*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「2-429」で検索した結果

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  • 2-429
    マイペースなS気質×短気なM気質 「カレー食べたい」 「はぁ?」 「カレー。今日の晩ご飯はカレーがいいな。ね、決定」 「決定って、俺の目の前にある鍋の中身を言ってみて下さい」 「おーでーんー」 「わかりますよね」 「タマネギとジャガイモはあるからニンジンと肉買ってきて。うしがいいな」 「わかりますよね!?」 「プリンも食べたいプリンー」 「おでん食いたかったんでしょ!? それで俺を呼んだんでしょ!?」 「あと二時間くらいだったら待てるから焦らなくてもいいよ?」 「ねえ、聞いてるんですか? バ カ な ん で す か !?」 「うん、わざとに決まってるじゃん」 「……なんで」 「あ、涙ぐんでやんの。泣いてる顔かわいいなー泣いてるところが一番かわいい」 「っ、普通、笑ってる顔って言うんじゃないんですか、こういうときは!」 ...
  • 22-429-2
    紳士攻め×流され受け 「で、どう?」  急に話が核心に飛んで、きた、と内心胃が縮んだ。  今日は久々の同乗だったから、危ないとは思っていた。  一日店で疲れ、ようやく帰宅となったらまた難題をつきつけられる。  ハンドルに集中しながらでは、とても対応できそうにない。  うちみたいな地方の大型スーパーは、不規則な業務のせいで社員の離婚率が高い。  店長も俺もそのくちで、今はふたりとも社借り上げの同じアパートに入ってる。  自家用車に同乗して通勤するのは、店の駐車場が少ないという事情のため。  社員がまず率先してパートやアルバイトに示しをつけてるわけだから、簡単にやめられない。  ……たとえ、同乗相手が俺のことが好きだなんて言い出したとしてもだ。 「しばらく考えてみてよ、柔軟な思考の訓練だと思って、ね」  店長はいつぞやの社員研修を引き合いに出して笑った。 ...
  • 22-429-1
    紳士攻め×流され受け 初めは彼女に連れられてやってきた。 あまりにも俺の服装がダサイといって、オーダーメイドの紳士服屋。 そうしてあれよあれよという間に仕立てることになったスーツは、 俺の手持ちで一番高い勝負服となり、彼女と別れた今も捨てられない。 「ネクタイですか」 そう言って声をかけてくれたのは、スーツの採寸もしてくれた檜山さんだった。 今の給料じゃとても二着目は仕立てられないが、檜山さんに会いたくて、 俺はちょくちょくこの店に小物を買いに来るようになっていた。 「今日のお召し物はとても良くお似合いですね。今日のものに合わせるタイなら、こちらの臙脂も宜しいかと」 「じゃぁ、それを」 褒めてもらったスーツも、実は檜山さんの見立て。 この店に通うようになっても一向にセンスが磨かれない俺を見かねたのか、 檜山さんが「買い物につき合って頂けませんか」と言...
  • 10-429
    うまカップ 「……なに食ってんだ?」 「うどん」 「はぁ?」 「だからさ、レトルトの皿うどん」 「そんなもんがあったのか…」 「今日初めて見つけたから買ってみた」 「ふーん。で、今日の夕飯は?」 「これ」 「ああ?」 「お前の分もあるから。なかなか旨いぜ?」 「……いらね」 「なんで。うどん好きだろ」 「レトルトなのが嫌だ」 「オレがいない時はカップ麺とコンビニ飯で生きてるくせに」 「るせ。お前がいんのになんでレトルト食わなきゃなんねぇんだよ」 431 : 風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2007/04/07(土) 01 39 42 ID JxzJ6LroO [2/2回(携帯)] 「コレだってちゃんとオレが用意した食事でーす。だから食え」 「やだ」 「自分で作らねぇくせに文句言うな」 「最近レトルトの飯食って旨いって思ったことない。だか...
  • 7-429
    Mなのに攻×Sなのに受 「お前を見てるとイライラする。俺のことをなんにも分かってないくせに分かった顔をして微笑む顔も  そうやってなだめる声も、俺の加虐心をかきたたせているのはお前であって  俺に手をださせてあるのはお前以外の何者でもない。  俺が悪いわけじゃない。俺のせいじゃない。」 俺が喋った後お前は4秒待ってごめんねと笑った。 ざまあみさらせ、その青タンお前にぴったりだ馬鹿野郎。 馬鹿野郎、今日どこいってなにしてた。誰と会った。誰と話した。 一秒ですら離れたくない俺の気持ちすらわかっちゃあいねえのに そんな顔でそんな声で大丈夫だなんて吐くな。 こんな感情を与えたお前が悪い。その青タンは俺のせいじゃない。 ああ、なのにこの罪悪感はなんだよ。 「僕が好きで好きでだからこそ気に入らないしムカつくのは分かっているから  いくらでも殴ってくれ...
  • 6-429
    vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv 「受け、愛してる」 攻めがいきなりそんな事を言うもんだから、俺は思わずタコさんウィンナーを地面に落としてしまった。 ああ、最後の一個だったのに勿体ない。 「……聞いてんのか?」 「えっ?あ、聞いてる!すっげぇ聞きまくってる!」 そうは言うものの、地面に転がっているタコさんが気になって仕方が無い。 恐らく攻めも気付いてるだろう。俺の目が泳ぎまくってることに。 「もう一回言うぞ」 「いやいや!いいって。遠慮しとくよ」 タコさんが気になるのも確かだが、「愛してる」なんてこそばゆい事をリピートされるのもなぁ…。 いきなり何をトチ狂ってるんだろう、攻めは。 「…だってさ。俺たち恋人同士なのに全然それっぽくないじゃん?」 俺の冷たい視線に気付いたのか、気まずそうに攻めが言った。 「まあ、確かにそうだけど…。でもい...
  • 8-429
    年上ドジっ子 茶筒を開ければ茶葉をぶちまけ、 急須の蓋は閉めたままでお湯を注ぎ、 跳ねたお湯の熱さに驚いて急須を落す。 あまりに期待を裏切らない行為の数々に、俺は笑いを堪えることができなかった。 背後から突然聞こえた笑い声に、部長が振り向く。 「…黙ってみてるなんて人が悪いな」 ばつが悪そうにちょっと頬を赤らめて、俺を睨みつけた。 「すみません、部長がご自分でお茶を淹れるなんてあんまり珍しかったので」 「どうせお茶ひとつまともに淹れられない不器用者ですよ、俺は。お前代わりにやれ、笑った罰」 そう言って不貞腐れた顔をした部長は半歩身をずらして俺を呼び込んだ。 「はいはい、よろこんで」 「…みんなとメシ行かなかったのか?」 「給料日前の節約生活中でして…部長は弁当ですか」 「いや、俺もカップ麺」 珍しい、と思ったが何となく口には出さなかった。 ガサ...
  • 5-429
    隠せなくなった気持ち 「ずっと好きでした」 そういう風に中学校の頃に女の子に告白された事がある。 俺はその子の事なんか全然知らなくて、制服のリボンの色で同じ学年 だと分かったくらいだった。 真剣な瞳を向けるその子を見ながら(「ずっと」っていつからだろう)と 思った。 十数年たって今更そんな昔の告白を思い出したのは理由があって。 俺が彼に会うのは今日で三回目で、まだ名前と役職と、あとは煙草を 吸う事と野球が好きな事以外知らない。 そんな彼が好き、で。 どうしようもなく焦がれてる自分に気づいたから。 何かを渡すとき、少し彼に触れる。話をするとき、彼と目が合う。仕 事とはいえ、彼と同じ事を考える作業が楽しい。彼の声が直接胸に飛 び込んでくる。 身体中が彼からの刺激を待っていて、俺はその状態が苦しくて嬉しい。 いつから好きなら「ずっと好き」でいつ...
  • 3-429
    慇懃攻め×俺様受け 慇懃攻めに俺様受け。 この組み合わせを生かす萌えは数多あれど、 ここは主従関係をプッシュしたいね。 王族と騎士、悪の大魔王と参謀、長官と次官、社長に秘書…(*´∀`*)モエー いつも強気でワガママで自信満々な俺様受けは、 慇懃攻めが自分のモノだと公言して憚らないんだよね。 上から見下ろす立場で、一見無茶苦茶な、 慇懃攻めの命を削りそうな命令を簡単そうな態度で出したりして。 「私を何だとお考えですか」とか冷静に言う慇懃攻めに、 鼻で笑って目を薄めたりしてさ。 「何か問題でも?」とか居丈高にサラリと言って。 結局、その一言だけで慇懃攻めは言う通りに動いちゃうんだよね。 一見がとても無茶苦茶な命令故に、 周りの臣下が「あまりにも…」とか少し言いかけたらさ、 欠伸する俺様受けの代わりに、自然に慇懃攻めが臣下Aを押し留めたりでさ。...
  • 4-429
    終わりなき不毛の地  枯れた草色の肌をした男が、日除け布の下から俺を振り返った。  轟。  延々と続く不毛の大地を、乾いた風が吹き抜ける。 「──本当に、良かったのか」  舞い上がる砂埃を吸わないよう、鼻上まで布を引き上げた俺に、微かな低音が届いた。  この大地を吹き抜ける風のような囁き。  眼に強い陽光を背に、佇む男の表情は見え難い。  双眸を薄め、俺はハン、と息を零した。  轟。 「世界の果てを見せてくれるのだろう」  風が吹き抜ける。 「──お前はそう、俺に言った」  日除けの布がはためく。  俺は、少し痩せて、しかし意志を宿した侭の片腕を差し出した。  あの旅立ちの日。眼前の男が俺に対してそうしたように。 『俺と共に来い。お前に、世界の果てを見せてやろう』  俺は、だから。お前と共に来た。  轟。 「──世界の果ては、まだ遠いぞ」 「...
  • 1-429
    ショートケーキ×ガトーショコラ あれだ、ショートって事は真っ白にポツンと苺があるわけだ。 それに対してガトーショコラはまっ茶色に上にぽふーって粉砂糖粉が乗ってるんだよな。 それを踏まえて萌えてみる! 「今月の売上も、お前が一位かよ。……売れてるやつはいいよなー?」 「……どうして君はいつも僕に突っかかるのかな。」 やたらに喧嘩腰なガトーショコラに、長年みんな愛され続けている人気ナンバーワンのショート君が困るわけ。 ショートに比べると人気の落ちるガトー君はヤケになっちゃってさ。 「うるせぇ!お前みたいな真っ白のヤツに、俺の…この汚れた俺の気持ちなんか分かるかよ…!」 汚れてんのはチョコの所為なんだけど、本人はそれが劣等感でさ。ジロリ、って心底憎憎しげにショート君を睨むのね。 でも実はガトーショコラは、ちょっとしたショートへの憧れから頭の上に砂糖の白い粉と...
  • 9-429
    おあいこな喧嘩 「早い!」 互いに果てた直後、まだそこから抜いてもいないうちにそう怒鳴りつけられ、鷹野は一瞬きょとんとした。 「え、はや、て」 「イくのが早ぇっつってんの!」 広瀬はいらいらと吐き、いまだのし掛かる鷹野を押し退ける。 勢いで、秘所から鷹野のモノがずるりと抜け落ちた。 「なっ、なに言ってんだよ。ヒロセだって一緒にイったじゃん」 「そりゃお前がガツガツ追い上げるからだろ! 俺はもっとゆっくり感じたいの!」 「追い上げるったって、俺ヒロセの前はほとんどさわってないよ。てか、ヒロセ自分で扱いてたし」 「だから! タカノががんがん突き上げて来るから!」 「だいたい、ヒロセは挿れる前に一回出してんじゃん。俺が一回イくまでに二回イってんだから、  早いってんならヒロセの方だよ」 「バカ、挿れてからの話だよ!」 「じゃあなに、ヒロセは俺とヤってて気持ち...
  • 19-429
    くっついたりはなれたりくっついたりはなれたり 「もーやだ!絶対別れる!あんな馬鹿女しらねえ!」 「そっすかー」 「なんだよおまえ!先輩に対して冷たくね!?冷たくね!?」 「ンな事言われても、その喧嘩何回目っすか」 「忘れた!」 「彼女が他の男と遊びに行ったら別れて、三日もしたらよりもどして。 先輩が記念日忘れたら別れて、その日のうちに電話で仲直りして」 いい加減、別れてしまえばいいのに。 別れたって俺にチャンスなんか無いのは知っているけど… 「先輩らが別れる度に泣き付かれる俺は迷惑っす」 「う…それは悪いと思ってるけど…」 別れてしまえばいいのに 何度も飲み込んだ言葉 「もう別れたらいいのに」 不意に口をついてしまった言葉に、先輩が驚いたように目を見開く 一度口にしてしまえばとまらない 「そんなに些細な事で...
  • 11-429
    悪の組織の幹部×同組織の最下層 哀れな存在が、私の前に転がされていた…何時もの事だ。年は18~20か。 上物、とまでは行かないがそこそこには見られる若者だ。今は薬で蕩けているが、 普段はいかにも意志が強いであろう黒い瞳も、肩まで伸びた、染めていない濃い栗色の柔らかそうな髪も、良い。 「名前は?」私は目の前の贄に、何時ものように訊ねた。 「なまえ…ない…れふ…ここにくる…とき…すて…まひた」 私は密かに心底驚いた。…1mg錠で媚薬、10mg錠は自白剤、原末1gなら一包で廃人。 私の相手をさせるべく、手錠足錠をかけこの部屋に通す時には、10mg錠2つで処置させておく。 …元々、戸籍上の名前が無いような存在でも、必ず「通り名」程度は吐くはずなのだ。 「…そうか、まぁよい」 私は驚きを隠しながらもそう言うと、彼の双丘を開かせる。 そしてその奥の小さな腔に、麻酔薬...
  • 23-429
    なんちゃってSF 簡単ワープ装置が一家に一台。 気がつけば隣に居る友人は宇宙人だし、飼ってるペットは絶滅したはずの日本狼。 子供も、どちらかといえば優秀な人物のクローンを作る方に切り替わっている、そんな未来。 勿論アンドロイドは闊歩してるし、月まで行くのに、一日もかからない。 宇宙船も、頑張れば車と同じ値段で変えて、某ロボットアニメのような改造が出来る。 テレビや映画は、ホログラムでより立体的な映像で見れる。 そんな、昔俺がノートに書きなぐった黒歴史そのものな世界が、目の前にあった。 「何が、どうなって……?」 呆然とする俺の肩を、宇宙人(見た目はただのイケメン)が爽やかな表情で叩いてきた。 「よくわかったね、僕が宇宙人だって」 差し出された黒歴史ノートに驚いていると、更に宇宙人な友人は続けた。 「面白そうな設定だったから、ちょっとだけ世界をいじらせて...
  • 21-429
    真の勝者 「いいから行けよ、バカ幸人。」 「え?でも大和!お前怪我が…。」 「そんなのアイツも同じだろ、いいから行けっつの。」 「で、でも、そしたらお前一人n「あ゛~~~!!」 「譲ってやるって言ってんの! てめえ を アイツ に!  俺だって、こんな台詞臭くて恥ずかしいんだよ!  ホント早く行けバカ!」 「……ごめん大和、行ってくる。」 …フー、やっと行ったか。無駄に渋りやがって。 本当に俺を看病すんのかと思って若干焦ったじゃねーか! お見舞い&看病なんて美味しいシチュ、逃したら堪ったもんじゃねえ。 ふふふ、でもこれで俺の「幸人×京矢BLアルバム」が一歩完成に近づくな。 リアルBLの為なら、骨の一本や二本安いもんだぜ。 ああ!ホント腐男子で良かったぁ! 破れ鍋に閉じ蓋
  • 14-429
    犬型獣人 俺が二十歳を過ぎた頃、義父が死んだ。 施設から買い取った俺を押し倒し、好きなだけ弄んだ義父。 笑顔がなくなり、表情は固まり、感情は消え失せ、最後には声も奪われた。俺から全てを奪った義父は金欲にまみれた親戚たちに見送られて地獄へ旅立った。 金目のものは、全て親戚たちが平らげ、俺に残されたのは、片田舎の小さなお寺兼別荘だった。親父の祖父が親父の精神修行のために、この寺を建築したと聞いた時は流石に呆れた。 農業、簡単な修理、炊事等、生活に必要な文献を買いあさり、人目を避けて自給自足の生活を始めた。 寺に住み始めた三年目の秋、野生の柿を発酵させた酒が良い出来になった。 ほんの気まぐれで、寺の前に置かれているお稲荷さんの石像の足下に、赤カブの煮物と飲み口が少し欠けた湯呑みに柿酒を注いで置いた。 その日の晩、柿酒をあおり、胡座をかく。落ち葉の落ちる音が心地よ...
  • 27-429
    新婚旅行 私が彼に出会ったのは、『元妻』との新婚旅行の時だった。 泊まったホテルのドアボーイに、私は一目で心を奪われたのだ。 妻との関係は一瞬で冷めた。新婚旅行からひと月も経たない内に私達は離婚した。 妻は私が他所の誰かに心惹かれていることを薄々気づいていたらしい。私が離婚を切り出しても 彼女は何も言わず、ただ全てを諦めたような顔で離婚届けに印を押した。 彼女との離婚が済んですぐに私は彼のいる地へと足を運んだ。 一刻も早く彼の顔が見たかった。 彼が私のことを覚えているとは到底思えなかったが、それでもいい。 私は彼をずっと見ていたい。彼の美しい顔、柔らかい微笑み、精錬された言動。 その全てを始終目に焼き付けておきたかった。 「お忘れ物ですか?」 私の予想に反して、彼は私のことを覚えていた。 なんて素晴らしいことだ。私...
  • 20-429
    独り言から始まる恋 おれとおーたが友達かっていうと、多分ちがう。 おれは友達だと思ってるけど、おーた的にはちょっと話すクラスメイトって感じ。だと思う。 おーたは根暗っぽい外見で、見たまんま大人しいけど、おもしろいこと言うし、色々ヘンなこと知ってる。 だからおれはおーたに話しかける。おーたはウザそうにしてるけど、無視しないで相手してくれる。 何でかなーって思って訊いてみたら、今のクラスになってすぐ、イジメの一歩手前みたいな嫌がらせがあったんだけど、 おれがおーたと仲良くなったらなくなったから、おれはイジメっ子避けらしい。 おーたが仲いいっていったのが嬉しかったから、くわしい内容は覚えてない。 二月に入るとみんながバレンタインの話をしだした。 おれは女子の友達がけっこう多い方だと思う。生チョコねだってみたらめんどいからヤダって言われた。 や、板...
  • 15-429
    親友だった2人が恋人になる瞬間 「ひどいよな、『実験、実験って、ちっとも会ってくれない!』って、電話でいきなりだもん」 「まあねぇ、4年生のこの時期、理学部なら誰でも卒論の追い込みだわな」 「でしょ!? 今も日付も変わろうかってのに、研究室に缶詰だよ?」 「森本んとこ、先生厳しいもんな」 「もう必要ないと思うんだけどな、この検証はさ。……ああ、ごめん、安田、それ5mlずつ分注な」 「ラジャ。優美ちゃんもな……美人だったんだけどな」 「わがままだよな……せめて、こうして安田みたいに実験を手伝ってくれればさ」 「そりゃ無理でしょう、学部が違う」 「気持ちの問題だよ。俺に会いたいって言うんならさ」 「つきあいたいって言い出したの、優美ちゃんからだもんな」 「3ヵ月か……初詣デートくらいしかやらなかったな」 「クリスマスはドタキャンだったな、そ...
  • 18-429
    どう見ても中学生です。本当にありがとうございまs(ry 「初体験かー……ミチノリ君はいつ?」 何の気なしに投げた言葉で、彼の動きはぴたりと止まった。 居酒屋の貸し切り一部屋。すっかり出来上がった一角では、サークルの同期と先輩達が下ネタで盛り上がっている。 「あ、ありますよ……初体験ぐらい」 あるなしじゃなくて時期を聞いたんだけどなぁ、とは言えなかった。かわいそうに、彼はもう氷しか入ってないグラスに口をつけたまま、気まずそうに俯いている。 これから先輩になる自分にぐらい、正直に本当のことを言えばいいのに。いや、まだ心を開いてないうちに突っ込みすぎてしまった自分の失敗か? 下ネタは万国共通のATフィールド中和ツールだと思っていたのだが、そんなこともないらしい。人間色々だ。そこんとこ、ちゃんと見極めようよ俺。何やってるんだ俺。何やってるんだ、新歓隊長。 ささいな自己嫌悪に...
  • 13-429
    気づくのが遅すぎた 「ボールに卵を二つ割ってください。」 「……ん、こうか?」 「はい。殻が入ってますが、まあ取ればOKですね。」 「はっはー!俺様すげー!よし、次だ。」 「次に塩と旨み調味料を入れて泡立て器でよく混ぜてください。」 「おう!えーと、塩をパパッ、味の○をササッ。で、行くぜ!」 「ちょ、待ちなさい!ゆっくりでいいんですよ。ほら飛び散ってるじゃないですか。」 「こ、こうか?こうでいいのか?」 「はい、OKです。あ、そのくらいでいいですよ。じゃあ次は醤油を回す程度に。」 「ん?ん?まわす程度ってなんだ?どんくらいだよ、それ。」 「そうですね。卵液に直径3センチほどの円を二秒で描くようにイメージしてみてください。」 「……わかんねー。まあこんな感じでいいか。」 「少し入れすぎな気もしますが、まあいいでしょう。では箸で軽く混ぜてください。」 「軽く...
  • 26-429
    存在を刻む 例えば、携帯の着信に残るお前の名前とか。 例えば、ずぼらな俺に代わってお前が直していったスリッパの並びとか。 例えば、いつの間にか本棚に入ってる俺のじゃない漫画とか。 例えば、洗面所の一角を占めるお前の石鹸類とか。 例えば、前よりも消費が著しくなった調味料とか。 例えば、お前があちこちつけていったキスマークとか。 例えば、お前が泊って行った翌日の身体のだるさとか。 例えば、ベッドに残るお前の整髪剤の香りとか。 日々の生活の中に、お前の存在を刻んでいくのが幸せでしょうがない。 なかなか好きといえない
  • 24-429
    満月手前 「足りないなぁ」 車窓の外を見上げて木原がぼやいた。 白けた宵闇に星と月。電信柱の切っ先に、千切れた薄雲が引っかかっている。 下には建造物と人工の光が群をなして、一通り揃ったいつもの夜だ。 「何が」 「月。満月にはまだ少し足りないでしょう。せっかく晴れてるのに」 信号が青に変わって、静かに車が走り出す。 横に首をひねって、ハンドルを握る部下をちらりと見遣った。 鋭角的に整った横顔は成程、いくらか不満げな色を帯びている。 何百年に一度の天体ショーではないのだ。 幾望だろうが満月だろうが、眺める分にはたいした違いもないだろうにと思う。 どうにも不可解な男だというのが、二年半組んできた部下に対する感想だ。 冷静なようで、どこかしらズレている。有能なことは認めるが、時々突飛だ。 この間など、酔っ払った勢いか何かでキスされた。 取り押さえら...
  • 25-429
    薄くなったカレンダー 別れの時間が、近づいている。  野江が今月末に転校するんだ、といったあの日からもう2週間が経つ。 祖母の家の日めくりカレンダーはどんどんと薄くなっていって、 それは同時に彼との別れが近づいていることを示していた。  2週間前のあの日から、俺と野江は口をきいていない。 もっともっと最初のほうに教えてくれるべきだったんじゃなかったのか、とか、 ……俺っていう存在があるのに、するりと消えることに抵抗はなかったのかな、とか。  わかっている。彼が、そんな簡単な想いで俺に告げたわけではない、ということ。 でもやっぱりくるしくて、つらいのは、……俺がどうしようもなく野江が好きだから、ってだけで。 「はあ」 五度目、かな。それくらいになるため息がつくと同時に、携帯電話が震える。画面を見る。 野江祐介。意地でも話してこなかったのに、限界だったのか...
  • 16-429
    いつも貧乏くじを引く人 いつも欲しいものは手に入らない。 サンタクロースに1000ピースのジグソーパズルを頼んだときは当時の最新ゲーム機が送られてきた。 小学校の時に好きだった大人しめの女の子に告白しようとしたら、その前にクラスで一番人気の女の子に告白された。 商店街の福引で3等のカップめん3ダースを狙ったときは特賞のハワイ旅行が当たった。 就職活動で第一志望の中小企業からお祈りメールを貰い、記念で受けた誰もが知ってる大企業から内定を貰った。 人からは贅沢だとか勝ち組だと言われるが、本当に欲しいものが手に入らなければ意味がない。 どんなに周りが羨んでも、自分にとってはただの貧乏くじ。 楽しくないゲームよりも、好きでもない女の子よりも、行きもしない旅行よりも、興味のない職よりも、自分が望むことが欲しいのに。 いつからか、何も欲しがらなくなった。 ...
  • 7-429-1
    Mなのに攻×Sなのに受 「公の場で糞の匂い振りまいてんじゃねぇ。おとなしく下水を流れてろよ糞は」 初めて彼に出会ったとき、彼は俺(とその他数人)を睨みつけて、そう言った。 小柄でまるで地上に舞い降りた天使のようなその容貌と裏腹のクールな低音ボイス。 俺たちは、そう、確か4~5人いて、それなりにそれぞれ刃物などを隠し持っていて ちょうどその時小金を持ってそうなカモを路地裏に連れ込んで、圧倒的に優位な立場から 「交渉」を行っている最中だった。 にもかかわらず。 わけのわからぬ威圧感、有無を言わせぬ命令口調。…何よりそのあまりにも冷ややかな眼。 「本当に自分が糞であるかのような心地になった…」 と、後にその場にいた一人が語っていたが 俺はと言うと、まるで聖なる雷に心臓を貫かれたかのように…生まれて初めて味わう 甘美な痺れに、頬を染め、呼吸が浅く速く...
  • 6-429-1
    vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv 「矢追君、この文字列の意味がわかるかね?」 教授が振りむいて言った。手には、今日回収した学部生の課題論文。 その一本の末尾にさりげなく印字されている絵文字に、僕は平静を装いながら説明した。 「ふむ、記号を組みあわせて絵に見立てているのだね」 成程、若者はいつも面白いことを考えるものだねえ。 そう言って屈託なく笑う教授に、僕も思わず頬が綻む。 しかし、内心はそんなに穏やかではない。 一緒に研究をつづけられるだけで、幸せ。 教授への、崇拝にも似た感情を見透かされつつ、 僕は彼の手管にいつしか溺れてしまっている。 彼の若い滑らかな肌が、瑞々しい指が、僕を優しく凶悪に捉えて離さない。 挙句、僕が指導した、教授が採点するこの論文にこの絵文字……。 「おや、矢追君、首筋は毒虫にでも刺されたの...
  • 6-429-2
    vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv 『☆* ・°★ * ・°やっほ~シマちゃん\(^O^)人(^O^)/起きてるー?(ρ.-) 俺は大学に遅刻しそう~ε=┌(; _ )┘ヒー いやー、昨日は飲み会★⌒(*^^)d_||_b(^^*)⌒☆が長引いちゃって(^_^;ゞナハハ おかげで二日酔い…{{{{(+_+)}}}}ズキズキ 寝起きにシマちゃんの顔を見たら♪( ^o^)\(^-^ )♪一発で治るo(゚ぺ)○☆んだけどなぁ|_・)チラッ うーん、早く会いたいよ~v⌒ヽ(^ε^*)チュッ(*^3^)ノ⌒vチュッ シマちゃーん、(^O^)ア(^o^)イ(^o^)シ(^o^)テ(^o^)ル(^O^)よーVvV vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv(*ノノ)キャーテレチャウ/// シマちゃん、今夜はうち来る?.....((((*^o^)...
  • 24-429-1
    満月手前 「淳くんはどの月が一番好き?」 授業が終わり、駅へ向かう夜道の上で、横を歩く慧に不意に尋ねられた。 「月?」 「ほら、半月とか新月とか色々あるじゃん」 月の好みなど考えたこともなかった。 慧と知り合ってもうすぐ一年だが、未だに彼の言うことはよくわからない。よくわからないが、面白い。 「んー……三日月?」 「へー、なんで?」 「まあ、なんとなく」 何故かすぐに思い浮かんだのだが、理由までは分からなくて言葉を濁した。 「僕はね、あのくらいが一番好き」 慧が指さした先には、青白い月が冴え冴えと浮かんでいた。 少し歪な輪郭は、満月手前といったところか。 「意外だ」 「なんで?」 「もっとはっきりした、わかりやすい形のが好きだと思った」 俺が言うと、慧は「なにそれ」と少し憤慨してみせた。 「……咲きかけの蕾と一緒だよ。今から満ちてくって希望があっ...
  • 11-429-1
    悪の組織の幹部×同組織の最下層 「大体いつもさ、作戦が悪いんだよ作戦が」 「はあ…」 「あと一歩って所で秘密兵器が出てくるのなんて分かりきった事だろ?  なに、それとも今回は出てこないとでも思ったわけ?  まさか出てこないといいな~とか希望的観測で作戦を進めたとかじゃないよな?」 「いや、そんなことは、…ないと思うんだが…」 「思うんっだがってなんだよハッキリしろよ!いつも現場で動くのは  俺たちなんだよ俺たち。それわかってんのか?」 「それは、申し訳ないと思っている」 もう小一時間説教を食らっている。その間正座させられっぱなしの私は しびれが足全体に渡ってすでに感覚はなかった。 おそるおそる手を挙げて提案してみる。 「すまない、次は善処したいと思うので、もうそろそろ、その…」 「お・ま・え・が言うなお・ま・え・が!」 ピシピシとプラス...
  • 12.5-429
    二十年後 「あなたとこうしてると、幸せってこういうことだって思うよ」 一つ年下の彼は、コーヒーカップを口元に運びながら笑顔を見せた。 厳しい寒さもようやく和らいで、暖かい日差しが極上の毛布のようにオレたちを包んでいる。 こうやって彼とゆっくりできるようになったのは、ごく最近のことだった。 くり返される謀略。強制的に連れ出される戦場。殺さなければ、殺されていた。 その間も彼とは、ずっと一緒にいた。 「この幸せが二十年後も続いてたらいいな」 なんてね、と冗談めかして彼が笑う。 「……バーカ。二十年なんて、甘いこと言ってんじゃねーよ」 顔が赤くなるのを見られたくなくて、そっぽを向いたオレを、しなやかな腕が抱きしめる。 それから、初めてのキスをした。 人一倍寂しがりの癖に他人と関わりを持とうとしない受け
  • 2-499
    毒舌×毒舌 頭打った。目からお星様。 あっ願い事言わなきゃ。死ね死ね死ね。 がっついてるヤツはこれだから困る。クソ野郎。 でもって思った事を、素直に口にしてやった。 まあ予想通り、クソ野郎は拗ねました。 そして、俺のナニを握り締めましたとさ。……それは予想外だ。 「いだだだだ!!」 「あれ、ちゃんと神経あるのね。  にぶいのは口とアタマだけですか」 「つーか死ねおまえ。殺すぞ。ていうか離せ。死ぬ」 「違うなあ」 そう言って悪そーに笑う。唇の端を持ち上げてニンマリ。 悪魔の笑顔が超素敵。なわけねえだろ。おかしくねー。 でもってこんな風に言う。 「あのね。死ぬほどの思いをさせてやろうっての。  だからこれでいいの」 「俺、昇天?」 「うん」 俺は同じく笑った。 「じゃあ、早...
  • 2-439
    サラリーマン×宅配業者の攻め視点  最初は頼りないな、それだけの感想だった。  猫の手も借りたい時に、まさか子供相手なんてしてられる訳もなく。でも逼迫した状況 で他者の人間に依頼する訳だから、相手を責める訳にもいかない。まあ、慣れない子供を 寄越した責任者には多少の恨みを感じたのは否めないが。  しかし、予想を裏切りきっちり時間内に書類を届けたそいつに、感心した。よくもまあ 焦らずしてのけたものだと。 『いえ、高木さんのお陰です』  子供は何故か嬉しそうに、俺にそう言った。はにかんだ笑みが可愛くて……そう、可愛い という言葉を思い浮かべた時点で、まあ。こいつの事が気に入ったんだな、と気付いた。  思えばまぬけな始まりだったと言えよう。 「工藤君、もう少し待ってくれる?」 「はい」  笑顔で良いお返事。いつもながら全く可...
  • 2-459
    「あ……、兄上ぇ……」 いろんなシチュが考えられますね。 まず、弟受けの場合、初めての剣術稽古で、木刀が重過ぎて持てずに 兄の方を涙目で振り返る弟だったら萌えます。 それか初めての夜の稽古?で、初体験の射精感に驚いて 助けを求めるように腕の中で見上げられても萌えます。 弟がある程度成人になっている場合には これは怒りに任せての呟きだったらそれも萌え。 裏切った兄の行為に怒りを隠せず、信じられないような目を向けて 悔しげにつぶやいてもらうと萌え。 もしくは戦場で、兄をかばって敵の流れ矢を受け、 最愛の兄の腕の中で笑いながらつぶやいてもらうと萌える。 そのとき手が震えながら、それでも兄に触れようとしていたら萌え泣ける。 これは受けだろうが攻めだろうがどちらでも良し。 病院と注射
  • 2-449
    城に潜入して捕まる、お間抜けな忍者さん危機一髪 人手不足か、はたまた細作頭の気の迷いなのか、 半人前の彼に重要任務が回ってきたわけですよ それも、同盟の材料として献上されるはずの茶器を 秘かに破壊するという、超危険任務 で、本丸に潜入した途端、あっさり見回りの同心に発見される忍者 牢にぶち込まれてしまい必死に打開策を見出そうとするものの、 「困ったときはなぁ、忍法お色気の術だ。」 と得意げに説く先輩忍者を思い浮かべてしまい、かなり泣きそうになる忍者 格子に向かって色気を振りまいたってなぁ…誰も見てないし ところがどっこい、その一部始終を見ていたのが、城付きの御殿医 細作というが、見ればほんの子どもではないか しかしこのまま放っておけば、拷問は免れまい 拷問、その結果はほぼ間違いなく死を意味するわけで、 そのことを...
  • 2-479
    9を取ってリクエストするか、*0を踏んで無理やり萌え語りか。 スリルと興奮を味わいつつ、時の運に任せてリクどうぞ。↓ そしてある日、*9を踏もうとした二人が、 書き込み時刻も内容も見事なシンクロっぷりのケコーン。 まあそういうこともあるよね2chだし、と思っていたのが、 それ以降、自分の萌えと被る内容のレスを見つけると、 ふとお互いのことを思い出してしまう…… エンター×ダミーエンター
  • 2-409
    敵国の騎士(受)を倒し、そのままお持ち帰りする攻 男達は武器を取り、戦渦の中に人命も豊かさも失われてゆく、血腥い時代であった。 古くより隣国の友誼を育んできた二国でさえも、 いつしか裏切りと報復の連鎖に絡め取られて久しかった。 ガツッ、という鈍い音とともに横様に薙いだ愛剣が硬い感触をとらえる。 次いで痺れるような衝撃が伝わってきた。 (やったか…?) 見守る男の目の前で、騎士はついに膝を折る。 大剣で身を支えてふらりと立ち上がり、そのまま前のめりに倒れた。 腕には覚えがあった。基礎も駆け引きもあざとい戦術も、全てあの男に教えられた。 十五年前、父が家庭教師にと雇った流れの傭兵。 見事な赤毛に、煙るような水色の眼をしていた。 「貴族のお坊ちゃま」と馬鹿にされるのは我慢ならなかったから、必死に学んだ。 しかし、生きた伝説と謳...
  • 2-419
    日本人×独逸人 「今日残業になってしまったので…すみません」 言いつつ男は、我ながらちっとも済まなそうではないな、と思った。声に感情を出すのが苦手だ。 すると電話口の向こうでも、抑制の効いた声が、構わないから仕事を優先してください、と言ってきた。 もう一度謝り、電話を切る。ため息が出た。 仕事を優先しろと言われた以上、もしこれで無理をして会いに行ったら、 きっと彼は男を軽蔑するだろう。以前同僚にいたフランス人が同じことをした時、 自分の役目を果たしもせず恋愛事にうつつを抜かす人間は、もっとも軽蔑すべき対象だと 童顔に皺を寄せて言っていた。彼の母国ではそんなことは有り得ないらしい。 久しぶりの逢瀬になるはずだった。本当は会いに行きたい。 けれどやはり自分も、与えられた職務を全うすることが優先だと思ってしまう。 どんなに辛くとも、果た...
  • 2-469
    病院と注射 突き当たりのドアを開ける。 診察室の主はこちらを振り返り、嬉しそうにギシギシと椅子を鳴らした。 「久しぶりだねぇ君。元気?」 この男は、いつ見ても場違いなほどにこやかだ。 「ここは病院ですよ先生。元気なら来ません。」 「たまには僕の顔見に来てくれたっていいじゃないか。で、どうしたの?今日は。」 御歳36になる若先生(通称)は、幼い頃かかりつけだった老医師の息子だ。 既に父親は引退し、診療所にただ一人の医師となった今もこの呼称は健在だ。 彼との付き合いは長い。初対面は確か中学生に上がったばかりの頃だ。 結核の感染を疑われたとき、ツベルクリン注射を担当したのが彼だった。 一週間後、赤く膨れ上がった6cmほどのツベルクリン反応を見て、 「おお、こりゃ立派なツ反だねぇ、こんなの初めて見たよ。」 と嬉しそうにのたまい、付き添い...
  • 2-489
    エンター×ダミーエンター 最近、無駄に俺が使われている気がする。 彼曰く、『隠したい年頃の集まりなんじゃないの?』とのこと。 でも、実際に俺がやっている仕事は、注意書きも読めない お子様から、彼を守るためにある。 「お疲れ。これで何度目?」 「5回目。このガキ、注意書きも読めないくせに、俺のこと何度も触るんだぜ 嫌になるよ」 ふて腐れる俺の頭を、彼が優しい笑顔でなでる。 ちょっとだけ、癒される瞬間。 「ごめんね、僕のために」 「気にすんな。あんたは、常識ある大人を迎え入れてやればいいんだ」 悲しそうな顔をした彼に、俺はあわてて笑顔を作る。 今度は、俺が彼の頭をなでる側にまわる。 「俺は、あんたを守るためにいるんだ。だから、そんな顔すんな」 「……そうだね。」 やっと、彼の顔にいつもの笑みが戻ると、俺はいつもの位置に戻...
  • 22-479
    ダメ兄とデキル弟 「キスして」 兄より優れた弟などいない。どこぞの世紀末覇者が活躍する漫画での主人公の兄が発した言葉に、俺はすさまじく共感していた。 本当に兄のほうが優れているのなら絶対に出てこない言葉だ。事実への悔しさとか、わかってはいるけど認めたくない感情がありありと伝わってくる。 漫画を読む手を止めずに横目で弟をちらっと見る。いかにも真面目で、お勉強の出来そうなピンクフレームのメガネをかけた男の目をつぶった姿に内心ため息を吐く。 最近の俺は弟と話す機会がめっきり減っている。主に俺の自尊心の問題で。 視界に入るたびに弟が優秀なことに劣等感を感じたり、ちょっとしたことで苛々するからだ。 自分の弟に対してこんなドロドロした気持ちを俺は抱いている。――昔はこんな気持ちにならなかったのに。 昔から才気を溢れさせていた弟に、これといって意識をしていなかった。 むしろ「良い...
  • 22-409
    スーパー攻様 これがスーパー攻め様だ!(※個体差はあります)  ・とりあえず金持ち  ・とりあえずスーツ  ・シャツはいっぱい持ってる。裸の受けに羽織らせる分も余裕  ・でもギンガムチェックのシャツは持ってない  ・バスローブを愛用。寝るときは裸  ・ベッドのシーツはシルク。布団カバーとか論外  ・ミッドナイトハイウェイを愛車で疾走する  ・利用頻度:車>>バイク>>飛行機>>船>>>>>電車  ・車にカーナビはついていない。単車のヘルメットはフルフェイス一択  ・マンション住まい:一軒家住まい=7:3。マンションの場合、最上階に住まう確率は9割近い  ・基本偉そう。ただし根拠のある自信家  ・欲しいものは何でも手に入れられるが、受けの心だけはなかなか手に入らない  ・謎の権力を持つ。業界で一目置かれているが、どこの業界でどう凄いのかはけっこう曖昧...
  • 22-459
    俺は忘れた、だからお前も忘れろ 一度唇を重ねたら止まらなくなった。乱暴にベッドの上に押し倒しても、竹下は拒絶をしなかった。 ただ蒼白な顔をして俺を見つめ、やがて観念したように固く目を瞑った。 乱されたシャツの下の身体は火がついたように熱く蕩けたけれど、その腕が俺をかき抱くことは最後までなかった。 翌朝、俺たちは何食わぬ顔で同じオフィスに出社し、すぐにいつも通りの日常に埋没した。 ちらりと観察すると、竹下は相変わらず凄まじいスピードで業務をこなしているようだった。 きれいな横顔からは何も読み取ることができなかった。 俺には、なぜ竹下が俺の行為に答えてくれたのかがわからなかった。 竹下には、己を失うということがない。人当たりは総じてよく、有能で同僚からの信頼も厚いがそのくせ誰からの距離も遠い。 近寄ると逃げていくこの男の心を知りたいと思ったのはいつからのことだろう...
  • 22-449
    嫌いな訳じゃない 萌え語りいっくよー!! オーソドックスにはあれですかね、バレンタインディ。 受けさんは付き合い始めたばかりの攻めさんのために、手作りチョコとか用意しちゃうわけですよ。 ところが校門前で、女の子にチョコを差し出される攻めさんを目撃。 攻「…ごめん、甘いもの、嫌いなんだ。」女子「えー!?」 攻めさんはスポーツ少年だったりして、結構モテモテだったりして、昼過ぎには『攻め君は甘いもの嫌いだから、誰のチョコも受け取ってくれない!』みたいな噂が校内を駆け巡るわけですよ。 (好き嫌いも確かめずに作ってきちゃった…僕のバカ…)落ち込んだ受けさんが、焼却炉にチョコを投入しようとしたその時、後ろから声が! 攻「待て」 受「え?」 攻「それ、チョコレートでしょ?くれないの?」 受「だって、甘いもの嫌いだって…」 攻「嫌いな訳じゃない。…好きな人からのチ...
  • 22-439
    お兄ちゃんの彼氏? 兄「なぜそう思う弟よ」 弟「え…だって。いつもお兄ちゃんその人のことしか話さないし。今日だって」 兄「あのなぁ。いくら俺様と言えど、彼女持ちの奴をたぶらかすほど悪人ではないぞ」 弟「えっ…う、嘘ばっかり。僕は騙されないかんね!」 兄「ほう、『嘘』だというのか。そうかそうか」 弟「う…ご、ごめん、なさい。だからその両手をワキワキさせるのやめて」 友「とりあえず俺を無視して話を続けるのは止めてくれないかな」 兄「おお、すまんな。どうもこいつを見てるとついイジりたくなってな」 友「あー何か分かる。お前の弟、なんかこう、小動物系? ついつい撫で回したくなる感じだわ」 弟「……っ!?」 兄「だろう?」 友「でもいいよなー、こういう可愛い弟がいて。なぁ、俺に一日くらい貸してよ」 弟「……」 兄「ははっ、一日と言わず、一週間位でもいいぞ? でもまぁ一...
  • 22-469
    執事と僕 トテテテテテ「ひつじさん!ひつじさん!」 「…君はなかなか訛りが抜けませんね…"し"」 「"ひ"」 「"し"」 「"…し"」 「"しつじ"」 「"し、つじ"、さん!」 「よろしい。さて、ご用件はなんですか?」 「あ!えと、お馬さんにお水、あげました!お庭のおち葉も、全部まとめました!」 「そうですか、君は仕事が早いですね。助かりますよ」ナデナデ 「ほかにお仕事は、ありますか?」 「そうですね…ではベッドメイキングのお手伝いをお願いします。」 「はい!」 「ああ、その前に台所に行って、おやつをもらってきなさい。君の分を取ってあります。」 「わあ!はい!いただきます!」トテテテテテ 「しつじさん!しつじさん!」 「...
  • 22-489
    くすぐりに弱い受け 「ん…」 キスして抱いて引き寄せて。 扱いはとても丁重に。 「あ…、っ…く……、や…、も……ダメ…かも」 まだシャツを捲って横腹を撫でただけ。 少し涙混じりで赤くなった目元はそれなりにそそるが、そんなに早いのはナシだ。 「我慢して」 釦を外すこちらの指を抑える恋人の手が震えている。 「まだ」 我慢して、と言い慣れてしまった言葉。 ヒクヒクと震える脇腹から手を離し、両手を頬に添える。 痙攣に似た震えが収まるまで、たっぷりキスして触れられない分だけ気分を高め。 胸元へと手を伸ばせば、息を飲む気配。 諦めてその手を下ろしてスキニーの釦に。 チャックを下ろして、下着の中へと指を入れて肌を探る。 既に頑なっているベニスを手の中で扱けば、性急な扱いにご不満だと言わんばかりにドンと背中を叩かれる。 知ってるよ。 ムードも手順もへったくれもない...
  • 2-469-1
    病院と注射 真っ白なアイツ。 ココにはじめてきた時、はにかみながら挨拶してきた。 綺麗なアイツ。 「僕は嫌われ者なんだ。」 アイツは笑いながら、そういった。 「混んでるし、痛いことするし、」 いや、そのイメージの半分くらいは俺たちのせいだろうが。 「治ってく患者さんたちを見るのは嬉しいんだけど、やっぱりなくなっちゃう人もいるしね。」 そう、寂しそうに笑った。 アイツとは包装のビニール越しにいろんなことを話した。 でも俺はやっぱりアイツの笑顔が好きみたいだ。 どんどんと俺たちの仲間が減っていく。 この前新入りの奴も来た。 仕方が無い。 オレたちは一回きりの命だ。 アイツと同じ空気を感じられるのは、針を携えて赴く時だけ。 そしてそのまま捨てられる運命だ。 ある日、とうとう俺の番が来た。 ...
  • 2-439-1
    お兄ちゃんの彼氏?  僕達兄弟は年が離れてるけど、とても仲がいいです。  弟の僕から見ても、お兄ちゃんは綺麗でよく女の人に間違えられています。  体もそんなに大きくないからかもしれません。  そのせいか彼女も居ません。  どうしてと聞くと、女の子はお兄ちゃんをペットのように可愛がるか一緒に歩くのを嫌がるかで、モテないと言ってました。  でもそれはどうでもいいです。  とにかく僕は、優しくて家事も得意なお兄ちゃんが大好きです。  そんなお兄ちゃんのキスシーンを見てしまいました。  しかも相手は男の人で、僕は二重に驚きました。  日焼けした体は縦も横もお兄ちゃんより大きくて、良く見えなかったけど顔もまあまあ格好良さそうです。  すぐにその相手が、最近よく家に来るお兄ちゃんより年上のお友達だと気が付きました。  その人の太い首にガッチリ両手を回して、嬉しそうに...
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