*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレまとめ@ ウィキ内検索 / 「6-639」で検索した結果

検索 :
  • 6-639
    喪服を脱ぐ時 「俺の喪はまだ明けてないんだ」 そういってアンタはいつも黒い服を着てる どうしたらアンタの喪は明けるんだ そんなこと聞けるはず無い 「死んだ恋人」より俺を見て欲しい そんなこと言えるはず無い 「どうした新田、行くぞ」 アンタが俺を呼ぶ 俺が記憶するアンタはいつも黒い服 「今、行きます」  いつかアンタが喪服を脱ぐ時、傍に居るのが俺なら良い そう思った。  旅の途中
  • 26-639
    なかなか告白できない 「なあ、お前好きな奴とかいんの」 買ったばかりのブリックパックにストローを刺しながら、吉岡が唐突に言った。 「は? ……別にいないけど」 「ふーん」 自分からネタを振ったわりに全く興味のない返事を寄越して、いちごミルクを音を立てて啜る。 毎日毎日飽きもせずにいちごミルクだ。そして毎日飽きもせず、一口飲んだ後は必ず同じ台詞だ。 「飲む?」 「だからいらないって。甘いの嫌いなんだって」 「あっそ」 差し出された飲みさしのパックから――正確には先が少し噛み潰されたストローから、辛うじて目を逸らす。 甘いものが嫌いだと言ったのは少し嘘だったし、いらないと言ったのはもっと嘘だった。 無神経だと苛立つのは俺の自分勝手でしかない。悪いのは変に意識している自分だけ。 放課後の屋上から眺める校門付近には見渡す限りのカップルカップルだ。何がそんなに楽しいの...
  • 16-639
    夏の情緒 男が仕事から帰ると、敷物が草を編んだものになり暖簾や部屋のしつらえが夏情緒溢れるものになっていた。 ちりん、と涼やかな音は風鈴だろうか。ご丁寧に蚊遣りの豚まで焚いてあった。 「おかえりなさい、今日もお疲れ様でした」 「ただいま」 そして笑顔で男を出迎えた若者は浴衣を着ていた。 もう暑くなりましたからね、いいかげんに模様替えしないとと思いまして、そうしたら浴衣も一緒に出てきてつい着てみたくなったんですよ。 そういいながら荷物を受け取った若者は遠慮がちに顔を伏して、続けた。 「もしよろしければ、あの、私の父の浴衣があなたに合うと思うんですが、どうでしょうか」 それだけのことを言うのにどれだけ緊張しているのだろうか。 うつむいたまま耳を赤くしている若者の腰を抱き寄せ、男はわざと耳元で返事をする。 それだけで腰を抜かしてへたり込んでしまった若者を見て、...
  • 3-639
    痴漢 朝の満員電車の中。 まるで何かをいつくしむように誰かがケツをなでさすっている。 ぞわぞわした感じが気持ち悪い。 世の女性が痴漢で騒ぐ気持ちも分かる気がする。 ――さて。どうしようか。 俺は男だし、守るべき純潔もとっくに捨ててるから別にどってことない。 でもこれは立派な犯罪だし、何よりタダで触られるってのが気に食わない。 …慰謝料目当てで犯人をでっちあげる女性も居るという。 男を触るのなんてよっぽど飢えた痴女だろうし、ここらで男の威厳を見せつけても…。 そこまで考えが及んだ時だった。 ケツの上の方を撫でていた手が足の合間へと下がっていく。 こ、こいつどこまで触る気だ!? 背中にぴったりと寄り添い、股をくぐらせた指先はこそこそと股間をくすぐる。 …さ、流石にこんなことされると黙っていられない。 何より下車するときに勃起なんてしてたら...
  • 7-639
    ソーダシガレット 何気なく店に立ち寄り、安っぽい駄菓子を買った。 名前の分からないキャラクターの絵が印刷された、青い紙箱に入っている白いシガレット。 どうしてこのラムネのような駄菓子にシガレットという名が付いているのだろう。 どう見ても、煙草とは似ても似つかないじゃないか。 店を出て、シガレットをひとつ取り出した。 煙草を吸うような動作で、口にくわえてみる。 隣では、奴が俺に好奇の視線を向けている。 大の大人が駄菓子を遊びながら食べる光景は、さぞかし滑稽なのだろう。 自然と、自嘲の笑みが零れた。 そして、笑いに口元を歪めたせいで、くわえていたシガレットを落としてしまった。 落ちたシガレットを一瞥し、その場を立ち去ろうと足を踏み出す。 だが奴はシガレットを拾いあげ、あろう事か口に入れようとしていた。 慌てて奴の手からシガレットを叩き落とす俺に、奴は不満げ...
  • 4-639
    幼稚園からの付き合いで、30歳になる今までずっと一緒。しかし片思いしてるのは自分だけ。 「彼女が出来た。」 もう何度目だ?そんな嬉しそうな顔して笑うなよ。その度に俺が罪悪感に駆られるんだよ。 親友だと思ってるのなら、そんな顔俺に見せるなよ。もう嫌なんだよ。 大体お前、女にモテる要素ないだろ。足は臭いし、ヘビースモーカーだし、 人前で平気な顔で屁ぶっ放すは、空気は読めないはで、挙げれば限が無いんだって。 そうだ、前だったかその前だったか忘れたけど、その時の女みたいにまた騙されてるんだよ。 だってさ、お前人がいいからさ・・・ だから早く別れろって。大丈夫だ。お前は忘れっぽいからすぐ忘れるって。 だってお前ファーストキスの相手俺だって事忘れてるんだろ? 中学の時の女じゃないんだよ。残念だったな。 「お前なら、喜んでくれると思ってた。ほっとした。」 ...
  • 5-639
    女の子大好き!な受け 知り合った頃は、女なんか面倒だ、それよりお前といるほうがずっと楽しいと言っていた。 その言葉に安堵した俺を彼はどういう気持ちで見ていたんだろう。 俺といるほうが楽しいと言う言葉をどうして真に受けていたんだろう。 どうして俺はもっと焦らなかったんだろう。 どうして、俺は彼に好きだと告げられなかったんだろう。 いつからだったか、人が変わったように 彼女が欲しい、女が欲しいと繰り返す彼にどう接していいのか分からない。 笑うべきなのか、諌めるべきなのか。それとも怒るべきなのか。 俺はどの選択肢も選べない。 彼女が出来たと報告されたら。 考えただけで寒気がするこの感情は恋なのか、それとももっと違う倒錯した何かなのか。 好きだ好きだ好きだと馬鹿みたいに繰り返したら 彼は振り向いてくれるのか。 恋愛の選択肢に女じゃない俺を入れて...
  • 8-639
    新しい髪型 手のひらで自分の頭部を包み込むように撫で上げてみる。 額から遡ってうなじまで。 つるりとした感触がどこまでも両手に届くので、先程まで当たり前にそこを 覆っていた自分の頭髪はもう無いのだと、改めてそのことを実感する。 唐突に思い至ってイメチェンだとか、俗世に絶望して仏道に帰依するだとか そういうつもりは全く無い。 寧ろ事態はもっと切実なだけにアホらしくもあるのだ。 さて、奴はこの頭を見てどんな顔をするだろう。 「ただいま」 玄関の扉を開けると同時にキッチンからは食欲をそそる匂い、 ついで気の抜けた「おかえり」という返事が返ってくる。 帰還を告げても鍋の中を覗き込んだまま、振り返りもしない背中が 心なし萎れて見えるのは、おそらくも何も今朝の喧嘩を未だに引き摺っているからだ。 居間とキッチンを仕切る壁に凭れ掛かりながらご機嫌を伺うように 今...
  • 9-639
    AV 営業先の社屋を出た所で、先程までの理路整然冷静沈着なON口調とは打って変わって、 唐突にTさんはこう言った。 「評判のAV買ったんだ。すげぇぞ、でかくて興奮もんだぞ。 おまえそういうの好きだろ。見に来ねぇか?」 な、なに?俺、巨乳好きだなんて言ったっけ? そりゃグラビアアイドルの溢れんばかりの乳にはつい目が行くけどさ。 「今日は終わったら直帰するって云っておいたから、これから来い」 女にモテるTさんだってAVくらい見るだろう。そういうのは別腹だもんな。 だけど、女で喜ぶTさんなんて見たくない。見たくないよ。 そう思うのに、Tさんちに誘われたのは嬉しくて、夕飯の鍋の材料や酒を買うTさんの後を、 複雑に入り乱れる心を抱えトボトボとついて行った。 リビングに入るなりTさんは荷物を下ろすのももどかしげに、 「ほら、すげぇだろ」 え?これって…。 「...
  • 1-639
    黒猫×白猫 ごみバケツからの戦利品を咥え、歩道を横切る俺を追い払う、化粧臭い人間が手にしていた小さな檻。 趣味の悪い飾りの隙間から、毛足の長い白いやつが退屈そうにすましているのが見えた。 晴れた空を閉じ込めたような青い目で一瞬、ちろりと俺を見やり、 また何にも楽しくなさそうな顔をして檻に納まっていた。 その自分の体と正反対な白色に興味が湧き、俺は戦利品も放り捨ててそいつの後ろに付いていった。 ごてごてと飾り付けられた家の窓際で、そいつがぼんやりと外を眺めているのをみつけた。 「なあ、あんた。そこからどんだけ跳びあがったって、石の塀しか見えないだろう。」 俺が話しかけると、そいつはほんの少し目を見開いた。 そしてすぐにすまし顔に戻って言った。 「跳びあがったりするもんか。君はそんなことをしてるからそんなに汚れちゃったんじゃないのかい。」 「俺はもともと黒い...
  • 2-639
    東京×大阪 いきなりお役目任されて、あいつ変わってもうたんや。 それまでは、垢抜けなくて頑固で、そやけど愛嬌のある可愛い奴やったのに お役目任されてからはみるみる内に荒れていきよった。 元々離れたとこに住んどったし、俺もその頃から どんどん忙しぃなってきてたもんやから、暫くは気付かれんかった。 ......気付いた時にはもう遅い、て奴やな。 荒んだ目ぇしてぴりぴりしてるアレに会った時には、誰かわからんかった。 そんくらい、変わっとった。 必死になってお役目果たそうとして、そんなんなってしもうたんか。 そう思うたら、腕が勝手にあいつ抱きしめとった。 もう昔みたいな可愛え笑顔は出来んのかも知れんけど、 おまえが笑えるようになるなら、どんなことでもしたるから。 警察官と893の許されざる愛
  • 10-639
    印象的な人 極寒の地にある統制国家の若き兵隊だった俺は、何も信じちゃいなかった。飢えをしのぐためだけに軍に入ったからだ。 だから、飢えと寒さと貧困に喘ぐ市民が暴動を起こす度、自分の食糧を守るため迷いもなく容赦なく叩き伏せ検挙し統制を守った。 あの日、彼に会うまでは。 暴動の最中に霰混じりの嵐が広場を襲った。 市民も憲兵も混乱し、踏みつぶされる者やトーチで火傷するものの叫び声が響き 寒さで麻痺しかけた嗅覚に蛋白質の焦げる嫌なにおいが僅かに届く。 そのうち視界がホワイトアウトする程の嵐になった。 建物の陰を何とか探り当てた若い憲兵は、そこに先客がいることを認めるや否や銃を構えた。 「動くな!」 叫んだはずの声は嵐の白に吸い込まれ、相手に届かなかったようだが、このまま雪礫に晒されては命の危険すらある。 物影の先客は特に身構えたり銃器を構えてはいないようだったので...
  • 13-639
    赤頭巾×狼 人間、気分がいいと妙に心が広くなることがある。 10月に入り、近くの小学校からは運動会の練習の声が響く。 そんな中途半端な時期に、都内の大学から1時間圏内に 「学生・単身者向け・駅より徒歩20分バス路線あり1K・3万円  鉄骨3階建て10室(備考・公序良俗風紀面等規約順守頂ける方)」 なんて破格の物件がそうそう見つかるとは思えない。 しかも連絡して見に行ったら、見晴らしのいい高台南向きだし、 1階部分片側を2室分のスペースで(って何て言うんだろう?) 使ってるオーナー兼管理人さんは優しくて話上手なおばあちゃんで、 元々お年寄りには好かれる性質の俺の事を気に入ってくれて、 出してくれた紅茶はおいしくて、とんとん拍子に話が進んで ……これで気分がよくなかったら嘘だ。 だから、管理人さんが昨日ちょっと転んで足を軽く捻ってしまって、 家の中では...
  • 25-639
    酌み交わす 「酌み交わす」……それは雑音さえもBGMとして、二人の世界がそこに存在することを意味する。 20代前半同士が仲間内の賑やかな飲み会から少し隅に外れて二人だけで酌み交わすとか。 30代中頃の隠れゲイが恋人にフラれた同僚を慰めつつ胸を締め付けられつつ平気な顔で酌み交わすとか。 30代後半同士が会社で独身なの俺らだけかー、などと言いながら少しずつ、でも確かに近くなる距離を感じながら「まさか」「もしかして」という予感に戸惑いつつ、だけど世間体やら突き進んでみるには遅すぎる年齢やらを気にしてちょっとした後ろ暗さを抱えて酌み交わすとか。 40代ノンケ同士が行きつけの飲み屋でいつものモツ煮をつまみながらキャッキャウフフと娘息子の話に花を咲かせつつむしろ二人がお花ですみたいな状況で酌み交わすとか。 50代同士幼馴染あるいは腐れ縁がお正月に家族ともども互いの家を訪れ騒がし...
  • 24-639
    自己完結 もう別れよう。 俺にはお前はもったいないよ。 お前は俺をこっぴどくフって、巨乳の可愛い女の子と結婚すればいい。 好きだよな巨乳。胸も可愛さも、俺には無いものだ。 結婚式の司会は任せろよ。でも、泣いたらごめん。 子どもを2人くらい産んで、大きなマイホームを建てて、明るい家庭を築けばいい。 庭にはひまわりが咲いてるんだ。お前の好きな花だ。俺は苦手なんだよな、ひまわり。眩しすぎると思わないか? お前の子どもはきっと、お前にそっくりだ。 まっすぐで、笑顔が眩しい子どもだ。まるで、お前がもう一度成長するかのような様子を見られるんだろうな。 俺の所にあまり寄越すな、お前の代わりにしてしまうかもしれないからな。 な?俺なんかより、俺と一緒にいることなんかより、幸せそうじゃないか。 …好きになってごめんな。お前が幸せならそれで...
  • 18-639
    顔が唯一のとりえだろ? 「顔なんかなんの意味も持たない。そんなものに誇りをもつなんて馬鹿馬鹿しい」  その瞬間、ロックグラスに入った氷が、がカランと音を立てた。酒をもつ手が僅かに震える。 「その言い方は彼に失礼だろう」  夢野の友人だという相島が窘める。それに構わずアルコールで饒舌になった夢野は続けた。 「どうして? そもそも顔が唯一の取り柄という時点で何か間違っていると思わないか相島?」  恋人が自分の存在を否定するような言葉に耐えられなくて、席を立った。 「今日はもう帰ります」  札を置くと、そのまま店のドアを開けた。相島の焦った声が聞こえたが、これ以上言葉を聞いていると、胸がはりさけそうだった。  言語学者である夢野とモデルの自分とでは、そもそも頭の出来も違うし、人間的な重みも違う。  そもそも20を過ぎた大人が、「王子様のようなさわやかさ」というキ...
  • 23-639
    未熟だけど頑張る受けの姿を陰ながら応援している攻め 「なあ、まだ着かないの?地図貸せよ、見てやるから」 「いいって、今日は俺自力で行くんだから、アキヒロはだまってて」 「けどお前もう2時間もこの辺ぐるぐるして…ん?なぁユウスケ、あの看板そうじゃね?」 「えっ?あ、ホントだ!」 「うわー、こんなとこに道あったのか…これはわかんねえわ」 「っていうか今まで看板なんてあったかな?」 「お前は毎年来てたんじゃないのかよ」 「だっていつもはよっちゃん道案内してくれてて……」 「…泣くなよ、ホラ行こう。よっちゃん待ってるよ」 「ああ、うん…」 「淋しがることねえよ、案外ここ見つけられたのもよっちゃんのおかげかもよ?草葉の陰から見守ってくれてんじゃねーの?」 「…ダメだね俺、もっとしっかりしないと」 「まぁこれからは俺もついてるしな。安心して両親と眠っててもらえるように、...
  • 17-639
    攻め×攻めの攻防 「俺は、男だ」 「わかってますよ。私は、君が男性であることに、一片の疑いも持っていませんよ」 「そんで、あんたも男だ」 「ええ、もちろん。私は自分が男であることに自覚と誇りを持って生きていこうと思っています」 「だからっ……!」 「だから?」 「………………」 「……そうですね。私たちは同性でありながら、お互いに好意を持ってしまった。 背徳的ではありますが、私には悪いことだとはどうしても思えない。 君は、罪悪感を感じているのですか?」 「そうじゃない。そうじゃない、けどっ……」 精一杯の想いをこめて、くちづけをしたのに。 彼は怒ったように頬を紅潮させて、出て行ってしまった。 彼が何を悩んでいるのか、想像はつきます。 けれどそんなことは、些末なことではないでしょうか。 どうするか、どうなるのかは、その時になってみなければわからな...
  • 28-639
    美形で甘えたで淫乱で喘ぎすぎ、な攻。 モデルのように整った顔が涙と汗と涎でぐちゃぐちゃになっている。 顔にかかるはあ、はあと必死こいて吐かれる息が熱い。 午前二時、アパートの部屋で俺と抱きあった今のこいつには、 普段の涼し気な雰囲気も優しい余裕も何も無かった。 「っあぁ、あ、ふぅっ、んん」 「くそ、女みてーな声出すんじゃねえよっ!」 「ご、ごめんっ、れも、もぉ、俺、俺っ、ふぁあっ」 「萎えるより引くわ……っん、んん」 「ぁあ、ひぃ、ん、くぅっ、ああ、そこ駄目、駄目ぇ」 「うっせぇな……いいから出しちまえよ、変態」 そう言ってにやりと笑うと、ひときわ高い嬌声が上がり、 体をぶるぶると震わせて奴は達した。 温かな涙が火照った肌に落ちてくる。 ぎゅっとしがみつかれた腕が少し痛いが、 我慢して頭を撫でてやると嬉しげに擦り寄ってきた。 猫かこいつ。 そ...
  • 14-639
    (笑) 今こんなこと言っても信じないかもしれないけどさ、あいつ本当はいいやつなんだよ。 うっかりキツイこと言っちゃったときなんかも、 「さっきのあれ、冗談だから」ってフォロー入れてくれるようなとこあって。 場の空気をなごませたり、人間関係上手く取り持ったりするのが得意だった。 まあ不真面目っぽい印象はあるし、たまにやり過ぎて煙たがられてたりもしてたけど そんなとこもひっくるめて、すげえ好きだった ……あっ、好きってのはヘンな意味じゃなくて、友達的な意味ね!フレンド! 最近は……ずいぶん皮肉っぽくなっちゃったな。 何があいつを変えたか知らないけど、きっとよっぽどのことがあったんだと思うわけよ。 世の中すべてを嘲笑ってるみたいな今の姿は正直痛々しくて見てなんないけどさ、 いつか本当のあいつに戻ってくれるんじゃないかって、期待はまだ捨てられないんだ。 本質っ...
  • 23-639-1
    あなたさえ居なければ ※ヤンデレ注意 恋に狂うのは、ひどく罪深いことだ。 あの人を見ているとそれがよくわかる。 あの人の相談を受け始めた当初、薄い恥じらいの表情が空気を幸せの色に染め、僕はその時間が大好きだった。 あの人が彼を手に入れてからも僕への相談は続いていたが、しばらくはただの惚気で、半分呆れながらも微笑ましく話を聞いていた。 いつからおかしくなったのだろう。 もしかして、あの人は、はじめからーー彼に恋をはじめた時からーーおかしかったのかもしれないと、今になって考えてみる。 僕には見えていなかっただけで。 あの人は彼のいろいろなものを奪っていった。 友人、家族、生活、時間。彼を監禁し始めたようだった。 僕への相談の時間が、赤黒い、苦しい色に染まるようになった。 僕はあの人が罪を犯しているのを知りながら、止めることが出来なかった。 あの人は苦しみ...
  • 18-639-1
    顔が唯一のとりえだろ? 「貴様いい加減うっとうしいぞ」 今日も今日とて姿身の前に立ち、己の美しさを存分に堪能していたところ、 同僚であるむさ苦しい男が声をかけてきた。 彼は気品のカケラもない所作でソファに腰を下ろすと 眉間にしわを寄せてじろりとこの僕を睨み上げる。 ああなんと野蛮、なんと美しくないしぐさだろう。 彼をこのような人間に生まれつかせた神の采配が呪わしい。 「休憩室にでかい鏡なんぞ持ちこみやがって……」 苦々しげに、まるで独り言のような呟きを漏らす。 まったく、この僕と会話をしたいのならばもっと素直な言葉で話しかければいいものを。 とは言え僕はこの美しい外見にみあった広い心の持ち主なので 彼の心情を汲んで言葉を返してやることにしよう。 僕は、彼が美しくないからといって邪険に扱うような狭量な輩ではないのだ。 「休憩室とはくつろぐためのスペー...
  • 21-639-1
    言ってることとやってることが違う 触られるのはあんまり好きじゃなかった。 触りますよいいですかいいですよ、くらいのやり取りを経て触られるのらまだしも、 急に触られるのは本当に好きじゃない。 俺の体は俺の物だから俺の物に触る時は俺の了解を取るべきだし、 実際そんな事言われたらキモいので断るに決まってるけど、 まぁ一応聞いてみてくださいよ触っていいですかって。 ……と言うような事を男の胸に頬をべったりくっつけたままブツブツ言っていた。 男は俺の頭の上で、そっかー、と愛想のない相槌を打ちながら俺の伸ばしっぱなしの髪の毛を弄っている。 俺は男の背中に回した手でTシャツの背中を弄りながら、そうなんだよ、と愛想のない返事をした。 それ以上会話も続かないので、俺は男の硬い胸に頬をべったり押し付けたままそっと目を閉じる。 静かな鼓動に耳を澄ませていると、男の指が髪の中にもぐりこ...
  • 22-639-1
    眼鏡の僕系男子 語ってみる。 眼鏡をかけているので、目が悪い。普段は本を読むか、パソコン、スマホいじり。 一人称が僕なので、少し精神年齢が低め。プライドも高め。親からは溺愛されている一人っ子。 同級生からは嫌われ気味だが、プライドが高いが故に、馬鹿な奴らはどうでもいいなんて思っている。 社会にでたら、奴らと仕事をしなければならないのに、解っていないのが幼さの証拠。独断で受け認定。 合う攻めを考えてみる。 ●いじめっ子タイプ… 弱みを握って体を要求するか、脅して無理やり関係を持つ。 体は手に入ったけど、心が手に入らないのでヤキモキする。 受けには嫌われる。体を開発しても嫌がられる。仕方ないので無理やりしてしまい、また嫌われるのループ。 ●受けよりも能力のあるタイプ… 受けよりも成績が良く社交性もあり運動能力もある。 受けの劣等感を刺激...
  • 12.5-639
    てるてる坊主と雨男 「お前さー、何で俺の言うこと聞けねーんだよ。お前の仕事だろ?」 窓枠に頬杖をつきながら、ここ数日止むことのない雨とボクを交互に見て恨めしそうに呟いた男は 派手に溜め息をついてからピシャリと立て付けの悪い窓を閉めた。 今日の天気は連日の雨に加えて風が酷く、ボクの体は右へ左へ揺さぶられて全身びしょ濡れ。 まったく。溜め息をつきたいのはこっちのほうだよ、と一人ごちる。 肝心な時に決まって雨が降ってしまって困っているらしい彼が、古い木造アパートの軒先に ティッシュ5枚ほどを使ってボクを作ったのはちょうど3ヶ月前。 あの時は確か彼女との初デート。結果、大雨。しかもフラれてしまって散々だったらしい。 ボク一人じゃダメだと思ったのか、その1ヵ月後、彼が代表に選ばれた陸上の大会の前日には ボクと同じような格好をした偽者を数え切れないほど作って...
  • 24-639-1
    自己完結 夏休み、14時22分。最寄り駅まであと10分。 汗で張り付いた制服のシャツを、いっそ脱いでしまおうかと思案していると、土手の方からの川風に交じって耳慣れた声がした。 「好きだ」 と、思ったよりも近く。 右隣、多分滝野の口から。 というか今は、滝野しかいないから。 いや、でも。 空耳か?空耳だよな? …うん、空耳だよ。 きっと牛丼食いたいとかそんな話を俺が聞き逃したんだよ、そうだろ滝野。 「滝野…?」 想像の500倍くらい情けない声で呟くと、普段と変わらぬ冷めた感じで「なに」と聞き返された。 続けて「お前、顔色悪いぞ、熱中症か?貧血か?」と普段と同じに聞いてきた。 ああなんだやっぱり空耳か、空耳ならいいんだ。 だって俺たちは男子だもの男子高校生だもの、17歳になって全身まるきり男になって、それでだって「好きだ」なんてやっぱりちょっと辻褄が合わない...
  • 25-639-1
    酌み交わす 萌え語りさせてください 1.忘年会で返杯につぐ返杯で、酔ってタメ口になって和気藹々と明るく酌み交わすリーマンが一番に浮かぶけど 2.バブルの頃のクリスマス デートの予定もないしバカ騒ぎのパーティも苦手で不参加の男同士(両片思い)が食事でもと出かけるが、どの店も満席で入れない どっちかの家に行くのもなんか気恥ずかしくて、街うろついてやっと見つけたのは純和風の小料理屋 店の雰囲気でビールではなく熱燗頼むけど、お銚子や杯の扱いに慣れてなくてぶつけたり入れすぎたりと、ぎこちなく酌み交わして数十年 一緒に暮らしてる二人が、こんな冬の夜にコタツに入って熱燗をごく自然に酌み交わしながら鍋つついて暮らしてる、なんてのもいい 3.それなりの地位のライバルが、お前がまさかこんな所にくるのかって路地裏の屋台で鉢合わせ 帰るのは自分が逃げるみたいで嫌で、気に入らない...
  • 28-639-01
    美形で甘えたで淫乱で喘ぎすぎ、な攻。 「ぁ、あ…っ、…ショウちゃんの中、…気持ちイッ…」 熱い吐息とともに零れる甘い声。 白い肌を赤く上気させ、快感に蕩けた瞳が俺を見下ろす。 「ショウちゃんも、…気持ちイ…?」 「っ、…ああ、…俺も…気持ちイイよ…っ…」 頷いて返した言葉を裏づけるように己の内部を締めつける。 「ああっ、…そんなに締めたら、…俺、もう…っ…あ、あん、…イッちゃう、…イっちゃうよ、…ショウちゃんっっ…」 タクミはぎゅっとしがみついて夢中で腰を振り、すぐに身体を震わせて俺の中で果てた。 「…っ…はぁ~、…気持ちヨカッタ~」 クリームを舐めた猫のように満足げに目を細めるタクミだったが、つとその眉が寄せられた。 「ごめんね、ショウちゃん、また俺だけ先にイっちゃって…」 申し訳なさそうな表情に思わず口元が緩む。 ――コイツって本当に可愛いよな。  ...
  • 6-649
    旅の途中 「貴方と旅がしたい。」 お前はそう言った。 俺なんかブサイクなのに。 そして俺逹は今でも終らない、果てなき人生と言う名の旅の途中。迷子の堕天使逹は今宵も月明かりの中輝く涙を長し悪い夢を見せる。 愛しい人
  • 6-619
    伝わらない 愛してるよ。 君を愛している。 「『愛してる』って分かんない。 父さんは大勢に言った。 母さんは僕を殴った。 姉さんは大金を使った。 でも、貴方の『愛してる』は僕の知るどれとも違う。 だから、僕は『愛してる』が分からないし、貴方に『愛してる』って言ってあげられない」 それでいいよ。 ここに私がいて、君がいて、そして私が君を愛している、そのことが重要なんだ。 それだけなんだよ。 「やっぱり分かんない」 分からなくていい。 伝わらなくていい。 ただ知っていればいい。 私は君を愛している。 愛してるよ。 伝わらない
  • 6-669
    福岡 デリヘル ヴィーナス に元アイドルが・・・? 俺は元アイドルだ。 今日は福岡デリヘルヴィーナスに行くことになった。 そこで一人の男とであう 「あなたアイドルですね!サイン下さい」 「もうやめたんだ…アイドルは。俺は落ちこぼれだよ」 「なら…俺だけのアイドルになってよ」 花開く世界。輝きと哀愁が音色を奏でる。 ずっとお前のアイドルでいたい…俺はそうねがッた 福岡 デリヘル ヴィーナス に元アイドルが・・・?
  • 6-609
    踏めやゴラァ ( ゚Д゚)<お前がサディストか?ゴルァ!! (´-`)<…そうですよ。 ( ゚Д゚)<なら話は早い、さっさと踏めやゴルァ!! (´-`).。oO(口の聞き方がなってないな…) ( ゚Д゚)<何だよやる気ないなら帰るぞ?ゴルァ!! (´-`)<踏んで欲しいなら四つん這いになってお願いしなさい。 ( ゚Д゚)<・・・お、おう・・・ゴルァ・・・。 ( ゚Д゚)<・・・・・・いつまで、こうさせておくつもりだ・・・?ゴルァ・・・。 (´-`)<私の気が済むまでです。 ( ゚Д゚)<・・・もう、駄目だ・・・ゴルァ・・・。 (´-`)<…堪え性のない。 ( ゚Д゚)<・・・・許して、くれ・・・ゴルァ・・・! (´-`)<あなたの事は踏んであげません。 ( ゚Д゚)<・・・ううう・・・・ 踏めやゴラァ
  • 6-699
    天然で腹黒な年下×人気者だけどへたれな年上 「先輩、また振られたんすか」 携帯電話の待ち受け画面に映る女性の笑顔を悲しげに見つめる、新堂の姿が目に入った。 坂本は速めた足でその横に近づいて、彼の脇に腰掛ける。 突然後輩に声を掛けられた新堂は、普段どおりの人のよさそうな顔をほんの少し苦々しげに顰めて、言葉を返す。 「うん。なんか、な、『貴方は、私より仕事のつきあいが大事なんでしょ』って」 「はぁ」 適当にやる気のない相槌を打つと、新堂は浅く溜息を吐いて頭に手をやった。 耳に掛かった髪をくりくりと弄びながら、何か嫌な事でも思い出すかのように目を細くする。 「つーか、さ、疑問なんだけど」 「はい?」 先を促すように小首を傾げれば、彼は至極不思議そうに尋ねた。 「仕事が大切なのは当然だろ。仕事しなきゃ、デート代どころか生活費だって出せないわけだし。 『私と仕事とど...
  • 6-629
    さぁ俺を踏み越えて行くが良い  死屍累々。  そんな言葉が脳裏に浮かんだ。  オレたちは今日、高校を無事に卒業した。  問題ばっかり起こしてたけど、いざ卒業してみるとサミシイもんがある。  いやでもめでたい。何にせよめでたい。  そんなわけで、卒業式のあとにはお決まりの宴会がスタートしたわけだ。  みんな浴びるように酒を飲んでいたが、オレは味覚がコドモなのか、酒をあまりうまいと思わない。  必然的に、飲む量は誰よりも少なくなった。  大量にあった酒がどんどん減っていって、酔いが回っておかしなことになる奴が増えてきた。  そして、この有様だ。  もちろん本物の死体というわけではない。死体はこんなにぎゃあぎゃあうるさくないはずだ。  素面なのは自分一人。もしかして後片付けも自分一人、だったりするのだろうか。  未だ見ぬ悲しい未来を思い浮かべながら、と...
  • 26-689
    浦島太郎と亀 「なーなー行こうよ、遊園地。バイト代入ったばっかりだしおごるからさ」 「何で俺がお前のおごりで遊園地行かなきゃいけないんだ。そもそもおごられる理由がない」 「え、理由? そりゃ、えーと、お礼だよ。この前宿題見せてもらったお礼。亀だって太郎ちゃんに助けてもらったら恩返しするだろ?」 「確かに俺は太郎だが、浦島太郎でも桃太郎でもない。それにいったいお前のどこが亀なんだ」 「あ、それを聞いちゃう? しかたないなー、太郎ちゃんがどうしてもっていうのなら、俺様のご立派な亀の頭を……(カチャカチャ)  いてっ、ちょ、何でいきなり殴るんだよ」 「お前が悪い」 「うー、確かにちょっと悪ノリしすぎたけどさ」 「だいたい亀の恩返しってなんだ。お前が俺を遊園地につれていって、年上の綺麗な乙姫さまでも紹介してくれるのか」 「あ、いや、それは違う。っていうかそれは困る」 「...
  • 16-619
    閉じこめる 現実か、あるいは長い夢か、僕の妄想なのか。 僕はあの男に閉じ込められている。それもかなり長い間。 あの男は僕のことが好きなんだろうか。だから閉じ込めているんだろうか。 あの男のことを考える。不思議と憎しみはない。 それどころか、あれが時おり見せる笑顔を思い出すと、胸が温かくなる。 けれど同時に切なくなる。どうしてだろう。 ふいに呻き声がして、そっと後ろを振り返る。あの男が小さな檻の中で蹲っていた。 足首に鎖が巻きつけられて、動けない状態だった。 「おかしい、これじゃあまるで、お前が僕に閉じ込められているみたいじゃないか」 そう呟くと、男は僕の方を睨みつけて、ああまさしくその通りだよ、と唾を吐きかけた。 何はともあれ、僕はこの男に閉じ込められている。それもかなり長い間。 現実か、あるいは長い夢か、それとも。 閉じこめる
  • 26-679
    切ない遠距離恋愛 あいつが海外に赴任してから、そろそろ1年になろうとしている。 1年前、あいつの口から海外赴任の話が出たとき、俺は素直に喜んだ。いつか海外で働きたい、とあいつはよく言っていたから。 「良かったじゃないか、行って来いよ!」 俺がそういうと、あいつは本当に嬉しそうに笑ったのだった。 それからばたばたと話は進み、俺の誕生日に、あいつは日本を飛び立っていった。 最初の2ヶ月位は、寂しいなんて思わなかった。寂しいと思わない自分を、ちょっと薄情だと思ったりもした。 だが、3ヶ月目にはじめてあいつからの手紙が届いたとき、どうしようもなく切なくて堪らなくなった。あいつの元に、それこそ飛んで行きたかった。 恋い焦がれて堪らないのだと、突きつけられてしまった。 それ以来不定期に届くその手紙を、俺は待ちわびている。 今日は、友人とその彼女の結婚式だった。 ...
  • 16-629
    Q.あなたの恋人のどこが好きか語ってください え? 恋人のどこが好きか、ですか……そうですね、えーっと、ちょ、ちょっと待ってください。 あれ? どこだろう。どこかあるはずだよなあ……うーん困った。思い付かない。 だいたい彼はとんでも無く自分勝手で……え? ええそうです彼です。それで僕はもう毎日彼に振り回されてばかりなんですよ。 昨夜だって、僕は翌朝早いからすぐ寝るって言ってあったのに、0時近くになって急にDVD見ようとか言い出して……。 明日返さなきゃダメだから一緒に見たんですけど、これがホラーでめちゃくちゃ怖くてですね、見終わった後眠れなくなっちゃって。 布団の中でまんじりともせず過ごしてて、ふと横を見たら、幸せそうな顔して眠っているんですよね、彼が、涎垂らして。 もう本当かわいいなあ……って。おかげで今日は寝不足なんですけどね。 あと一昨日とか僕が知人のところに...
  • 16-649
    幼馴染み 家が隣同士なものだから、僕らは家族ぐるみのつきあい。 どちらの家族とも仲が良く、親が出かけるときには、 片方の家に当たり前のように泊まりにいった。 大人になると親同士で旅行に行くことも多くなり、 そんなときも僕らは相手の家に泊まりにいった。 独りだと眠れない。あいつがいないと眠れないんだ。 一緒に風呂に入ってそのまま狭いシングルベッドに潜り込む。 冷たいシーツを二人の身体で温めていく。 あいつの身体はいつも熱を持っていて、僕を汗だくにする。 でもかまわない。 脈打つ身体が、僕にとっては子守唄のようで安心するから。 踏み台の美学
  • 16-669
    水中キス 午前零時の校庭に、パシャンと水音が響き渡る。 「また今年もやっちまったなあ」 はは、と笑ってそいつは服を着たまま25mプールを泳ぎ始める。 十年ほど前まで俺たちは同じ中学校に通っており、同じ水泳部だった。 あいつはクロールが得意で、俺は一度も勝てたことがない。 悔しかったが、あいつは鼻にかけるわけでもないので そういうものなのだと思えるようになった。 いつもあっさりとノルマをこなし、練習が終わった後も飄々とした風な 何を考えているのかさっぱり分からない奴で、仲良しだったとは言い難い気がする。 しかし、十年経った今でも夏になるとあいつは連絡を寄越してくる。 最初に夜の中学校のプールで泳がないか、と突然かかってきた電話で言われた時は驚いた。 真意は全く分からなかったが、なんだか行かないといけない気がして 電話で言われた日の零時に中学校のプールに行くと...
  • 26-619
    狼男と吸血鬼 「んで、旦那。これからどうします?」  日の当たらない深い森の中、青白い肌をした少年が立っていた。周りには動物の屍が 散乱し、血液が全て抜き取られていた。少年は口の周りを無表情で拭いながら、ゆっく りと近づく男に目を向ける。 「お食事も済んだことですし、そろそろ俺の方も何か頂けないでしょうか?」  飄々とした口調で少年にせがみながら、背後から白い首筋に手を優しく当てた。男の 目はギラギラと光らせ、鋭い舌と歯を覗かせていた。 「気安く触るな」  少年は男の意図が分かると、抑揚の無い言葉でそれを拒むが、男はお構いなしに首筋 に唇を近づけていた。 「もう一度言う、俺に気安く触るな」 「旦那は半分人間の血入ってますから俺のことを完全には支配出来ない……なんなら今 ここで」  そういいかけた瞬間、男は殺気を感じ、後ろに退く。向かい合った少年の手には短剣...
  • 16-609
    死ぬまで黙ってる 「俺、今度結婚するんだ!」 なんて残酷な宣言。 恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、 こいつは俺にそう告げた。 「どうした?俺に先を越されて悔しいのか?」 冗談じみた口調。 俺の肩を勢いよくたたく。 お願いだから触らないでくれ、頼むから今だけは。 「・・・おい、お前大丈夫か?」 黙りまくっている俺を流石に訝しがったのか、顔を覗き込んでくる。 やめてくれ、泣きそうだ。 目が合った。 俺を心配している目は、結婚報告のためあがったテンションのせいか潤んでいた。 そんな目で俺を見ないでくれ。 「悪い、俺なんかしたか?」 ああ、したとも。 お前は俺の恋を終わらせたんだ。失恋だ。 わかっていた、この恋が成就しないことくらい。 わかっていた。 いつかこんな日が来る事くらい。 ...
  • 16-699
    コーチ・監督 「監督。さっきから言ってますが、あのフォワード変えた方が良いですよ」 「いや、まだだ。シュートは枠には飛んでいる。相手のキーパー次第で奴さんまだやれる」 「監督。そもそも俺たちのサッカーというスポーツではフォワードが一番運動量が多いんです。  これから復調するとは考え難いし、もう彼は疲れきって左足を引き摺っているじゃないですか」 「いや。俺を信じて、俺の信じる選手を信じてろ。まあ見ておけって」 「でももう、ロスタイムの残り時間が!」 そのとき、相手のパスミスから奪ったボールをうちの司令塔が敵陣に向かい蹴り込んでいた。 左足を引き摺り苦しそうにプレーしていたうちの点取り屋が光の速さで前を向いた。 あぁ、そう言えば、あの司令塔と点取り屋も俺達のように高校のころからの名コンビだった。 2人して部員の指導からプレイヤーまでこなし、高校選手権の県代表までにし...
  • 16-689
    禁じられた遊び 「いって、…あ。  お前爪切り持ってる?引っかけて割れちった」 「あぁはい、ちょっと待ってください…はい」 「ありがと」 「あー結構いってますね、痛そー」 「切んなきゃって思ってた矢先にこれだもんなぁ」 ぱちん、ぱちん。 「そういやさ、お前の爪綺麗だよな。何かぴかぴかで」 「あーこれトップコート塗ってんすよ。割れないように」 「トップコートってマニキュアみたいなやつ?あれいいの?」 「んー短いとどうなんすかねぇ。俺は伸ばしてるんで」 「そういえば右だけ長いよな、何で?長いとギター弾くのに邪魔じゃね?」 「あ、俺サークルとは別でクラシックギターやってんすよ」 「あぁ、なるほど。クラシックは指弾きなんだっけ」 「はい。だから逆に切れなくて」 「ふーん」 ぱちん、ぱちん。 「なあ、クラシックギターっつったら、アレ...
  • 16-679
    無理矢理恋人と引き裂かれて服従させられる受け 彦星が織り姫に会いに天の川を船で渡っている最中、突然の暴風雨。 激しく荒れる川のど真ん中で船は今にも転覆しそうだ。 織り姫の姿が見えてきたというのに! 「私は負けんぞ! 織り姫えええ! 今まいります」 『無理だな。おまえはこの川を越えることはできない』 重い声が川の底から響いてきた。 「この声は天の川か!?」 『おまえ達の逢い引きもいい加減見飽きた。そもそも年に一度じゃ我慢できるわけなかろう若者。 わしが知らないとでも思っているのか? おまえがひとりで何をしているか』 まるで彦星をもて遊ぶように、天の川は小さな船を揺さぶる。 『熱く疼く身体を川に、わしの中に沈めて何をしていた? そうやって、おまえはいつも自分自身を慰めていたな』 天の川の声は織り姫の耳にもはっきりと聞こえた。 織り姫の愕然とした顔が、自分に向け...
  • 26-669
    病弱と不死身 「珍しいのが来た。」 自分の席に腰を下ろした瞬間聞こえた透き通る声を、僕は無視した。 「久しぶりに来た。」 続けて聞こえた声はさっきより少し高く弾んでいる 僕の口は返事を放ちたくてムズムズしていたが頑張って我慢した。 あと二時間ほどさらに我慢しなければいけない、僕の口はまだムズムズしている。 「芥川、居るかい?」 二時間と少し後、夕焼けに染まる屋上で僕は自分にしては大きな声を出した。 「居るよ。」 その声と同時に僕の隣へ生ぬるい風が強く吹き込む。 思わず閉じた瞳を開けるとそこには、古めかしい制服に真ん中分けの黒い髪 猫みたいな目を細めて笑う淡く透けた少年、さっき僕が呼んだ"芥川"が立っていた。 「君に会うために、久しぶりに珍しいのが来たよ。」 ずっと返したくてムズムズしていた言葉を言えて僕の口はようやく大人しくなっ...
  • 16-659
    踏み台の美学 _________    <○√     ∥      くく …10分待って俺が来なかったら 先に行け。心配するなここでくたばる程 俺の体はやわじゃない…さぁ行け!! _______________________    <○√     くく …行ったか。幸せにな。二人とも… …アイツは俺のこと…、解ってくれるだろうな。     ズズーン… __________ 踏み台の美学。 801である必要はないが、801でも十分萌えると思う。 メインカプを影ながら支えるサブカプの片割れが↑なって、 無事帰還したメインカプに恋人の顛末を聞いて  ○y一~~  フッ アイツらしい最期だぜ 〈|      ちくちょう、空が青すぎて涙がでらぁ /〉     …畜生、誰も憎めねぇってのも 辛いもんだな。 こんなこってこての...
  • 6-659-1
    愛しい人 今まで出会った者は皆俺の姿に怯え、逃げて行くばかりだった。 だけど君だけは何も言わずにいつも傍に居てくれたね。 俺にとって君は太陽のように大きく暖かい存在だった。 『俺も君のような姿に生まれていたら皆に愛してもらえたかな…?』 そんなつまらない愚痴さえも君は静かに聞いてくれたね。 愛しい君よ… 君を遺して独り行く事をどうか許して欲しい… 福岡 デリヘル ヴィーナス に元アイドルが・・・?
  • 6-619-1
    伝わらない いやいやいやいや、ありえないから。 絶対ないね。まじでない。 伝わってるわけねーじゃん。 だってほら、今だってすごい目で睨まれてるわけで。 はい、すいません。静かにしますよ。 俺なんかちょっとうるさいクラスメイトくらいの存在です。 いいのいいの伝わらなくても。 俺、今のままで充分天国。 大体、引っ込み思案な俺っちは、伝えられるようなことを何にもしてないからね。 精々できてるのは、授業中にじっっっっっと背中を見つめるとか、 プリント渡すときにそっと手を握るとか、 体育の授業のときにさりげなく身体をすり寄せてみるとか、 登下校のとき、10メートル後からついてってるとか、 あいつのバイトしてるコンビニの周りを、2~3時間うろうろするのが日課とか、 そんな程度ですから。 「立派なストーカーだな」 ストーカーとは失礼な! 失礼...
  • 6-669-1
    福岡 デリヘル ヴィーナス に元アイドルが・・・? 「やあ。久しぶり」 待っていたよ、と彼は微笑んだ あなたを忘れられず、流れ流れて結局此処まで戻って来たよと 笑った目尻に時の流れを感じた。 世間体や不釣り合いだなんて言って、つまりあなたは逃げたんだよね、という言葉に、俺は何も言えず俯く 「会いたくなかった?」 落ちぶれたと思う? けどあの世界もこの世界も、似たようなもんだよ。 セックスも人の体温も、同じように気持ちいいもんだよ。 皮肉な声に、俺は彼の横に腰を下ろした 路上に座り込む俺達は、通り過ぎていく人の波にあの日を探した 彼と出会ったこの道 初めて唇を重ねたのもこの道 別れたのも、この道だった 今はもう無い、親不孝通りで 俺は彼を探し続けていた …俺達はまた親不孝を続けていくのだろうか あの頃よりずっと狡くなって、無力になったのに。 ...
  • @wiki全体から「6-639」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索