<p>今日は珍しく石○ヨシズミの天気予報があたり、昼過ぎからきちんとパラパラと小雨が<br /> 降り出した。<br /> そういえばシンジの奴は出かけるときに傘持って行ったっけ?別に心配はしていないが<br /> とりあえずアタシは玄関に向かってみることにした。<br /> 傘は・・・あった。 ま、これ位の振り方なら駅から家までは大丈夫だろう。</p> <p>ドザァアァ~~~ 雨が突然滝のように降り注ぎ、本降りになってきた・・・</p> <p>「・・・ あああぁ!もう手間の掛かる奴! アタシがいないとホント駄目なんだから!」<br /> 至極面倒くさいがアタシはシンジを駅まで迎えに行くことにした。ココまでするのだから<br /> 当然後でたっぷりとワガママを聞いてもらうことにしよう!</p> <p>駅に着いてみると、シンジは出入り口付近で暗くなってきた雨空を情けない面構えで<br /> 仰いでいた。出会ってから何年経っても、その表情を治すことは天才の名をほしいままに<br /> したアタシであっても叶わなかったが、いつもしっかりしたシンジなんかではからかい<br /> がいが無いのでこれで良しとしよう。<br /> 「なに情けない顔してんの!? アンタは!」<br /> ずっと空を見ていたせいで目の前にいるアタシの存在に気付いていなかったのかびっくり<br /> している。<br /> 「アスカ!? どうしてココに?」<br /> 「失礼ね! せっかく迎えに来てやったのに! アンタみたいな薄情者は知らない!」<br /> くるりとそっぽを向くとシンジは慌ててアタシの方へと駆け寄ってきた。<br /> 「ゴメン! 待ってよ! アスカ!!」<br /> 近くに来るとシンジはあることに気付く。<br /> 「ねぇ、アスカ・・・ 僕の傘は?」<br /> そう、持って来たのはアタシが差してきた、この赤い傘のみ。もちろんわざとだ。<br /> 「・・・・・・」<br /> アタシは無言で自分の持っている傘をシンジに押し付け、持たせた。<br /> 「この傘小さいんだから、もっと詰めなさいよ」<br /> そういってアタシはギュッっとシンジの腕に抱きつく。シンジの方はみるみる赤くなる。</p> <p>未だにこういったシチュエーションには慣れてないのでシンジの反応が面白い。<br /> また、何かの機会があれば色々と試してみよう。<br /> まぁ、それ相応にアタシも恥ずかしいのだが・・・</p> <p>おしまい</p> <p> </p>