(参考)飛龍のヨークタウン第一次攻撃隊(零戦6、艦爆18、指揮官;小林道雄大尉、0758発進)は、艦爆18機のうち、6機が陸用爆弾を装備していたと言われている。
「飛龍が第一次攻撃に出した兵力は爆撃機18、戦闘機6であった。指揮官は小林道雄大尉。装備された爆弾は、250kg通常爆弾1個であったが、18機中6機が陸用爆弾を取り付けていた。これはつけ換え作業が間に合わなかったというのではなく、その瞬発力(陸用爆弾は炸薬の量が多く、目標に接触するとほとんど瞬間に爆発する)を利用して、敵の防御砲火の勢いを衰えさせ、続いて突入する味方の爆撃を容易にするためだったと言われている」 (『ミッドウェー戦記』亀井宏/著)http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1215089973/563
1.敵艦船攻撃時に陸用爆弾を混載することは、印度洋作戦時の戦訓である。
「九八式二五番陸用爆弾ハ、敵艦船ノ高角砲・機銃制圧上有効ナリト認ム大巡・空母攻撃ニ際シ、各中隊ノ先頭ヨリ三機ハ、陸用爆弾ヲ使用セルニ、弾着後ノ敵防空砲火ハ直チニ沈黙、爾後ノ爆撃ヲ容易ナラシメタリ雷爆同時攻撃ニ於テモ、艦爆隊ニ陸用爆弾ヲ使用セシムルコトハ、有効ナルモノト認ム」(『軍艦飛龍戦闘詳報(2)』 アジ歴【 レファレンスコード 】 C08030581700 (7/70)頁http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/66
2.実際の戦闘における陸用爆弾の使用状況
(1)印度洋作戦(昭和17年4月5日)英重巡二隻攻撃(艦爆53機中16機が陸用爆弾) (4月9日)英空母ハーミス攻撃(艦爆85機中6機が陸用爆弾)(2)珊瑚海海戦(5月7~8日)米空母レキシントン・ヨークタウン攻撃(すべて通常爆弾)(3)ミッドウェー海戦(6月5日)米空母ヨークタウン攻撃(艦爆18機中6機が陸用爆弾)(4)第二次ソロモン海戦(8月24日)米空母エンタープライズ攻撃(艦爆27機中8機が陸用爆弾)(5)南太平洋海戦(10月26日)米空母エンタープライズ・ホーネット攻撃(艦爆63機中3機が陸用爆弾)
(註)各空母飛行機隊戦闘行動調書による(ただし通常・陸用の記載が無いものも有り)
3.ミッドウェー海戦で、ヨークタウンには3個の250kg爆弾が命中しているが、最初の一発は 陸用爆弾であった。
「一発目は陸用爆弾で2番エレベーター後部に命中。命中直後に大爆発して、3.6m四方の大穴を開けるとともに、破片を周囲にまき散らし、艦橋後部の3番、4番28mm機銃座の人員の多くを殺傷した。さらに、この爆弾で艦の上部に火災が発生してレーダーと無線が使用不能になったうえ、爆風と破片が吹き込んだことで格納庫も延焼し、周囲にあった補給整備中の艦上機に火が燃え移る事態も生じた」http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/88
「二発目の爆弾は更に大きな被害をもたらした。この徹甲爆弾は格納庫甲板を貫通して煙路内で爆発した。第一から第三までの煙路は完全に破壊され、第二・第三ボイラーは使用不能となった。逆流した排煙が各缶室に吹き込んだため、第四から第六缶室もボイラーが消化してしまった上、一酸化炭素中毒を防ぐために機関員を缶室外に避難させる必要が生じた。このためヨークタウンは完全に動力を失い、0928時には洋上に完全に停止した」
「前部エレベーター付近に命中した三発目(通常爆弾)は艦の深部で炸裂したが、場所が幸いにもぼろぎれを選別する作業所だったために兵員に損害は生じなかった。しかし、この爆発で火災が発生したため、隣接するガソリン庫と弾薬庫で誘爆が生じるとヨークタウンの命運が尽きるおそれも出てきた」 (『歴史群像(55)日米空母決戦ミッドウェー』)http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/113
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