*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「24-849」で検索した結果

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  • 24-849
    高額賞金首と賞金稼ぎ その世界は全てにおいて貧しかった。 警備隊が腐敗、自警団が役立たずの代名詞として謗られる世で、 唯一発展を遂げたのがハンターギルドと呼ばれる組織だった。 どんな軽犯罪でも、どんな貧乏人でも、報酬らしきものを用意すれば誰でも憎い相手を賞金首として手配できる。 ギルドに登録されたハンターが、その報酬のために人を狩る。 依頼者とハンターの間に立つ、情報を統括する中継ぎ人として、それは存在していた。 「旦那ー」 「………………」 「腹減ったぁー。ひもじいよ、旦那ぁ」 「…………うるさい」 体を引きずるようにだらだらと歩いている男に力のこもらない苛立ちをぶつける。 もう数日、何も食べないまま歩き続けていた。 果てしない荒野の中、思い出したようにぽつぽつと点在する町までまだ距離がある。 「やばいよ旦那。今度こそ年貢...
  • 4-849
    誕生日がクリスマス 「なあなあ、何で俺のこと好きになったの?」 「いいじゃん、そんなこと」 「良くないって」 「やだ、笑うから」 「笑わない、ホント、笑わないから」 「…お前がね」 「うん」 「誕生日に、おめでとうって言ってくれたから」 「…は?」 「誕生日、おめでとう…って言ってくれたから!俺、あんま、言われたことなくってさ、だから」 「…馬鹿だなあ」 「あ、ほら笑ってんじゃん!」 「お前の誕生日におめでとうって言わないで、いつ言うの?」 「だって、俺の誕生日ってクリスマスだろ?だから、こう…忘れないでいてくれたのがさあ…。会ってから、五年目くらいにそれに気付いた時にさ…なんての?嬉しいのと…甘ったるくって胸の内側が痒くなったのよ」 「…馬鹿だなあ」 「馬鹿馬鹿言うな」 「だって馬鹿だろう?」 「なんでだよ?」 「お前の誕生日はお前の誕生日以...
  • 14-849
    筋肉に憧れる小柄で華奢な少年が攻め 「…なによ」 「いや」 視線を感じて振り向いた俺に慌てる様子もなく、奴は少し不機嫌そうな顔で、首を傾げた。 「相変わらず、マッチョだなーと」 「悪いかよ」 「むしろ羨ましい」 俺、つかない体質だろ。そう言って、またふてくされたようにパソコンに向き直っている。 画面は流行りのネットゲーム。奴のアバターはガタイのいい狩人。 「なんでそんなにこだわるんだ?」 マッチョと称された俺的には、結構どうでもいいのだ。 部活をやってれば嫌でもつくが、正直バランスが悪い。着たい服も限られる。 こう挙げてみると、案外不満あるな。 そんな旨を語ると、奴は再び俺に向き直った。 「ガキに見られたくないのがひとつ」 あー。茶髪にしたら補導されかけたこともあったっけ。頷く。 「オタクだと思われたくないのがひとつ」 なるほど、ヒョロい=オタクだ...
  • 25-849
    恋のライバル同士だったのに 849 「なあ、聞けよって」 「だから聞いてんじゃん、そんで」 見るともなく眺めているだけの雑誌から視線を上げずに答えると、○○はめげた様子もなく再び口を開いた。 窓の外では重く垂れこめた雲が日の光を遮って、辺り一面に夜の気配が漂っている。 凍った天から吹き降ろす寒風がフローリングの床に滲み渡っている所為で何時まで経ってもヒーターの電源を落とせない。 最後に頭痛薬を飲んで何時間になるだろうか。 痛み出した米神に手をやりながらローテーブルに置いた目覚まし時計を横目に見た。 「マジうけるよな、ホント訳分かんねー」 「…お前ホント、最近アイツの話ばっかりね」 「はは、妬いてんの」 妬いてんだよ、と勢いそう返しかけて、すっかり冷えたコーヒーと共に言葉を飲み込む。 人の気も知らずに全く能天気なものだ。 呆れて出た溜息をどう...
  • 2-849
    ほら吹きx素直 「でさあ、俺、昨日そのテレビに出てた歌手とマジで仲良くて!  これ誰にも言うなよ。実は、先週もオシノビで飲んで来たんだって」 「そっか。お前は本当に人脈が広いな」 本当は、ウソ。歌手の知り合いなんて一人もいないし、 今話題に出てる歌手なんて歌を1曲2曲聴いたことがあるだけだ。 …でも、何でかポンポンと口をついて出てきてしまう 「お前にも今度会わせてやるよ。そうだ、ライブ裏だって入れるんだぜ。  ただ地方に行かないと顔割れちゃうからムリだけど」 そっか。楽しみだなあ。と目を細めたこいつの笑顔がツキリとどこかに突き刺さった。 「俺はその歌手はよく知らないけれど、お前の友達だったらきっと良い曲なんだろうな。  今度会えた時に失礼しないために、CD買って予習しておくよ」 ツキリ、が再び胸を襲った。眉...
  • 9-849
    小学生の息子×父親 「絶対今日を逃したらだめだよね。来週の日曜日にまた風が強いとは限らないよ!」 お父さんが、うれしそうに言いながら玄関の戸を開けた。 絶対暗くなるまでには帰ってくるのよ!お母さんの声を背中に受けながら、 鋭い音をたてる北風の中に、ぼくとお父さんは飛びだしてゆく。 お父さんが脇に抱えたゲラカイトが風を切る。走るとほっぺが冷たいけど つないだお父さんの手があたたかいから全然気にならない。 お父さんは毎週日曜日には、ぼくと絶対絶対遊んでくれる。クラスの友だちは、 日曜日、朝寝坊してるお父さんは、首にラリアットしても起きないから困ると 愚痴ってたけど、ぼくのお父さんに限っては絶対そんなことない。 お父さんと遊べる日曜がぼくは大好きだ。 近所の河原でカイトを飛ばすのは、風が強い日にやろうねってお父さんと ずっと約束してたことの一つだ。まずはお手本って...
  • 5-849
    これは夢だ 夢だ。 これは夢だ。 お前が、いつも女のケツを追っかけまわしてばかりのお前が俺の前に立っているなんて。 ましてや俺の手を握ったまま顔を赤くして立ち尽くしているなんて。 おいおいお前自称ヒャクセンレンマっつってたじゃねーか(どう考えてもカタカナ発音だったが)。 どこの純情少年だその反応は。 いや、そうじゃなくてな。 俺はお前の好きなオンナノコじゃないぞ。 俺はお前の親友で幼馴染でお前の女癖の悪さを口うるさく注意する男だぞ。 ・・・お前を、ずっと前から好きだった男だぞ。 驚いた顔してんな。まあそりゃそうだ。顔に出したことねーからな。 でも、本当の話だ。 お前は俺が友人の悪癖を心配してくれていると思ってたんだろうけどよ、俺はいつもお前の口説く女の子達に嫉妬していたよ。 俺は、いつでも振られて俺の所へ飲みに来るお前を見て安心していたんだよ。・・・良い...
  • 1-849
    「桜に攫われるかと思った……」 HEY!YO!!俺サマ陽気で小粋な春の妖精ッ!YO!SAY!でも構わないぜベイベ! 今年はうっかり寝坊しちゃった俺サマ!急いで日本各地に春をお届けするぜコン畜生!Yeah!! それそれそーれ!桜よ起きな!俺サマと同じようにネボスケさんしてんじゃねぇぜ! おうおう、起きたか?綺麗に咲かせたかァ? Oh!いいねー、いいねー、今年のお前らすっげぇイイよ。咲きたくて咲きたくてウズウズしてたんだな? 何?我慢出来なくて自分で咲いちゃったヤツもいるって?早漏かよ!! エロイねヲイヲイ!でもそんなお前ら大好きだぜ!Yeah! んぁ?何?好きなら春の国に帰らないでくれって? どうしたんだよ、早咲きのソメイヨシノ君。俺サマはいつも遠くからお前達を見守っ…… ぶわぁああーー! こらてめぇ!花びら一気に散らすなオイ!俺サマちいせぇんだから攫...
  • 7-849
    さいたま 「なぁ、俺らどうなんの?」 暗い雰囲気の中発せられた言葉に、浦和と大宮は何も答えなかった。 それもそうだ。 今まで慣れ親しんできたこの地をもうすぐ離れなければならないのだから。 自分たちが築き上げたものを、 どこの誰ともわからないヤツに横取りされるだなんてまっぴらごめんだった。 「ちくしょうっ……!なんであんなヤツに……!! 俺たち三人でうまくいってたのに今更なんなんだよっ!!!」 与野はそう叫ぶと壁にクッションを投げつけた。 「でも…これ以上はどうしようもないよ。僕たちでどうにかなる話じゃない」 大宮が宥めるようにそう言い、浦和は床に落ちたクッションを拾い上げる。 既に二人は諦めてかけていて、 自分だけがこんなにも必死なのだと思うと、与野は悔しくて涙が出た。 しばらく無言が続くと、 ガチャ、と扉を開けてさいたまが入ってきた。 「...
  • 3-849
    妖怪 電車を来るのを待っているため、自動販売機の近くにある汚いベンチに座って 俺は「萌える妖怪」という本を読んでいた。勿論カバーだけは外国の何だか有名な 哲学の本のカバーに変えている。何たって美しい俺が「萌える妖怪」なんて読んで いるなんてこの状況に相応しくない。こう、目が隠れる程に前髪が長い美少年が 憂い表情で読書っていう素晴らしい組み合わせに人間どもはこちらをちらちらと 見て通り過ぎていく。そうそう、もっと俺の美しさを見ろ。感嘆しろ。そして敗北しな! そんなこと微塵も考えてません、な潔癖そうな顔で「萌える妖怪」を読み続ける。何しろ最近の 人間達の流行りはオタクらしい。俺が妖怪だなんてバレないようにきちんと最新の 情報を仕入れないとなあと思い、この本を購入した。これの他にも、やたらと目が 大きくて頬を染めた少女が表紙の漫画が大量に置いてあったが、あちらは多分上...
  • 6-849
    ドアをはさんで背中合わせ 聞いてくれよ、とあいつが言う 帰れよ、と言う俺の声は震えていた 「誤解だって…」 勘のいい奴。 俺は何も言っていないのに ただ、暫く顔も見たくない、と言っただけなのに そして 本当は帰って欲しくなんか無いことも 奴には分かっているんだ 大きな溜め息が、ドア越しなのに聞こえて 「俺は、ここにいるから…」 おまえの気が済むまで。 金属のドアは、あいつの体温を伝えてくる 信じていない訳じゃない ただ苦しくて …抱き合って、誤魔化して笑えない痛みがあって それなのにあいつが必要で あとどのくらい、俺達は一緒にいれるのだろう 俺の体温を、おまえはいつまで感じてくれるのだろう おまえを感じる、背中が痛い …この痛みも、伝わるっているのだろうか? ドアをはさんで背中合わせ
  • 8-849
    木枯らしが吹いたので決心しました 会社を出た途端に吹き抜ける風に、スーツの胸元を押さえ、お世辞にも 小さいとは言えない体を屈めた。 いくら東京に出て何年も過ぎたとは言え、沖縄出身の俺。 晩秋の寒さは未だに慣れる事が出来ないでいる。 駅まで続く道を歩けば、屋台のおでん屋が旨そうな匂いを放っている。 学生時代には苦くて仕方なかったビールも飲めるようになったし、 いつの間にか日本酒の旨さも覚えた。 空にはほんの少しの星。あの形はオリオン座だろうか。 肌寒さもあいまって、ふとあいつに会いたくなった。 東京に出て初めての冬、ようやく有難みを知ったあいつに。 沖縄にいた頃は邪険にしてしまって、優しさと暖かさに目を背けていた 自分は今思えばどうしようもない子供だったのだろう。 胸ポケットから取り出した携帯電話でも 滅多に押す事のないナンバーを押して音に耳を傾ける。...
  • 4-889
    880とカメダにGJ!とささやきつつ、踏まれます。 4-889 「カメダ、ホントにグッジョブだよな~うま~」 カメダのかきピーを頬張りながらそう呟く俺の背中に、突然どさ りと何かが降って来た。 「いってぇ!何すんだよ!?」 床にうつぶせている俺の背中に、達哉のケツが乗っかっている。 「お前が掃除しないからだろ。何もしないんだったら座椅子 にでもなってろ。あー疲れた」 俺の幼馴染み・達哉は、異様な程の潔癖性だ。 大雑把でものぐさな俺とは全く正反対なのだが、だからこそ気 が合うのかもしれない。俺のアパートに遊びに来ると、あまり の散らかりように文句を言いつつも毎回掃除して帰って行く。 「またかきピーの袋溜めてる!!」 達哉は俺をにらみつけながら天板の上の大量の空き袋をゴミ 袋に放り込んだ。 ホントこいつ掃除好きなんだな… 俺の背中に腰掛けながらも、...
  • 15-849
    ナルシスト攻め苦労人受け ベタな設定というやつが自分は大好きです。 例えばなんですが、逃げた親が作った借金があって、 しかも弟たちを5人くらい抱えて、自分の収入は全部家につぎ込んで、 けなげに学校をやめて働いている青年がいるとします。 彼は若いのでちゃんとした会社に就職も出来ず、 掛け持ちでたくさんのバイトをしています。 その中の会社のひとつに、苦労知らずの勘違い二代目の男がいます。 自分大好き男なので、周りからは煙たがられているのですが、 誰もそれを指摘してくれる人はいません。 苦労青年は真面目で正直なので、ある日、クビになるのを覚悟で 彼をどなりつけます。はじめはびっくりする二代目でしたが、 そんなことを言ってくれた人はいなかったので、彼のことが気にいってしまいます。 最初はからかい半分で青年を口説...
  • 27-849
    お兄ちゃんと呼ばないで 「やっほー。お邪魔するよー勉強教えてくれ」 「嫌だ」 要求を一言で拒否すると、ええ、と背後で大袈裟な声が上がった。 それでもそいつは出て行こうとはしないで、駆け寄ってきて俺の首にしがみつく。重い。 ノートに数式を書き付ける手を止めて、渋々俺は振り返った。 毎朝懸命に撫で付けている焦げ茶色の癖っ毛、愛嬌のある顔。亡母譲りで真っ黒けな硬い髪と、父親譲りで強面気味な俺とは全く違う。 「あのな、けーすけ。お前がテスト前ってことは俺もテスト前なの。人の面倒見てる暇ないんだよ」 「そう言わずにさー、頼むよおにーちゃん」 「おにーちゃん言うな、気色悪い」 「ひっでー。そういうこと言っちゃう?」 「言う。俺は憚らず言うね」 こんにゃろう、と圭介が俺の首に圧力をかける。 たまらず椅子から転げ落ちて、俺は圭介の腹に手をつく。ぐえ、と呻くのは完全に自業自...
  • 22-849
    貿易港そばのグラウンド あの頃、港町は猥雑で、グラウンドの金網の向こうからは常に湿った風が吹き荒れていた。 グラウンドは四角に仕切られただけのただ広い空間で、古びたバスケットゴールがわびしげに佇んでいる。 幾つものネオンが港に瞬く頃、グラウンドで遊ぶ子どもらは段々とその姿を消していき、最後にはひとりの少年だけが残る。 少年は俺だ。唇を噛みしめている。 燃えるような夕日を、落ちてくる夕闇を、親の仇のように鋭く睨みつけている。 俺が宇宙人と出会ったのは、そんな繰り返しの日常の中だった。 無人のグラウンドに色濃く落ちた影に視線をうつして、俺はいつものように数を唱えている。 ゆっくり百まで数えたら家へ帰ることにしていた。 六十過ぎまで数えたころだったろうか、ふと背後から物音が聞こえた。はっとして振り返ると、ひとりの少年が怯えたように立ち竦んでいる。 年の頃は俺と同じ...
  • 20-849
    彼のことを、知り合いの誰もが知っているのに僕は知らない ――彼は、僕と同じクラスに居るらしい 同じクラスに居るというのに、僕は未だに『彼』が誰だか分からない。 友達は皆話をはぐらかすから、噂話を盗み聞くしか僕に『彼』の情報を手に入れる手段は無い。 彼のことを思うと、胸がチクリと痛む。 ――彼は、天然ボケらしい 天然ボケなんてクラスに居ただろうか。思い当たる人物はいない。 そもそも天然ボケってのがなんなのかよく分からない。 そもそもここは特進クラスだ。頭の悪いやつなんかいる訳ないのだが… ――彼は、アイツに下の名前で呼ばれているらしい 正直、うらやましくて仕方が無い。 僕は何度心の中でアイツを名前で呼んだことか。 けれどいざ、アイツの前に立つと照れてしまって結局名字で呼んでしまうのだ。 ――アイツは、...
  • 18-849
    同性結婚 「結婚して下さい!」  プロポーズされた。  街中で、しかも知らない男から。 「…は?」 「あ、っと違った、結婚を前提にお付き合いをしてください!」  ちょっと睨んだにも拘らず、やけにさわやかなイケメンはそう言って俺に手を差し出してくる。なんだそれ握手しろとでもいうのか。反射的に握りそうになっただろ危ない危ない。  俺はそのイケメンの面を見た。イケメンは目をきらきらさせて俺を見つめている。その瞳には一筋の曇りもなかった。  俺は俺の格好を見た。おろしたてではないが普通にスーツ。ついでに俺は女顔では決してない。身長もこういってはなんだが日本人離れしているし、友人曰く俺は憎らしいほどたいそうなイケメンだそうである。  ああなるほど。 「ただの残念な奴か」 「えっ、ちょ、違います!違いますって――」  なにかまだわめく奴に背を向けて俺は歩きだす。さて取引...
  • 26-849
    両片想い 親同士が仲が良くて、あいつとは生まれる前からの付き合い。いわゆる幼馴染だった。 人付き合いが苦手で勉強が趣味なんていう根暗な俺とは違い、あいつはいつだって明るくて、誰に対しても優しくて、俺には勿体無い友人だ。 中学、高校、大学まで同じ所に通うことが出来て、友人の少ない俺にとってはありがたいことだったが… いつからだろう、あいつの女癖が悪くなっていったのは。 女に縁がない俺からしたら羨ましく思えるぐらい昔から女にモテてはいたんだ。けど、取っ替え引っ替えに恋人を作るなんて真似はしなかったのに。 あいつの女癖の悪さに口を出すつもりは無かったんだ。強く言って、嫌われたくなくて。 でも今回ばかりは口出しせざるを得ない。 大学で俺が世話になってる先輩があいつと付き合い、こっぴどくフラれたらしい。 泣きじゃくる先輩を慰めながら俺は、あいつに対して初めて怒りを...
  • 16-849
    主従忍者 主「四つん這いになれ」 従「あの、今夜だけあなたが跪いてくれませんか」 主「断わる」 従「一度でいいんです」 主「生意気だな。私の上に乗ろうなんて」 従「さすがに身体が持ちません。連日連夜で疲れてしまって」 主「知らん。下っ端のくせに」 従「あなたひとりでいつも高みへ……。結局私は自分でどうにかしなきゃいけないなんて、辛いんです」 主「うるさい! 静かにしろ誰か来てしまう。おとなしく身体をまかせろ」 従「ううっ」 従忍は仕方なく跪く。 主忍は軽く勢いをつけると、四つん這いになった従忍の背中を思いきり蹴って館の塀の上に登った。 主「ほら、お前も早く登ってこい」 従忍は恨めしそうな目を上に向けると、背中をさすりながらノロノロと塀をよじ登っていった。 従「(やってらんねー)」 お母さんみたい
  • 17-849
    誘蛾灯 私は君に出逢つてしまつた。 君の何処に惹かれてゐるのか説明するのは難しい。 或る雨の夜だつた。 傘を忘れて途方に暮れてゐる私の横で 君の差し出した淡い黄色の傘ばかりが眩しく思へた。 以来、君ばかりを瞳で追つてゐる。 君に近づくようになつて、 私のような男が君の周りには沢山居ると気付いた。 君の優しさに非道く惹かれてゐるのは私ばかりではない。 惹かれてゐるのではなく、君が引き寄せてゐるのではないかと時々考へる。 私が余りにも君のことばかり考へるので、帝大の友人に相談を持ちかけた。 このような気持ちになるのは初めてだが、はづかしいとは思わなかつた。 友人は君からフェロモンでも出ているのではないかと茶化したが、 私はフェロモンが何かわからなかつたので曖昧に濁した。 ただ、理性では抗えない本能的な所で私が君に惹かれていることだけが解かるのみ...
  • 4-879
    カキピー ベストカップルである。 他に、彼らを例える言葉はない。 官能的ともいうべき、艶やかな褐色の肌をしたカキのタネと、 思わず歯を立てたくなるような、しっとりと象牙色の肌を持つピーナッツ。 そんな彼らを似合いのカップルと見込んだカメダさんが、 二人を一つ袋の中で同衾する仲に仕立て上げたのだった。 ピリッとエッジの利いたカキのタネを、ピーナッツがまろやかに包み込む。 その絶妙なコンビネーションは、 いわばエネルギッシュなやんちゃ攻めと、包容力溢れる年上受けである。 今や日本中の酒飲み達に愛され、外国人向けのお土産としても人気の彼らだが、 一つだけ、悩ましい問題を抱えていた。 誰かに食されることでしか、交わることができないのだ。 こんなに近くにいるのに一つになれないなんて…! もどかしい思いを胸に秘め、彼らはひたすらにそのときを待つ。 ―...
  • 24-89
    あなたと見る朝日 暗い中、どこからかすずめの鳴き声が聞こえた。 「もう朝か…」 時間はわからない。腕時計は昨夜殴られたときに顔を庇って壊れたし、携帯の電源は切っていた。 誰とも、違う、ただ中根と繋がりたくなかった。 昨夜のことが思い出される。 「ああなんで俺…あんなこと」 キスをした。 酔っていたからではなく好きだったから。 二軒目三軒目と酔いを重ねる毎に中根と高橋の距離は近くなった。 普段あれだけしかめっ面をしている男が、綺麗な歯を見せて笑い、あれだけ近寄りがたい男が、自ずから肩を組んできた。 惚れ惚れするような眉間の皺は消え、代わりに細い睫が笑うたび揺れた。 「だってさぁ、あれはだって…」 中根のせいにしようと頑張ってみても、上手く結論付けられない。 高橋は無機質さを増した携帯電話を握りしめた。 「会社行きたくねえ…」 同居の妹と顔を合わせるのも嫌...
  • 4-889-1
    880とカメダにGJ!とささやきつつ、踏まれます。 4-889 「ちくしょー!!」 パソコンにかじりついていたKが、いきなり大きな叫び声を上げた。 夕食どきに近所迷惑な奴だ。とりあえず黙らせるか、そう思って振り返る。 だが、先にKの方がパソコンの前を離れて、泣きながら俺に抱きついてきた。 なんなんだ。そう思ってパソコンの画面に目を向けたけれど、 いい加減度が合わなくなってきている眼鏡では、 いくつかのウインドウが開かれているのがおぼろげに見える程度だ。 どうせもう外出しないからと、コンタクトを外してしまったのは失敗だったか。 仕方ない、まずは奴を落ち着かせよう。 「落ち着け。どうした」 「お、俺……ちくしょう……」 「いいから落ち着け。泣くな。そして説明しろ」 今度はどんなくだらない理由だ、と言いたかったがそれは呑み込んで...
  • 3-849-1
    妖怪 二年勤めた会社を辞めて、俺は久方ぶりに田舎に帰った。 今日から数ヶ月は、誰も居ない離れの奥座敷に寝泊まりする。 子供の頃、近所の子供達とよく遊んだ懐かしい場所だ。 雨戸を開けて光を通すと、クスクスと微かな笑い声が風に乗って幻聴のように聞こえた気がした。 一瞬間の後、先程まで誰も居なかった筈の座敷の奥に和服を着た同じ位の年頃の青年が座っていた。 呆然として、その青年の顔を見ると、何処か懐かしい面影がして、不思議と恐ろしさは感じなかった。 「やっぱり馨には僕が見えるんだね。」 青年はさも嬉しそうに、にっこりと微笑んでそう話し掛けてきた。 「ああ、お前‥‥えっと‥。ごめん。名前が‥」 「分かる筈ないよ。名前、話してないし。」 そうだ。いつの間にか仲間に混じってにこにこ笑って付いて来た色白のおとなしい子。名前も聞いてな...
  • 6-849-2
    ドアをはさんで背中合わせ 「迷惑だ」 強く言い切った瞬間、彼の目が凍りついた。 「そんな戯言、二度と口にするな。不愉快だ」 向かい合えば少し見上げる彼の顔。 紅潮していた頬が蒼褪めていくのを睨むように見つめる。 「今の言葉は忘れてやる。明日までに頭を冷してこい」 言外にチームを辞めることは許さない、と告げると彼の凍り付いていた瞳がひび割れた。 裂け目から溢れてくるのは苦しみ、怒り、絶望。そして悲しみ。 かすかに震えだした彼のふっくらとした唇から目を逸らし、背を向けた。 そのまま部屋を出て、ただ一人、彼を置き去りにする。 後ろ手にドアを閉めてはじめて、身体が震えだした。 だいじょうぶ。彼の前では冷徹さを保てていたはずだ。 口調も表情も、眼差しさえも揺るぎはさせなかった。 かみ締めた奥歯が、今ごろのようにカチカチ鳴る。 目の奥が刺すように熱く痛む。だが泣くこ...
  • 6-849-1
    ドアをはさんで背中合わせ 逃げるようにして部室に入ると鍵をかけた。 と同時にノブを回しドアを叩く音と瀬田の声が聞こえる。 「先輩ここ開けてください、先輩?」 「嫌だ!絶対開けねー!」 「開けてくださいよ、どうして逃げるんですか!?」 「瀬田があんなことするからだろうが!!」 そう言うとドアを叩く音が止んだ。 俺は深く息を吐くとドアにもたれて座った。 「…すみません、でも俺…」 気配はするが、その後に続く声は聞こえない。 正面の窓から見える青空をぼーっと眺めながら考える。 瀬田の事は好きだ。 部活も熱心だし、賢いし、性格も良いし、話も合う、一番仲の良い後輩だ。 しかし、だからと言って、その、あんなことをする対象として見た事なんか無い。 「俺さ、瀬田のことそういう目で見たことないんだ。」 正直にそう話すとややあって「知ってます。」と答えが返ってくる。 瀬...
  • 24-899
    ドMな主に逆調教される従 セックスが苦痛で仕方ない。そう思ったのは初めてだった。 割とあらゆることの敷居は低い方だった。 だから親の借金のカタに使用人にされようと、そこの同い年の坊ちゃんに無理難題言われてコキ使われようと、さして苦痛ではなかった。僕は器用だったから。 外の世界を知らないことにも不満はなかったし、今じゃ顔も忘れた両親のことなどもっとどうでもいい。 そんなことに思いを馳せるより、冬の暖炉に炭をくべたり、夏にクソ坊ちゃんを仰いでいることの方がよほど意味があると思えた。 一生ここで、自分のできる限りのことを果たして生きようと、そう思っていたのに。 先週金曜日、20時17分、旦那様と奥様は会食でお出掛けに。お嬢様は海を飛び越えラムBBQに。 そして借金のカタ系男子である僕の目の前には、どんぶらこどんぶらこと、それは見事な桃に似た、お尻が白く揺れていたのです。 ...
  • 24-839
    お前の方がかわいいよ  ぎゅう、と正面から抱きつかれ、俺はのけぞった。 「ゆーすけ君マジかわいい」  抱き潰すつもりかと思うほどにぎゅうぎゅうと締められる。痛い痛い。マジで痛い。 「あっ、ご、ごめんね」  抗議の声を上げればあっさりと腕は離れていった。  それでも顔は近いままで、その表情はといえばまるで飼い主に叱られた犬を連想させる、哀れっぽい感じのものだ。 「痛えよ」 「うん……ごめんね、ゆーすけ君」  幼馴染みのコイツは、同い年にも関わらず俺より20cmも背が高い。  どこで差がついたのか分からないが、多分、遺伝だろう。  そういう事にでもしておかないと理不尽な怒りがふつふつとこう、頭を擡げてくるので仕方ない。  なんで俺はこいつより背が高くならなかったんだ、と。 「分かってんならいい」 「……うん!」  ほら、と腕を広げ...
  • 24-859
    軽薄な大阪弁受け 午後11時過ぎ。その男は路地裏のポリバケツの影に隠れるようにして座っていた。 座っていたというか、転がっていたというか。 「何をしてるんだ」 見下ろしながら問うと、男は顔を上げ眩しそうに目を細め、右手をひらひらと振った。 「あれ。新堂さんや。久しぶり。こんばんは」 呑気に挨拶を口にしながら、少しだけ身体を起こしている。動きが妙に緩慢だった。 奇遇やね、などと嘯くので「奇遇だな」と返してやる。 この場所は俺の家から50メートルも離れていないので奇遇も何も無いのだが、敢えて触れない。 「何をしている。散歩か」 もう一度問えば、男はにやりと笑った。 「かくれんぼや」 「へえ。鬼は」 「怖いおっさんが七、八人。いやマジでな、ほんま鬼やであれ」 冗談めかした口調だったが、嘘ではなさそうだ。 よく見れば唇の端が切れている。暗さの所為で一目では分から...
  • 24-879
    ワンコ攻め×ヤンデレ受け 「ほげええええ!諏訪ちゃん!?どうしたのその包帯!」 「……階段から落ちた」 「今度は階段!?先週は原付と衝突で、その前は草野球のホームランボールが直撃だったよね!?」 「…………」 「諏訪ちゃん運なさ過ぎだよー!お払いとか行った方がいいよぉ…」 「…大丈夫だから…いつものおまじないして」 「あ、うん。じゃあペロペロするから包帯とって?」 「ん…」 「うわぁ!痣だらけだぁ…痛そう」 「ん…だから早くおまじない…」 「わかった!」 「……っ!…んっ…」 「あ!ゴメン!痛かった?」 「…平気。だからもっとして…」 「え?あ、うん」 「これで全部終わったかな?大丈夫?痛くない?痛くない?」 「ん…アキのおまじないのおかげで早く治りそう」 「よかったー!あ!あんね!来週の日曜に竜さんたちと一緒に残暑見舞いBBQやるんだけど来...
  • 24-869
    潔癖症だった攻め 「お前がはじめてなんだよ。家の中まで入った同業者って」  家に招かれて、リビングまでの少しの距離を移動している途中で、ぽつりとそうこぼされた。 何でも前野曰く、他人にトイレを使われたりするのが嫌なんだそうだ。 へえ、と相槌を打って、右手で座るよう促された場所に着席する。 「茶いれてくる」 「あ、いいのに別に」 「うっせー遠慮すんな! 緑茶でいい?」 「なんだよそれ、じゃあお願いします」 妙なツンデレらしき反応に苦笑で返すと、前野は満足げな表情を見せてキッチンに消えていく。 思わず部屋を探ってしまいそうな視線をどうにかおさえ込んで、彼の帰還を待った。 「そういや前野さー」 「なにー?」 「お前、潔癖症なの?」 「あー、ちょっとあるかもねー。ぶっちゃけ他人に自分のもの触られるのあんまり好きじゃない」 あらかじめ用意してあったのか...
  • 24-889
    平凡攻×変人受 僕には変わった友人がいる。 彼は周囲の人が興味を持つことに一切関心を持たないで、周囲の人がどうでもいいと思っていることにのめりこんでいるんだ。 3年前には本と睨めっこしながら僕と自分のマフラーを編んでくれた。 ついでに手袋と耳あてと帽子も作ってくれた。 それは別にいいんだ。温かかったし嬉しかったし。 けれども彼はそれを全部犬で作ったんだ! まあ、犬と言っても皮を剥いだわけじゃないんだけどね。 ブラッシングして溜まった犬の毛を集めていた彼はネットで偶然見つけた犬の毛でセーターを編んだ人を見てコレだ! と思ったらしい。 毛を洗って、梳いて、紡ぎ車をドイツから輸入し――この異様な熱意はなんなんだ!!――毛糸にしてから編んだらしい。 普通に買えばいいじゃん。 マフラーとか手袋とか耳あてとか帽子を合計した金額より紡ぎ車1台のほうが絶対高いよ? ...
  • 24-819
    女みたいに可愛い攻め 「涼さんって、優しいよね」  俺の目を覗き込むようにして、ヒカルは言う。その距離があまりに近いせいで、さらりとした前髪の先が額に触れてくすぐったい。  瞳に映った俺の表情さえ見て取れそうな近距離で、彼はにんまり笑って見せた。 「こんなんしても怒んないし。優しいなー惚れ直しちゃうなー」 「お前が可愛いからな」 「え、それって顔の方のこと?」  形のいい大きな目が、ぱちくりと悪戯っぽく瞬く。  俺の視界の九割以上を占めるヒカルの顔は、ああ、可愛いよ。顔は小さいわ、睫なんて俺の倍はありそうだわ、色は白いわ。手足も華奢で、背も俺とは頭一つ分違う。  だから本当は四肢に乗る体重なんて軽いくらいで、押し退けるのも逆に押し倒すのも、俺次第じゃいくらでもできるんだと――俺もヒカルも解っている。はずだ。  だから俺は首を少し持ち上げて、やつの...
  • 24-829
    攻めにべた惚れな無表情受け 酒を飲むのは好きだった。 垣間見える水原の本音がたまらなく愛しくて。 常にむすっとしてつまらなそうな、堅物を絵に描いたような水原が、ひょろ長い図体を納めようとしてソファでもぞもぞと転げるのを見るのが好きだった。 「水原、寝るならベッドに行けよ、使っていいから」 「んー…」 いつもそう、きっと今日もそう。このままソファで寝付いて寝違えて、明日にはすっかり首を痛めて一日を過ごす。 それでもいつもと変わらぬ、少し不機嫌そうな無表情のまま。 「水原、起きないとチューするよ」 普段なら怒られるような幼い言葉遣いにも、「あー」と呻いて応えただけだった。 「水原ぁー?」 肩を引いて無理矢理に頬に口付けると、「…ふへ」と小さな声が聞こえる。 「…なんだよそれー、かわいすぎるでしょー」 少し頭を冷やそうとテーブルに向き直る。...
  • 4-889-2
    880とカメダにGJ!とささやきつつ、踏まれます。 4-889 書き込み完了!さぁて、次はどんな萌えリクが来るかな?と期待しながら 掲示板を閉じようとマウスを操作した瞬間、背後にとんでもなく冷ややか な風が吹いた。 全身が凍りつくのを感じながら後ろを振り返ると、いや振り返るまでも無 く、俺の顔の横には奴の顔があった。 「『 880とカメダにGJ!とささやきつつ、踏まれます』・・・・・・?」 「や、ややややっ山田!?」 「なにこれ、どういうこと?」 「なんだよ、ビックリすんじゃん。てっきり妖怪かなんかの類かと・・・」 「な、どういうこと?」 耳の近くで喋られるくすぐったい感覚に耐え切れず、俺は山本の顔を押し やった。山本は不満そうに眉を寄せ、睨みつけるように俺を見た。 「人が風呂、入ってる間に・・・」 「え?なに?」 山本が何...
  • 10-849-1
    攻よりでかく成長したかわいい受 「…本当にお前なのか」 別れて居たのはほんの2年の事なのに、時とは残酷なものだ 最後に彼を見たのは向こうが14の春の事だったか 声が少女の様に甲高い事と華奢な体を大層気にしていたのに たった2年で私を追い抜く程背も伸び、声変わりも済んでいた 彼はお父さんの仕事の関係でアメリカに行っていた …向こうの食事が体に合った、という事なんだろうか? 「ショックだ、何たる悲劇」 あの、かわいらしかった天使の声も、少女とも少年ともつかない 曖昧な容貌も残っていなかった…これは世界遺産の遺失に近い がっくりと肩を落とした私を彼はきょとんと見ていた いや、悲しむまい 米食で見るも無残な姿にならなかっただけでも良しとしようではないか 「まー、向こうでバスケとか色々やってた所為かな~」 ちょっとは見られるようになっただろ?と彼は胸を張るが...
  • 12.5-849
    追う者×追われる者 忘れもしない光景。 体育祭最後の華、選抜リレー。 その時のアイツのカッコ。何故か女子の制服を着てコースに着いた。 「うちの団のコンセプト、男女衣装取替えなんだよな」 そういって不適に笑うあいつの顔が、今でも焼きついている。 結果は惨敗。 陸上部では、短距離で負けたことなかったのに、アイツの背中に追いつく事だって出来なかった。 そのときは悔しくてただ泣いていた。 あれからもう3年経った。 「なぁ、お前陸上やらねぇの?」 「だからもうやらないって言ってんだろ!!」 気がつけば、あの時と立場が逆になっていた。 しつこく陸上部に勧誘してくるアイツに、『俺を捕まえられたら入ってやる』なんていった日からまだ3日。 俺の肩に手がかかる日は、多分近い。 最後の一つ
  • 26-849-1
    両片想い 先輩は有能な営業マンで上司にも部下にも厚い信頼を得ている 俺は気さくで仕事にひたむきな先輩にすぐに懐いて…恋情を抱いた そうしてみると途端に真っ直ぐに尊敬の眼差しを向けてきた事が恥ずかしくなった 先輩には奥さんがいる 先輩はあまり話したがらないけれど、絶世の美女とだけ言っていた 「俺の眼鏡どこにある?」 「童顔隠しの伊達なら給湯室にありましたよ」 「…お前生意気だぞ」 大丈夫、先輩の幸せを壊すつもりはない 俺は後輩として先輩を尊敬してるんだ 俺には男前の部下がいる たまに生意気だが素直で仕事の覚えも速いいい部下だ 「甘党な先輩にケーキのストラップ買ってきました」 そういって面白半分に買ってくる乙女チックな物が年々溜まっていく 「あなたって意外と乙女なのね」 そうレズビアンの妻から笑われる 相手はストレート、しかも直属の後輩...
  • 24-809-2
    武家×軽業師 〈中世〉 高麗や唐土や天竺や波斯よりさらに西の果てから使節団が来朝した 俺は北面武士として、使節団が宿泊する屋敷の警備に当たっていた 端的に言うと一目惚れだ 使節団への歓迎の宴席で警備をしていたときだ 使節団に同行していた軽業師の少年が歌舞を演じ始めた その美しさは言葉に表しようがなかった 髪は見たこともない白金色 瞳は秋晴れの澄んだ空の色 口さがない輩は「鬼のようだ」などと陰口を叩いていた 俺にはまさに極楽で神仏に仕える小姓の如く見えた そして、その日の夜に警備係の職権を悪用して……夜這いした 無理矢理に向こうの獣の毛皮で織られた服を剥がすと下には雪のような肌が広がっていた 俺は夢中でその雪原に手と足と舌で跡を付けた 本当はどう考えているかは分からないが、はっきりと俺を拒んでないのも確かだった それから連夜に渡って俺は体を重ねた しか...
  • 24-809-1
    武家×軽業師 軽業師とお武家様は本来身分が違う者同士。 出会いは町中。軽業師が綱渡りをしている場にお武家様が出くわす。 軽業師の華麗な技にお武家様は虜になってしまう。 そのうち軽業師の方も武士が気になってきて、ある日声をかける。 そしていつしか軽業師から誘って一夜の関係をもつ。幸せな一夜を過ごす。 だがお武家様はそれ以降、町には来なくなる。傷つく軽業師。 軽業師の技が話題となって、あるお殿様の屋敷で芸を披露することになった。 だがそこは軽業師を馬鹿にするようなゲスな武士ばかりの宴だった。 軽業師は顔に笑みを浮かべつつ武士に対し腹立たしい。特にお殿様は下品な人だった。 綱渡りの最中に武士の中に、関係をもったお武家様を見つける。 動揺して綱から落ちる。見ていた武士たちからは馬鹿にされる。 宴の後、心配したお武家様が軽業師の様子を見にくる。 ...
  • 24-869-1
    潔癖症だった攻め 自分以外のものが不潔に思えて仕方のない時期があった。 例えば、ジュースの回し飲みなんてありえなかったし、ちょっとした物の貸し借りすら苦痛だった。 携帯用の除菌スプレーがお守り代わりだった。 潔癖症を隠したくて周囲から一歩退いていたら、「気難しい孤高の人」というレッテルを貼られていた。 お前と出会ったのは、その頃だ。 明るくて人懐っこくて、ぎこちない態度の俺にも屈託なく話しかけてきた。 お前は俺の対極にいて、俺の理想だった。うらやましかったし、憧れていた。 興味があると言っていたCDを貸した。「すげー良かった!」と笑顔で言われて、つられて笑った。 寒い冬の日、風邪気味だと言ったら巻いていたマフラーを渡された。ほんのり残った温もりが心地よかった。 お前の部屋で、二人で鍋をつついた。その日以降、誰かと同じ器から物を食べても平気になった。 ...
  • 24-249
    「君は本当に馬鹿だなあ」 それは、と彼は間を置いて、随分無駄なことをしたね…と言った。 私はその時、彼の物言いに感動していて言葉がすぐには入ってこなかった。 「やっぱり君は…!君は!完璧なんだ、そんな風に言い淀んでみたり…」 聞いている?と彼は私を見上げ顔をしかめた。 私は目の前のレンズの汚れにふと気がついてそれを拭き取る。 「えっ?ああ、無駄…?」 彼はそれまで取り組んでいたプログラムの読み込み作業をやめて、私のレンズ画面の位置を直してくれた。 「無駄なんかではないさ。こんなにもハイテク社会になったというのに、どんなガジェットでもやはりまだ足らない。はるかに便利なマシンが開発され続けているのに、事故も、トラブルも、ゼロにならない!」 しかめていた彼の顔は今や、呆れるような憐れむような表情になった。あまりに良く出来すぎているその「表情」に私は半ば見とれた。 ...
  • 24-349
    墓まで持ってくつもりでしたが お前に話しておきたいことがある。 今しか言えない事だから、そんな嫌そうな顔すんなよ。 お前はただの友達だと思ってただろうけど、お前が俺に気付くずっと前から俺はお前の事が好きだった。 初めてお前と話をした時、緊張でうまく息が出来なかった。 お前が初めて俺を名前で呼んでくれたとき、その日は嬉しくて眠れなかった。 友達になれた日はこのまま死んでもいいと思ったし、 初めて手を繋いだ時も、それから好きだって言ってくれた瞬間は…っうわっ!!ちょ、やめろ!こっちは病人だぞ! …うん。何が言いたいかって言うと、お前が思ってる以上に俺はお前が好きなんだ。 お前の隠し撮り写真も持ってるし、食べ終わったアイスの棒も…っだから殴りかかるな! 告白したら、絶対お前嫌がるから、俺だってこの溢れんばかりの愛は、墓まで隠して持っていくつもりだったんだよ。...
  • 24-549
    行き過ぎた友情 俺と山田は親友で、赤ん坊の頃からずっと一緒だった。 家が向かい同士で、小学生の頃にゲームの通信プレイがお互いの部屋にいても繋がる事を発見してからは、夜に窓を開けて大声で話しながら徹夜でゲームした。(声が大き過ぎてお互いのかーちゃんに怒られた) 出席番号が男子の最初と最後で、クラスが一緒になると良い具合に隣の席になった。(授業中に話し過ぎて先生によく怒られた) いつも一緒だった。ある日山田が「一緒にいすぎてお前に秘密なんか一つも無い。何でも話せるしな!」と言われた時はすごく嬉しかった。 けどな山田、俺にはお前に秘密がある。話せなかったことが一つだけある。 ただ一言、好きだと言うことだけが言えないんだ。 けれど俺は、今日もお前と一緒にいるために、この気持ちを封印する。 これはきっと、行きすぎた友情だと信じて...
  • 24-949
    政治家の息子と政治家を志すその親友 いつだったか伊崎が、「梨原は政治家になりたいんだろ?なら俺のオヤジの秘書になりゃいいよ」と軽々しく言ってきた。 たしか大学受験の頃で、真に受けた僕は伊崎の言うまま彼の父へと挨拶を済ませ、彼はその後「オヤジがうるせーから」と僕と同じ国立を志望した。 ギリギリと締め付けられるような受験を終えて桜の下をくぐってみれば、そこにはなんでもないことのように代表挨拶をする伊崎の姿があった。 僕だって割りに危なげなく合格したはずだ、試験後に彼に自己採点を聞いたときには「わかんねえ、つけてねえから」と言っていた。 来賓席には誇らしげに、彼の父親が座っていた。裏口ではないだろう。伊崎は優秀だ。 だからこそ伊崎の父は、あんなにも誇らしげなのだ。 それからは、なにかと構いつけてくる伊崎をかわしながら、僕はやるべきことをやり、学ぶべきことを学んだ。 酷...
  • 24-449
    似た者同士 「ラブレター。健二宛だったぞ。」 俺は封の空いた手紙を健二に差し出した。 「中を見たんですか?」 健二は怪訝そうに手紙を受け取ると、俺を睨みつけた。 「仕方がないだろ。下駄箱に入ってたんだから。 ちゃんと宛名は佐藤君へって書いてあるし。」 同じ苗字なんだ。 俺は悪くない。 恨むなら、俺では無くうっかり者の差出人を恨むべきだ。 「どんな内容だったんですか?」 「それを俺に言わせるのかよ・・・。」 俺は溜息をつくと手紙の内容を羅列した。 いつもあなたの姿を見ていましたとか、 サッカーをしている姿が素敵!とか、 頭が良くてかっこいいとか いつも優しい所が好きですとか そんな内容だったと思う。 「それなら、浩二にも当てはまるじゃないですか。」 「俺は健二みたいに成績良くないけど。」 「買いかぶりすぎです...
  • 24-749
    妖怪と天使 「帰ったぞー」 「おかえりなさい」 「食い物あったから持って帰ったぞ。お前が食べれるやつ。食え」 「いえ、私はしばらく食べなくても大丈夫ですから、どうぞ貴方が…」 「いいから食えって。変な遠慮すんな。ほら」 「……すみません。それではお言葉に甘えて」 「にしても面倒だよなあ、『供物』じゃないと体が受け付けないなんて」 「普段はコンスタントに食物を摂る必要などないのですが」 「ま、ケガしてるから仕方ねえだろ。食わないと治るもんも治らない」 「ですが本来は貴方へのお供え物なのに、頂いてしまって」 「気にすんな。俺は畜生あがりだから供物じゃなくても食える」 「今は何を召し上がっているのですか?」 「んー、山で採れる木の実とかだよ。本当は村の畑でも荒ら……いやいや  畑から少し恵んでもらう手もあるんだけどよ、あいつら社の掃除き...
  • 24-649
    義兄弟 ※ほぼ裸の女性と暴力描写がありますので注意 「俺たちは運命共同体だ」 そう言った秋川の言葉に、僕は呪われた。 ヒーローだった。秋川は僕の。 小学校二年生の頃、母親譲りの青い目が生意気だと、一部のクラスメイトから毎日のようにいじめられた。 そうして小学校三年生には、父に貰った大きな伊達メガネが生意気だと、毎日のようにいじめられていた。 異質を排除するのは人間の本能なのだ、致し方ないのだと、彼らは白血球なのだと、図鑑を見ては自分に言い聞かせていた。 その日、僕は河川敷にいた。自らの意志ではなく。 それから偶然に秋川が通りかかった。他所のクラスの人間、という程度の認識だったので、もちろん何も期待はしていなかった。 けれど僕が河川敷で引きずり回されているのを見た秋川は、一目散に走ってきてまず僕を殴り、それからいじめっ子達...
  • 24-049
    まわし 「…………」 「……………」 「………なんか言えよ」 「……どうしろっつーんだよ」 「大丈夫、お前ならこのやっちゃった感漂う空気を打破した挙げ句GJの嵐を巻き起こせる出来るはずだ!いけ!」 「何その無茶振り!?」 「あたしぃ、キミの事信じて待ってるから!!きっと生きて帰って来てね!」 「不自然に高い声を出すな気色悪ぃ!つーかサラッと死出の旅発言!」 「………ゑー?」 「ゑーっじゃねぇよぶん殴るぞ」 「じゃあお前、どうすんだよこの空気」 「いや知らねーし俺ら通りかかっただけだし」 「困ってる姐さん達を見捨てるの!?この人でなしっ!」 「知るかぁ!!たかがリロミスだろうがァ!」 「ちょうど出くわしちゃった以上なんとかしたいだろ…でも本当どーすっかなぁ」 「いきなり冷静になったな」 「うーーん」 「…………」 「うーーーーーん」 「……………...
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