*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「24-339」で検索した結果

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  • 24-339
    ぱっと見A×Bと見せ掛けて実はB×Aなのかと思ったらやっぱりA×B おい、明日遊びに行くぞ。空いてるだろ。 うん!俊と遊びにいくの久々だよね!すっごく嬉しい! 「うわあ、相変わらず俊は自由だな…」 「対して、信也くんは健気だよね」 「俊の友達…つうより寧ろ忠犬?」 「確かに…あ、でも」 じゃ、あの服屋な。 俺が行きたいって言ったこと覚えててくれたの!? くっつくな。 嬉しい! 離れろ阿呆が! 「何だかんだで、俊くんは信也くんの行きたいところとか把握してるよね」 「まあな。そういや今日の信也の弁当、俊が作ったんだろ?俊は信也の彼女かっつうの」 「本当に!?……僕も啓介くんのお弁当欲しいな」 「あ?龍太何か言った?」 「な、何でもないよ!」 久々のデート。信也は常に笑顔だった。そりゃ、俺は信也の行きたいところも好きな食べ物も、信也...
  • 24-339-1
    ぱっと見A×Bと見せ掛けて実はB×Aなのかと思ったらやっぱりA×B 「なあ、俺、お前のことすきだよ」 二人で宅飲みをした夜、話のついでにひょいと言ってみたときの、奴のポカン顔ときたら最高だった。 「……………、………は、?」 次の発言までたっぷり40秒。パズーなら鳩逃がして家を出るレベル。 あーそのジワッジワ赤くなる顔とかすばらしいね、連写モードで撮影したい。 そんでコマ撮り動画にしてやりたい。 俺が表情を真顔から一ミリも崩さず、だまってじっと見つめていたら、 奴の顔はとうとう鎖骨のあたりから額まで真っ赤になってしまった。 「なん、なに、……いきなり、……」 ようやく何やら突っ込もうとしているようだけど、焦りすぎて言葉がわやわやだ。 かわいー奴め。 ほんとうに、こいつは言葉で感情を表現するのが不得手だ。 口に出す前にやたら考え込むし、 考えす...
  • 4-339
    来ぬ人を待つ 日が昇る頃に起き出して、まずするのは火種の確認だ。灰の中でちりちりともえる赤いものを見て安心する。 ガラリと戸を開けると外はもう冬だった。冬の空気はこころを澄ませる。 澄んだこころが何かを思い出そうとする。 『春になったら。』 息を吐く。遠くの道が白く光っている。そしておそらく、家の中の火種も、灰の中で光っている。 『春になったらまた寄るよ』 言って、一見しても二見してもしのびとは知られぬ地味な装いの彼は笑ったのだ。うんと自分はうなずいたのだ。彼の生業を知っていてうなずいたのだ。 『春になったら。』 声の調子も苦いような笑いかたも、はっきり覚えている。 そうだ、彼の薄い皮膚も、その上についたいくつもの傷も覚えている。 覚えている限り僕は。 兄さん!
  • 14-339
    無言攻め×流され受け 「……………」 「……………」 無言のなかカタカタとキーボードをたたく乾いた音だけが響く。 瞳は画面をみつめながら、しかし俺の意識は背中に集中している。 みられている。 すごく見られている。 熱視線の主は部屋のすみっこで体育座りをしている 180cmの巨漢である。キモイ。 部屋にやってきたあいつに「持ち帰った仕事があるから」と 告げてからずっとあの状態である。ウザイ。 グサグサと背中に視線がささる。 視線に熱があったらまちがいなく俺はこげている。 約束を破ったわけでもないのに、どうしてこうも 責められている心持になっているのか。 これを迅速に仕上げなければいけないんだ、と念じても意識は背中からそれない。 眼鏡をはずして、眉間をもんだ。集中できない。 原因は明らかである。 結局、俺はこいつに弱いのだ。 ...
  • 24-399
    死ぬまで愛してると、死ぬほど愛してる お前は俺をなんだとおもってやがるんだ。 夕日に照らされて真っ白い壁がオレンジに染まる部屋で俺はお前に言った。 段々と暗くなる空は赤と青のグラデーションが綺麗すぎて泣きそうになった。 お前は少し困った顔で笑いながら俺の頭を撫でている。 「ヒロ、泣かないで?」 「泣いてねぇ」 俺を撫でる腕は細く青白かった。 「ちゃんと食ってんのかよ。また痩せたんじゃね?」 「大丈夫、最近は調子いいんだ」 そう言ってお前は笑ったけどそんな嘘すぐにわかるほどユキトは痩せこけていた。 「ねぇヒロ。さっきの話だけど…」 「うるせぇ、病人は早く寝ろ」 「ヒロ…」 止めろ。聞きたくない。 空はあっという間に青に染まりうっすらと月がみえる。 「今年の花火大会は諦めてやるから来年こそは行くぞ」 「ヒロちゃんと聞いて」 いやだ。聞きたくないんだ。 ...
  • 8-339
    ひげ 「うわっ!何これ!? 」 一瞬叫んで、あわてて口を閉じた。 目の前には、仕上げたレポートの上に突っ伏すようにして爆睡する同居人。 メガネもはずさず寝ているってことは、 レポートの最後の文字を書き終えたのと同時にバッテリーが切れたんだろう。 平和そうにくかぁ~と口を開けているのが、今にもよだれを垂らしそうだ。 つか、こいつ、何日寝てないんだ? いつも取り澄ました優等生に、うっすらと無精ひげが口の周りに生えている。 恐る恐る触ってみた時の心境は自分でもよく分からない。 ただ、つん、と短いひげの先を突いてみると、 くすぐったいのか、もにょもにょ言いながらなんか身じろぎしている。 ……まぁ、このままよだれでせっかくのレポートを汚すのも、こいつの本意じゃなかろうし。 目を覚ますまで、ひげの先をつついて遊ぶ事にした。 ひげ
  • 7-339
    タンデム 「・・・・・・・・」 「どうしたの?乗らないの?」 財布を落として不本意に1文無しになり ポケットに残っていた10円で、迎えに来てくれとこ奴を呼んだら 自転車で迎えに来やがった。自転車も普通のなら良い 立ち棒が付いていて、ここ奴の背中に手を置き 与太話をしながら岐路に付くああ言った普通の自転車ならば!! けど、こ奴の乗ってきた自転車は マウンテンバイクを2台くっ付けた様な長さで こ奴が後部でハンドルを操作し、俺がその前でペダルを漕がなきゃならない そんな馬鹿馬鹿しい自転車だ。これも、サイクルスポーツをしている時なら良いが 俺は現状仕事帰りの スーツだ!なのに何故 コレに乗って来たのか、そのセンスが伺い知れない 奴は本当に嬉しそうな笑顔で「リムジンだよ」 そう、ほざくのでこいつの中では 最高の自転車で、俺を迎えに来...
  • 6-339
    ロボット×人間 「たまには怒れよ…」 いつも文句ひとつ言わず俺に従うあいつに、無駄だと知りながら言ってみた。 「私はユキト様に従うお世話ロボですから。仕事に邪魔な感情は備え付けられていないのです。」 見た目は人間とどこも変わらないのに、 温かみすら感じるこの肌の下には無数の機械が埋まっている。 この肌に傷がついたとき流れ出るのは真っ赤な血ではなく、機械油だ。 ロボットなのだ、この優しげな風貌の男は。 その証拠に、初めてあった子供の頃からこいつの見た目は1mmたりとも変化していない。 「おまえ、いいのかそれでも。ずっとこのまま俺に仕えるだけの一生でも。」 これも何度も繰り返した質問だ。答えもいつも同じ。 「私はそのために作られたのですから。」 でも、今日はその聞きなれたセリフに続きがあった。 「それに、私はこの生活に満足していますから。 あなた...
  • 3-339
    とにかく切なく それというのもアイツが悪い。 昨日までげらげら笑いながら一緒に遊んだりしてたのに、いきなりだ。 突然呼び出し食らった俺は、何が何だか分からなかった。 呼び出した場所に突っ立っていたアイツは、俯きがちに俺にこう言ったのだ。 「引っ越すから。転校、するから」 その上何も言わずに走って逃げやがった。取り残された俺はどうすりゃ良いんだよ。 呼び出したのはお前だろうが。いきなり転校って何だよ。 教えてくれたっていいじゃねえか。親友じゃねえのか。 考えても胸の痛みは治まらない。もやもやする。気持ち悪い。 アイツが、いなくなる。 明日からもうバカみたいなこと言い合って笑ってはしゃいで、そんなことも、もう、出来ない。もしかしたら二度と出来ないかもしれない。 というか、アイツはきっとずっと前に、引っ越すことは分かってたはずなのに、 もしかして、昨日まで...
  • 2-339
    ペプ師マン 人気者黄色(津イスト)×影薄青 俺の方が先にここに来ているのに、後からやってきたあいつに人気が出るって どういうことだろう。  俺とあいつはいつものように客前に並んで立ち、声が掛かるのを待っている。 赤看板が目立つ隣の店の連中とはライバル関係にあるが、広告を出したり互い の店に新入りを入れたりする度に客の流れは変わるため、店の売り上げは常に 流動的だ。店のオーナーですら客の好み、最近の流行などをつかむのに必死な のだだ、実際のところ何が客にウケるのかなんて誰もわからない。  ここは本店からかなり離れた地方の支店。隣の店の独占状態を打破すべく最 初に本店からここに送り込まれてきたのがこの俺だ。  俺は後から来たプラチナブロンドの軽い感じの奴や、緑系のスーツにホワイト シャツしか着ない見た目はさわやかだが中身はクールな奴や...
  • 15-339
    マンゴー 頭は割れそうで見慣れているはずの天井はぐるぐると回っている。 一昨日の仕事帰り、急な雨に降られた俺は10年ぶりに39℃の高熱を出してしまった。 「最近仕事…無理してたからなあ…。この熱さえ下がれば…!頭いてえ…」 先月、俺は部署異動の辞令を受け取り(内心面白くなかったが)成績を上げるため 慣れない業務に(自分で言うのもなんだが)かなり頑張ってきたんだ。 その精神的な疲れというか、色々なツケも溜まっていたのだろう。 ま、体調管理できないなんて、自業自得だな。 …ガチャ。 あ、同居人が帰ってきたらしい。こんな俺を放っておいてどこにいってやがった。 「おーい、生きてるかー?お前の一番好物の果物採ってきたけど、いま食う?」 「…?」 「お前が昨日寝言で食いたい食いたいって言ってたマンゴーだよ。すぐ食わせるから待ってろ」 「つー...
  • 1-339
    ローディ×バンドマン ツアー中の新米ローディーくんとギタリストとかどうでしょう? 受けさんはパッと見、寡黙な大人タイプ、 攻めは、どんくさい犬コロタイプ。 ずっとずっとギタリスト受けさんに憧れてて、晴れてローディーになれたばかりの攻めにとっては、 憧れの受けさんの超絶ギタープレイの数々や、受けさん使用機材を間近で見るだけに留まらず、 触ったり運べたりサウンドチェックしたりできるツアー期間は、まさに天国。 唯一の悩みといえば、肝心の受けさんが冷たい事くらい。 ファンの子や他のスタッフにはとても親し気なのに…。やっぱりどんくさいから? どうにかして、憧れの人ともっとお喋りしたい、攻めの悩みは募るばかり。 だけど受けさんが冷たいのは、攻めの事を憎からず思っているからだったりなんかしてね。 実は受けさん、極度に不器用なタイプで、気になる人と親し気に話...
  • 5-339
    やんちゃな不良×ちょっと腹黒い優等生 「あんまりじろじろ見ないで下さい」 「……そのムナクソ悪い敬語はやめろっつーの」 ため息をつきながらそう言うと、お前は分厚い本を閉じて、ニヤリと 意地悪く笑った。 「クラス一の不良少年が、図書館なんかで何をやってるんだ?」 「お前が呼び出したんだろーが。何の用だよ?」 「そうだな、俺の唇を見てくれないか?」 お前はそう言って、冬だっつーのに水に濡れてるみたいな唇に人差し指を添えた。 「は?」 「乾燥してないか?」 「……気持ち悪いくらいに潤ってる」 「そうか。……で、何かしたくならないか?」 「……はあ~」 したくならないわけねえだろうが。誰もいない放課後の図書館で、俺たちはキスをした。 欠けたピース
  • 9-339
    日陰の存在 「じゃあーこの問題は・・・っと、今日は12月20日だから、  出席番号20番の奴に答えてもらおうかな!」 20番・・・小山くんだ。 目の前の愛しい背中を、じっと見つめる。 「えー、20番は小山だな!小山、立てよー」 面倒くさそうに、少し照れながら立ち上がった小山くん。 居眠りしてたのか、右側の髪が、少しハネてる。 「えっと・・・」 急いで教科書をめくるけど、間に合わない。 「お、どうしたどうした?居眠りでもしてたのかー?」 笑顔で追い詰めるタナケン。 (タナケンは人気の先生だけど、ちょっとSなんだ。) ザワつく教室、囃し立てるクラスメイト。 小山くんは科学が大の苦手だもんね、きっと答えられないよ。 「───えっと、XXXの定理、XXの原理、です」 本当に答えられると思ってなかっ...
  • 13-339
    リバウンド 「あー太った」 「うんまぁ……確かに」 「これで何度目なんだろうなーははは……もうやだ死にてぇよ……」 「まあ落ち着け」 「充分落ち着いてるよ…!…お前のタイプって細身の人間だろ?ほら、あのCMに出てるアイドルみたいな」 「うん。ついでにおっぱいも大きかったらいいかな」 「ほれ見ろ。あーあ、俺もうどうすればいいか」 「確かに俺のタイプは細身でおっぱいの大きい子だけど、それとお前とは関係ないし、 何よりお前の見た目が変わっても俺の気持ちは変わらないから安心して太りなさい」 「……俺がダイエットに失敗するのはお前のせいだな」 「はは、かもね」 父の恋人
  • 19-339
    病的に偏執的 『何時に終わりますか 一緒に飯食いませんか』 携帯の画面に並ぶシンプルな文字、送信ボタンを押せば届いてしまう。 送っていいのか。この時間は駄目かも知れない。見ないだろうか。返事するのは手間だろうに。 こんなメールは迷惑だろう。 だいたい俺はしつこいのではないか、昨日も一緒に飯を食ったのに。 慢心。増長。よくない傾向だ。 俺と飯を食って楽しいわけもない。嫌がられているのではないか。 俺でいいのか。他にいるのではないか。会社のつきあいがあるのでは?それとも女の子? ……俺でいいのか?本当に? つきあいたいと言われた。 信じられない。俺はイケメンでも可愛くも、面白くもない、取り柄も何もない。 そう言ったら、健気だと、いつも頑張っている真面目なところがいいと、言われた。 見ててくれた? 俺のこと?……いやいや、良く見せようと飾っ...
  • 24-399-1
    死ぬまで愛してると、死ぬほど愛してる 「死ぬまで愛してる」 そういった草野は死んだ、トラックとキスして。 馬鹿な奴。相手のドライバー居眠りじゃないかってまぁそいつも死んじゃったワケだけど。 ああもう俺は誰を恨めばいいのかとか。 誰も恨まないで良いように草野が運転手まで連れてっちゃったのかとか。 もう8年も、瞼の裏には横断歩道の黒と白、それに本来加わるはずの無いお前の赤。 フラッシュバックがなんだお前に会えるなら安いもんだ。 トラウマがなんだ、俺はまだこんなにもお前を愛してる。 「死ぬまで愛してる」 そう言った草野。 難しいことを考えるのが嫌いだった草野。 なぁおい死ぬまでって、誰がだよ。俺かよお前かよ。 お前だったらもう8年も経っちゃってさ、乾パンだって期限切れるっつうの。 それとも俺が死ぬまでかよ、なんとか言えよ草野。 お前知らねえの?俺まだあ...
  • 18-339
    新米保育士×シングルファーザー 「くっらえー、フォースクラァーッシュ!」 「い、痛い痛い!」 うむ、見事な飛び蹴りだ。さすが俺の息子。 「見てないで助けてくださいよ!」 お前な、いくらペーペーとはいえまがりなりにも保育士だろう。子供に蹴られたくらいで泣いてどうするんだ。 「今の蹴りは、もう少し着地を華麗にすると完璧だった」 「はーい!」 「あおった!? 息子の暴力行為あおったよこの親! ……ぎゃー!」 お前バカだろ。その前モーションでラリアット飛んで来るの見え見えじゃんか。よけろよな。 こいつ絶対保育園でも子供にボール投げの的とかごっこ遊びの悪役にされてる。 体細いし顔も優しそうだし、カモだよな。いやまあ、実際優しいけどな。 「二人とも、そこまでだ。夕飯できたぞ」 「あ、はーい! 僕運びます!」 ボロボロになりながらも、あいつはすぐにすっ飛んできて食卓の...
  • 25-339
    嘘つき同士 「あ、リリコちゃんの写真集」 新刊コーナーで立ち止まられて、足を止める。 最近売り出し中のアイドルが表紙にでかでかと映った写真集が積まれていた。 物凄い目が大きくて人形みたいだが、目力が強過ぎて俺の好みじゃない。 「お前そんなギャル系好きだったっけ」 首を傾げる。 「前に女子が聞いた時、清楚な子が良いとか言ってなかった?」 「あー?……あーはいはい。アレね、ウソ」 「嘘ォ?」 そいつは無駄に綺麗な笑顔で、にっこりとこちらを見た。 いわゆるイケメンに属するこの男は女の子に事欠かない。 休み時間に恥ずかしげにこいつの異性の趣味を尋ねて来た少女たち。 彼女らの「そうなんだ!」という期待に満ちた声が、途端に虚しく聞こえた。 酷い話だ。 「だって清楚な子ならがっついて来ないでしょ?」 おいおい。溜息を吐いてしまった。 「イケメン様は大変だな」 「...
  • 16-339
    アスリートでライバル同士  その日、退部届けを出した。  玄関で靴を履いていると、いつの間にか杉田が俺のすぐ目の前に立っていた。  おい、まだ部活中の時間だろ? 陸上部期待のエースがこんなところで油売ってていいのかよ。 「なあ木下、お前……」  ぜいぜいと息を荒げているのは、きっと向こうのグラウンドから一直線に駆けてきたからなんだろう。  いつも後ろから見るしかなかった、流れるような綺麗なフォームで俺の所まで真っ直ぐに。 「ん?もう聞いたのか?」 「聞いたのか、じゃねーよ! 何で部活辞めちまうんだよ! もうすぐ県大会あるんだぞ! 俺とお前どっちが選手に選ばれるかって競い合ってた仲じゃねーか! なのに何で!」  真っ赤な顔で噛みつくように俺に向かって怒鳴る姿に、ああコイツ理由聞いてないんだなと気付くのは容易だった。 「……脚」 「え?」 「脚、怪我したん...
  • 10-339
    青信号×赤信号←黄信号 「お疲れ様でーす。お先に失礼!」 「…お疲れ様です」 赤信号の手を繋いで脳天気に挨拶をする青信号に呪詛を唱えるように 黄信号は挨拶を返した。 深夜になると交通量が減るこの道路では 黄信号のみが点滅していれば信号としての役割は事足りる。 交差点ではなく合流地帯になっているために 置かれている信号なんて大抵どこもそんなものだろう。 日中は青信号や赤信号と比べてあまり仕事がないのでこの深夜が 黄信号にとって働き時だ。 それには文句はないが、青信号が赤信号の手を繋いでいるのにはもの申したい。 普段なら素っ気なく青信号の手を振り払う赤信号も今日ばかりは思いため息をついて上の空だった。 赤信号のため息の原因は信号無視の結果起こった交通事故のせいだ。 急いでいたのか白の乗用車は信号が黄色になってもスピードを緩めず、 むしろ増す勢いで道路を突っ走...
  • 20-339
    家庭教師×生徒 なんでこんな最低教師に勉強を教わらなければならないのか。 受験間近の今、全国の受験生は最後のスパートにかかってるはずだ。 俺だってその例外じゃない。ないのにさぁ・・・。 「ため息ついてる暇があったら手ぇうごかしな」 そういって目の前の「先生」は傍らの茶を飲みほした。 やる気が全くと言っていいほどない。 俺が今やっている宿題は、俺の目指す高校からすれば正直簡単すぎる。 このダメ教師は、出された茶を飲み俺が宿題をやり終えるのを見届けて さっさと帰っていく。これでは金の無駄遣いだ。 「先生・・・他人事だと思って放置すんのいい加減やめてください」 「だって他人事だし」 こ の 脳 な し 教 師 ! いい加減むかっ腹が立ってきた俺に、先生は突然聞いてきた。 「お前なんであの高校目指すんだよ」 虚を突かれ、一瞬黙っ...
  • 11-339
    狭い密室で2人がぎゅうぎゅう詰め 「あ、暑ちぃ……」 八月のとある日。時刻は午後8時。青少年研修施設の菜園近く。 一畳ほどの物置の中で農具に囲まれながら、俺の右半身に密着した滝田が悪態をつく。 大人二人がやっと入れるくらいのそこは、まさに蒸し風呂だった。 大学二年目の夏休み。学生課で紹介されたアルバイトは、小学生のキャンプの引率。 お約束のイベント、ナイトハイクのオバケ役に俺と滝田以下数名が抜擢され(アミダで) 二人してここにぶち込まれた。 「ったくよー、やってられっかっつーの。クソあちぃ」 「だから二人で中にいなくたっていいって言ってるじゃない」 暑いも何も、一人ずつ交代で中に入るのを渋ったのは滝田だ。 俺は滝田の、わずかな明かりでもわかる上気した顔と、息苦しそうに呼吸する喉元を盗み見た。 そんな俺に気づかずに無意識に体を寄せてくる滝田がかわいくて、意地悪...
  • 28-339
    不細工な蜘蛛と真っ白い蝶  モンシロチョウのクリームがかった白い羽がホコリとガラス片にまみれて床に落ちていた。  どこにでもいる蝶で、小さくて、蜘蛛の巣にかかって暴れているところを捕まえたために 羽も傷んでいるそれは標本としての価値はもともと薄い。  けれどこの生物部に入って最初に作ったこの蝶の標本は、俺の宝物だった。  だからこそ食われたり湿気ったりしないように環境の整った理科室に置かせてもらっていたのに。 「久保田」  声とともに肩に置かれた手にびくりと体が跳ねる。いつの間にそこにいたのか、 同級生の葉桐がこちらを見下ろしていた。 「それ、誰がやったの」  答えず、また俯く。知っているくせに、という言葉は飲み込んだ。  知っているくせに。  俺が虐められているのも、その主犯がお前に片思いしてる女の子だってのも、 その理由がこうやってお綺麗なお前が正反対...
  • 22-339
    早熟なマセガキ 静かな住宅街に雀の鳴き声がチュンチュンとよく通る朝6時 「おっ! 真之、おはよう。今日も元気にバスケしているか?」 「あっ、おはようございます。悠佑さんこそすっかり試合モードじゃないかよ」 オレは悠佑さんに偶然を装って会った。もちろん今日が試合だってことはリサーチ済みだった 待ち構えるために試合開始時間と会場から計算して出発時間を割り出した。算数は嫌いだけど必死でやった 朝っぱらから相変わらずかっこいいなあ、うっとりする・・・悠佑さんは斜向かいに住んでいる大学3年生で、オレより11歳年上だ 「おっ、よく分かったな」 「分かるさ。オレは悠佑さんのことは全部知っているんだからね!」 「変なことを言うなって! お前はオレのストーカーか!」 悠佑さんはオレの髪の毛をくしゃくしゃして来た。悠佑さんの手はケイジャーらしくとても大きくて、とても強さを感じる ...
  • 26-339
    ロマンチスト系電波受け 「○市へ行こう!  そこで運命の恋人が待ってるんだ」 土曜日の朝、待ち合わせの時間ちょうどに俺の部屋にやってきた坂下は、開口一番そう言った。 「○市って……お前、今日は映画見に行くんじゃなかったのかよ」 「映画はいつでも見られるけど、運命の恋人は今日行かなきゃ会えないんだよ!」 「運命の恋人って言ってもなぁ。  お前先月も同じこと言って×市へ行ったけど、結局見つからなかったじゃないか」 「今度は絶対会えるって!  昨日夢で死んだばあちゃんがそう言ってたから間違いないよ」 「お前先月はじいさんに同じこと言われたって言ってなかったか?」 俺の冷静なツッコミに坂下はむっとしたように頬を膨らませる。 「もういいよ。一人で行くから」 「待て待て。  お前一人で行かせて、またいつかみたいに夜中に電車になくなったって呼び出されるくらいなら、最初か...
  • 23-339
    ネトウヨ×<丶`∀´> 俺はネット上での愛国保守情報戦に身を投じた真の日本人だ 法的にはニートと呼ばれる身分だがパソコンの前で護国の激務に勤しむ19歳だ 16歳のときから滅多に学校に行かずにニュー即+板や東亜+板での活動に奉職して来た 高校を卒業させて貰えたのは本当に奇跡だった。きっと靖国の英霊のご加護があったのだろう 先日はコンビニとマンガ・アニメ・ゲーム関係以外の用事で久しぶりに外出した 有明ビックサイトに行くためによく利用する臨海線に乗って向かった先はお台場 日本人なら誰もが支持する反フジテレビデモに参加するためだ 「韓流ドラマばかり流すなー! 放送局は公共性を考えろー!」 「韓国人タレントのゴリ押しは止めろー! 整形まみれのブサイクとブス揃いじゃねーか!」 晩秋の好天の下で大声を上げて、お手製のプラカードを掲げていい運動になった お手製のプラカードは某...
  • 21-339
    似合う女装×似合わない女装 まずは、二人に身長差があまりない事を前提に話を進めます。 シチュエーションは、そうですね……文化祭や体育祭などのベタなイベントで行きましょう。 片方は、完璧主義なので、すね毛等の無駄毛処理をこなした上で、メイド服を着込みます。 多少、ゴツゴツした印象は見られますが、後ろ姿や立ち姿は正に女性のよう。 それを見て、もう片方は己の姿を見ます。 すべてお座なりで、適当な出来栄え。 やっすい素材で出来た、ペラペラなセーラー服。 ムダ毛処理に失敗し、傷だらけの足を隠す為にはいた黒ニーソ、もしくは黒タイツが何だかエロいくらいで、残念な感じ。 それでも、祭りだしいいか、くらいで割り切ります。 さて、祭り当日。 攻めの完璧女装から、ナンパや隠し撮りが頻発。 更には、良からぬ事を企む輩――男子校内のミスコンに絡んでいたり、個人的な恨み...
  • 17-339
    無機物萌え 扇風機の場合 「僕なんかでいいのかな…今年は猛暑だし、クーラーくんの方がいいんじゃ…本当に?  はい、頑張ります!精一杯、風を送りますね!…え、僕ですか?僕は熱くても全然平気です!  ……。でもあの…一つだけ、お願いしてもいいですか?……あの…えーとですね……  その、あなたが、僕に向かってよく言う言葉の、その、続き……て、もしかしたらって…  …や、やっぱりいいです、僕の勘違いです。本当になんでもないです!すみません」 (僕に向かってあの人がよくやる「あーーーーー」は、愛してるの「あ」……そんなわけ、ないよなぁ…) 恋愛経験豊富な先輩×何もかも初めての後輩
  • 24-359
    オラネコ 僭越ながら萌え語らせてください。 行為に及ぶ時に積極的な受けということで。 いわゆるオラオラ系のオラネコではないかもしれないけど、見た目に反して性に貪欲な受けに萌える。 普段は無口でおとなしめ、周りからは自慰すらしないんじゃないかと思われてるけど、実は快楽に従順で 「好きな人には気持ちよくなって欲しいし気持ちよくして欲しい。そう思うことのどこがおかしい?」 みたいな考えの持ち主だといい。ある種の素直クールというべきか。 昔男娼みたいなことやってた影響で、という設定もありかもしれないが、素の状態でそれというのも捨てがたい。 できるだけ優しく紳士的にリードしようと思ってた攻めは、いきなり噛んだり舐めたり咥えたりをしてくる受けに驚くんだけど、 上記のようなことを言われて「なるほどある意味受けらしいや」と納得して、好きにさせてしまえばいい。 ...
  • 24-349
    墓まで持ってくつもりでしたが お前に話しておきたいことがある。 今しか言えない事だから、そんな嫌そうな顔すんなよ。 お前はただの友達だと思ってただろうけど、お前が俺に気付くずっと前から俺はお前の事が好きだった。 初めてお前と話をした時、緊張でうまく息が出来なかった。 お前が初めて俺を名前で呼んでくれたとき、その日は嬉しくて眠れなかった。 友達になれた日はこのまま死んでもいいと思ったし、 初めて手を繋いだ時も、それから好きだって言ってくれた瞬間は…っうわっ!!ちょ、やめろ!こっちは病人だぞ! …うん。何が言いたいかって言うと、お前が思ってる以上に俺はお前が好きなんだ。 お前の隠し撮り写真も持ってるし、食べ終わったアイスの棒も…っだから殴りかかるな! 告白したら、絶対お前嫌がるから、俺だってこの溢れんばかりの愛は、墓まで隠して持っていくつもりだったんだよ。...
  • 24-369
    背中合わせ 背中合わせの何があれって、「命預けた」感と、「俺はお前を信頼してるぜ」感だよね。 ライバルや親友、特に、クールな受と熱血漢な攻が背中合わせで戦うとか、まじでご褒美です。 ツンデレ上司が、わんこ部下に「俺の背中は、お前にしか預けられないな」とか言われたら、見てるこっちも、一生その上司について行きたくなる。 背中合わせは燃えるし萌える。 あと、別れとか背徳的な関係もいい。 背中合わせになった瞬間、互いの気持ちを吐き出すんだ。 それも結婚前夜にだぜ。 もしくは、身分違いで両片想いの二人が、襖や扉越しに背中合わせになって告白。 これは、王様逃がしたい家臣でも、恋人逃がしたい王様でもいい。 つまり、背中合わせの可能性は無限だってこと。 背中合わせ
  • 7-339-1
    メガネクール受け メガネと言えばクール、これ結構鉄板 しかも受け、となるとやんちゃ年下攻めとか包容力ある紳士攻めが沸いて来ます 会社員なら年下上司攻め辺りとも相性が良いです そしてクールは脆い内面を隠す仮面だったり、対人関係処理の下手さの裏返しだったりも、 あるあるあるある100人に聞きました、なのです しかしメガネクール攻めとはイマイチな相性なようです これはクールインフレが発生するから、が主説ですが その実は、キスの時にメガネがぶつかるから説も有力です え?ガキみたいな事を言わず、顔を傾ければいいじゃないか? もっともです が、あくまでも相手が顔を傾けるのを待つクールさ、これは捨てがたい! いっそ、がっつんがっつんフレームぶつけてYOU、キスしちゃいなyo!とも思いますが如何でしょう しかし最近はメガネクール受という名のツンデレ族もいます と...
  • 24-379
    キャリアとノンキャリア 「近田の絵はいいな」 そう言った森村の言葉を素直に受け取れないのは、僕が美大も専門も出ておらず、彼の磨かれた技術と深い知識とついでにいうなら生い立ちや家柄に憧れているからに過ぎなかった。強烈に。 幼い頃から美しく価値の高いものに囲まれてきたであろう森村の作品は、感情をぶつけるだけの僕の抽象画もどきとは一線を画すものだった。 彼のような絵が描けたら、そんなことばかりを考えていた。 「森村。君には、この絵が何に見える」 そう問いかけてきた近田に対し口を噤んでしまったのは、僕がその溢れ出る芸術性を上辺でしか理解できないからに過ぎなかった。どうしても。 近田の描く絵には禍々しさと清々しさとが同居して、それは見るものの心によってその時々に姿を変えた。 箱庭や温室の中で育ってきた自分には持ち得ない、壮絶な個性と魅力だった。 今も目の前で描きあげられ...
  • 24-389
    モブキャラ×当て馬 「こんにちは」 「誰だっけ、あんた。……ってああ、思い出した。ごめんごめん」 「慣れてます。俺、誰だっけってよく言われますから」 「だからごめんって」 「名前、あるんですけどね。呼ばれないから。あなたが羨ましいです、名乗り呼ばれる名前があって」 「そうかあ?登場しただけで邪魔者扱いで嫌われ者なんて、うんざりするけどな」 「俺はそういう感情すら向けられませんから。あなたが羨ましい」 「僕からしたら、あんたの方が羨ましいよ」 「なぜ」 「そういう感情を向けられないから。憎まれるとか目の敵にされるとか拒絶されるのってしんどいよ?  片方は、一応でも好きになった相手なんだからさ。振られるとわかってても」 「あなたはそれでも、あの人を好きなのをやめなかった」 「そりゃあね。僕は最初からアイツに振られるために、アイツとあの野郎の絆を深めるために、 ...
  • 24-319
    フェラにまつわるエトセトラ エトセトラですねー。 まあ、先ずはごっくん。 無理矢理飲ませるのは、鬼畜攻めは勿論、ピュアなヤンデレにも任せてみましょう。「僕の命たちが君の全身に廻ってるって考えるだけで嬉しい…」受けはこの辺から攻めの異常に気付いてる、けど離れたくない…ヤンデレ×ヤンデルいいよね。 次は、顔射。 エロばか×ツンデレ。 「やべーエロい!一度したかったんだよね!」「ふざけんな!」こんなやり取りは素敵だ。あと、この時の受けは色黒であってほしい。何でかって?分かるだろ。 最後に、受けが無理矢理。小悪魔→←真面目。 「ヤっていいんだよ?ほら、おっきくなった。だから、体だけでいいから…」って泣きそうに迫りなよ。幸せになれよ、すれ違いハッピーエンド万歳。 あと番外編では、バカップルのいちゃつきで読みたいな。ないんだよね、抜きっこはあっても、ふぇ...
  • 24-309
    余命半年 こんちわーっす。あ、初めまして。唐突ですがキミ、あと半年の命でーす。…はん?俺? あー俺ね、死神。 ………ダウトってなに! うっわぁ、んな無表情で俺の存在完全否定したのはキミが初めてだよ。部屋にいきなり現れたんだからちょっとはさ……ちょ、おいどこ行くの。えっ…………… …………ああはいこりゃわざわざどーも……じゃねーよ。死神っつったらリンゴだと思ったら大間違いだからな。やれやれみたいな顔すんな腹立つ。 つかお前、あと半年だよ?なんかリアクション無いの? ………んえ、知ってた? えー…最近の医者は有能だねぇ……… まあ逝く時はサクっとヤッたげるから安心してよ。 え?何言ってんの?人間は一人じゃ勝手に死ねないよ? だから俺らがいるんじゃん、さくっと介錯するためにさ。だいじょーぶ痛くない事に定評あるから、俺。 そんじゃま、どーでも...
  • 24-329
    低身長×高身長 俺の彼氏は可愛くてかっこいい。 しかも頭もよくて女の子にも評判がいいんだ。 反対に俺は無駄に高い身長と赤っぽくなってる地毛のせいで怖がられる上に頭も悪い。 なんで俺なんかと付き合ってくれてるのかいつも不思議に思う。 「俺なんかアキトに釣り合わないよな」 溜め息と共に何となく出た言葉にアキトはほっぺたをプクッと膨らませた。 「何言ってんの?こーちゃんは可愛いよ!」 こんなでかぶつのどこが可愛いんだ。アキトの方が数倍も数十倍も可愛いのに。 そう言うとアキトは俺の腕を引っ張り少し背伸びをした。 「こーちゃんの可愛いとこは僕だけが知ってるんだよ、誰にも見せたくないよ」 背伸びをしているため少しだけアキトの顔が近く見えて鼓動が高鳴った。 なんか恥ずかしくなり顔が熱い。 たぶん耳まで赤くなってるだろう。 アキトはちょっとだけ笑うと俺の頬を撫でた。 「...
  • 6-339-1
    ロボット×人間 「ごめん、ごめんな…。」 お前の気持ちが恐かった。 …いや、『気持ち』としてプログラムされているという事実が。 何が起きても穏やかな笑顔で俺に「愛しています」と囁く不変さが。 後悔なんて、死ぬほどしている。 それでも俺は他の選択肢を選ぶことなんてできなかったし、もしやり直せたとしても、選べない。 横たわって目を瞑り、充電しているお前に足音を忍ばせて近寄った俺に「いいですよ」と一言言ったお前。 …穏やかにふんわりと笑いながら。 「ごめん、ごめんな…。」 熱を失いつつある、人の皮膚そっくりに作られた人工皮膚のお前の頬は、俺の涙を吸わずに俺の腿へ伝えた。 ボロ負け
  • 8-339-1
    ひげ じょりじょり…… 「……」 じょりじょりじょり…… 「……」 後ろから俺のことを抱きしめる男は、無精ひげの生えたあごをしつこく俺のほほに擦りつけてくる。 耐えかねて俺は、勢い付いて振り返り、噛み付くように男に言った。 「おい!お前いい加減やめろよな!暑苦しい!それに痒いんだよ!」 「ふふ……。そんなこと言われたら傷ついちゃうな、オレ。」 全く傷ついてない調子で男は言う。 「宮野。宮野はオレだけのものだよ。他の誰にもこんなことさせちゃダメだからね。」 こいつ、むかつく。俺がこいつから離れられるわけがない。それをわかっててこんなこと言ってきやがる。 だったら、お前はどうなんだ。 こいつの甘いところ、優しいところ、さらっと恥ずかしいこと言ってのけることろ。 好きだけど。悪い気はしないけど、不安になる。 お前こそ、別のところで、別のヤツに同じようなことやっ...
  • 24-329-1
    低身長×高身長 君に関する僕の特権。 一つ。抱きつくと君の心臓の音が聞けること。 触れるたび君が生きてる証拠を聞けるなんて最高だ。 君は僕らが抱きしめあうと僕がコアラ状態になることを気にしてるみたいだけど、僕は君に抱きしめられ るのが好きだから、全く問題ないんだよ。 二つ。キスするときに背伸びできること。 男の身に生まれながら、彼氏にキスするときのオンナノコゴコロを味わえるなんて、なかなかお得な人生 じゃないか? 少なくとも僕はそう思っているよ。 散々恥じらってから僕のために屈んでくれる君のキスを待つのも大好きだ。 三つ。セックスのときに君のやさしさを全身で感じられること。 重いから、っていつも下になって、でも無反応はいけないって、いつも一生懸命応えてくれる君が、僕は いとおしくてたまらない。とても、とても恥ずかしがりやの君なのに。 不慣れ...
  • 24-369-2
    背中合わせ 扉をぶち破った俺の目に飛び込んできたのは、剥き出しの背中に焼印を押し付けられている彼の姿だった。 「他人の背中というものは、こんなにも温かかったのですね」 彼はそう言って、こちらに身体を傾けてきた。 俺は少しだけ前のめりになったが、ぐっと腹に力を入れて押し留まる。 すると彼はくすくす笑いながら、更に体重をかけてくる。まるで子供がふざけているようだ。 「おい」 軽く諌めると、背中から「すみません」と苦笑交じりの声が返って来た。 「こういう事は初めてなものですから、とても新鮮で」 「俺だってこんな状況ねえよ」 男二人、後ろ手に縛られてまとめて鎖でぐるぐる巻きに拘束される状況など。 目の前にある鉄の扉に思い切り蹴りを入れた。当たり前だがびくともせず、足に痺れがはしる。 全身に力を込めてみたが、鎖の戒めが緩むこともなかった。人の身ではどうすることも...
  • 24-369-1
    背中合わせ 「あらら、見事に囲まれてんな、俺ら」 「ざっと20頭はいますね。しかもみんな尻尾が赤いですよ。  レッドテイルキメラ、キメラの中でも一番どう猛な種類ですね」 「この辺りにはツノツノネズミしかいないって情報、やっぱりガセだったか。  どうもうさんくさいと思ったんだよな、あの商人…」 「まんまとはめられてしまいましたね。貴方は喧嘩っ早くて  すぐ手が出るからあちこちで恨みを買っていますものね」 「恨みを買ってるのはあちこちで毒舌吐きまくってるお前の方じゃねーの?」 「僕は正しいと思うことを正しい表現で伝えているだけですよ……って、  その話は後にした方が良さそうですね。 「だな。んじゃ、俺の右手の方向が若干手薄っぽいからあそこを突破しようぜ。  合図したら突っ込むから魔法で援護頼むわ」 「それはいいですけど、えーと、その…腰の方は大丈夫ですか?  ...
  • 12.5-339-1
    水の中 水の中では、僕らに言葉は要らなかった。 ただ泳いでれば、水は僕とアイツを繋いでいて、言葉を使わないで互いを分かり合えた。 「俺、水泳辞める」 「え、何で」 高校からの帰り道、唐突に天野は言った。いつもみたいに、ぶっきらぼうな声で。 あんまりあっさりと言うもんだから、僕の耳がおかしくなってしまったのかと思ってしまった。 小さい頃からあんなに水泳好きだったのに。なんで辞めるなんて言うんだろう。 「何でだよ」 立ち止まった僕から数歩歩いて、天野は振り向いた。 よくわからない、恥ずかしそうな、気まずそうな複雑な顔をしていた。 「お前は、大会とか行きたいんだろ」 「うん」 「俺は、そういうの、思ってなくて、ただ、水泳が好きなだけで、泳げれば、それでいい」 口下手な天野は、ちょっとずつ考えながら言葉をつむいでいる。 「うん、知ってる」 昔から、天野...
  • 4-399
    落ち込んでるで。 がっくりと落ちた肩に重苦しいため息。 そろそろ布団に入ろうかと思っていた矢先、激しく叩かれるドアに何事かと思い、 扉を開けばコンビニ袋を片手に下げて項垂れた彼の姿。 慌てて家の中に招き入れるも、敷かれた布団の上に座り込むなりうんともすんとも言やしない。 出そうな欠伸を噛み殺し、じっと相手の出方を待つも一向に何かが起こる気配はない。 どこか哀愁を漂わせる丸まった背中と、中途半端に染まった茶髪頭が時折微かに揺れる。 いつも屈託なく、馬鹿のように笑う顔が今どんな表情を浮かべているのかは、全くもってうかがえない。 少し居た堪れなくなって、相手の隣に自分もどかりと胡坐をかいた。 そして試しに頭をわしゃわしゃとかき混ぜてみたが、嫌がる素振りすら見せようとしない。 「なあ、どうしたん? 黙ってても俺、エスパーちゃうからわからんで」 初めて見た一面に、...
  • 14-399
    いじめっこ勇者×いじめられっこ魔法使い 「かっ、勝った」 嬉しそうに喜ぶヒマワリの頭を叩く。 「痛い!」 「サポートが遅い」 俺の言葉に頬を膨らませる。男の割に童顔の顔が更に幼く見える。 「ちゃんと炎溶の魔法は当てたじゃないですか」 「゛やっと゛だろ。言い直せ」 炎溶の魔法が背中に当たるのは過去に三度。 「むぅ」 「魔法は当てるのが当たり前だ。息絶えてぐったりしてるの当てても意味ないだろ」 経験値もちゃっかりヒマワリが獲得している。今までの文字通り身を削る攻防を返して欲しい。 「ペナルティ。今日も飯と洗濯の当番な」 これで3週間連続でヒマワリが当番だ。 「勇者様の意地悪」 三つ編みされた茶色い髪が揺れる。 魔力は髪に宿る。ある程度、長髪の方が魔力を蓄え、コントロールするに適している。シルクのようにさらさらで、ほんのり甘い匂いがする。 夜、見張りをして...
  • 24-439
    いくら俺が鈍くても気づく 好きだと言われるまで、貴方が俺のことを好いているなんて思いもしなかった。 驚きのあまり固まってしまった俺を見て、貴方は言った。 「あんだけモーションかけてたのに気づかないとは、お前は鈍いなぁ」 そう笑いながら抱き締められた貴方の腕のなかで、 俺はようやく自分の中に恋心が芽生えているのを知った。 酷い夕立にあい、駅で立ち往生していると、 のっそりと此方へやってくる貴方の姿が見えた。 そんな筈はないと訝しげに顔を歪めた俺を見て、貴方は言った。 「居るはずがないって思っただろう? 俺がどれだけお前のこと考えているのか気づかないとは、お前は鈍いなぁ」 そう笑いながら俺を傘の中に迎え入れた貴方の体温を感じて、 俺はようやく貴方に思われることの喜びを知った。 熱にうなされ、苦しさのあまり寝るに寝れない状態に陥っていた。 ふと物音が...
  • 24-839
    お前の方がかわいいよ  ぎゅう、と正面から抱きつかれ、俺はのけぞった。 「ゆーすけ君マジかわいい」  抱き潰すつもりかと思うほどにぎゅうぎゅうと締められる。痛い痛い。マジで痛い。 「あっ、ご、ごめんね」  抗議の声を上げればあっさりと腕は離れていった。  それでも顔は近いままで、その表情はといえばまるで飼い主に叱られた犬を連想させる、哀れっぽい感じのものだ。 「痛えよ」 「うん……ごめんね、ゆーすけ君」  幼馴染みのコイツは、同い年にも関わらず俺より20cmも背が高い。  どこで差がついたのか分からないが、多分、遺伝だろう。  そういう事にでもしておかないと理不尽な怒りがふつふつとこう、頭を擡げてくるので仕方ない。  なんで俺はこいつより背が高くならなかったんだ、と。 「分かってんならいい」 「……うん!」  ほら、と腕を広げ...
  • 24-739
    古傷  足首の付け根に巻かれた包帯から垣間見える、痛々しい傷跡にそっと触れる。 琢磨は身体を強張らせ、ぐっと目を細めた。徹はその様子を眺めながら、苦虫を噛み潰したような顔を見せる。 「痛い?」 「痛くは、ないけど。お前に触れられると、熱くなる」 「……そっか」 白い羽根のような微笑だと、徹は思った。 この傷をつけたのは自分なのに、咎めようとしない彼の優しさは、極稀に徹を締め付ける。 いとおしげに傷がある部分をゆっくりと撫で、くちづける。 「んっ」 普段聞かせないような甘い声。 ふと、傷跡は他の部分よりも敏感なのだと言われたことを徹は思い出していた。 「この傷がある限り、ずっと傍におるから」 そう言って睨みつけるように、じっと傷跡を眺める。 すると頭上から琢磨がなあ、と声をかけてきた。顔をあげる...
  • 24-539
    鶴×亀 「許されないな」 「許されないねえ」 「いい加減結ばれたい、よな?」 「そうだなぁ、結ばれたいねぇ」 「…世界中にさ、俺とお前しかいなければよかったのに」 「それは、僕ら産まれてこれないでしょうよ」 「でも、世界中に俺と、お前だけだったら…俺たちは、」 「出たよネガティブww泣かないでよ、せっかく整ってんだから。ほら凛として」 「俺は…お前だけいれば…」 「うん、わかってる」 「……」グス 「……しょうがないなぁ、長生きでもしてみるかぁ」 「………?」 「世界で二人きりになれるその日まで、さ」 「す、する!」 「先は長いなぁ」 「千年ぐらい、かな」 「一万年ぐらいかもねぇ。浮気しないでよ?ww」 「しねえよ!お前こそ!」 「しないよ、お前が飛ぶのを見てる、ちゃんと。いつでも」 「絶対だぞ!」 ...
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