*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「4-039」で検索した結果

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  • 4-039
    教育実習生と二人の攻め、担当指導教諭、成績優秀だが素行のあまり良くない学生 教育実習なんて、高校の頃は、教師の卵をいじめて、教師ってつらいもんなんだよ、 って生徒が教えるイベント、とか思っていたんだけれど。その教師の卵を自分が やるなんて、全く考えていなかった。 それもこれも、就職難の時代が悪い。三流大の文学部なんていう、つぶしのきかない 大学に入学した俺に、残されている道なんて、国語の教師ぐらいしかなかった。 「先生、分からないことがあるんだけれど、放課後教室で教えてもらっていい?」 なんて、クラスでも1・2を争うぐらい素行のあまり良くない生徒に言われた瞬間、 気づいていたんだよ。 だって、俺も高校時代にやったもん。 放課後に、教室で待ち構えて、生徒を殴れない教師を、教室の隅に追い詰めて、 泣くまで罵詈雑言投げつけたり、クラスで頭いいヤツ何人かに協力してもら...
  • 14-039
    遠距離恋愛 『今日の夜電話するわ!』 朝入っていたメールのおかげで、俺は1日中落ち着かなかった 「もしもし、相田です」 『あっ相田?俺だけど!』 「…どちら様?」 『おい~、恋人の声忘れんなって。坂上だよ!』 「あー…そういえばなんかメールきてたな」 話しながら、つい込み上げてくる幸せを必死で隠す 俺はこういう時、なかなか素直になれない 「ちょっと!俺電話するのかなり楽しみにしてたんだぞー」 『あー…そうなの?』 「相田ぁー…まあそんなところも好きなんだけど」 『あーはいはい。言ってろ』 「もー。相田のツンデレ」 『は?デレてねーし!』 相田は素直じゃない でも、分かってしまう 照れてるときとか嬉しいとき 気づいてないかもしれないけど、絶対に最初「あー」って言うんだよ 電話でしか今は話せないけど でも、電話だからこ...
  • 24-039
    おっとりとした攻めへの逆襲 もーー!!今日という今日は我慢出来ねぇ、お前は俺の苦しみをちょっとはわかれ! 良いか!? まず、そのでかい図体でのしかかって来るのはやめろ!いい加減に俺が潰れる! それと、力一杯抱き締めて来るのも禁止!やっぱり俺が潰れるから! あと、あんまり恥ずかしい事をにこにこしながら言うんじゃねえ! …なんでかってそりゃお前な…! ………あー…ええと、対応に困る、から… んんっ。 あっ、それとな、他人の前で俺を可愛い可愛い言うの何とかしろよ! そりゃお前よりは背とか低いけども、平均的な体型の男に向かって可愛いってお前なぁ… 周りが目を丸くしている事に気付け。あと俺が恥ずかしい。 あと、人前でやたら触ってくんのも……っ!!! あーたーまーをーなーでーるーな!!!! 言ってる側から! わがままじゃねぇ!!当たり前の事言ってる...
  • 7-039
    三世 ノックもせずに扉を開いた。なるべく不躾になるように大きな音をたてて。 案の定驚いてやがる。俺は口の端をあげて大仰にお辞儀をしてやった。 「お久しぶりです」 ロッキングチェアに腰掛けたジジイは目を見張った。 立とうとするがしわしわの足と手がいう事を聞かないらしい。 「…お前は…お前は蘇ってきたのか…」 「バカ言うなよ。孫だ。耄碌しやがったんじゃねえのか。  ピチピチの俺と祖父さんを間違えるなんざ、失礼にも程があるね」 そうか、と微かにうな垂れるジジイに俺は嫉妬の炎に焦がれる。 昔、昔々。俺の祖父さんは祖母さんと出会う前、このジジイと恋仲だったらしい。 そしてオヤジが生まれ、そのオヤジから俺が生まれ、このジジイに出会い…。 俺は祖父さんを見つめるジジイに恋をした。 「ジジイ、12年前の約束、覚えてねえっつったらこの場で殺す。ウ...
  • 3-039
    八方美人×人付き合い不器用 ああ、またどうでもいいこと話しかけてくる。 だから嫌だったんだ飲み会なんて。 さっきからずっと誰かに話しかけられては曖昧に笑って、笑って、もう疲れた。帰りたい。 「飲んでる~?」 ああ、まただ。今度は誰だよ。気の利いた話なんかできないよ。あっち行ってくれ。 声の主は同じ部署でも愛想がよくて人気者。誰とでもそつなく付き合っている奴。 俺とは正反対の奴。 奴はうんざりしたような俺の表情が目に入らないかのように隣りに腰を下ろした。 「そういやさ、こんな話あるんだけど」 言いながら話し始めたのは仕事のくだらないエピソードやら学生の頃の失敗談やら。 軽妙な語り口が小気味よくてついつい聞き入ってしまう。 それに気づくと奴はふっと笑みを浮かべた。 「やっとしかめっ面じゃなくなった」 「...
  • 5-039
    いつも穏やかな師匠×素直になれない弟子 「本当にいいんですか?」 「いいッス。家帰ってもオレ邪魔なだけッスから」 「ですが年の瀬くらいは御実家に顔を出したほうがいいですよ」 「んなコトいって…オレを追い出して一人で好きにするつもりなんじゃないッスか?」 「おや、心外ですね。私は君のためを思って言っているんですよ」 「師匠、オレん家すげー貧乏なんス。師匠のとトコに預けられたのだって体のいい口減らしなんスよ、だから…」 「その貧乏な御実家から、毎月喜捨を頂いていたんですがね」 「え…マジっスか?」 「はい、使わずにとっておきました。これでお土産でも買ってお帰りなさい」 「師匠…」 「この一年、頑張って成長した君を見せてあげなさい。それだけでも立派な親孝行ですよ」 「…はい、ありがとうございます」 「さて、では御両親の前に私も拝見しましょうか」 「ふぇ?」 ...
  • 6-039
    成績優秀、容姿端麗な生徒×気の弱い保険医 「せんせー、しっかりしてよ。そんなんじゃ悪い生徒に保健室乗っ取られちゃうかもしれないわよー?」 怪我の手当てからいつの間にか雑談に切り替わっていた中、そう言って冗談めかして笑った生徒に僕は困ったような笑みを返す。するとその子は「ほらまた」と苦笑交じりで指摘した。 その時は、その子の言葉の重要性に気づいていなかった。いや、本気にすらしてはいなかったんだ。 次の日、昼休みも終わろうかという時に保健室のドアを軽く叩く音がする。 どうぞと言って入ってきた人物を見ると、全国でも5本の指に入ると職員室でも噂の生徒、水瀬一樹の姿がそこにあった。 「すみません、少し気分が優れなくて…」 そう言って少し力無い微笑をこぼす彼に、思わず見惚れてしまう。 成績優秀、容姿端麗という表現がまさにぴったりな生徒。僕みたいに外...
  • 2-039
    戦闘用アンドロイド×セクサロイド 調整のためにケーブルに繋がれている自分の前にやってきたのは研究者に付き従っているいつものセクサロイド。 自分が施設にいるわずかな時間のうちでもたまにしかみることがなかったが、記憶に残っている。 「人を殺すことってツライ?」  少年のあどけなさを残した「美しい」微笑みのまま言った。 「…考えたことはない。それが俺の機能の全てだから」 「そう」  彼の微笑みはそのまま。プログラムに照らし合わせて「美しい」と思うが、何か違う気がした。 「幸せって知ってる?」 「知っている。心の充足を得ることだ」 「君の幸せは何?」 「………」 応えることはできなかった。 「僕の幸せは、人に愛されること」 言って彼は微笑んだ。 「ならば、お前は幸せなのだろうな」 側にいてくれる人がいる。大切にされている。...
  • 8-039
    カブ 担任の終業挨拶と同時に教室を飛び出す。 帰りの清掃はレアカード一枚を犠牲に買収済みだ。 階段を転がり落ちるように駆け下りる。 下駄箱で靴を履き替えるのももどかしい。 (間に合わなかったらどうしよう) 心配なんて足を止めるだけ。今は走らなきゃ! 自宅までは歩いて十分。走れば五分でつくはず! 校門を出てすぐに左へ曲がる。 次に右へ曲がれば家の前の通りに出る。 息が上がっていても深呼吸で一度整えて。 この道を通るルールは、限界までダッシュ! 玄関に入ってバッグを投げ捨てる。 二階の僕の部屋まで駆け上がったら、窓を全開にして身を乗り出す。 視線は一点集中。 今通ってきた道の角。 (もう聞こえるはず!だって今日は隣のお兄ちゃんの誕生日だもん) そう、お隣さんの記念日はいつも同じ。 おばさんがケーキを買って、おじさんが...
  • 9-039
    割れた眼鏡 「30人は入っているこの教室で、こんなに静かなのはごく稀なことだった。 俺が唾を飲み込む音さえも、皆に聞こえそうなほどだ。 皆の注目は俺と、俺に押し倒されている田村に一様に注がれていた。 田村は顔を伏せたまま割れた眼鏡をかけ、顔を上げる。 「・・・授業、再開する。・・・どいてくんない?」 囁くような声で、覆いかぶさった俺の肩を手のひらで押し返す。 倒れた机や椅子を淡々と直し、スーツのポケットからチョーク入れを取り出す。 「待ってよ先生」 田村は俺をちらりとも見ず、黒板に向かって上げた手を止めた。 クラスメイトは俺たちの一挙手一投足に注目しっ放しだが、そんなことはどうでもいい。 「返事は?」 田村は大きくため息をついてゆっくりと振り向く。 「お前はTPOもわきまえられないの?」 「そうやって先生がいつも誤魔化すからこういう事になるんでしょ」 俺...
  • 1-039
    鉄棒×砂場 鉄棒と砂場といえば、どっちも公園とかにある遊具。 砂場はちっちゃい子にも好かれるけど、鉄棒はまだ出来ない子も多い。 それに、大きくなると、砂場で遊ぶなんてはずかしーと思う子も多い。 だから、砂場は小さい子たちになじんでて、平和ボケしてると思うんだよなあ。 それと同時に、だんだん自分を離れて行った子達に悲しみながら…。 そんな砂場は、色んな人に愛される鉄棒を慰められ、すぐ騙さればいいよ。 鉄棒にいろいろされても、僕たち友達だからとかいいながら我慢する砂場。 鉄棒鬼畜攻め、砂場けなげ受けで(;´Д`)ハァハァ 全裸×半裸
  • 20-039
    リア充DQN×ネガぼっちねらー 誰かと関わるのは面倒臭い。 面白くも無い話に笑ったり、好きでも無い映画の話で盛り上がる。 そんな連中と関わるくらいなら自分の世界を充実させたらいい。 友人なんていなくても、それに代わるツールはいくらでもある。 「なあ、心理学のノート貸してくれない?」 必死で勉強した入ったはずの大学にもこの手の人間がいた。 中身の無い流行を追ってチャラチャラと遊び、 授業のノートもまともに取らず、他人の努力を掠め取ろうとするDQN。 「あっ、あの……ノ、ノート、いま家だから無いしっ……」 緊張して思わず声が大きくなる。 自分の喋り方のキモさにイライラする。 『このDQNめ!今すぐ立ち去れ!そして俺に二度と話しかけるな!』と心の中で毒づく。 「あ、じゃあ取りに行くわ。家近いんでしょ?」 絶句した。 リア充とはDQNとはどこ...
  • 10-039
    風邪をひくバカ×風邪をひかないお利口さん 「天気予報とか見ないの」 「えー何が…?」 「寒気が流れ込んで全国的に冷え込むって、昨日やってたんだけど」 「今年が暖冬なのは知ってる」 「アホ」 「なんだよー」 「寒い日にコタツでうたた寝したまま一晩経ったら、どうなるかくらい分かるだろ」 「だって昨日は風呂上りで暖かったんだもん」 「だもん、じゃないよ……幾つだよ」 「うー」 「…とりあえずこれ」 「おおー、雑炊」 「薬の前に何か胃に入れた方がいいから」 「これってお前が作ったの? すげーな」 「別に凄くない。…それ食べて薬飲んだら、今日はもう大人しく寝てなよ」 「明後日は…」 「無理ならキャンセル」 「おーわかった。今日と明日で、全力で治すわ」 「……あ、そう。頑張れば」 「任せとけー」 「それじゃ、俺は帰るから。ちゃんと薬飲めよ」 「な...
  • 26-039
    結婚適齢期 三島はおおげさに目をむいた。 「クリスマスケーキ?売れなくなる?冗談じゃない。  就職したてだよ?俺ら。仕事覚えて、合コンいっぱいして、経験つまないと。  いったいいつの時代の話だよ、今時三十過ぎてからが当たり前でしょ?  それより北総合病院の看護師さんたちがさぁ……今度新薬説明会やるから、その次セッティングね、お前がね」 三島はいきなり怒り出した。 「もう、とか言うなよ、まだ、三十じゃん。  俺はね、もっと、なんつーか、人生考えたいのよ。  そりゃヒナノちゃんは可愛いよ、でも結婚となるとね……あの子料理ダメなんだよな。  出会いだけはアクティブに考えてるよ!ヒナノちゃんもその気ないと思うし……」 三島はため息をついた。 「お前なぁ、酒がまずくなるっつーの。  男の四十はまだまだ適齢期だって。病院の加藤先生、あの人もこの間四十三で若...
  • 16-039
    優しいふり 古今東西相手を油断をさせる方法というのは数多くあるものだが、その中でも 強い効果を発揮するやり方の一つに「親切である振りをする」というのがある。 それもただ相手に優しくするだけでは効果は薄い。まずは相手の窮状に現れ、 解決あるいは解決の手助けをして相手に己を印象付ける。この際金品等の要求は せず、あくまでも『善意による行動』と思わせるのが重要だ。 そして、その後も押し付けになり過ぎないようにアフターケアを行い相手との 距離を縮め、個人的に親しくなり、警戒心を取ってしまえばこっちのもの。 煮るなり焼くなりお好きにどうぞというやつだ。 さて、何故私が急に講釈ぶった話を始めたかといえば理由は簡単。私が今現在この 「優しいふりで相手を油断させる」作戦の真っ只中だからである。 そう、これはあくまで振りである。嘘なのだ。...
  • 22-039
    伝わらないもどかしさ 拝啓 立秋とは名ばかりの残暑厳しき折、我が庭の鶏頭は燃え立つように赤く咲き誇っています。 貴君におかれてはいかがお過ごしですが。暑い暑いと不摂生しておらぬか心配です。 君と別れて半年近くが経とうとしております。 毎日顔を合わせてやくたいもない話をした日々が夢のようです。 新天地の水は体に合いましょうか。つまらぬ女に引っかかってはいませんか。 そちらは風土病もある土地と聞きます。 君は自分のことに無頓着だから、心配しております。 こちらは万事順調です。 僕の仕事は至って好調で、君の手伝いがないことにもだんだん慣れてきました。 君の不在をふと忘れて、あれを取れ、あれはどこだとうっかり独りごちたりするが。 君のほうは順調だろうか。 独り立ちしたばかりの君を助けてやれぬのがもどかしい。 こうして手紙を書いていると、どうにも心配する気持...
  • 27-039
    社長 外資系の社長が過密なスケジュールから開放されて社長室でネクタイを緩めるとか スーパーの社長が支店の売り上げに叱咤激励するとか 鉄工所の社長が昼休みの社員食堂で部下に話しかけすぎてうざいとか お菓子会社の社長が就任したとたん新商品の試食(毎日)でプクプク太ったり いろんな会社の社長がバイトのシフト組むのに悩んでたり 取引先の人と難しい話をしていたり 部下の失敗で頭を下げたり 社長もいろいろ大変だなって思うと同時に萌える 役者と裏方
  • 15-039
    雅 夕暮れ時の平等院は、黄金色の西日の中に、黒々とした影となって建っていた。 俺たち二人の前に広がる阿字池を、鴨の親子が泳いでいく。 サディクが眩しそうに目を細めて、帽子のひさしを深く引いた。 「ミヤビだ……」 そう呟く彼の横顔には夕日が差し、彫りの深い顔立ちが強調されていた。 サディクは中東の国からやってきた、俺の同期生だ。 言語学を専門にしていて、アラビア語、英語、フランス語、日本語を話す。 出会ったばかりの頃は彼の日本語がまだ初級レベルだったため、よく英語でコミュニケーションを取っていた。 しかしもともと勤勉な性格の彼は、1年後には古典文学にも手を出すようになった。 明治・大正の近代小説から遡り、江戸時代の戯作、竹取物語に源氏物語、果ては万葉集や古事記まで。 国文学科に在籍している俺は、彼のために現代語訳をしたり、文法の解説をした...
  • 18-039
    一緒に買い物 「今日の晩御飯は何にしましょう」 「うー寒いからなー…鍋がいい!」 「…えーっと、たしか3日前も鍋じゃなかったでした?」 「いいんだよー!貴方の作る鍋、絶品だからな!毎日でもいい」 俺の言葉に貴方はほんのりと頬を染めて、メガネを指で押し上げる仕草をする。 しかし、実際にはメガネはずり落ちてなんてなくて、彼の指は空しく鼻の上を横切った。 その事に彼はますます頬を染めて、照れくさそうに鼻の頭を掻く。 「新しいメガネ、慣れない?」 「いやあ、これ、クセなんですよ。  でもセルフレームなんて初めてで…似合わないでしょう?」 「あー、俺の見立てにケチつけ…」 「ええ!?いや!その!違います!すみません!」 さっきまで真っ赤だった顔を真っ青に変えた貴方は、小さく何度も俺に頭を下げる。 その姿が可愛くって、俺はいつも貴方に意地悪してしまうんだ。 「冗談...
  • 12-039
    オワタ\(^o^)/×( A`) 攻と受、初めての朝。 攻の場合 攻(思い余って遂に手を出してしまったw 昨日俺が受にしたこと考えると…… 俺オワタ\(^o^)/) 受の場合。 受(初体験で男の攻にイかされて、もろ感じちゃった俺って……( A`)) 好きな人に嫌われてる
  • 11-039
    火曜サスペンス劇場 眼下で海原がとぐろを巻いているように見える。波の砕ける音が耳にまとわりつく。 振り向けば、音を消し赤色灯だけを回し続けるパトカーが、ひしめいているはずだ。 そうして、自分のすぐ後ろには恐らくあの人が立っている。はじめて会ったときと同じ、 笑えてしまう程型通りの姿で。彼はきっとトレンチコートを着てその襟を立て、俺の後姿 を見据えているのだろう。舞台は過剰なほどに整っている。 あとはおもむろに、自白すればいいんだ。途中言葉に詰まってしまっても、彼は憐憫の 情をその顔にくっつけ、ゆっくりと頷いてくれるに違いない。 「あの人が憎かった。こうする以外どうしようもなかったんだ。」そんな風に切り出して、 すべてを話し終れば、きっと自分は彼に厳しさと優しさの混じった言葉をかけられる。 それを受けて俺は、諦念と悔悟の混じった笑顔を浮かべ、一筋涙を流してみせる。 ...
  • 25-039
    歳の差を気にする 「先輩の理想のタイプってどんなですかー?」 「んー別にない。普通」 「じゃあ年齢差いくつまでOKすか?」 「んー3歳差くらい? 離れすぎると話合わなそうだし」 「そっすか」 「おまえのタイプは?」 「俺ですかー? 聞いてくれますー?」 「流れ的に聞くしかないだろ」 「ですよねー? 俺は絶対年上です! しかも5歳上限定」 「へー」 「髪は黒のショート、顔は地味めで目元に黒子があって 趣味が読書で、携帯の待受が実家の愛犬で、後輩に優しくて ちょい不器用で、うどんよりそば派でネギ苦手な人が理想っす!」 「そうか。昼休み終るから会社戻るぞ」 「うぃーす!」 「おい」 「なんすか先輩?」 「俺の理想の年齢差、やっぱ5歳差までにするわ」 「あざーっす!」 長命な者と短命な者
  • 13-039
    ちょっと待て! えー、私はここに断言します。 つるぺた幼女の『おにいちゃん、ヤなのぉ』は至上であると! 疑似兄妹としての背徳感!嫌だと言いながら受け入れる様は何事にも勝る! む?実際にはそんな幼女はいない? 当然でしょう!全ては二次元!紙の上!アニメの中! 三次元のクソガキ……いやいや、お子様の持つリアルさなど必要はないのです! かの有名なオニャノブニャガ様も言っておられます。 『短き猫生、萌えに生きずして何とするにゃ!時代はロリにゃ!つるぺたにゃ!』 あ、わからないなどという不届き者は今月分の資料を見るように。 そこにあるニャン明書房の『猫耳戦国~みつひでにゃんにはご用心!~』の表紙だ。 さあ、同志よ!今こそ立ち上がる時!我等で時代を作るのだ! と、昨日の夜、俺が会長を務める二次元幼女愛好会の月一会合で演説してきたわけだが。 現在、俺の下から涙目...
  • 21-039
    ノンケのイケメン→ハイテンションなオカマ 桐野君が姿を消したのは卒業式の一週間前だった。 口数は少ないけれど、誰かが困っている時にはそっと手を差し伸べてくれる。 背が高くて筋肉質で肩幅が広くて男前。 特定の彼女がいたかどうかは不明だが、噂では何人かの女の子達と経験してると言われていて 大人っぽい雰囲気はそういう余裕があるからだろうと僕達モテ無い男達は少しだけ嫉妬していた。 そんな彼に再会したのは僕が社会人二年生になる少し前の事だった。 あの頃と変わらず、桐野君の肩幅は広かった。 シンプルなドレスで鍛え抜かれた筋肉を覆い、似合わない化粧をした彼は、 周りの視線やヒソヒソと話す声を、まるで無いもののように キレイに巻かれた長い髪を揺らせながら真っ直ぐ前だけを見て颯爽と歩いていた。 僕はその姿を美しいと感じたのだろうか。...
  • 2-039-1
    戦闘用アンドロイド×セクサロイド 私は戦うために作られたモノ。優しさ感情、そんなものはあるはずも無い。 僕は人の欲望を満たすために作られたモノ。愛しさ感情、そんなものはあるはずも無い。 だけど何故。 だけど何故。 目の前のモノを破壊したく無いのだろう。 目の前のモノに触れてみたいと思うのだろう。 訳が分からなくなって、私はぎこちなく笑ってしまった。笑う機能は私には無いのに。 非常に変だ。CPUの大事な部分が故障したのかもしれない。 訳が分からないけど、僕もぎこちなく笑い返してしまった。いつもは完璧な笑顔を作れるのに。 非常に変だ。CPUの大事な部分が破損したのかもしれない。 そうか、壊れているのだ。 そう、壊れているから僕達は先ほどから変なのだ。 ゆる、と私よりも細いアームが、私の腰に触れて。 ...
  • 21-039-1
    ノンケのイケメン→ハイテンションなオカマ 彼女と別れてヤケ酒。二日酔いでガンガンする頭を抱えながら出勤退社。 その後ブラック・アウト。記憶なし。 気付いたらベッドの上で、傍らには短い黒髪にガタイの良い男。 意識が落ちる瞬間、誰かに抱えられた気がしたが、なるほどこの男なら有り得そうだ。 黒いタートルネックセーターとベージュのパンツで実にシンプルな装いだが、派手では無いがそれなりに整った顔立ちと長身とがあいまって 同性から見ても凄く良い男に見えた。―――その時は。 「あれ…俺、ここは…。」 「あ、気が付いたの?覚えてるワケないと思うけど倒れてたんだよ君。ここは俺の家。」 「倒れたって…。」 「インフルエンザで。凄い高熱だったけど自覚なかったの?」 確かにヤケ酒する前もなんだかムカムカしてた気がするけど、まさか出勤停止命令が出るほどの病にかかっているとは思わな...
  • 12.5-039
    年賀状 2年になってやっと同じクラスになったその友人は、基本的にうるさい。 馬鹿のくせに、他人の領域にはズカズカ入るくせに、意外と本人は秘密主義だ。 ただ異様に人なつこくて明るくて、まぶしかった。 だからって、別に。ほだされたとか、そんなんじゃない。全然。 今も放課後の教室で、何が楽しいのか僕の眼鏡を掛けてみせ、 似合う?などとしきりに訊いてくる。 それが飽きたら今度は僕の髪でも弄り出すんだろう。好きにしろ。 いや、いつもなら足でも踏んでやるんだが、今の僕はそれどころじゃなかった。 12月も残りわずかという今日この日、僕はある使命を果たすべく、 タイミングを計っていた。 さりげなく、なるべくさりげなく… 「どうしたの?」 「ハァア?!」 「うわっ!…いや、なんか大人しいと言うか、それでいて鬼気迫ってると言うか…」 「…別になんでもない。そんなこと...
  • 4-029
    いやいやいや、新幹線駅じゃなくても迷うよ。天王寺とかややこしいし。 待ち合わせ場所の改札口でヤツを待つこと数10分。やっと電話がかかってきた。 今日こそ怒ってやろうと思ったのに、電話口のあいつは半分泣き声で…なんか、もう、いいや。やる気そがれた。 「ったく…また迷ったのか?」 「うん。迎えに来て。」 「今どこだよ。」 「なんかね、薬局の前。」 …知るかよ。 俺はとっくに集まってたみんなに声をかけて先に行ってもらうことにした。 いっつも当然みたいに迎えに来させやがって。なんで幼馴染みってだけで毎回俺が行かなくちゃならないんだ。 …そりゃ、他のやつが行くのも、それはそれでムカつくけどさ… すっかり元気になって 「大体さ、天王寺ってややこしくてどっちに行ったらいいのかわかんないんだよね。」 とか文句を垂れているあいつに、絶対動くなと念を押して、俺は走り出し...
  • 4-069
    50代×30代 言葉足らずなあんたの世話係になってから、俺は苦労しっぱなしだったよ。 刺激物はダメだって言ってんのに勝手に食うし、どっか行くなら声掛けろって何度注意しても無断で出掛けるし。 俺、何度叱られたと思ってんの、周りの人にさ。 珍しいですね、手を焼くなんて…なんて仲間にも言われた。 そうだよ、普段はこんな入れ込んだりしなかったしな、失敗とは無縁の中堅の優秀な世話係…だったわけよ、あんたに会うまでは。 あの日。 あんた調子悪いとか言っといて、俺、心配で泊まり込んだら、俺の方が次の日、腰痛いは、熱出るは…って、あんた、俺にあん時、告白もしなかったこと、今思い出してもむかつく。 考えてみりゃ、あんた、一度も俺に告白してねぇじゃん。 日本男児はそんなことは口にせん、とか、あんた戦後生まれだろってつっこみどころ満載だったよ。 でもさ。 あんたが俺に内緒で最後に...
  • 4-089
    ヨーロッパのとある所で、たった一人はぐれてしまった受け。(殆んど言葉が通じない状況で萌えてください。) 「あれ、みんな……。……ここ…どこだっけ。」 雑貨店を夢中になって覗いているうちにどうやら置いて行かれたらしい。 「そうだ!携帯!……いやここ海外!」 口に出してみて置かれた状況を再確認し、眉が下がる。 薄情にも自分を置いていった友人たちに憤りつつ、通りの名でも見ればここがどこかわからないかと 試みるものの、英語ならともかくフランス語となるとお手上げと言うほかない。 「ホテルの名前、なんだっけ……。」 最悪、大使館に駆け込むのかなあ。でもホテルにも辿り着けないのに大使館になんか辿り着けないか。 ぼんやりとそんなことを考えながら道端にへたり込んでいると上から異国の言葉が降ってきた。 見上げると綺麗な金髪の青年が何事か彼に話しかけてい...
  • 4-009
    モナー×野間ネコ 生みの親に捨てられた。 生まれたばかりの頃、親は僕を可愛がり唯一の存在なのだといつも言っていた。 なのに、ある日急に裁判に負けたから、もう用なしだからと捨てられたんだ。 …一体僕は、僕はなんなんだろう。 どこに行っても石を投げられ、罵声を浴びる。 生きていてもしょうがない…そう思った僕に救いの手がのびた。 僕にそっくりな手が。 ―おい、平気か?辛かったな… 出会って、気付く。 あなただったのかと。 あなたでありたかったのだと。 ―もう大丈夫。 嗚呼。 ―これからは俺達の公衆便所にしてやるから 僕は野間ネコ。 モナーの体液で、いつか本物になれるだろうか。 黒いスーツ×白いスーツ
  • 4-099
    立ち耳ウサと垂れ耳ウサで一つ 何でボクはこんなのなんだろう。 ウサギといえば、君みたいに真っ白で、耳がぴんと立ってて。 なのにボクは、汚れたような黒と茶色と白が混じった毛で、 耳もだらしなくたれている。 それなのに君は、こんなボクが好きだと言う。 ボクにかわいいだなんて言ってくれる。 君のほうがずっとずっと素敵なのに。 ボクなんて、君とは似合わないよ、ねぇ。 君みたいに真っ白で、君みたいにぴんと耳が立ってて。 ボクも君みたいに綺麗なウサギだったら、君にスキだって言えたかな。 あ、あの、どうぞ踏んでください……>○r2”
  • 4-049
    なんでも受け入れちゃう総受け冷蔵庫に熱烈片思いの電気ポット まったく、腹の立つことばかりだ。 連中は今日もあいつを押し開いて、手当たり次第に突っ込んでいく。 セロリ、にんじん、ねぎ、牛蒡…長物を入れるな長物を! いつまでこんな事続けるつもりだ?一度だけそう聞いたことがある。 壊れて捨てられるまでかな、とあいつは言った。何の感慨もなく。 あいつだって何も好んでやってるわけじゃない。かといって嫌がる様子もない。 僕に出来ることなんてこのくらいだし、なんて 日がな一日、見せつけられてる俺の気持ちにもなってみろと言いたい。 あいつの事なら何でも知ってる。 人一倍電気を食って、絶え間なく働いている。唐突に黙り込んだりする。 来るものは拒まず、限界ギリギリまで受け入れる。 中はクールなヤツだけど、裏に温かな面を隠し持っている事も、全部知っている。 ...
  • 4-079
    弁護士×検事 初めての事件なのに、何で、因りにも由ってお前が担当検事なんだよ。余計に緊張して、失敗したらお前のせいだからな。 そ知らぬ顔したアイツを俺は睨み付けた。 一緒に机並べて勉強したの忘れましたって、顔だよな。ちょっとばかり、いや、3年ばかり先に司法試験合格したからって、それはないだろ? だいたいお前、お前が何で検事なんだよ。大学時代、通説・判例嫌いで、少数有力学説とかの方に傾いてたじゃないか。あれは教授の機嫌とりだったなんて言わせないぞ。 俺は知ってるんだからな。中坊の頃からお前の愛読書がドストエフスキーで、罪罰なんか何度読み返したか分からないぐらいだって。 死刑廃止論始めに冤罪事件関係は余さず読んでただろ。 「たとえ真の犯人が捕まらなくとも、冤罪に泣く者を一人もだしてはならない。」 って、言葉に感動した青臭いヤツだった筈だよな。 罪罰...
  • 4-019
    黒いスーツ×白いスーツ 見たくなかったよ。どうしてお前が俺の働いてるところで式あげるんだよ。 社員割引とか利かね?とか何あっけらかんとした顔で俺んとこ相談しに来るんだよ。 でき婚とかふざけんなよ。何でそんな幸福そうな顔してるんだよ。 何でケーキ入刀なんてしてるんだよ。何でキャンドル手にして阿呆面晒してテーブル巡りしてるんだよ。 何で俺あいつの式で案内役してるんだよ。本日はお日柄も良くだなんて心にもない嘘吐いてるんだよ。 何でお前白いスーツなんか着てるんだよ。何で俺黒いスーツ着て案内してるんだよ。 白いスーツの男の花嫁を黒いスーツの結婚式場の従業員が攫って逃げましたなんて、もうそんなの、喜劇映画にもならねえじゃんかよ。 いやいやいや、新幹線駅じゃなくても迷うよ。天王寺とかややこしいし。
  • 4-059
    虹が見える歩道橋  雨が止んだ。夕立の上がった町並みをぼんやりと見つめながら、僕は住みなれた アパートへ帰る。  ――何をしに、この街へ来たんだろう。  それを考えるたび、繊細さのかけらもないはずの僕の心はちくりと痛んだ。  答えは一つ。彼を探しに。  兄弟でもなく、親友でもなく、だけど誰よりもそばにいて、誰よりも愛しく想っ ていたあの人を探しに。それだけで、たったそれだけの理由で、僕はこの街を住む 場所に選んだ。  最後に交わした言葉は、「じゃあ」と「またね」だった。その言葉に嘘は無いと、 僕はただ信じたかったのだ。  僕たちが付き合っていたのは、随分とむかしのことだ。「子どもで、愛のことな んか何も分かっていない」高校生だったころのこと。抱き合うことも、キスをする ことも、手を繋ぐことさえ自由には出来なかった。  偶然にそれが知れてしまったのは、確か...
  • 14-029
    言葉が交わせない 私と貴方では身分が違いすぎる 私には、貴方を間近で見ることさえ叶わないのです だから、お願いですから こんなところへ来てはいけません 「今日は天気が良いからな…つい外に出たくなった」 貴方のお声が上から降り注ぐ ひざまずいて頭を下げる私には、貴方の表情は見えないけれど 「お前のつくる庭は本当に素晴らしいよ」 お褒めの言葉なんて私にはもったいない 答えることを禁じられている私をお許しください 「花たちがきれいに咲くのは、お前が育てているからだろうな」 貴方の微かな微笑みが、下を向いたままの私にも伝わってくる もし…もし、そうだとしたら 私が育てているから、花たちがきれいに咲くのだとしたら それはきっと、貴方に見てほしいからです 貴方のために私は花を育てているのだから 「私もお前が育てている花の一つになれたらいいのに」 髪の毛をさらり...
  • 14-079
    「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 なあ、お前、泣くか喋るか犯るのをやめるか、どうにかなんないのか。 「ごめんなさい…ごめんなさっ…」 泣きたいのは俺のほうだしな。 「…ごめんなさい…」 じゃあ今すぐやめろよ。俺もそろそろ死にそうだよ。 「ごめんなさい…」 だからもうやめろってば、 「好きです…先輩」 今更言われてもどうしようもねえんだよ、馬鹿が。
  • 14-049
    日本昔話風 題「ひまわり」 昔、昔のおはなしです。どこかに小さな村があり、そこには幼いふたりの兄弟が暮らしておりました。 素直で働き者の兄と、腕白盛りの弟はたいそう仲が良く、早くに両親を亡くしながらも支えあって懸命に生きていたものですから、村の人々も何かと世話を焼き可愛がる、そんな兄弟でありました。 さて、この村の外れには、村の神様をお祀りするための小さな祠があり、祭事を取り仕切る大人以外は近寄ることすら許されないとされておりました。 寄れば最後、神様のお怒りを買ってしまうと。大人たちはそう言って子供たちを諫めており、子供たちもしっかり言いつけを守っておりましたが、件の弟ばかりは、自分の子供らしい好奇心に勝てなかったらしいのです。 弟は兄や大人の目を盗んで祠に立ち入り、そして、 いつまでも帰らないことを心配した村の衆が見つけ出したときにはもう、物言わぬ冷たい体にな...
  • 24-059
    わんこ攻め×天然受け 攻め「好きなの!?受け、好きなの!?ねぇ!俺!俺のこと好き!?」 受け「うん、好きだよ」 攻め「本当!?大丈夫なの!?気持ち悪くない!?」 受け「うん、攻めは気持ち悪くなんかないよ」 攻め「そうかぁ!俺バカだから!バカだから自分の気持ち抑えらんないから!」 受け「そうだね。攻めらしいね」 攻め「うん!でも好きなんだ!そうなんだぁ!じゃぁ付き合ってくれるんだよね!」 受け「そうだよ。付き合うよ」 攻め「よかったぁ!じゃぁ付きあおうね!俺と付きあおう!」 受け「うん、付き合おうね」 攻め「あぁ!俺たち好き合ってるから付き合えるね!ね、受け!」 受け「うん。ところで付き合うってどこに?」 攻め「あぁー受けと俺は今壮絶にすれ違っているよー!気をつけようねぇー!」 皆の人気者×一匹狼
  • 14-059
    堅物×泣き虫 「堅物だって言われねえ?」 「言われますね」 「生徒会長とかやってただろ」 「生徒会長は人気のある奴がやってました。俺は副会長です」 「ははは(笑えない)」 「悪口とか噂話も嫌いそう」 「時間の無駄ですよね」 「痴漢とか万引きとか絶対しなさそう」 「犯罪じゃないですか」 「エッチ話とかしたことある?」 「話をしてどうするんですか?」 こいつはどういうセックスをするんだろうと興味を持ってしまった。 酒によってたし。誘ったらついてくるし。 それが間違いだったんだけど。 「お前だましたな!」 「何をですか?」 「堅物のふりなんかして汚ねえぞ!」 「ふりなんてしてませんけど」 「エッチ話なんて興味ないって言ってたくせに!」 「話なんてしたって意味ないでしょう。やらないと」 「ちょ……直球で言うな!」 「それにしても意外で...
  • 24-009
    皆既日食 アナ「さあいよいよ、25年ぶり、金環日食のスタートです!」 月「久しぶりだね。ずいぶん待ったよ。」 太陽「前会ったのは3年前か。悪かった。」 月「久しぶりに一つになれるんだね・・・。」 太陽「あいつから見れば、な。」 月「長かった。長かったよ、ねえ。」 太陽「俺はずっと、お前を見てたよ。」 月「・・・うん。あったかかった。」 地球「何で?何であんな奴と・・・!」 地球「ずっと照らしてくれてたじゃないか。こっち向いてくれてたじゃないか!」 地球「向けよ!こっち向けってんだよ!」 アナ「太陽の中央が隠れました。金環日食です!さながら金の指輪のような、・・・。」 月「指輪だって。」 太陽「ああ。」 月「僕たちはそれをはめられないね。僕たちだから。」 太陽「そうだな。」 月「でもいいや。僕たちが指輪なら。」 太陽「俺とお前が一...
  • 24-029
    ボディーガード 「危ないからこっち来て!信号、ホラ赤だから」 「なんだよ渡ろうよ、全然車来ないじゃん」 「ダメだって、もし万が一とか億が一とか、来たらどうするの!車に勝てるの!?ショウタくん勝てないでしょ!」 「あーもーわかった、わかったよ」 「そこ!ホラ蛙死んでるからこっち!すべって転ぶから!危ないから!」 「ひっぱんなよ、わかったよー」 「あーストップストップ!」 「なに、行こうって」 「ちょっと待ってって…ホラ来たー!バイク!ピザのバイク!危ないじゃん絶対気付いてなかったじゃん!」 「今の間で渡れたじゃんか」 「あれ?翔太?」 「あ、山井」 「翔太の家ってこっちだっけ?」 「や、違うけど」 「ショウタくんこの人誰?誰?友達?ショウタくん耳赤いけどなんで?」 「ああ、こんちはー。名前は?」 「ロッキーですけど!」 「俺と妹はロッキーって呼んで...
  • 14-089
    苦笑しながら「馬鹿じゃないの」 「馬鹿じゃないの」 目の前でちまちまとした作業を繰り返す男に、俺はそうつぶやいた。 「馬鹿ってなんだよ」 「目の前にそうやって山積みにされてるものを見ると、馬鹿としかいえないんだけど」 ヤツが延々繰り返しているのは、甘栗の皮むき。 剥くだけ剥いて、食べるでもなく、それをティッシュの上に積み上げているのだ。 「放っておけよ」 そう言って、またヤツは無言で作業に戻る。 何で分からないかな。こうして折角二人でいて向き合ってるのにさ。 放って置かれて無言で甘栗の皮むき見つめてるなんて、むなしいだろ。 そんなこと、口が裂けたって言ってやらないけど。 「そんなの、剥いて売ってるやつあるじゃん。何でそっち買わないんだよ」 「それじゃダメなんだよ」 「何が」 そのあとの返事はなく、黙々とその手は動かされる。 こんな状態で、こっちを向い...
  • 14-069
    親の言いなり攻めとそんな攻めに対して何も言わない受け 仕方がない、とすら君は言わぬ。 志半ばに帰郷し、親の決めた女と一緒になる君はただ、諾々と従っている。 長兄が急逝し、継ぐはずもなかった家業を継がねばならぬ身になった君は、 どんなにか口惜しい思いをしていることだろう。 東京での君の活躍は、前途洋々たるものと聞いていた。 君の才能を惜しんで上京を勧めたのは僕だったから、 僕は我が事のように嬉しかったものだ。 勘当同然に出て行った君だから、おおっぴらには喜べはしなかったが。 その僕は今、やはり密かに喜んでいる。 生涯、君の兄をたすけることに仕えるはずが、君をたすけることになった。 我らが生業を君と一緒にやる。一生、君に付き従う。 夢とも思った秘めた望みが、いまうつつのものとなる。 僕は、君を僕のものとする。 絵の道を断腸の思いであきらめる君に、 ...
  • 24-079
    皆の人気者×一匹狼 コンクリートがむき出しの雑居ビルの中は、走っても走っても先が見えない。 ぜえぜえと自分の吐息ばかりが響いて、 それを聞きつけて今にも奴が迫ってくるのではないかと言う恐怖が繰り返し思考を停止させた。 違う、落ち着け、逃げるのをあきらめるな。 ああ。正義の味方、だなんて甘い響きの言葉で武装する連中など、これだからくそったれなのだ。 連中は「正義のヒーロー」だ。とどのつまりは、国家が雇った、軍より自由な傭兵でしかないのだけれど。 最新式の武器と暗視スコープ、一糸の乱れもない組織立った捜索でこちらを確実に追い詰める。 それを自分は何度も見てきた。 裏町で自分を育てたあの気のいい小さなマフィアの連中も、そのあとに自分を利用した薄汚いゲリラ連中も、 思想には共感したが行為がいささか強行だったレジスタンスの連中も、みんな、みんな。 刺すような視...
  • 24-049
    まわし 「…………」 「……………」 「………なんか言えよ」 「……どうしろっつーんだよ」 「大丈夫、お前ならこのやっちゃった感漂う空気を打破した挙げ句GJの嵐を巻き起こせる出来るはずだ!いけ!」 「何その無茶振り!?」 「あたしぃ、キミの事信じて待ってるから!!きっと生きて帰って来てね!」 「不自然に高い声を出すな気色悪ぃ!つーかサラッと死出の旅発言!」 「………ゑー?」 「ゑーっじゃねぇよぶん殴るぞ」 「じゃあお前、どうすんだよこの空気」 「いや知らねーし俺ら通りかかっただけだし」 「困ってる姐さん達を見捨てるの!?この人でなしっ!」 「知るかぁ!!たかがリロミスだろうがァ!」 「ちょうど出くわしちゃった以上なんとかしたいだろ…でも本当どーすっかなぁ」 「いきなり冷静になったな」 「うーーん」 「…………」 「うーーーーーん」 「……………...
  • 4-069-1
    50代×30代 「70年安保の頃?馬鹿な。私はノン・ポリだったんだよ。都市革命論なんてあり得ないってのが持論だったからね。」 彼の話を聞くのが好きだ。 それは越えられない20年の時の壁を感じさせるけれども、僕の知らない彼の、まだ若く生き生きとしていた時代の光を、感じさせてくれるから。 「でも、結構大学では有名だったって噂に聞きましたよ。」 「ああ、あれは他の大学の奴らが、うちの大学に乗り込んで来てね。革丸だか中核だか、知らないが、私の尊敬していた教授を取り囲んで吊し上げようとしたんだ。だから頭に血が昇って、怒鳴って、暴れて蹴散らかしてしまってね。それで一躍大学では有名人さ。武闘派の右翼だって、勘違いされたよ。」 「その教授が好きだったんですか?」 「いや、尊敬してた。それだけだよ。」 ちょっと嫉妬に駆られた僕の気持ちを、彼は何時も敏感に察知し...
  • 4-029-1
    いやいやいや、新幹線駅じゃなくても迷うよ。天王寺とかややこしいし。 「ぅあー……。」 半ば押し付けられての出張で人生初めての大阪に降り立った俺はうんざりとした声を上げた。 広さ的には東京駅の方がはるかに広いのだろうが不慣れな分やたらと広く見える。 在来線の名前も見慣れないからどれがどれだかわからない。 「環状線ってどこだよ!」 表示を見ながら構内をうろついていたがそんな文字はどこにもない。 出張を押し付けられた苛立ちも手伝ってつい大声を出していた。 「環状線はこっから出てへんよ。一旦大阪まで出な。」 背後からやわらかい関西弁が聞こえた。関西なんだから関西弁で当然か。 振り向くと人のよさそうな笑みを浮かべた男が立っていた。 「あー…そうなんですか。どうも…。」 一人で叫んでいるところを聞かれた気まずさも手伝って曖昧に答...
  • 24-019-1
    攻め大好きな不良受け 煩いくらい鳴っている目覚ましを ほとんど叩く様に止めて時間を確認した。 7時ぴったりを示した時計をみつめてもぞもぞと起き上がる。 顔を洗って歯も磨いてからほぼ金色に近い髪をセットする。 7時30分 朝飯をゆっくり食べてから制服に腕を通す。 ワイシャツの前を盛大に開け、アクセサリー置場にあるものを片っ端から着けていく。 7時50分 学校へは歩いて20分ほどで着いてしまうので暫くコーヒーを飲みながらテレビをみる。 遅刻ギリギリの時間を見計らってから俺は家を後にした。 学校が見えたところでチャイムがなった。 校門までダッシュで走ると門を閉めようとしていたやつが俺に気がつきため息を吐いていた。 「ギリギリセーフ!!」 息を切らしながら俺は目の前の風紀委員長に笑うと委員長はもう一度ため息を吐いた。 「ギリギリ過ぎですね。それに服も髪もアクセサ...
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