとするのを後輩が必死に押しとどめる。 「そんな、遠慮しないでくださいよ」 優男の容姿からは想像できない奴の馬鹿力に、デスクワーク...
  • 18-859
    俺が片思いしている受は、あの完璧超人な攻が好きらしい。 こうなれば当て馬覚悟で攻の奴を妨害して受を取り戻すしかない! と思ったのにどうして俺が告白されてるんでしょう、攻に 事態はどんどん良いほうに転がっている。 実家から一度も出たことの無かった不定職の俺が、実家を出て就職し自分で飯を食っている。 ただし一つだけ、腑に落ちないことがある。 なぜ俺は恋敵であった完璧超人と同居して、さほどの嫌悪感もなく生活しているのか! 「スズキはムーちゃんの事が好きなの、なんで?」 顔をゆがめて、イチが俺に尋ねる。 「俺にいやな顔をしないからだ」 「はあ、それだけ」 「お前やあの完璧野郎には到底わかるまいがそれだけだ」 イチは取り立てて美形というわけではないが、日常の範囲内で好青年である。 性格も、デブで半引きこもりの俺とずっと友達でいてくれるくらいいい奴だ。 女に嫌...
  • 18-829
    目を覚まさないで  彼は毎夜俺に抱きしめられて眠る。俺の体は彼よりずっと大きい から、彼をすっぽり包み込める。冬は自らくっついてくるくせに、 夏はあからさまに厭そうで、でも暑いからって服を脱いだ彼の素肌 が俺に触れるから、俺は夏のほうが好き。  段々暑くなってきて、日を追うごとに薄着になっていく彼に幸福 を噛み締めて一晩を過ごしたある早朝、枕元で彼の携帯が鳴った。 ただ一人専用のメロディを聞いて、俺はいつもの朝よりもさらに強 く、起きるな、と願った。  もちろん願いはむなしく彼は携帯に手を伸ばし、ぼんやりした声 で会話に応じる。何しろ殆ど年中彼と夜を過ごしている俺なので、 相手が誰だかはよく知っている。彼の恋人だ。俺がこの世で一番嫌 いな男だ。  彼は携帯を切って俺を放って起き上がり、顔洗って歯を磨いて トースターに食パンを突っ込んだ。...
  • 18-819
    雨でシャツが透ける  近頃暑い日が続いていたが、今日は昼前から降り出した雨のせいで寒いくらいだった。  赤井が部活の練習を終え、着替えて帰ろうとした時も、随分と弱まってはいたが、まだ 止む気配がない。汗をかいた体に外の空気は冷たくて、赤井は身震いした。傘を持ってき ていない赤井が体育倉庫に投げ込まれたボロ傘の存在を思い出し、取りに行くと、倉庫の そばの木で雨宿りをする少年がいた。  友人ではない。しかし赤井は彼を知っている。 「えーと、黒部?」 「……赤井。同じ、クラスの」  俺のことなんか知ってたのか、と少し驚いた。去年、今年と続けて同じクラスだったの に、授業以外でこいつがしゃべる所を見たことがない。虐められているわけではなさそう だが、彼は孤立していた。 「何してんの、お前」 「待ち、合わせ」  傘もささずにどれだけここにい...
  • 18-809
    「馬鹿だなぁ(頭なでなで)」  悠馬、という言葉が聞こえて思わず読んでいた本から目線をそらした。 「彼女?」 「なに、悠馬に? 彼女できたって?」  いやいや、元々から……などという声につられて、そっと斜め前の男女グループを盗み見る。  悠馬と一緒にいるところを何度か見かけたことがある。…「ゆうま」というのは、悠馬、で間違いないだろう。 (失敗した)  講義が終わって、一緒にレポートをやらないかと声をかけられた。いつもなら一も二もなく頷くところだが、聞きつけた悠馬の友人たちが集まってきたので、買ったばかりの本を読みたいからと断った。  一人で家に帰る気にもなれず、大学の近くの喫茶店で本を開いた。バックには心地いいジャズ。  コーヒーの値段は安くはないが、居心地がいいので気に入っている。  でも、胸がざわざわして、ここに来るんじゃなかった…、と後悔した。 ...
  • 19-899-1
    高校を卒業したら From 和也 Sub (non title) ―――――――――― 秋さん、久しぶり 母さんから聞きました 十年近く付き合っていた女の人と別れたそうですね 大丈夫ですか ひとりで家事できてるんですか To 和也 Sub (non title) ―――――――――― うるさいよ。 お前こそ、まるで女の気配がないって 姉さんが嘆いてたぞ。 早く彼女のひとりやふたりぐらい 家に連れていってあげなさい。 From 和也 Sub Re ―――――――――― 俺、昨日卒業式だった To 和也 Sub (non title) ―――――――――― おめでとう。 From 和也 Sub Re ―――――――――― 約束だろ To 和也 Sub (non title) ――――――――...
  • 12.5-899
    夏が来たら 13時間だって!! フェリーのパンフレットを放り投げて、僕は机に突っ伏した。 絶対無理だ。いや、無理じゃない。やっぱ無理……。 顔を伏せたままううう、と唸る。貯金箱はさっき壊した。覚悟決めなきゃ。 義務教育って案外面倒くさい。保護者の都合で転校しなきゃなんないから。 同じ都内なのに、僕とあいつは何でこんなに離れなきゃなんなかったんだろ。 あいつだけ残れないか担任に聞いたら、絶望的な答えが返ってきたんだ。 高校受験のときは戻ってくるよ!なんて約束して、あいつが向こうに 行ってからもう1年経つんだな。 電波状態悪くて携帯使えないせいでPCでメールばっか。家電は電話代高いし。 WEBカメラつけようって提案したら、汚い部屋が見えるのいやだって。 ものすごい勢いで拒否られた。 僕は離れてても顔が見たかったのになぁ。あいつはそうでもなかったみたい。 ...
  • 22-899-2
    雪の降る町降らない町 「雪が見てみたい」 『突然どうしたんです』 「此処は雪が降らない。私は文献の記述でしか、雪というものを知らない」 『そうなんですか。僕は知ってます。こちらではたくさん降りますからね』 「嫌味な奴だな」 『そんなつもりで言ったんじゃありませんよ。気に障ったのなら謝ります』 「雪とは冷たいものだそうだな。雨よりも冷たいのか」 『それはまあ、気温が低くないと雪にはなりませんからね。雪も雨も元は同じものです』 「お前の手よりも冷たいのか」 『さあ、どうでしょう。ああでも、僕が冷たいと感じるのだから、僕の手よりも冷たいのかも』 「そうか。まったく想像がつかん。お前の手より冷たいものなど存在するのか」 『それ、僕は喜んでいいんですか?それとも悲しむべき?』 「好きにしろ。……お前は雪が好きなんだな」 『は?』 「雪はお前よりも冷たいのだろう。お...
  • 17-899-1
    君だけは笑っていて 痛みという感覚は最早殆どなかった。 しかし死ぬんだなという静かな覚悟だけが存在していた。 その中で思い出したのはやはり弟たち2人の姿。 弟とはいっても俺とは血の繋がらない二人。 寡黙だが心根の優しい慎二と明るく穏やかな幸成。 (兄貴・・・)(兄ちゃん!) こんな頼りない俺の事をそれぞれの形で慕ってくれた。 事故で両親を失って以降はあいつらを幸せにする事だけが俺の生き甲斐だった。 哀しい、辛いと感じた事などは一度たりともない。 ああ、でも結局俺の貞操は保たれたままだったな・・。 薄れゆく意識の中で未だ煩悩が残っている事に冷静に驚く。 好きな人に抱かれるのはやはり何より気持ち良かったんだろうか。 体験してみたかった。 一度でもいいから触れてみたかった。 あいつはどんな顔をしたんだろう。 ここまで考えたところで己のくださなさ...
  • 20-899-1
    俺が君を壊しました すえた臭いが鼻について離れない。悪いのは洗うつもりもなくおざなりにシンクに重ねた食器か、30分前にしこたま掻いた俺の汗か、それとも腹に絡んでかぴかぴに乾いた白いアレだろうか。  白昼から不健全に締め切った狭い密室だ。空気が淀むのは無理もない。  あるいは、この酷い臭いは俺達の内側が腐り落ちている証拠なのかもしれないな。  俺は汗で湿ったシーツに背をつけて、白い粉を鼻から吸って束の間の天国にトリップする男の白い背中を眺めていた。  くたびれて色褪せた若草色のカーテンがずれて、昼下がりの陽光が光の柱となって裸の背に降り注ぐ。太陽に暴かれた部屋の埃がキラキラと反射して、むき出しの肩甲骨の輪郭を曖昧に照らしている。 「……天使の羽だ」  ぼんやり呟いた言葉は、俺のやさぐれた精神状態を反映してか意図せず嫌味っぽい響きになった。  腕を伸ばして、骨の浮く...
  • 26-899-1
    他校の後輩  小さい頃から得意で続けて来た競技は中学で全国大会に出場するほどの腕前で、高校もその推薦で決まったくらいだ。  卒業式に柄にもなく花なんぞを手渡して見送ってくれた後輩達に、俺は明るく声を掛けた。 「後は任せたぞ」 「はいっ!」 「それで一年後、俺ん所に来い。また鍛えてやる」 「判りました!」 「頑張ります!」  高校に入学しても日々練習に励み、一年でも選手に選ばれ充実した生活を送った。  春が来て新入生の中には見知った顔が何人かいたが、一番期待していた奴はいなかった。  聞いてみると、進学のため県外に出たらしい。  一番伸びそうで期待していた奴だが、将来の目的のためじゃ仕方ないな……。  残念に思いながらも、鍛錬を続け迎えたインターハイ。  当然のように勝ち進み、地域ブロックの試合会場で見つけた懐かしい顔。  少しデカくなった?  いや...
  • 22-899-1
    雪の降る町降らない町 ピッ 「もっしもーし!!オレオレ!わかる?」 『…詐欺なら間に合ってます』 「ちょw冷たいww」 『なんの用だ』 「んー?別に用事はないけど、どうしてるかなと思ってさ。元気?」 『ああ、特に変わりない』 「北の大地はどうよ?やっぱ寒いの?」 『いや、むしろ暖かい。建物の気密性もすごいし暖房器具も充実してるからな』 「へー、そうなんだ」 『あと、ゴ○ブリもいない。快適』 「寒がりで黒い悪魔の嫌いなお前にはぴったりの土地ですねw」 『沖縄のGはでかすぎる』 「まあね~、こっちのは怪物級だよねww」 『そういえば、今日、雪が降った』 「雪!?マジで雪!?すげー!!!」 『積もったから、いま外は一面真っ白だ』 「えー!いいないいな!写メくれ写メ!」 『ああ、後で送るよ』 「やっぱ雨みたいに空から降るの?ふわっふわなの?」 ...
  • 18-869-1
    バカップルコンテスト さてそれでは第一回、バカップルコンテストを開催しよう! まず一組目。出席番号1番赤間春木と出席番号30番中井幸人である。 関係性は幼馴染。幼い頃から共にいた二人だが、この前めでたく結ばれた。 なぜ分かるかって? それは見ていたら分かる。 べたべたと以上に仲がいい→いきなりお互い目線も合わせなくなる→ある日なにか言い争っていたかと思えば翌日再びいちゃいちゃ。 こんな完璧なコンボ他にない。他にないぞすばらしい。今もこう、ふと手を触れ合わせては手をお互い引き、そしてそっと再び・・・おおなんということだ、80点! 「はいはい、80点ね。小計はまあ…こんな感じか」 二組目は出席番号10番筧雄二と40番丸居達也。 関係性は優等生と不良。ただいま急接近中である。まだ結ばれるまでいたっていないのでバカップルと定義できるかは曖昧だが、日々見るたび...
  • 18-809-1
    「馬鹿だなぁ(頭なでなで)」  三日降り続いた雨が漸く止んだ。  久しぶりの太陽は目に眩しく、その光に浅い緑がきらきらと光っている。心地のいい風を受けながら、俺は坂道をゆっくりと上って行く。  海沿いの田舎の街。こんな街は来た事もなかった。あんたが居なけりゃ、これからだって来る事はなかった。  坂を上りきった所で振り向くと、眼下に海が見えた。坂道だらけの小さな街。あんたが以前話してくれた事があった、その通りの光景だ。  覚えのある匂いに教えられて、突き当たりを右に曲がった。人のツテを頼って頼って手に入れたメモを見ながら、目的の場所へとたどり着く。 「---久しぶり」  何を話していいのか分からない。あんたからの返事は無い。 「ここ、すっげ遠いんだな。この間やったバイト代がパァだ」 「場所もさ、あんたの親に聞いても教えてくんねーし。苦労したんだぜ。あんた、俺以...
  • 18-829-1
    「目を覚まさないで」 目を覚まさないでほしい。 そう思ったのは雪の降るある日のことだった。 可愛い寛和。このまま目を覚まさずに眠り続けてほしい。 そう思って生まれた時から彼が眠り続ける部屋に入って髪を撫でた。 弟の寛和は良く分からない子だ。なにせずっと眠り続けているのだから当たり前だ。 生まれたとき頭を打ったわけでもなく健康そのものだというのにずっと眠り続けている。 けれども他の同じような子供とは違って栄養もほとんど必要とせず、美しく成長し続けて現在に至る。 そして俺はその傍ら、寛和を心配し続ける両親とともにその過程を見続けてきた。 美しく伸びてゆく髪。白い項から覘く、年々すべらかになってゆく肌。その鼻梁。その足その肌その顔その腕その首その唇。すべてすべてすべてすべて。すべて、俺は見続けてきた。 それを不思議がりながら、それならば目を覚ましてくれと祈りなが...
  • 8-889
    さよならも出来ない 八つ年上の大好きな隣のお兄ちゃん。 僕がものごごろついたときには、いつも膝に抱っこして絵本を読んでくれたり、 お仕事で忙しいママを待つ間、お風呂に入れて綺麗に身体洗ってくれてご飯食べさせてくれたり、 優しい大好きなお兄ちゃん。 なのになのに、ある日学校から帰ってお兄ちゃんちに行ったら… 鍵開いてるのにお兄ちゃんいなくて、おばちゃんもおじちゃんもいなくて、 玄関に沢山出しっぱなしだった靴は半分くらいになってて、 お部屋の中はいつも通りみたいなのによく見るといつもあったものが無くなってたり、 なんか1日しか経ってないのに何年も経っちゃったみたいな違和感があって。。 お兄ちゃん何処にいるの? なんか不安になって、僕は狂ったようにお兄ちゃんの部屋もベッドの下もお風呂もトイレも押入も探したんだ。 だけど、いない。 何日も何日も待ってたのにお兄ちゃん...
  • 18-189
    堅物×飄々 「いつまでいる気だ」 視線もよこさずに冷たい声で俺に言い放った 少し暗い部屋の中でアイツの顔が青白い光を受けている 「そうだなー、お前の仕事が俺にかまってくれるまで、かな」 わざとアイツの声とは正反対の間延びした声で答えてやる 「それならお前はずっとここにいることになるな。いい迷惑だ」 相変わらずその視線はディスプレイへと向いたままだ 「そーんなつれない事言うなって。早くそれ終わらせて飲みにでもいこうぜ」 いつものように軽い口調で誘ってみた 「お前なら電話一本で相手してくれる奴が見つかるだろう」 「ばーか、今日はお前と飲みたい気分なんだって」 わざとアイツの台詞を否定しない そしてわざといい加減な理由で固める しばらくしてキーボードとマウスの音が止み、代わりに紙を捲る音が響いてきた 「なーなー」 ...
  • 18-589
    盲目のご主人様 不安な顔をしないで。 どこにも危険はあるけれど、恐れず一緒に外へ出よう。 道路も駅も階段も、こわがらなくていい。 立ちすくまなくていい、焦らなくていい。 あんたの安全は、俺が責任もって守るよ。 あんたを危険から守るのは俺の仕事。 あんたに必要とされるのは俺の誇り。 積み上げてきた訓練も重ねた努力も、 全てあんたのバディに選ばれるため。 いつかは、あんたを助けられなくなる日が来る。 その時が来たらどうか潔く、さっぱりとお別れして欲しい。 あんたに愛され、頼られ、堂々とあんたを守っていた頃の俺を、 いつまでも記憶に留めておいて欲しいと思う。 それまでの間、すこしでも多く出かけよう。 どこへでもエスコートするよ。一緒に歩こう。 盲目のご主人様
  • 18-789
    イケメン若者×リストラハゲリーマン 最近の俺の楽しみは、大学帰りに近所の公園でハゲ親父に援助をしてやることだ。 初めて俺がこの爺に気づいたのは一週間前。 その時この湿気た爺は、俺が不味くて捨てたタコ焼きの残りを、 辺りを見回しながら公園に張ったテントから出てきて、ゴミ箱から漁っていた。 ホームレスの類に会ったのは生まれてはじめてだった。 一応スーツは着ていたが、遠目にもいつ洗ったんだか分からない代物で、 まあ、顔の造りはしょんぼりしてるが年相応で悪くは無い。 だが顔はうすい髭に覆われているのに頭には後頭部にしか毛が残っていないのが惨めさを強調している、 白髪混じりのハゲ親父。 たぶん、これがリストラさせられた奴の末路なんだろうな、とは思った。 俺の親父はこういう奴らを切って捨ててんだろうなとも、 こいつも俺には劣るが顔はそんなに悪くないからハゲてさえ無かった...
  • 18-289
    お道具。 幼馴染が大学に合格した。 とても喜ばしいことだとわかっているけど、どうしても本心から喜んであげることはできなかった。 地元を選んだ俺とは違い、あいつの志望大学は隣の隣の県。 ここから通うには遠い距離で、受かれば一人暮らしを始めると屈託なく言い出したときには、 言葉に詰まって体当たりでやりすごした。 引越日は今週末に迫っており、今日は片付けの手伝いに来ている。 通いなれた隣家の部屋は、もうひとつの自分の部屋のようだったのに、ダンボールがひとつ増えるたびに 余所余所しさを漂わせていく。 体の中がどんどん重苦しくなっていくのを無視して、普段どおりの態度でひたすらに手を動かした。 「ここも適当に詰めていいよな?」 「あー、頼む。ちょっとガムテ取ってくる」 階下へと遠ざかる足音を背に、俺はここぞとばかりに深く深くため息をついた。 のろのろと押し入れの中にし...
  • 18-489
    勃起力検定 キーンコーンカーンコーン。 今日の授業が全て終了した。僕は黒板に板書された801妊娠の仕組みを慌てて写し終える。 担任でもある先生は、黒板をざっと消すとそのままHRに突入した。 「えー、明日はいよいよ本番です。攻めの皆も受けの皆も、落ち着いて頑張って下さいね。」 先生は、敬語受けらしい柔らかな笑みを浮かべ、受験前最後のHRをそう締めくくった。 ここ、801国の人間はまず大きく2つの性別に分類される。「攻め」と「受け」である。 (ごく稀に「リバ」という性別も存在するらしいが、僕はまだ見た事がない。) そして攻め、受けは、高校を卒業する際にそれぞれ検定を受験する事が法律で義務付けられている。 この検定によって、〇〇攻め、〇〇受けという細かい分類がなされ、一生をその肩書きで過ごすのだ。 攻めである僕らが明日受けるのが「勃起力検定」、略して「勃検」だ。...
  • 18-689
    長年の同居人が人外だと今知った 僕が初めて設楽に会ったのは十年前の雪が降る朝だった。 母に手を引かれ、長い長い静寂の中をひたすら歩き続けた。 「今日からこの人の元で暮らすんだよ」 そう言って手を離した母に、僕はただ黙って頷いた。 設楽との生活は穏やかに過ぎ、僕は中学三年生になっていた。 あまり客の来ない骨董屋でどうやって生活できるのか、母はなぜ僕を設楽に預けたのか。 僕は深く知ろうとはしなかった。 知ってしまったら今の生活が壊れるような気がして。 その日も朝から雪が降っていた。 手足が痺れるくらいの寒さに身を固くしながら、足早に家路に辿り着くと、 いつもは西日に目を細めながら『おかえり』と微笑む設楽が血の色に染まり倒れている。 他には二人、正確には一人と一匹と言ってもいいのだろうか。 大きさや形は人間に近いが、全身が鱗に覆われ、頭が二匹の蛇に...
  • 18-089
    イルミネーション 「うっわ…すご…」 「あぁ、そっか。見るの初めてですっけ」 「うん、こっち来たのは今年の春やったし」 「綺麗ですよねぇ」 「せやなぁ。眩しいくらいやわ」 「あ、そうだ。知ってます?」 「何がや」 「このイルミネーションの通り、カップルで歩くと別れるっていうジンクスあるらしいですよ」 「あぁっ!?ほんならなんでわざわざここ通んねん!」 「…えへへへへ」 「…なんやねんな、キショいな」 「いやぁ、そう言ってくれるってことは、僕達ちゃんと恋人同士なんだなーと。改めて思いまして」 「な…っ!いや、それは…っ!」 「よかった。嬉しいです」 「……カップルやったら別れてまうんとちゃうんかい…」 「こういうの信じるタイプでしたっけ?」 「そういうわけやないけど…!」 「大丈夫ですよ。僕は貴方を嫌いになんてなりませんし」 「…お前、ようそんな...
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