多次元の境界2 505-540

2017年
04月25日
21:46

505: MI4989 削除

狂乱系統だけかと思うと敵も同じことをしているばかりか、味方の白いにゃんこ達も同じことをしていた。やっぱりそれぞれは別系統の進化を辿ったとは言え、元は同じにゃんこだからなのか考える事は一緒のようである。

そして始まるのはカタパルト投射を妨害する為の小型にゃんこ投射である。
敵も味方も何やら出力は優れないが大口径なレーザーキャノン(TE攻撃力20くらい)を備えた砲台を瞬く間に構築。砲台と言うか探照灯だ。
……え、何をするのって? 乗るんだよ、レーザービームに乗るんだよ。

ネコ(A3)「霊座亜具雷弩、準備完了にゃ!」

霊座亜具雷弩(れいざあぐらいど)
―― その起源は古代エジプト軍が多用したという“光の道”だと言われる。
古代中国に伝わったのは今からおよそ80万年前とされ、シルクロードより伝わったとされる。
古代中国では既に霊打亜術と霊座亜術が開発されており異なった発展を遂げた。
そのうち霊座亜具雷弩は城の窓や崖の縁などの小さな場所へ物や兵を運ぶのに使われた。
日本にも第一次戦国時代の初期に伝わったが当時の日本では“第六感”が開発されており、そこから敵の具雷弩に乗るという逆具雷弩なる術が開発されてあまり大々的には利用されなかった。

現代では似たような機械技術にレーザービームグライディングというものがあるが果たしてこれと霊座亜具雷弩はどちらが先に開発されたものなのかは今となっては不明である。
日本帝国、国立図書館「光懸垂術の歴史」より――

よく波に乗るとは言うが、今は電磁“波”に乗る時代のようだ。
大小さまざまなにゃんこ達がまるで“波乗り”でもするようにレーザービームに“乗って”迅速に前線、要所へとかなりの速度で向かっていく。

Q.お前らは何に乗っているんだ
A.光という波です

敵のにゃんこ達はネコカベを並べ始め、その後ろにウシネコやネコキリンを配置した。
やる事はもう嫌でも解る。白い壁がマッハ3以上の速度を持って気迫(物理)と共に迫って来た。
味方のにゃんこ達は左右に別れた、両翼から叩くためである。やる事も一緒。
敵が入ったところを一斉に突撃して叩き潰そうとする。
それでも空からはあらゆる手段でにゃんこが補充されていくがレーザービームに乗った味方にゃんこがそれを迎撃していく、まるでミサイルのように。

菫「壁が……!」
ブロペニュ「乗り越えて叩けば……!」
タンクネコ(E33)「にゃ!」シュッ
ブロペニュ「ぐえっ!」ゴスンッ!

ブロペニュは敵の壁を乗り越えようとしたら紛れ込んでいたタンクネコの頭突きを腹に食らって敵の群れに突っ込んでしまった。
そうして盛大に踏まれていくが……

ブロペニュ「肉球だけど地味に痛い!」カッ
敵にゃんこ達「にゃあああああああっ!!」

困ったときのアサルトアーマーを炸裂させて吹っ飛ばした。
が、もはやにゃんこ達はそれくらいでは死なない。
ただの吹き飛ばし攻撃である。

ネコUFO(E44,45,46,47)「ジェットストリームアタック!」

そんな所にやってくるのは4機のネコUFO。彼らは巧みな連携で一点にプラズマ弾を集中させた。
超精度4点バーストで無理やりシュヴェシィナシールドを突き破るのである。

ブロペニュ「ぎゃんっ!」
ネコUFO(E45)「皮膚は貫通したけど骨は無理見たいにゃ」
ブロペニュ「このっ!」ブンッ
ネコUFO(E44,45,46,47)「やっぱりダメだったにゃ~」ぽぽぽぽんっ

思わず眉間に着弾させたのが拙かったのか貫通ならず。
ブロペニュはビームブレードで4機のネコUFOを魂にした。


<ネコ(味方砲兵):自走榴弾砲と慣性誘導砲弾の準備が整ったにゃ。座標をこちらに送ればそっちに砲撃するにゃ>
<ネコ(大隊長):まずは敵のトーチカに向けて砲撃にゃ。座標は……>
<ネコ(味方砲兵):……座標受信、慣性航法プログラム入力、MRSI砲撃を開始するにゃ>
<無線検知、発信源特定にゃ>
<砲撃開始するにゃ>

そういえば大隊長(ネコ)はどこに居るんだろうと思っているとそれらしき無線が入った。
そして無慈悲にも無線を特定されて即座に砲撃される。
どうやらここのにゃんこ達は装備は割かし適当なのに無線の発信源を特定して直ちに砲撃をかますというかなり面倒な事をしている。

敵のトーチカにほぼ同時に強力な徹甲榴弾が着弾し、対空火器を3門潰せた。
そしておそらく大隊長が居たと思われる場所にかなり激しい砲撃が来た。

<ネコ(大隊長):着弾観測、敵トーチカ3基主兵装崩落。第二小隊とシュヴェシィナはトーチカCへ突撃にゃ>
<すばしっこいキャプテンにゃ>
<座標更新、砲撃開始にゃ>

今まで前線で戦っていたにゃんこ達の一部集団とブロペニュと菫が敵戦線を突破してまだ主兵装である対空火器が生きているトーチカへ突撃し始めた。

それに影響したのか敵側の戦線は一斉に崩れた。補充が無くなれば戦線の維持はできない、にゃんこ軍団の戦とはいかにして十分な性能のにゃんこを数多く送り込むかが命題となっているのである。

味方側のにゃんこ達もぐんぐんと敵要塞線へ突撃を開始した。
やはりネコカベを文字通り盾にしてトーチカの機関銃を凌ぎながら突撃していくのだがそのネコカベ達は木(防弾セラミック化)の盾をさらに構えている。もちろん、突撃する速度はマッハ3前後。
それだけではなくいよいよ味方のスニャイパー達が配置に付いて水道管から作った狙撃銃を構えて機銃手を狙撃し始めて味方の前進を支援し始める。
敵もスニャイパーを配置し始め、シュヴェシィニャの対地攻撃も激しくなる。

敵のワープ装置から赤いにゃんことゾンビにゃんことメタルにゃんこが大量に現れて来た。
要塞線のほとんどは堅い地面であるためゾンビの地中潜航能力は無効化されているが一回だけは復活する能力ってだけで投入されている。
メタルにゃんこの殆どは殴り合い要員とされるにゃんこが多いようだ。
続いて武装翼にカーゴを搭載したシュヴェシィニャの編隊が味方の上空から黒にゃんこを小隊規模で空挺降下させてきた。
どうやら敵は個々の性能を上げたにゃんこ達を投入したようだ。

単純な戦闘能力ならあちらの方が上だがこちらの味方にゃんこはそれでも上手い事凌いで確実に撃破していく。
こんな乱戦待ったなしのカオスな戦場でも彼らは実に綺麗に連携を取って一匹一匹確実に仕留めている。
突出させてから横から殴って倒し、また突出させてから横から殴って倒し、を繰り返すだけ。
ただ、要塞戦などの狭路での戦いは基本的に高性能な方が有利である。
そうなると頼りになるのはやはり……

2017年
04月25日
22:48

506: レヴィドラン

妹ドラン『ん・・・戦況に変化あり・・・と・・・』

友軍が敵戦線を突破し主兵装に攻撃を仕掛けるさなかこちらはと言えば――

ジャック「おかあさんさっきからバビュンバビュンって音が丸いのに向かって沢山いってるけの手伝わなくていいの?」
妹ドラン『大丈夫アレ、圧倒的に、こっちに、有利な、状況下だから(早口』
ジャック「そうなんだ!」

カタパルト代わりの大狂乱のムキあしネコ達とにゃんこ基地に襲撃をしかけてきた敵にゃんこ達が大狂乱のムキあしネコ達による圧倒的!無慈悲な!波動攻撃に!ボッコボコに!されていた!

・・・失礼正確には襲撃してきた敵にゃんこを波動攻撃で迎撃していたのだ。
襲撃をしてくる前まではにゃんこ基地から復活してきた小型狂乱系統のにゃんこ達を前線に送り届ける作業を繰り返していたのだが、光と言う名の波に乗って襲撃してくる敵にゃんこ達を感知するや否や作業を中断し攻撃を開始、今に至る訳だ。ちなみにディオラムスもブレスで攻撃をしている。天使効果が無くとも元々の威力もあり普通に波動攻撃の援護になってる。

とはいえそんな大狂乱のムキあしネコ達による波動の大津波を突破してくる敵にゃんこも少なからずいるのだが狂乱のネコ系統と狂乱のバトルネコ系統がわっちゃこっちゃいるので近づけばあっという間に包囲されタコ殴りされてメサレテイクー・・・時々敵メタルネコも来るのだが多数の波動攻撃に飲まれ突破する前にあっと言う間に昇天、一対一なら多少有利が取れるかもしれないがここはにゃんこ基地付近哀れである・・・
襲撃してきている敵にゃんこ部隊は道中両翼から攻撃をしかけていた味方ネコたちにより多少が減っているようだ。それでも突破してくる敵にゃんこもいるのでこのように迎撃しているのだ。

妹ドランo0襲撃はされてる・・・でも安定して迎撃はできてると・・・狂乱恐るべし・・・あっ一部作業(カタパルト)再開してる・・・

しれっと余力が出来たのか一部の大狂乱のムキあしネコが前線へ送る作業を再開した・・・っとよく見たら大狂乱のネコジャラミもまさかのカタパルト作業をしてのだ。しかも片手に3匹両手で合計6匹も持っていたのだ。それを片手で全力でブン投げるしかも投げる瞬間確定にするためか波動が1個でる。大狂乱のムキあしネコと比べると幾分か劣る感じに見えるがそこはパワーで補っているらしい・・・

妹ドランo0さて・・・と・・・敵の陣営の様子は・・・あっ大狂乱のネコ島がトーチカに噛みついてスクラップにし始めてる・・・あっちじゃ大狂乱のネコライオン達が束になって敵をボカボカ殴っていってる・・・んー・・・おまけに前線突破できてる・・・あの感じじゃ現状維持できれば・・・大丈夫そう・・・

そう判断する、現状敵は襲撃してくるものの大狂乱のムキあしネコによる圧倒的波動攻撃による暴力とメサレテイクー・・・の後ににゃんこ基地から復帰した狂乱系統のにゃんこが迎撃に加わり、余力が出来ればカタパルト作業の再開そして敵の襲撃時迎撃というサイクルが出来ているようだ

~敵要塞線~

一方こちらでは属性持ちの敵にゃんこが出現してきた。
味方のネコは連携し凌いでいるが・・・こちらには頼りになるにゃんこがいるそれは―――

狂乱のネコクジラ「ズモモモモ・・・」

ガブガブガブ!ガブリンショ!

赤いキモネコ「アバーッ!」
赤いネコ「グワーッ!」
赤いネコフィッシュ「ソゲブ!」

赤い敵に対してめっぽう強い狂乱のネコフィッシュ系統と少し遅れてやってきた、狂乱のバトルネコ系統が次々と赤いにゃんこをメサレテイクー・・・していく
たいしてゾンビにゃんこに対しては高耐久を持つ狂乱の巨神ネコ系統が攻撃尚且つ壁の役割を果たしその後方から狂乱のネコノトリ系統が次々と撃って行き確実に仕留めていく無論黒いにゃんこも同様である。
ちなみにメタルにゃんこに関してはワラワラと狂乱のウシネコ系統が群がるように次々とメタルにゃんこをメサレテイクー・・・していく狂乱のウシネコ系統は範囲攻撃属性であるため纏めて攻撃が出来る尚且つ複数で殴る為メタル属性故の耐久度の低さ故にあっさりメサレテイクー・・・

そこへ狂乱のネコタンク系統も到着し前線の安定化を開始し始めた。

2017年
04月26日
12:37

507: MI4989 削除

トーチカCから信号弾が打ち上げられた。どうやら制圧に成功したようである。
するといつの間にやら到着していた工兵装備のにゃんこ達がレーザービームに乗って滑るように制圧したトーチカへと駆け込んで行く。
工兵がやる事はまずトーチカの修復、そして兵装の復旧だ。

さて、この任務は工場を襲撃して制圧する任務である。
この要塞線はその工場をぐるっと取り囲むように建設されており、だいたい4基くらいの対空兵装を備えたトーチカがあった。
で、そのトーチカのうち三つを無力化し、残った一つを制圧。
あとは工場もとい生産拠点であるワープ装置を制圧するだけ。
ところであの工場には何があるんだろうか。

菫「制圧完了まであと少し……!」
ブロペニュ「でもあの工場……というかあれ地下に繋がるエレベーターだよね」

<敵歩兵中隊が要塞線を制圧し始めましたにゃ! 押されているにゃ!>
<ガンシップの離陸準備が完了したにゃ! すぐに離陸させるにゃ!>
<各員乗り込むにゃ!>

工場であろう地下構造へ繋がるエレベーターの扉がスライドし、中からガンシップ型VACと言われても違和感のないツュヴェツィニャとも呼べる航空機動兵器が出て来た。
敵がガンシップと呼んでいただけあって全幅12m近い錆び付いた航空機用鋼鉄製の翼を持つ巨体の外殻にネコが乗り込んでいるガンターレットや銃座が多数。
背面に付いている翼にもガンターレットや銃座が付いている。
胸部の外殻に至っては主砲であろう70mm榴弾砲を備える砲郭すらある。
人型だがほとんど空飛ぶ要塞みたいな代物だ。
そして彼女は主翼と水平尾翼のフラップをがっつり傾けてから昇降機の床に両手の拳を打ち付け、そして両足で蹴って豪快に垂直離陸した。

菫「え、なにあれ」
ブロペニュ「ここまでボスキャラっぽいのも珍しい気がするよ……」

ちなみに今の状況は
・味方の要塞線の対空火器は全滅
・敵の要塞線の対空火器も(実質)全滅
・制空権拮抗
なので味方からの対空砲火は期待できない。

菫「……私達が落としに行かないとダメっぽいね」
ブロペニュ「うん……」

菫とブロペニュは戦線から抜け出し、対空攻撃に移った。
敵のシュヴェシィニャも沢山飛来してくる上に彼女らは武装翼にミサイルを搭載しており二機にミサイルを発射。
菫とブロペニュはそれでも接近していく。

ツュヴェツィニャは身体を少し前に傾けてゆっくりと旋回し始め、膨大な数の銃火器による対地攻撃と向かってくるシュヴェシィナに対する対空弾幕の展開を開始した。
それと同時に胸部の70mm榴弾砲と肩部腰部の副砲塔に備えられている37mm戦車砲が妹ドラン達が居る味方の要塞線に向かって榴弾を撃ち込み始めた。
それを察知したディオラムスは即座にブレス……ではなく火球を投射して応戦する。
火球は全て命中し、天使属性の手応えもあるが妨害効果も吹き飛ばし効果もない……いや、発動はしているのだが相手は離陸重量が30tを超える巨体だったため、大質量と慣性と空力でそのまま飛行してしまっているのだ。
しかも乗り込んで兵装を動かしているにゃんこ達は白属性なので武装の動きはまったく変わってない。

味方のにゃんこ達はまさにガンシップとなっているツュヴェツィニャに向かって小型にゃんこをカタパルト投射してレーザービームで誘導するが防御火器に撃ち落とされたり、ツュヴェツィニャに到達してもそこで白兵戦闘が展開されたりと落ちる気配が見えなかった。
そもそもツュヴェツィニャにのりこんでいるにゃんこがやられたところで同じように補充されるので「どんだけにゃんこが乗り込んでいるんだ!?」っていう状況になっている。

2017年
04月26日
16:49

508: レヴィドラン

妹ドラン『ほぁっ!?』

まさかの対地攻撃に急いで避ける・・・っと思ったらディオラムスが火球で対応し全弾撃ち落とした。というか無駄に範囲が広い事広い事、地上はほぼ敵の要塞線の制圧まで時間の問題・・・ではあるが少なからず抵抗してる場所もあるようだ。まぁ案の定狂乱&大狂乱のにゃんこ達の波に飲まれるのも時間の問題だが・・・
其れは兎も角今こちらには友軍の対空火器がなく今一支援が出来ない状況である。

どうしたものか・・・っと何やら先程からボッ!ボッ!という音が聞こえる。辺りを見渡してみるとそこには狂乱のネコトカゲ系統が上空に向かって火球を放っていた。その火球の先を辿ってみると何と大型ツュヴェツィニャ・・・の兵装に攻撃を集中していた。対空兵装がない?ならば!俺が!俺達が!対空兵装だ!っと言わんばかりに撃ちまくる。恐らく武装を削り攻撃能力を落とそうと判断したらしい。
となれば―――

妹ドラン『やってみる価値は・・・ある・・・!』

妹ドランも大型ライフルを構え、大型ツュヴェツィニャの兵装を狙うあくまでダメージを負わせ使用頻度を落とさせるのが狙いだ破壊は運がよければっと考えていた。
現に手の空いた小型の狂乱系統のにゃんこ達は突入に備え近くの大狂乱のムキあしネコ達と大狂乱のネコジャラミ達の周辺に集い始めていた。

2017年
04月26日
18:35

509: MI4989 削除

猛烈な対空砲火を浴びたツュヴェツィニャの腹側のガンターレットや銃座はだいたい半分くらいが中破ないし大破の損傷を受けた。
それでも旋回して背中側をこちらに向けたときにえらい速度で修復していく。
ただ、一度壊れた装甲部分は直すことはできないようでガンターレットのほとんどはボロボロになって行く。
しかし鋼鉄で出来た外殻と砲郭と副砲塔は非常に堅牢で大型ライフルでも弾かれて傍のガンターレットを破壊できるかもしれないくらい。

そんな所にブロペニュがビームブレードを構えて非常に長いプラズマ刃を形成し、
ツュヴェツィニャの肩部右の副砲塔目掛けて刺突してみせる。
――結果は 傷 一 つ 付 か な い という圧倒的超防御力を目の当たりにしただけだった。

菫「あの副砲塔……うちの基地の装甲警備車に乗っかってた奴に似てる……って、どう見てもテケの砲塔じゃない!」
ブロペニュ「どおりで頑丈な訳だよ……」

副砲塔は軽装甲車(豆戦車)の砲塔だったようです。何でだかまともな装甲戦闘車両の砲塔が何故か搭載されているのだ。なのでこの部分は実質破壊不能である。

ブロペニュ「と言うことは他の部位は……」
菫「ええ、多分ここよりは遥かに脆いと思うけれど……今じゃもう」
ブロペニュ「うん、ちょっと気付くの遅かったかも」

他の部位は破壊可能な可能性が分かったがもうその頃には敵の戦闘機型シュヴェシィニャの対処でビジーになってしまった。
もうここからはにゃんこ頼みである。

ツュヴェツィニャがこちらに腹を向けたがなんか射撃開始がほんのちょっと遅れていた。
そして一斉に砲撃が開始された。
だが今のは砲弾が違っていた。
5つの砲弾はディオラムスや狂乱のネコトカゲ系統の火球を突き破って飛翔してきたのである。
それらは要塞のベトンに直撃し、その上にあった探照灯のようなレーザーを吹き飛ばした。
あの様子からしておそらくは徹甲榴弾であろう。食らったらひとたまりもない。

突如として光を失って誘導性を失った味方にゃんこ達は飛びながら二匹一組になって
「 ス カ イ ラ ブ ハ リ ケ ー ン 」
を繰り出した。あの互いの足を併せ、一気に跳躍することによって通常の3倍高くジャンプするというあれだ。
それをツュヴェツィニャに狙いを定めて跳躍、彼らは空中でそれをやってのけた。
数匹が到達すると味方からの対空砲火を掻い潜り、外殻に爆薬と爆薬筒を取り付け、即座に離脱。

<ネコ(A100):爆薬取り付け完了! 誰でも良いからそれを焼夷弾で狙撃するにゃ!>

無線を聞いた妹ドランは大型ライフルの薬室から弾を手で排莢してからそこに焼夷弾を装填し、ツュヴェツィニャに取り付けられた爆薬に照準を合わせ、引き金を引いた。
焼夷弾は爆薬に着弾、信管が作動して焼夷剤を燃焼させ、爆薬を起爆。
大爆発を起こした。
――やったかと思わせてまだなのはいつものこと。それでもツュヴェツィニャは飛び続けているがガンターレットと銃座の殆どが吹き飛んで外殻に亀裂が入っていた。
あとは対空砲火を食らわせるだけで外殻を吹き飛ばしていき、外殻が剥がれた所にある巨人の女のような本体に攻撃を集中させていく。

そしてとうとうツュヴェツィニャから魂が出て撃墜を確認したが……問題が一つ出た。
シュヴェシィニャもそうだったが撃墜しても死体は消えないのである。
ツュヴェツィニャもそうなのである。
――魂を失い、燃えている爆発物と化したツュヴェツィニャが妹ドラン達が居る味方の要塞線へ向かってきてしまった。

<ネコ(大隊長):前へ、とにかく前線へ逃げるにゃ! あんな巨体が大爆発したら要塞もひとたまりもないにゃ!>

いつの間にか敵の要塞線に居たネコ(大隊長)が無線で味方の要塞から急いで前進するように指示を飛ばしていた。
何故後ろではなく前、砲弾とすれ違うように逃げるのかと言えば基本的に榴弾などの高速移動する爆発物は慣性で破片もとにかく進行方向へ広がりやすいという性質があるのだ。
ツュヴェツィニャの降下角度と位置からして安全な方向はとにかく敵側が安全なのだ。
大爆発する危険性を孕んだガンシップから逃げるために味方のにゃんこ達は自分達の要塞を捨てて敵側へ突撃し始めた。

2017年
04月26日
22:04

510: レヴィドラン

妹ドラン『アッコレヤッベェ!!!全員!全速力で前へ!急いで!』

妹ドランの指示を受け狂乱&大狂乱のにゃんこ達は一斉に走っていくマッハ1.5なので爆発範囲からは逃れられるだろうディオラムスはにゃんこ基地を掴みそのまま持ち上げながら飛翔、妹ドランはジャックを抱きかかえ一気にスラスターを噴かし一気に進む、ボルボンバーはあろうことかギガパルドを何処にしまいこんでいたのか専用のアームで持ち上げ一気に上昇そのまま全速前進DA☆をする。


妹ドラン『ちょっと我慢しててジャックちゃん!』
ジャック「う、うん・・・!」

Gが掛かるが二人ともそれに耐えつつ一気に敵要塞線へ向かう、視界を下ろせばあっちゃこっちゃで全力疾走するにゃんこ達その後ろにはもうじき味方要塞線に激突するであろう爆発物と化したツュヴェツィニャがあった。

―退避しろ!マザーシップが落ちるぞ!―

妹ドランo0唐突な謎電波ぁ!?

何か一瞬変な電波を受信した気がするがそれを気にすることなく進む、とにかく進む。そして後方で大爆発が起こった。

妹ドラン『ッ・・・!』
ジャック「おかあさん!?」

12mというのに強力な大爆発を起こす衝撃もさながらたまらず態勢を崩す妹ドランはジャックを抱きしめ直し何とか爆発の余波による負荷が無いように守った。とはいえ流石に地面に激突は避けられないが衝撃を和らげるためスラスターは最大出力で吹かすが、地面に衝突、軽くズザザザ・・・っと2m進んだところで止まった。

妹ドラン『いててて・・・・ジャック大丈夫?』
ジャック「平気だよ、でもおかあさんあれ見て」
妹ドラン『あれ・・・?う わ ぁ』

ジャックが指差す先には核爆弾が爆発したかのような煙が上がっていた。やはり無線で聞いてたように余程の爆発範囲だったのだろう、あれからして友軍の要塞線は文字通り木端微塵なのが明白だった・・・尚周りには爆風の余波で転んだ味方にゃんこと狂乱&大狂乱にゃんこがすってんころりん状態だったりする・・・

2017年
04月27日
10:35

511: MI4989 削除

一方、敵要塞線はと言うと制圧が完了したらしく信号弾が打ち上がっていた。
ツュヴェツィニャが墜落するその寸前で敵タワーを制圧したらしい。
夕焼け空を背景に、味方の要塞線からキノコ雲が上がる様を背に、勝利の雄叫びを上げるその光景がどことなく「魔境だな」「世紀末だな」って感じを受けた。
敵はそそくさと撤退していったのが遠くに見える。

ちなみにツュヴェツィニャの動力源は原型であろうシュヴェシィナやツュヴェツィナと同じく食べ物と燃料からなるガスタービンエンジンらしいが、大量に燃料を生成しているときに上手い事爆発するとあのようにド派手な大爆発を起こすらしい。
尤もツュヴェツィニャが大量の火器を運用するために弾薬や砲弾を沢山積載していたというのもあるけど……。
戦場にはいろんなものが転がって燃えていた。
武器を振るうにゃんこが握っていたであろう武器、シュヴェシィニャの破片、要塞のコンクリート片、爆発によって出土した古代文明の遺跡等である。

そんな場所に立っていた妹ドラン達の近くにネコ用オートバイに跨ったネコ(大隊長)がやって来た。
そんな彼が大破した要塞線を見て一言、

ネコ(大隊長)「おぉ、要塞解体の手間が見事に省けたにゃ~」

紛うことなき 大 損 害 を前にしてめっちゃポジティブだった。
それを証明するかのように大隊の工兵中隊が嬉々と鉄道と道路を敷き始めていたのである。
なんという奴らなんだ。

菫「任務はおしまい?」すとっ
ネコ(大隊長)「おしまいにゃ~っと言いたい所だけど自走防空ミサイル発射機と自走高射砲の到着まではここに防衛戦力として残ってほしいにゃ」
ブロペニュ「まぁ、占領任務だからね。しょうがないね」すとっ
ネコ(大隊長)「鉄道と道路そして新たなる要塞線の敷設は我が大隊の工兵の仕事だから手伝わなくても構わないにゃ。我々の事は気にせずに自分の装備を整備するといいにゃ」

そんなこんなで妹ドラン達は友軍のにゃんこ軍団が占領を確実なものとするためにクリアリングと調査、要塞機能の復旧などを施していく中で自分達の装備を野戦整備の範疇で進めて行くのであった。
しばらく整備していると妹ドランの近くに補給部隊であろうハーフトラックが停車した。
どうやら今のうちに撃破報酬と報酬を支払うらしい。
転送装置付きのシートを広げ、ハーフトラックの荷台からキモネコやネコが報酬であろう現物と現金を積み下ろして並べられていく。

――――以下は報酬――――
・ネコガンターレット(シュヴェシィニャのガンターレット、ネコが乗れるサイズ、武装無し) 14基
・37mm汎用レーザー(シュヴェシィニャの頭部外殻に搭載されていたレーザー) 2基
・37mm対戦車レーザー(トーチカにくっついてた対戦車レーザー)
・九四式三十七粍戦車砲(ツュヴェツィニャの副砲塔に搭載されていた37mm戦車砲)
九四式榴弾(37mm榴弾) 49発
九四式徹甲弾(37mm徹甲榴弾) 7発
・九四式七糎戦車砲(ツュヴェツィニャの砲郭に搭載されていた70mm榴弾砲)
九二式榴弾(70mm榴弾) 35発
九五式徹甲弾(70mm徹甲榴弾) 9発
・航空機用高強度構造鋼樫γ 1.9t(鋼鉄系樫、木材ってなんだっけ)
・航空機用高強度ジュラルミン檜γ 2t(妙に堅牢なアルミニウム系檜、木材とは何か)
・浸炭硬化防弾鋼樫γ 5.6t
(表面硬化鋼なのに極めて割れにくい謎の装甲用鋼鉄系木材、
RHAγ10mm相当のKE防御力と刀剣を食い込ませる効果付き)
・チタンクルミ 1.1t(未加工のチタン系クルミ、衝撃吸収性能が高いのが特徴)
・シュヴェシィナスラスターIII 7基
・にゃんこ用テクニックチップ「霊座亜具雷弩」
・現金 2億6000万円(マジで日本円)
――――報酬ここまで――――

なんでだかさっき大爆発を起こしたツュヴェツィニャの武装も含まれているし、何故か現金がまさかの日本円である。
依頼文書の「円」はマジで「円」でした。

2017年
04月27日
23:17

512: レヴィドラン

妹ドラン「おぉぉ・・・!この弾丸良い質・・!この徹甲弾もかなり良質・・・!兵装もいい・・・!解体して手持ち武器に改良すれば大型系に・・・ウヘ・・・ウヘヘヘ・・・!設計図がポンポン浮かんでくるじぇぇ・・・!」
ジャック「おかあさん変な顔ー」

無理もない魔境製の弾は非常に強力な品だ。それに加え兵装も解体し新たな魔境製武装、とれも大型系統が製造可能なのが見えてくる。ちなみに明らかに見れられないよ!な顔になっている(笑
現に妹ドランの頭の中では様々な設計図が浮かんでいる新型IMS専用武装、強化パーツその他etcetc・・・もうそれは多種多様である。
妹ドラン「これなら・・・新たな擬似IMSが制作できるぅ・・・!グヘ、グヘヘヘ・・・!」

報酬を受け取りつつそんな事を呟く妹ドランであった(笑

2017年
04月28日
08:26

513: MI4989 削除

報酬を受け取り、しばらくして自走高射砲が到着したことによってどことなくルンルンな気分で帰路に付いた妹ドラン達とシュヴェシィナ達。
夕焼け空に照らされたすっごく工業的なにゃんこ軍団の領土を通って港に着くと……
何故だかにゃんこが沢山居て都市開発的なものが進んでいた。

どうやら港が新しく出来たということでここを利用して交易を始めるつもりらしい。
そんなことを話し合っているような様子のフェヌンと(多分偉い)ネコを見かけた。

ブロペニュ「たっだいま~」
ニュルン「あら、お帰り。にゃんこ達は大丈夫だった?」
菫「ちゃんと適応してたよ。あれほどの進化速度ならこの世界に蔓延る疫病の驚異下でも逞しく生き延びているのが納得ね」
ニュルン「で、ドランちゃんは……ああ、報酬で興奮してるみたいね」

フェヌン「――これで条約は締結よ」
ネコ(高官)「やっと10000t級の艦船が使える港が手に入ったにゃ。貴官らの好意に感謝するにゃ」

INFO:魔境のにゃんこ軍団(虞琉隈組)との交易航路とワープゲートが開通しました

フェヌン達はここのにゃんこ軍団と条約を結んだみたいで幾分かの交易が行われるようである。
漁をしていたら新しく出来た国(?)と通商条約を結んでた。な、なにを(ry

そんなこんなでフェヌン達は駆逐艦に乗り込み、本拠地の港を経由して惑星ダスドのターリア宇宙港へ向ったのであった。
妹ドランが帰りの途中で漁で得た獲物の分け前をもらってこれまた興奮していたのは言うまでも無い。


~惑星ダスド、ターリア宇宙港のどこか~

駆逐艦が港に停泊し、後部甲板からにゃんこ軍団がぞろぞろと降りて上陸していた。
シュヴェシィナ達も長い気がする船旅を終えて一息ついた。

ニュルン「報酬とかそのへんの転送も終わったし、何しようかな」
ブロペニュ「ひさびさな感じだけど時間の進むスピードがすっごく異なってたりするからこっちだと全然時間が経ってなかったりするんだよね」
カスターダ「私達が居た世界とこの世界って物理的には繋がってないからね、しょうがないね」

ゼルフィン「ニュルンちゃん、この後何も用が無いならブレイゾン寄らない?」
ニュルン「んん……、今家にアレックスは居ないし寄ろうかな」
水棲シュヴェシィナ2「私もまぜてよー。男の子攫いにさー」
ゼルフィン「そもそも攫いには行かないし、女性嫉妬団ならぬ少女嫉妬団が出るからだめ」
水棲シュヴェシィナ2「ちぇっ」

ブロペニュ「私はヴェルグの工房に行こっと」
フェヌン「私は暇を持て余してリメイラタウンでプレデターごっこしてよっと」
カスターダ「地味に嫌な遊びね……」
フェヌン「ふふふ、最近の男の子って光学迷彩を看破できるみたいだから意外に楽しいのよ……♪」
システィ「それ絶対あんたのせいだと思う」

ヘッセニア「水棲シュヴェシィナってへんなのしか居ないの?」
水棲シュヴェシィナ3「私、典型的なラミア体形だけど常識人って呼ばれてる」
菫「……任務中はともかく生活用はラミアなの?」
水棲シュヴェシィナ3「はい」
菫「な、なんで……」
水棲シュヴェシィナ3「なんでって……好みの身体だからなんだけど……」
ヘッセニア「やっぱりへんなのしか居ないじゃない……」
菫「確かに……」

2017年
05月03日
23:49

514: 熱湯カルピス

【INFO】こ↑こ↓割り込み無しで、オナシャス!

ー土星 廃工業区ー
ストリーム「待ったぞ(メタ」
エクスナイン「まさかお前から接触してくるとはな…」

…数時間前
『私はストリーム。大凡君達のお友達に危害が加えられてる原因だ。』
ジャヌス「何!?お前、どこに通信してるのか分かってるのか!?」
『その質問返す必要は無い。それとも愚問にも答える義務が私にあるのか?』
ジャヌス「そういう話じゃない!何用だ!」
『それには答える義務があるな、率直に言おうジャヌス。』

『私と賭けの決闘をしようじゃないか。』
ジャヌス「…何を賭けるんだ?」
『【箱舟】の現在地データ。"ナイトナイン"、"ルキウス"についての詳細。それ相応の物を賭けろ。今のお前に拒否権は無い(尺が足りないから)』
ジャヌス「…分かった。"全アークスの命"を賭けよう。足りないか?」
『土星の廃工業区に来い、一人でな。仲間を連れてくれば直ぐに分かる』


ストリーム「雑談に応じるつもりは無い。」
ジャヌス「…だよな。」
[NEXT-A!][SET! CHANGE!]
[エクスナイン-ネクスタ!]
(ジャヌス→ネクスタ)
ストリーム「…行くぞ。」
ネクスタ「…」

-ネクスタ視点
前方のストリームに意識を集中し、駆け出す。
次の瞬間、地面を蹴るのではなくいきなり引っ張られるような感覚で突っ込んだ。
咄嗟に武器を構えられず目の前に迫ったストリームに殴りかかる。
避けられただろうに、ストリームは胸にそれを受けた。
だがあまり効果があるようには見えない。
ストリーム「終わりじゃあるまい?」
手首をつかまれ、背負い投げされる。背中からダイレクトに地面に叩きつけられるがこちらもあまりダメージは無い。
咄嗟に立ち上がろうとすると、まるで誰かに持ち上げられるかのように素早く胴体が起き上がる。
もしかすると、ネクスタの能力は文字通りの[高速移動]なのかもしれない。
ストリーム「そうだ、立て。立って私の傷を増やしてみろ!」
「ぅ……うぉぉぉぉぉぉぉ!」
高速移動が発動する。今度は慣れない能力に付いていけ、コートエッジを構えられた。無我夢中になって斬りつける、全てストリームは受ける。
手がふと止まる。
ストリーム「ッ…どうした?」
「何故だ…何故俺の攻撃を避けない…」
ストリーム「ぐッ・・・私は、気づいたのだ。私の存在が何なのか。ようやく私は不要なったのだ。」
「何…?」
ストリーム「本当は賭けの筈だった、お前に投資しよう。」
バイザーの情報ウィンドウに暗号座標と二つのデータフォルダが転送された。
ストリーム「どうだ、敵はここにいるんだぞ。止めを刺さないのか。」
「…そうだな。事情は知らないが、望むなら。」
[BRAST!][NEXT-A! F-SRAY!]

コートエッジに圧縮フォトンが流れ、強力なエネルギーの刃となる。
ストリームはまるで執行を待つ死刑人かのように大人しくひざまずき待つ。

その時だった。

[Jeneral! F-Strike!]
ストリーム「グアッ!」
ストリームの腹部をオロチアギトの刃が貫いた。
背後から貫いたのはナイトナインJだった。
ネクスタ「!」
ナイトナインJ「フンッ!」
オロチアギトが引き抜かれ、ストリームは高圧縮フォトンの作用で粒子状になって消えていく。

ネクスタ「お前は…!」
ナイトナインJ「よう、火星以来だな。俺」

ナイトナインJ「何故俺が止めを刺したか。俺があの場にいたのか。答えはアイツが送ったデータにある。調べてみると良い。」

ナイトナインJ「それと―

ストリームの正体、知りたくはないか?
奴は簡潔に言えば[どの次元にもいない存在]さ。
奴はマルチバースの外、"マルチコラプス"の住人であり支配者達の使い、支配者達についてはこの世界での言い方をすればまんま"神"のそれだ。マルチコラプスの先もあるらしいが詳しい事情は知らないが行けないらしい。
ストリームは神の使い、つまりは[天使]という事になる。
階級とかそこらへんは良く知らないが奴はセラフだと言っていた。

―つまり奴はオカルトだとかメルヘンだとかその類の正体って事だ。」

「そう…なのか。」
録音、ナイトナインのデータ閲覧、全てのタスクを同時に完了した。

ナイトナインJ「どうやら、ありとあらゆる点で納得がいかないらしいが、お前との決着は今じゃない。まだ計画が次のタスクに移れないんでな。俺は失礼するぞ。」
「何!?あっ待て!」
ナイトナイン…いや、もう一人の俺は近くにあった梯子の穴から飛び降りる。
廃トンネルから車で逃走を図られたのだ。

「…計画…?」
俺はただ一人、真実に辿り着けない立場にある事を認識できずにいた…

だが、俺の過去が明らかとなる日は遠くなかった事を次に知る事となる。
【INFO】雑になっちゃった

2017年
05月04日
11:32

515: 熱湯カルピス

ーオラクルー


『私は"もう一人"…言い方を変えれば"本当のジャンヌ・S。このオラクルの守護輝士だ。このデータは、形は分からないがもう一人の俺が過去を知る事が出来るタイミングで解放される。』

『もう一人のジャヌス、奴の本当の名前は…"アッシュ"だ―


彼はかつては一般のアークスだった。
無神経で薄情な人間で訓練兵時代もいつも一人だった。
見かねた教官がオラクルに申請して、アークスとして正式入隊後、ある一人のアークスと強制的にペアを組むようにさせた。

彼女の名は"ルピカ"だ。

言う事は素直に聞けるが破天荒な性格で中々扱いが難しかったと記録にある。
アッシュはペアを組まされてから最初の頃は彼女を極度に嫌っていた、ルピカは自分からかなり積極的に張り付いてくるからな。
だが、戦闘やコミュニケーションを重ねる内にアッシュ自身も満更でも無くなってきたらしく時には背中を預ける事もあったらしい、まるでラノベだな。
だが、別れはすぐに来た。

【巨躯】襲来だ。あの戦いでアッシュの運命が決まったんだ。

エルダーが崩壊した際にルピカは瓦礫の下敷きとなった。
彼女は、アッシュに自分が助からない事を伝えた上で殺してほしいと言った。
彼は躊躇したが、ソードで胸を突いて殺害した。
それだけならただ、殺せる程にまで仲間思いだったというふうにも見えるが…

救助隊がその現場を目撃し、意味も無く殺害したのだと誤解した。
裁判の余地も無く彼は「仲間殺しの反逆者」として死刑囚として投獄された。

数ヶ月後、【深遠なる闇】打倒のため、<Xギア・プロジェクト>が始動した。
だが情報を持つ人間が外をうろつく事は完全に禁止された。ルーサーの事もあるからだ。マトイは関与してないため知らないが、俺は例外ではなかった。
直ちに代役が必要だった。丁度お前が俺と人相、体つきに身長、偶然簡単な人体改造手術と記憶改ざんだけで俺の代役が勤まる人間だったのが…
アッシュ、お前だ。
俺は影武者としてアッシュが選ばれたのを知った後直ぐに姿を消した。
わずか3時間後にアッシュは俺となったのだ。

俺はストリームに接触し、一時的にでも悪役の仮面を被らせてもらい、お前やその周辺人物に正体に気づかせないようにした。お前の前で正体を明かしたのは、計画のタスクの一つだ。

 

いいか、良く聞け。計画は現在最終タスクだ。

俺と、戦え。

―以上だ。ザザッ』

カセットテープが切れ、座標データを受信する。
公開無線が入る。
マトイ「あ、ジャヌス!聞こえてる?」
「あぁ・・・良く聞こえてるよ、マトイ。」
マトイ「あのね、最近ピアノのお稽古もサボらずちゃんと来てるからって、明日フィリアさんが特別に音楽会で演奏させてもらう事になったの!それで、貴方に招待状送ったって話なの!」
「マジか…分かった、必ず行くよ。」
マトイ「…?う、うん!待ってるからね!」
返事を言い切ったのを確認し、無線を終了する。

「…時間制限付きか…迷ってる暇は無さそうだな。」

俺は、録音装置を手にし、起動する。

2017年
05月04日
22:46

516: 熱湯カルピス

(N=ナイトナイン E=エクスナイン)
ー地球 日本 愛知県 戸越峠 0:21ー
この峠道の中では最も人通りの少ない場所で、彼は待っていた。

ジャヌスN「…来たか。」
一台の車が待ち合わせ場所へやってくる。
ジャヌスE「…」
ジャヌスN「忘れるな、お前が過去の記憶を取り戻したからこうして俺と対峙できるのだ。」
ジャヌスE「そうか、だったらなんだ。」
ジャヌスN「オラクルのために礎となった誇りを持って、死ねという事だ。」
ジャヌスE「…いや、俺は死ねない。」
ジャヌスN「何?」
ジャヌスE「俺は、アイツと約束したんだ。アイツの所に行くのは、平和になってからだって…」
ジャヌスN「…では、Xギアを…お前が使うのか?」
ジャヌスE「Xギアがなんなのかは知らない。だが、使わなきゃいけないならな。」
ジャヌスN「フン・・・お前には無理だ。いずれ分かる。」
ジャヌスE「なんとでも言え…行くぞ」
[NEXT-A!]
ジャヌスN「そうだな…」
[N-9!][Jeneral!]

[SET!CHANGE!]
[エクスナイン-ネクスタ!][Wepon!コートエッジ!]
[ナイトナイン-ジェネラル!][Wepon!オロチアギト!]


エクスナインN「うぉぉぉぉぉぉ!」
ナイトナインJ「…来い、分からせてやる。」
エクスナインは大きく振りかぶって斬りかかる。
ナイトナインは素早く抜いてない状態の鞘で防御し、居合い斬りを狙う。
エクスナインN「遅い!」
見切ったエクスナインは高速移動で素早く間合いの外へ出て突きの姿勢でもう一度距離をつめる。
ナイトナインJ「ぐッ…」
ナイトナインは左腕のガントレットで受け止め、ダメージを負う。
しかし突いた反動で出来た一瞬の隙を見逃さず落下中のオロチアギトを空中で引き抜きもう一度攻撃する。
エクスナインN「グアっ!」
腹部を斬られ、絶叫しそうな痛みで姿勢を崩しそうになる。
フェイスマスクにナイトナインの拳が飛ぶ。避ける事など出来るわけも無くそのまま砂利の地面に倒れる。
エクスナイン「まだ…まだ…」
高速移動で素早く起き上がりそのままナイトナインの胸を柄で突く。
ナイトナインJ「ぐぉはっ!」
いくらディフェンスプレートとはいえ、内部への衝撃は伝わったようだ。
そのまま一気に乱れ斬りだ。
エクスナインN「うぉぉぉぉぉっ!」バズッバズッバズッ
ナイトナインJ「ッ…アッ…グハッ…」
一瞬ふらついたところですかさずフォトンブラストを発動する。
[BLAST! NEXT-A! F-SRAY!]
圧縮フォトンの刃で一気に斬る。
ナイトナインJ「ぐぁっ…はッ…」
ナイトナインの胸部を切り裂く。
(BGM停止)
ナイトナインの変身が解除される。今の攻撃でベルトを破壊してしまったようだ。

エクスナイン「…どうだ…もう戦えないだろ、いい加減」
ジャヌス「いいや違うね、勝ったぞ。俺が」
エクスナイン「何?」

ジャヌスは、懐から見たことの無いベルトと、アイテムを取り出す。
ベルトを装着すると、自動的にベルトが巻かれハードポイントが自動で取り付く。
ジャヌス「次世代型ギア、"ネクストバックル"。そして"コネクター"…」
銃にも似た形状のコネクターのトリガーを引く。
[紫電-コネクター!]激しいロック調のサウンドが鳴り響く。
ジャヌス「変身」
ケース状のベルトの穴にコネクターを挿入する。
[SCAN! 紫電! Let`s Fight!]
ベルトの窓が開き絵柄が現れる。
ジャヌスの全身を覆うように仮想ウィンドウが展開される。
首までがバリアスーツ化し、仮想ウィンドウがディフェンスプレートになり装着される。
頭部も仮想ウィンドウがヘルムガード化し、仮面となる。
肩のプレートとベルトのハードポイントにスタビライザーが装着される。

「仮面ライダー…紫電。Gread1。」
エクスナイン「次世代型…俺のは何なんだ?」
紫電「お前に渡されたのは次世代型の試験機。この紫電を初めとしたネクストバックルとコネクターの製作のためのデータ取り用だ。お前がストリームと戦った事ですぐに必要なデータが揃って完全な完成品となった。」
エクスナイン「それでトリガーベルトはいらなくなって訳か…畜生!」
高速移動を使用して斬りかかろうとするが全身の強烈な痛みで動けなくなる。
エクスナイン「ガッ…な、何だこの痛みは…」
紫電「やはりか…お前にXギアは使えない。」
エクスナイン「なんだと…!?」
紫電「いいか、そのネクスタの能力は"自分の命を削って"体の特定部位を短時間強化する能力だ、無駄に使いすぎたんだよ。お前は。」
エクスナイン「え…」

紫電「…勝負あったな。」
オロチアギトの柄でベルトに刺さったコネクターの凸部分のある場所にあるボタンを押す。
[LastTIME! 紫電-CRITICAL-ZANBER!]
オロチアギトの刃に強圧縮の赤いフォトンが充填されていき、刃から赤黒いオーラが激しく吹き出る。


紫電「…お前、何か言い残す事があるな?」
エクスナイン「…あぁ、言おうと思ってた事がある。」
彼は一つのVRカセットテープを取り出し、再生する。
二人の視界は一時的にVR空間となり、感覚も独立する。
エクスナインが再生したのは、彼の過去だった。

―数年前
アッシュ「俺がペアを組むんですか?」
教官「あぁ、お前の代で少しだけ訓練学校のの方針が変わってな。」
アッシュ「悪いけど、俺は一人で十分だ。パートナーなんていらない。」
教官「そうか、では彼女には待ち合わせ場所でずっと待ってもらうしかないな。」
アッシュ「はぁ?」
教官「決まり事だ、君の独断や思考を理由に勝手に解消なんてできない。最低1年は組み続けてもらう。でも嫌なら待ち合わせ場所に行かなければいいだけだ、でも相方は一生来ないという事は伝えてはいけないのだ。」
アッシュ「…」
教官「少なくとも私は仲間を放置して良いと教えたつもりは…」
アッシュ「あぁ分かったよ!行けばいいんだろ行けば!」
教官「よろしい、では今日の…」

ー待ち合わせ場所ー
ルピカ(あそこのムスーっとしたのがアッシュ君…だっけか。まぁ声掛ければ分かるでしょ)
アッシュ「なんかようか?」
ルピカ「君がアッシュ君だよね?」
アッシュ「そうだが?お前は?」
ルピカ「あーよかった!893みたいだったから違ったらどうしようかと思ったー!」
アッシュ「俺の質問に答えろ、ていうk」
ルピカ「あーごめんごめん、私はルピカ☆今から貴方のパートナーらしいよ!」
アッシュ「あっそ…お前ね、顔覚えたしさっさとクエスト行くか…」

ーナベリウスー
ダガン「ギィィィッ!」
アッシュ「キリがねえなぁおい!訓練とは全然違うじゃねえか!」
ルピカ「ラ・フォイエー!」
爆発で数体のダガンを一度の撃破する
ルピカ「どーん!」
アッシュ「おい、いつまで俺をつけてくる気だ?」
ルピカ「だってペアだもーん何もおかしくないしー」
アッシュ「あのなぁ!こっちの立場にもなってみろ!邪魔なんだよ!」
ルピカ「グランツ!」
ダガン「ギィィィッ!」
アッシュ「あ…」
ルピカ「無駄口叩いてないで戦わないと死ぬよ?」
アッシュ「チッ、うっせーな、わーってるわボケ!ガキは黙ってろ!」
ルピカ「分かってるならいいけど暴言は反対ー!」

最初は俺は嫌いで疎遠になりたかったが向こうから一方的に押しかけてくる。
だがそのスタンスのおかげか俺は、彼女との会話も増えていき、段々とお互いの背中を預けあう仲にもなってきた。
そして…俺は…

ーマイルームー
アッシュ「そういやお前、アークスが必要なくなったら何になるんだ?」
ルピカ「ん?いきなり意味深な質問だねー、何かあった?」
アッシュ「いや、単純に気になっただけだ。」
ルピカ「そっかー…私はね、天文学者になりたいんだ。」
アッシュ「と、いうと?」
ルピカ「私の父さんはね、君と同じアークスだったんだ。それもまだ今みたいに志願して、色々な訓練受けてなれるような物じゃなく、軍からの選抜でしかなる道がないくらいの時代のね。ある時、キャンプシップまるごと行方不明になってね。当時はまだ赤ん坊だった私は、顔も覚えてなくて…探したいと思ったんだ。アークスになったのもそれが理由。どう、納得した。」
アッシュ「あぁ…思ってたより重い感じだったな。」
ルピカ「うん、今でも見つかってないから、現在進行形なんだけどね。」
アッシュ「そうか…」
ルピカ「ところで、人に聞くだけ聞いて自分は言わないってどういう事かなー?」
アッシュ「あぁ…そうだな。俺は―」
[緊急警報発令、アークスシップの一隻が、ダークファルスエルダーの襲撃を受けています。アークス各員は、至急救援に向かってください。」
アッシュ「!」
ルピカ「なんだか話してる暇は無さそうだね、行くよ!」
アッシュ「あぁ!」

その日の、エルダーとの戦いはアークス側の圧勝だった。
でも、俺の時間は、その時止まった。

ルピカ「ぐ…う…痛い…」
アッシュ「大丈夫か!ルピカ!今この瓦礫を・・・ふんっ!」
ルピカ「…無駄だよ…ぐぶっ…わ、私は…もう助からないよ…」
アッシュ「ふざけた事抜かしてんじゃねえよ!もう少しで…」
ルピカ「だって、自分の事だから、分かるもん…下半身はもう完全に潰れてるし、内臓のほとんどが致命的な損傷を受けてる。」
アッシュ「…!」
瓦礫の下から大量の血液が流れ出てくる。
ルピカ「このまま救助隊が来ても、棺桶みたいな所でいつ治るのかもわからないまま永遠に生きなきゃいけなくなるもん…」
アッシュ「でも…お前には俺が…!」
ルピカ「でもそれじゃあ!…死んでるのと一緒だもん…」
アッシュ「…」
ルピカ「どうせ死人と同じように生きるよりも、今すぐ死なせてほしいの…」
アッシュ「お前…何を…」
ルピカが手を伸ばす
ルピカ「ねぇ、アッシュ…最後のお願い、聞いて。」

ルピカ「私を…殺して。」
…嫌だ
ルピカ「私は貴方の事が…だから、貴方にしか頼めない。」
!!!
ルピカ「それとも、聞いてくれないの?」
あぁ…判ったよ

ソードを手にする。手は、震え、呼吸は今にも止まりそうだった。


アッシュ「…ぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ソードを逆手もちにし、全身の力を振り絞って一気に振り下ろす。
その刹那だった。
「アッシュ…ありがとう…」


視界は滲んでいた。体もまるで抜け殻になったかのように力が入らない。
背後から声が掛かる。
公安隊「君は同胞を殺害した。反逆罪の容疑で逮捕、連行する。」

何の権利も無かった。
死刑囚として、ずっと檻に閉じ込められたままだった。

4ヶ月がたったある日。俺に会いたいと言ってきた奴がいた。
本当のお前、俺ではない俺だ。
ジャヌス「我々の計画に協力すれば、君の罪を帳消しし、釈放しよう。君の本来の人権を復権し、終了後の生活の保障もしよう。どうだ?」
むしろ拒否権なんてないと思った。
当然俺は参加した。

研究所のような所に連れて行かれた。

医師「ここに寝て。」
アッシュ「は、はい。」
医師「そんなに掛からないからね。じっとしててよ。」
麻酔で、俺は眠りについた。まさか、こうなるとは思う事も無く。

現在―

紫電「それが…お前の真実か…」
エクスナイン「あぁ、これを見た上で、二つ頼みがある。」
紫電「…」
エクスナイン「一つ、俺のコートエッジ…お前さえ良ければ、片身として持っていてくれ…二つ、こっちは必ず守ってくれ。今日、しばらくしたら、マトイの演奏会がある、アイツは必ず俺が来ると思ってる…俺はお前だ…行って、彼女に顔を見せてやってくれ…」
紫電「…それで、言い残す事は全てだな?」
エクスナイン「あぁ…さぁ、殺れ。」

赤黒く光るオロチアギトを両手でエクスナインの胸に突き刺す。
エクスナイン「ぐぅっ…」
強烈に圧縮されたフォトンがたちまち刃から全身に広がり、エクスナインを粒子化させていく。

かつてアッシュであり、今はエクスナインだった彼は粒子となり、空へ消えた。

【INFO】どジャアァぁぁぁ~~~ン疲れたもおぉぉん!考えるだけでもう真っ白に燃え尽きたぜ。

2017年
05月06日
15:04

517: 熱湯カルピス

―オラクル 演奏会場―


「…」
壇上でピアノを弾く彼女の曲は美しかった。いや、僅かにテンポが速いようにも聴こえなくは無い。彼女の顔は穏やかだったが、口元がほんの少し引きつって、顔の汗も僅かに見える。きっとフィリアに緊張せず、リラックスして、ミスっても誤魔化せば良いみたいな事を言われたのだろう。彼女も鵜呑みにしてやってるつもりだろうが本心は緊張と不安が多いのだろう。

ドビュッシーの『夢』、多くのピアノ演奏曲の中でもコアな人気を誇る曲だ。
タイトル通り夢幻的な雰囲気に満ちており、分散和音にのった甘美な旋律による部分とコラール風の中間部から成る。
私はその曲の波に心を任せながら、頭の整理を始める。
あれから、数時間で大きな展開であった。

消滅したエクスナインがいた場所にはコートエッジとEX-9トリガーが落ちていた。
「形見…か。」
彼の言葉を思い出し、背中のハードポイントに接続し、トリガーをしまう。
代わりにオロチアギトを彼の墓標として突き立てる。

もう、"ナイトナイン"も、"エクスナイン"も存在しない。

無線が入る
シャオ<…終わった、みたいだね。>
「あぁ…これで…俺の後悔も、罪も…全てな…」
シャオ<言いたいことはあるけど、言うべき事だけ話すよ。>
「そうしてくれ」
シャオ<Xギア・プロジェクト、完遂だ。>

その後、何事も無かったの用に入れ替わりで戻った俺は、わずか2年で大きく変わった事情にただ動揺しつつも、慣れていくしかなかった。

ヒツギと、マザークラスタの件も終わっていない。
ダークファルスとの戦いも…

やがて、演奏が終わると誰もが起立し拍手喝采をマトイに浴びせる。
マトイも立ち上がり、深く礼をする。
頭を上げて、やりきったという表情を観衆の誰しもに向ける。

彼女は目視で俺を発見し、とびきりの笑顔を見せる。
俺は、その笑顔に愛想笑いで返す。
俺の本心は、ただこの先の不安が大きかった。

これからも彼女やこの観衆、多くの命を守っていかなくてはならない。
まだ、戦いの手を緩める事はできないのだ。

俺はマトイが舞台を去ると、
持っていた端末から企業の依頼を受諾し戦場へ向かう。
ただ死と富の倍率を上げるだけの、殺し合いというギャンブルをしに行く。
いつ死ぬか分からないからこそ…

 

戦いは俺の人生だ。

これからも生きている限り、続けるだろう

それが俺の生き方だ

 

多くを失った…アッシュ…

放浪の旅の2年間。

でも、オラクルとこの次元の住人という、仲間が出来た。

だからこれでいい。

 

戦いは俺の人生だ。

だから俺は戦い続ける。

―"彼ら"と共に―


窓から見える景色。色とりどりの世界が広がる。
今日の仲間は皆一色にしか見えないらしいが、俺にはわかる。
茂る草木の緑、乾いたり湿ったり様々な状態の土
世界はどこへ行っても一色ではないのだ。

[降下地点到着、ここの敵はかなり強いって噂だ!気をつけろよ!無事を祈る!]
降下のためのハッチが開く。
ヘリのローター音と激しい風の音が耳を劈いていく。
足元も正直どっしりと踏めてる感じはしない。

[紫電コネクター!]
「変身」
[SCAN!紫電!Let`s Fight!]

強圧縮フォトンの外装が身を包む。
視界が起動する頃には既に全員が降下するところだった。

「行くか」

ハッチの外の世界へ向けて走り出す。
今日の任務は、山岳地帯に潜む有澤の特別強襲隊の排除だ。
今まで何人と彼らの拠点に攻め込んだが敗北し、逆に拠点を潰されている。
しかも今日は最悪だ。彼らは山岳戦のエキスパートだ。

正直、今日が命日かもしれない。
だが、一度武器を手にし、誰かを殺したその瞬間から、
戦いから逃れる術等もとより無いのだ。

行こう、仲間と共に。

 

戦いが、俺の人生だ


【INFO】これで物語として一区切り。これで終わりかどうか決めるのは貴方だ。

2017年
06月22日
15:28

518: 熱湯カルピス

「緊急事態発生。直ちにメンバーを招集し、出撃しなさい。」

―アメリカ ハーバード大学―
午前の講義がほとんどの学科で終わり、昼食のラッシュが始まろうとしていた頃
それは突然だった。

私は、賑わう中庭の木陰のベンチで一人スマホを弄っていた時の事だった。

ガコンッ
木の向こう側で二人の白い化学防護服を着た男が、一人は台車で大型ガスボンボと何かを噴出する装置、もう一人はケースから小型のボンベらしき物を幾つか取り出し何かの準備をしていた。小型のボンベらしき物にはどれも同じようなオレンジのガムテープのような物が巻きつけられていた

一人の男は耳に手を当てながら周囲を見渡す。視線の先には二人の男と同じような服装をした人間が複数人バラバラに立っていた。しかしその手にはボンベのような物は持っておらず遠めには銃に見えなくも無い。
「D班、準備完了しました。」<了解、その場で待機し、合図を待て>

誰もがそれに気付いたのかザワザワし始める

私はとりあえず映像に収めようとスマホのカメラをそちらに向けた時だった。

小型ガスボンベを持っていた男が何も持っていない左手を上に上げた。
それが合図だったのか大型ガスボンベを見ていた男がレバーを引き上げる。
ガスボンベから黄色い煙が立ち上る。
それが何か分かった私はさっき買ったばかりの飲料水を頭から被り、即座にベンチの下に入り、様子を伺う。

予想通りだった。

近くの舗装された道を歩いていた男子生徒がいきなり咳き込み30秒と立たぬうちに倒れる。呼吸はしていなかった。

それを見てしまった他の生徒達は一斉に叫びだし中庭はパニックになる。
いや、中庭だけではない。大講義室の大扉からも既に黄色い煙が出てきていた。
次々とあちこちで咳き込み倒れていく若者、慌てて駆けつけた警備員も、講師も同じ症状のようだ。

スマホで撮った映像をトゥイッターにアップロードするが次の瞬間足をグイと引っ張られて、驚いてスマホをベンチの下に置き去りにしてしまう。

そして、次に…最後に聞いたのは銃声だった。

 


「ハーバード大学で未知のバイオ兵器によるテロ事件が発生しました。彼らの目的、組織は不明ですが極めて大規模だというのは確かです。」
ジェイ「警察はどうした?」
「州全体の警察が総動員で対応を試みましたが相手の武装も極めて強力でした。SWATチームですら歯が立たない程に。」
ジェイ「それで、俺を呼んだって訳か。」
「貴方だけではありません。たった今から私の計画を再始動し、世界各国のエリート達を招集します、今すぐに。部隊名、」

"レインボー部隊"を…

「既にロシアのスペツナズ、日本のSAT、FBI SWAT、ドイツのGSG9からレインボー部隊のメンバーを選抜し、こちらに向かわせています。貴方も今からレインボー部隊のリーダーに任命し本作戦における現場指揮を行ってもらいます。」
ジェイ「了解。」

―ヘリポート―
レインボー部隊が揃った。俺を含む5人の兵士達が。
ジェイ「アライアンス戦術歩兵隊所属で、今回レインボー部隊のリーダーを務めるコードネーム"アーマーン"だ。時間が惜しいので細かい自己紹介は省く、よろしく頼む。」
テルミット「FBI-SWATのコード"テルミット"だ。考え無しに大穴を空けたい時は言え、この爆薬で吹き飛ばしてやる。」
フューズ「コードネーム"フューズ"。スペツナズだ、よろしく。」
ヒバナ「"火花"です、日本のSAT所属です。貴方方のようなとても優秀な兵士の方達と戦えて光栄です。」
ブリッツ「GSG9のブリッツだ。武装の都合上いっつもイケメンな俺のケツを拝む事になるが発情して襲い掛かってくんなよ?」

アーマーン「今回君達にはトーラスのメタトロンギアのユニット2型ガスタイプを装備してもらう。武器については今日持ってきた物をそのまま使ってもらって構わない。何か質問は?」

アーマーン「フューズ。」
フューズ「それは持ち帰れるか?」
アーマーン「一応これは借用品だ。欲しければ金をためて購入する以外くれてやれない。」
「了解」

アーマーン「では行くぞ。」

[UNIT-2-GAS]
[HENSHIN]

ユニットの2型の外装に、更に防護バイザー、ゴムカバー、呼吸フィルターは背中の大型呼吸装置にチューブで繋がれておりノーマルの状態よりかなり見かけが変わっている。

テルミット「思ったんだが…音声の後の音楽はどうにかならんか?」
アーマーン「無理、仕様だもん」

【INFO】続きはあ↑と↓

2017年
06月24日
21:08

519: 熱湯カルピス

改めて見ると異様な光景だ。
自分を挟むように並んで座ってツールボックスを背負って堂々と煙草を吸う男。
独特な形状をしたランチャーを丁寧にハンカチで拭いているフードの女。
謎の形状をした謎の装置、"クラスターチャージ"を簡易分解してメンテしている男。
3列の巨大フラッシュを改造して取り付けたシールドを持った男。

私語は許可されているので最初の時はお互いの装備や所属の事情について語ったりして盛り上がっていたりしたが今は誰も何も話そうとしない。

改めて考えてみるとすごい面子の中にさらっと自分がいるような気がした…

改めて見ると異様な光景だ。

あの世界一有名な大学が、今は深い、黄色い霧で覆われている。周辺では先行して除染部隊が被害の拡大を防ぐ為に作業を行っている。爆発事故よりも考えにくい有様に部隊員達は窓の外の光景に気を取られそうになっている。

<降下地点まで1kmを切った。降下準備せよ。>

ジェイ「降下準備、ブリーフィングに行え!」
「了解。」

降下地点上空。扉が開き、降下用ロープが降りる。向こうが反撃してくる様子は無い。だがそれでも迅速に行うのがプロの仕事だ。
ジェイ「ミッション開始!」
ロープを両手で掴みももでロープを軽く挟んでつま先で床を軽く蹴る。
次の瞬間スッと足元の感覚は無くなり視界は地面へ下がっていく。

全員が無事着地するとすぐにロープは収納されヘリは去っていく。
シュコーと全員の呼吸音が聞こえる。

足に何かがぶつかる。レーザーポインターで辿ると、黄色い塊がある。銃口でひっくり返すと黄色い粉が散り、犠牲者らしき死体があった。
ヒバナ「酷い…」
ブリッツ「さすがの俺でも、何が起きたか想像はしたくないな…」
テルミット「不快なら、早く終わらせるのが筋だな。」
フューズ「…あぁ、同意する。」
ジェイ「マップを確認してくれ、ここは正面玄関前の広間だ。玄関前までは全員でクリアリングしつつ動き、玄関からは1:2:2の3チームに別れて動く。いいな?」
「了解。」
ジェイ「行くぞ。」

5人で前、後、側方を見ながら玄関まで移動する。
黄色い霧はもしかするといるのであろう敵すら見えなくしていた。
チームに緊張が走る。
サーマルを起動するが見えるのは故障して煙を出している車のボンネット程度だ。

ジェイ「散開、ヒバナとブリッツ。フューズとテルミットで別れろ。敵を索敵、殲滅しつつ反対側の大講義室をポイントαとし、そこで合流する。」
「了解。」

3手に別れて行動を開始した。

東の事務室を進む。

ブリッツ「お嬢ちゃん、俺に抱かれたかったら後ろに付いていな。いつでもベッドインOKな環境を作ってやる。」
ヒバナ「下品な男ね…これが海外のジョークなのかしら?少なくとも日本だったらセクハラで捕まってるわよ?」
ブリッツ「HAHAHA!冗談言って捕まるくらいならお嬢ちゃんみたいなカワイコちゃんに脳天ぶち抜かれた方が幸せだね!」
ヒバナ「はぁ…めんどくさいタイプのポジティブね…、敵!3時の方向、距離6m!」
ブリッツ「了解!距離を詰めるから援護してくれ!」

構え、歩きながらSIG552のトリガーを引く。けたたましい発射音と共に弾丸が走るブリッツを他所に宙を駆け抜け、敵がカバーしているソファに命中し、穴をあけまくる。

ヒバナの援護のお陰でビビったのか中々相手が顔を出さないので距離を簡単に詰められる。ソファの裏に回り込みシールドの窓から敵を目視する。シールド裏のグリップの先端のボタンを押す。
バシャッ!
知らずに爆発したと言われたら信じそうな物凄い強烈な光が目の前のテロリストを襲う。目を押さえのた打ち回るテロリストの頭にアイアンサイトを合わせ、引き金を引く。

動作は簡単だ、だが引き金は重い。


西側のキッチンを進む。

テルミット「ふむ…君も中々スペツナズでの経験は長いんだな。」
フューズ「はい…未だに会話は得意では…ないんですが…はい」
テルミット「そうか…まぁ会話についてはいいさ!誰しも最初そんなもんだ!慣れだ慣れ!ハハハハハ!」
フューズ「はぁ…ははは…で、ところで…」
テルミット「あぁ、気付いているよ。とりあえず今指差している所まで歩いてからにしようか。」

テルミットが指差した地点まで二人で行き、すぐに
テルミット「フラグを投げる!」
BOOOOM!
テロリスト「うわぁっ!なんで判ったんだぁ!」ババババババ
テルミット「プロを舐めてもらっちゃ困る。」
デグブルの発射音がする度一つずつ銃声が消えていく。
テルミット「おい、お前さんの自慢のクラスターチャージとやらを見せてやれ。」
フューズ「了解!クラスターチャージセット!起動!」
薄い仕切り壁の一角にクラスターチャージを設置し、グリップ式の遠隔スイッチを押す。
ポン!ポン!ポン!ポン!
小切れの良い音と共に4つの小型グレネードが射出される。
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

反対側は静かになった。

テルミット「ふむ…中々便利そうじゃないか、お前さんのクラスターチャージは。」
フューズ「ありがとうございます。」


正面の大広間を進む。

中庭を前にしてようやく敵がサーマルに引っかかった。
それも大勢だ。サイレンサーを持ってきて正解だった。素早くグロッグG18Cに切り替え構える。
一人、二人、素早く敵を排除していく。幸いサーマルはクッキリとシルエットを表示してくれるので頭を打ち抜くのは簡単だ。その上敵は視界が利かない。だが視界が利かない中でも円滑に行動を行うのを見る辺り恐らく地図でも持っていて、しかも暗記しているのだろう。

あまり時間をかけるべきでは無いと思う。時間をかければ敵もいずれ気付く。

2017年
07月02日
19:08

520: 熱湯カルピス

順調に作戦は進んだ。

爆弾解除は終わった。

大学占拠犯は全員死亡が確認され、事件は収束の一途を辿るばかりだ。

私達の活躍は「非公開組織」という隠蔽に包まれ、アメリカだったからであろうSWATチームと報道された。私達の存在は知られなかった、だがそれが幸いなのだ。

これだけの力を持った組織はこれで全てではない、この規模が次に全世界の何時、何処でおきるか等誰も予測はできない。

忙しくなる、戦いは始まっているのだ。

2018年
01月27日
01:49

521: 熱湯カルピス

―火星 廃基地―

今亡き香港軍が使用していた軍事基地は自宅からそう離れていなかった。
元々司令塔周辺の防衛態勢は今こそ稼動してないが当時は強固だった。

外部、滑走路や倉庫のある区画、司令塔を三つに分けていた二重の合金防壁は部分的に崩れ堂々と乗り物で侵入できる。

戦車や輸送機が行き来していたのであろう広い敷地も嘗ての姿を隠すかの様にアスファルトに大穴を開け巨大な木々が静かに立ち尽くしている。

電源施設に植物群が侵入していなかったのは幸いだった。
セキュリティの装置は破壊せざるを得なかったが通信設備は未だに生きている。

タブレットを起動し、アプリでリストを確認し電話を入れる。
レイハルトン「あーもしもし?"レハン"だ。地球のこの依頼を受けようと思ってな。」

【INFO】忙しいので鈍足でイくっ!

2018年
02月07日
00:48

522: 熱湯カルピス

???「珍しいな、お前が駐屯地を襲撃とは」
レイハルトン「報酬でな。軍事関係を襲撃すれば金がもらえてついでに現地で見つけたお土産も盗んでいいって相当なサービスだ。前にお小遣い減らされた時と大違いだ。」
???「足が付きかねない事なのにそうして良いって事は何か裏がありそうだな。大丈夫だと思うが気を引き締めておけ。船を用意する。」
レイハルトン「頼むよ。」

電話を切る。

滑走路のど真ん中から倉庫へと歩いて向かう。
倉庫の戸は既に腐り果てて自重で止め具が千切れて倒れていた。
前に訪れて以降誰かが漁った様子が無いのはいつもの事だ。

倉庫に入り戸の横のダンボール箱から"仕事道具"を取り出す。

ベルト、それも安い市販品のメタトギアとは明らかに違う。
当然ある程度修理したのも理由ではあるが。
これを入手したのは数ヶ月前であった。

2018年
02月07日
01:14

523: 熱湯カルピス

―Marooのバザー―

レイハルトン「やぁMaroo、新しい商品はあるか」
Maroo「Ayatan像かい?それともいつものコーパスが好きそうな機械かい?」
レイハルトン「後者だ」
Maroo「んじゃこんなのはどうだい。トーラスのメタトギア最新バージョンさ、少し値は張るがⅡ型とⅠ型兼用さ。」
レイハルトン「うーんトループタイプのギアは間に合ってるんだよなぁ、新型とか無いのか?」
Maroo「諜報員によれば一応作ってるらしいけどトループと丸被りするかもって話さ。予約しておくか?」
レイハルトン「いや、いい。…ん、これは?」
Maroo「あぁ、こいつは最近世間をしばしば騒がせてるローグ共が値にならないか言って来たガラクタだ。どうせどっかの個人経営の店がレプリカ作ったのを盗んだだけだろ。」
レイハルトン「…こいつ、幾らだ?」
Maroo「ん?買うのか、あんたも物好きだねぇ。どうせ置いといても邪魔だしタダでいいよ。」
レイハルトン「あぁ、じゃあお言葉に甘えて…」

―自宅―
分解してみたが間違いない。これは守護輝士が使っていたフォトンギアの一つだ。恐らくローグ共が脱走する時に盗んだ物だろう。
俺は偶然手に入れたフォトンギアを無我夢中で改造した。

そして…

ベルトを巻く。
[フォトンギア改]
トリガーを引く。
[Ex-Idea]
レイハルトン「変身」
[HENSHIN]
バックル部横の排出口から体を覆う要に青緑色の粒子が溢れる。
それは一気に形を形成する。
[イデア]

解析した結果のフォトン形成図で破損した箇所をトループのデータで修復し、より自分の戦闘スタイルにあった形へと手直しをしていった。
その姿は…嘗ての姿とは程遠い。

ベルト改造の回想をしている内に外に迎えが来る音が近づいている事に気付く。

持つべき物を持ち、倉庫を後にした。

2018年
02月27日
14:10

524: 熱湯カルピス

コーパス小型輸送艇を改造したこの高速艇の乗り心地は決して良い物ではない。
だが慣れた今となってはこの乗り心地が変わった途端異常を検知する手助けになる。
ホバーバイクの調子を確認しながら依頼のおさらいをする。

目標は土星開発地区山岳地帯の駐屯地だ。
この駐屯地はPMCと癒着しており物資の一部を販売している。
現地を荒らしコールドタイムクラブが襲撃しやすくしてほしいとの事だ。

ブザーが鳴る。投下の合図だ。
素早くホバーバイクにまたがりトリガーを引く。

???「目標上空、投下する。任務を開始しろ」
レイハルトン「ああ」
[Ex-Idea]
レイハルトン「変身」
[HENSHIN]
[イデア]

高速艇後部のハッチが開く。見えるのは青空と雲だけだ。
それでもアクセルを回し、空中へ飛び出す。

次の瞬間には重力に引っ張られ視線は広い大地へと向かっていた。

例えバイザーであろうと視界は僅かに暗くなっていった。
ただ着地の命綱であるバイクのハンドルから手を離すまいと無意識に全身でしがみついた。

2018年
03月07日
23:37

525: 熱湯カルピス

雲海を抜けると眼下は土星軌道保全軍の基地が見えてくる。
上空から降下しつつもある一点に注意しながら設備を観察する。

やはり開発地区とだけあってまだ完全な防御設備は整っていない。
外界と基地を隔てているのは有刺鉄線を付けただけのフェンス一枚。
比較的中規模の敷地の割に対空砲が僅か2機、野砲や榴弾砲もさほど無い。
つい最近出来たばかりでまだ外からの攻撃を想定していないのは明らかだ。

やがて距離が縮み始めると基地から一つの光が点滅する。
対空砲だ。
即座にバイクを制御し左右へ回避行動を取る。

2018年
03月10日
02:10

526: 熱湯カルピス

やがて基地の細かな備品や隠れている敵が見え始めると点滅する色は一気に多くなった。対空砲の音がハッキリと聞き取れると聴力低下坊止の真空シャッターを閉じる。
ただ感じるのは音ではなく振動と視界だけだ。
弾丸の光は距離を縮めると段々と精度を増し、視界の隅を通過し始める。
バイク前方の防護シールドを展開する、視界は窓から覗いた景色だけになり激しい音をたてながら弾丸がシールドに当たり跳弾していく。
時々垂直に着弾したのか明らかに跳弾とは異なる嫌な音もする。
高度1kmに到達すると真空シャッターが開き防護シールドが自動的にパージされ周辺に散っていく。
アイウェアにセーフティシャッターを降ろす、視界は塞がれる。
小型の閃光爆弾を取り付けてあるこのシールドは落下地点で起爆し地上の敵から視力を一時的に奪うセーフティシャッターは自分まで巻き込まれない様にするためだ。
強い破裂音が聞こえると直後に強めの耳鳴りに似た音に変わる。

2018年
03月17日
09:03

527: 熱湯カルピス

ズンと地面から頭頂部にかけて少し緩やかな衝撃が伝わる。
セーフティシャッターが瞬きをする程の速度で開き、入ってきた視界から一瞬で大凡の状況を把握する。
パドルブレードを腰のホルスターから引き抜き、ホバーバイクのアクセルを回す。
後部のスラスターが火を噴き恐らく普通のバイクよりも1秒速くそして素早く前進する。パドルブレードを高く振り上げ横切る保全軍の兵士の前に刃先を拾い上げる様に振る。僅かな抵抗感を感じたが何も深く考える必要は無い、続行だ。背後は確認しない、パドルブレードについた血が殺害した証拠だ。

縦横無尽に基地を駆け巡る。C4を全ての対空砲に投げ込み起爆する。派手な音と共に熱風と熱と衝撃で火薬が弾けて対空砲の弾薬が暴発する音がする。

暴れまわるのも中々楽しい物だ、そう思っていたが。今日はツイてなかったらしい。

ホバーバイクが急にバチッと音を立てて機能が停止する。異常を感知しクラッシュする前にパドルブレードを近くに投げ捨て飛び降りる。ホバーバイクから火が上がる、恐らく燃料が火元だろう。だが今はそれを考えてる場合ではない。

素早く立ち上がりある方向に目をやる、恐らく原因は目の前にいるこのライダーだろう。明らかにトループタイプとは異なる。
姿は全体的に黒を基調とし左腕にボウガンを装備していた。
バイザーに緑のラインが浮かんでいる

イデア「お前は一体…!?」
蒼電「アローの精度は極めて高い様だな。素早い目標にも命中させられる。これでついでの目的は達成だ、だが…」
少し冷たい調子で喋るライダーはアローの弓の部分を折りたたみこちらへ向き直る。
蒼電「本来の目的を裏切り者に潰されるとはな」
イデア「裏切り者…アークスか?」
元々私達はアークスを裏切った存在だ、そう呼ばれるのは当然だろう。
蒼電「そうだと思うならあの世でそう思っていろ」
ライダーは腰の刀に右手を伸ばす、かなり独特な居合いの構えだ。
少なくともこちらを殺るつもりの様だ。
イデア「やるしか無いみたいだな…」
私も落としていたパドルブレードを素早く拾い構える。

2018年
03月29日
08:26

528: 熱湯カルピス

「動くな!」
殺伐とした空気に突如第三の声が響く
CTC兵「コールド・タイム・クラブだ!PMCの屑野郎め!お前を拘束する!」
SG550を装備したトループユニット3タイプの分隊だ。突入したCTC分隊は既に駐屯基地を制圧したようだ。
紫電「…気が乗らなくなった、生きていればまた会おう」
構えを解いたライダーは表情が見えずとも声が少し怒りというべきか悲しみというべきか判断し辛い何かが混じっていた。
ライダーはテレパイプを即座にその場に設置し姿を消した

CTC兵「傭兵、話は聞いている。だがここで契約は終了だ。早く去れ」
紫電「…あぁ、失礼するよ」
ホバーバイクを再起動し跨る、輸送艇との合流地点へと急ぐ。

あのライダーは一体何者だったのだろうか。
ただその疑問だけが頭の中で繰り返し問われ続ける。
アークスであるのは間違いないがなら何故土星軍と取引を?
そんな事をする意味が解らないという事が解っただけだ。

きな臭い物を感じながらも帰る事にした。

2018年
04月30日
03:15

529: 熱湯カルピス

―金星 汚染浄化作業本部 基地 午前4:00―
[マインド]
基地局長「アア……私は貴方の意のままに…」
レイルキウス「…それでいい。これからは私が貴様らの支配者だ。」
職員&兵一同「ハッ!」
倉庫の一角に集められた洗脳済みの人員は一斉にルキウスに敬礼する。
レイルキウス「では、早速私の目的と指示を出す。目的はこの世界の全勢力を壊滅し、滅ぼす事だ。貴様らにはその為の道具を作り、最終的には道具の一部になってもらう。」

―24時間後―
大型兵器用の輸送機が貨物を降ろしている。

輸送機パイロット「まだ人型機動兵器導入してないのに強襲ユニットを買うなんて一体何をする気なんだ?」
洗脳済兵「さぁ?上の考える事は俺にも解らん。サイン出来たぞ、さっきも言った通り局長は気が短い、早く出発してくれ。」
パイロット「全く愛想が無いな。まぁ事情が事情だししょうがない。失礼するよ。」

その後輸送機は5分程で出発していった。
購入した強襲ユニットを地下のガレージに格納する作業を行う。

レイルキウス「次はコイツを人間単体で動かせる様にしろ。細かく指示を出す。」
メカニック一同「ルキウス殿がこれをお使いになるのですね!了解致しました!」
メカニック達は敬礼をした後持ち場へと向かう、ルキウスは指示を行う為にコントロールルームへと向かった。

―Cオラクル 管制塔―
Kドラン「どうも、相変わらずうちを頼る人ですね貴方は。」
ジャヌス「あぁ、おたくの製品はうちのより出来が良いからな。蒼電も素晴らしい出来だった、それが証拠さ。で、品物は?」
Kドランは無言でアタッシュケースを開く
Kドラン「…こちらです、重武装型フォーム"紅電"。」
アタッシュケースの中には紅のコネクター、スペックを表示するディスプレイが入っていた。
武装:大口径機関銃 2挺 弾薬サック
装甲:5重構造 特殊合金 間接部のみ高耐久繊維装甲
特殊技能:炎耐性、ダメージ85%カット

Kドラン「…ジャヌスさん、これだけは先に言わせてもらいます。」
ジャヌス「なんだ?」
Kドラン「次でこの取引は終わりにしませんか?」
ジャヌス「…それはまた何故?」
Kドラン「ローグの件が理由です。最近こちらのシップでも上層部、つまり私達が裏で繋がって彼らを助けているとの噂が聞こえましてね…」
少し考えた後
ジャヌス「そうか…解った、次のオーダーで最後にしよう。」
Kドラン「あちがとうございます、最後の品は今までで最も上等な物を用意します」

ジャヌス「あぁ…頼むよ。」

―火星 未開発 砂漠地帯 隕石落下地点―
レイハルトン「さて、隕石から鉱物を採取するぞっと…ん?」
隕石には見えない一つのカプセルの様な物が砂に少し埋もれている
レイハルトン「XC-N/L…なんだこれ?」
円柱形で両端が金、中央は3次元メモリが組み込まれている様だ。型が古いがその割には砂も軽く払うだけで落ちまるで水洗いした直後の様に美しく、汚れの一つも無い。
レイハルトン「…面白そうだ、後でデータを開封して中身を見てみるか。」

2018年
06月02日
19:09

530: 熱湯カルピス

―惑星アムドゥスキア―

[紅電][HESHIN]

ベルトから圧縮フォトンが放出され、体に纏わり付いていく。
フォトンが定着すると黒の繊維装甲、赤いフォトン装甲の層が出来上がっていく。

頭部に生成された装甲はシステム起動のギリギリまで視界を確保し、バイザーが下がる頃には既に有視界状態になっている。HUDも正常に機能している。

シエラ「紅電(コウデン)の起動完了を確認しました。いつも通りマニュアルに沿ってテストしてください。」
ジャヌス「あぁ、解ってる。念のため今回もナビゲートを頼む。」
シエラ「お安い御用です。まずは基本動作の項目から行きますね。前方のマーカー地点まで歩いてください。」

視界にマーカーが表示されている。脚を上げるといつもより重く感じた。普段は軽い足取りが今日も2本足で立っているのにまるで這い蹲っているかの様な感覚だ。

ジャヌス「…そうか、今回は"重武装"型だったな。」
シエラ「大型の複合型装甲を全身に取り付けていますから当然重量も上がりますしねぇ~…あ、マーカーに着いたみたいですね。次は武器のテストをします。」

装備呼び出しコマンドから主武装を呼び出す。
背中に一瞬強い荷重が掛かる。

腕を軽く曲げ、手を開くと自動でグリップが手元にやってきた。それを強く握る。
ただとても硬く重く握りやすいそれだけを前に構える。
すると視界の下隅に巨大な四角い物体が現れる、それは考えなくても銃身だ。

シエラ「前方にターゲットを用意しました。とにかく撃ちまくってください!」

返事を言う必要は無い、銃の各所に取り付けられた装置から計算され、算出した推定の弾道を表示したレクティルをターゲットにあわせる。
後は指をかけ、引き金を引くだけだ。

ただの轟音に耐えながら。

2018年
10月09日
10:02

531: MI4989 削除

~ダスドから6万光年のところにある宇宙要塞群~

宇宙要塞群といっても混沌軍や天使軍の壊れた軍艦を繋ぎ合わせて構築したものであるため、要塞としては比較的脆弱なもの。しかし要塞だからといっても軍艦が居ない訳ではない。コルベットやフリゲートが数十隻も展開しており、まだ展開していない軍艦もあるくらいだ。

攻撃は強襲をかけるフェヌンの水棲シュヴェシィナ達から始まった。30Gcほどの船速で6000光年ほどの距離というかなりの近距離からフェヌンのミサイル駆逐艦が哨戒中の艦艇と要塞の防空システムへ向けて艦砲射撃とミサイル攻撃を開始した。それに続いてかなり広い範囲で展開している爆撃機型シュヴェシィナと攻撃機型シュヴェシィナが搭載している対艦ミサイルと対地ミサイルを発射。
6000光年という距離でもほんの数秒で着弾するほどの極超光速砲弾や極超光速ミサイル、しまいには無限速レーザー砲によるレーザー砲撃が着弾し始め、いくらかの艦艇が沈み始めるが黄色いうさぎ達は防空システムが捕らえた超光速砲弾の飛翔経路から砲撃位置とフェヌンのミサイル駆逐艦の位置を割り出し、61cm要塞砲と40.6cm速射砲によって直ちに反撃を開始した。だが、ミサイルしか撃ってきてないシュヴェシィナ達の位置はまだ把握できてない。

その頃になって電子戦機型シュヴェシィナと攻撃機型シュヴェシィナを中核とする敵防空網制圧部隊が要塞に到着した。彼女らは対レーダーミサイルと航空爆弾をもってして要塞の防空システムを攻撃し始める。
量子レーダーや射撃統制装置を持つ高射砲塔などを集中的に攻撃したり、または後続のシュヴェシィナが撃った対地ミサイルをそこへ誘導して制空権を取ろうとした。
攻撃を食らい始めてからようやく黄色いうさぎ達はCND-2イナゴを毎分100万機のペースで発進させ続け、ついでCND-5ガンホッパーやCND-4ロケットホッパーを展開して即席の防空網を形成し、デッドコピーした戦闘機型ポッドに空対空ミサイルか空対艦ミサイルを装備させて発進させる。
大量のドローン兵器を急造・緊急展開して防御するのは古いクレリアンの戦術だ。クレリアンが作りまくるドローンのAIはAIと呼べるかどうかも怪しいほど単純だが反応速度は最速を誇る単独昆虫型AIや群性昆虫型AIが大半を占める。そのため、低い性能を早さと物量でカバーし、航空機としては強力な部類に入るシュヴェシィナを相手にしてもある程度は対処ができる。

群性昆虫型AIを持つ対空砲ドローンとスウォームドローンによる迎撃網は時に戦艦の艦砲射撃の効果を半減させるほど効果的だがそれを打ち破るのは容易だ。
――短時間により沢山の火力を叩き込めば良く、爆撃機型シュヴェシィナと攻撃機型シュヴェシィナの編隊はそれを可能としている。
戦闘機型シュヴェシィナと攻撃機型シュヴェシィナが発射した数十発の空対空ミサイルと6発の艦対空ミサイルが既に1億機以上もいたスウォームドローンを一瞬で全滅させて、続いて爆撃機型シュヴェシィナと攻撃機型シュヴェシィナが絨毯爆撃を始めて対空砲ドローン群をあっという間に消し飛ばしていった。
航空機型シュヴェシィナが居るとミサイル駆逐艦でも航空母艦に匹敵する航空打撃力を備えるということをまざまざと黄色いうさぎ達に示していた……。
その時にフェヌンのミサイル駆逐艦はまだ40隻も居るコルベットとフリゲートの迎撃を振り切って要塞に向かって艦砲射撃を行いながら肉薄し、地上戦力を要塞に上陸させ始める。

そうしてミサイル駆逐艦から5輌の軽戦車と10輌の装甲車と16輌のType11AFV、そしていつの間にか集めたCB次元群の傭兵達40名が上陸し、宇宙要塞群を無力化する為の攻城戦が始まった。
敵の大半はカタログスペックは同じだがあんまり強くない劣化バリスタン達となにかと暴れてマークされている強い劣化バリスタン達。
それを相手に第二次世界大戦前と第二次世界大戦初期の軽戦車と装甲車が戦線を構築してじりじりと戦線を押していく。
戦線を押していく毎にミサイル駆逐艦から迫撃砲部隊や高射機関砲部隊が展開して徐々に上陸地点の守りと支援砲撃の強度を上げて行く。

ブロペニュ「なんかさー、ミニバリスタンがすっごく多いんだけど……」
カスターダ「改めてみるとすごく多いわね……」

そんな中、ブロペニュは例の超音速補給ヘリからの補給・換装を受けてからは20kg誘導爆弾でちょこちょこ精密爆撃してみたりしながらデッドコピーした戦闘機型ポッドやスウォームドローンを空対空ミサイルと翼内機銃で撃墜していた。
カスターダは上陸地点に向かう戦車や装甲車を背部の23mm機関砲で撃破して渋滞を引き起こし、ニュルンは他の爆撃機型シュヴェシィナと一緒に無人航空機のスポーンポイントを潰して回っていた。

2018年
10月11日
14:28

532: MI4989 削除

どこの世界に居るクレリアンもそうだが、劣化バリスタン達が使っている武器や兵器はその地域で手に入る物質で作れ、尚且つその地域で遭遇したことのある文明のものである。強いか弱いかはさておき、その世界で見たならとりあえず作って使ってみるのがクレリアンの習性だ。
この世界で交戦する事となった彼女らは少なくとも魔境の兵器とCB次元群の兵器は必ず使う。そして今回交戦している「黄色いうさぎ」という劣化バリスタンの群れはそれが最初に確認された場所がVb867aであったことからsig文明群のそれを使うことが予想されていた。

結果は「もともと劣化バリスタンがデッドコピーして若干の適応化したsig文明の兵器を混沌軍がコピーして適応化したものを劣化バリスタン達がコピーしたものが加わっている」というものだった。
劣化バリスタン達はお遊びで戦争を起こすがそれは時には深刻な技術流出を招く事がしばしばあった。残念ながらどうやらここでもそれが起こっていたようである。
この経緯を知らなければ「理由は不明だがスパイを入れてないかその活動が上手く行っていない筈の文明の兵器を混沌軍が突然になって使っている」と驚愕する事態になるのが目に見えている。

そして、混沌軍の兵器が数多く存在しているここでその技術がどのように使われているのかが目に見えて分かった。
水棲ベレロフォンの惑星侵攻軍との戦いで人的資源の損耗を最小化する為にそれが使われている。


ミサイル駆逐艦から展開した戦車隊と歩兵部隊はどんどんと前進していよいよ要塞内で戦う装甲戦闘車両群との戦闘が本格化してきていた。
その時には野戦砲兵隊と迫撃砲兵隊、ついには補給部隊と戦闘工兵隊の展開が終わっていた頃なのでこちら側の支援砲撃も本格化できた頃なので不足はないが前進速度を砲兵隊に合わせる必要が出てきていた。
黄色いうさぎ達にとってはここからが正念場みたいなもので保有している機甲戦力をどんどんと前に出していく。

さんざん爆撃機型シュヴェシィナと対地ミサイルによって飛行場を潰され続けたのが堪えたのかとうとうスウォームドローンを一機も発進させなくなった。代わりに増えたのは対空砲ドローン群と迫撃砲ドローン群。
とうとう制空権は水棲シュヴェシィナ達のものになった。
制空戦闘が主である戦闘機型シュヴェシィナとしての役割を担うことが多くなってきたブロペニュは空対空ミサイルを積んでいた部分を57mm対地ロケット8連装ポッドと37mmマイクロミサイル19連装ポッドに換装して対地攻撃力を強めた。それを使って砲戦ドローン群を潰して回ることにしたのだ。
本格的な攻撃機型シュヴェシィナや爆撃機型シュヴェシィナを回すまでもない低価値目標の相手だ。

ブロペニュ「昨日あたりにヴェルグさんに作らせた対戦車ミサイル、なんかけっこう曲がるのね」
ニュルン「言われてみればそうね」

地上部隊による宇宙要塞群の制圧が3分の1に差し掛かったあたりで装甲車の砲塔が火をまとって飛び始め、味方の後方で劣化バリスタンの死体が積み上がり始める。
前線でも劣化バリスタンの死体を即席のバリケードとして積んで多少の弾避けにする傭兵が見られるが見つけた水棲シュヴェシィナは劣化バリスタンの死体をバリケードにしないように注意しているのも見えた。
劣化バリスタンといっても強烈な腐食性血液があるのは変わらないのでそれの近くに居る事は推奨されないのだ。

基本的に劣化バリスタンはどれほど負けが明らかになっても降伏しない事が多く、大抵はテレポートワープで逃げたり、死ぬまで戦い続ける事が多い。
テレポートワープで逃げるのは強い劣化バリスタンは必ずやるがそれは逃げた先でも生きていけるという確証があるからだ。
対して逃げた先でも生きて行けそうにもないと思っている弱い劣化バリスタンは死ぬまで戦い続けるのである。
これがどういうことかと言うと、強い劣化バリスタンは殆どの場合はすぐに前線に立って戦うので序盤で真っ先に死んだり負傷してテレポートワープで逃げることが多く、基本的には機甲戦力の喪失と同じタイミングで全滅しているのだ。
そうするとその後でも残っているのは絶対に銃を降ろさない弱い劣化バリスタンばかりが増えて行くので辛い消化試合が続くのである。
また、いくら弱い劣化バリスタンと言っても放置しているとまた戦力を整え始めてしまうので必ず制圧しなければならない。

この当たりでフェヌンは後方の宙域でひっそりと待機させていた、より多くのCB次元群の傭兵と追加のシュヴェシィナを乗せた輸送艦を宇宙要塞群に接舷させて傭兵部隊を上陸させた。
一番最初に上陸した傭兵部隊と比べると練度は低いと言わざるを得ないが今必要なのは数である。
制圧した割合はまだ5分の2に過ぎないがもう強い劣化バリスタンは居ないと見做したのだ。
このタイミングでフェヌンは部下のシュヴェシィナ達と最初に上陸した地上部隊を休ませることとし、地上部隊には前進を止めて後続の地上部隊が前線に出るまで防衛に徹してそのあと休むように伝えた。

ニュルン「休憩ならちょっと帰っても良い?」
フェヌン「良いわよ。1時間くらいしたら戻って来てね」
ブロペニュ「わぁい」

そんなこんなでブロペニュとニュルンとカスターダは当然のように設置されたワープゲートで一旦ダスドにあるヴェルグの工房に戻って休憩するのであった……。

2018年
10月12日
16:29

533: MI4989 削除

フェヌンは自分のシュヴェシィナ達と機甲戦力を休ませた後も、後から投入した多くの傭兵部隊を直接指揮して残りの劣化バリスタンを掃討させていた。
わざわざCB次元群の傭兵にやらせるのは単に劣化バリスタンとの戦い方を身に付けさせるためで、どのみち劣化バリスタンと遭遇した時に最初に対処しなくてはならないのは彼らだからなのだ。

多彩な武器を使うことが出来るという点ではモンスターロボに通ずる所があるのであとは慣れるだけ。それと、そういうモンスターが居るという環境からどういうふうに扱うべきかなのかも彼らは最初から分かっているのも強みだ。
なので、フェヌンは故郷である魔境の住民を傭兵として使うのと比べても彼らに対して注意して説明すべき部分は少なかった。
ちゃんと説明が必要なのは腐食性血液に触れた時の対処や防御特性くらいしか無い。

黄色いうさぎ達と括られる劣化バリスタン達はウラノス戦役で見かけた(こぞっていろんな時代の身体を使っていた)クレリアン達と違って性能が安定しており、「絶対的なエネルギー防御を持ち、貫通力が高いKE火器とCE火器が有効」というのが共通している。
これに対してCB次元群の傭兵達は何かといろいろな手段で劣化バリスタンを殺そうとしていた。
劣化バリスタンを一撃か数発で殺す場合、KE火器なら対クレリアン徹甲弾を使う銃か浸徹長50cmの鋼鉄製APFSDSを使う火砲、CE火器なら(CB次元群基準の)RHA680mmほどの成形炸薬弾で可能となる。

しかし、対クレリアン徹甲弾は高価な上に製造ができないので安定供給がされず、まして50cm以上という長い弾芯を持つAPFSDSを撃つ火砲は大き過ぎるし重過ぎるし何よりも反動がえげつない。またRHA680mm相当の成形炸薬弾はライナー径が95mmを超える対戦車火器クラスのものも珍しくないのでやはりかなり大型火器となる。
具体的に言うとAPFSDSを使うなら7000m/s以上の速度で着弾させられる70mm級の火砲かレールガン、劣化バリスタン達が作った武器を流用するならキマイラAPCやプレデター戦車などに載っている75mm速射砲が該当する。
成形炸薬弾だったら100mm級の火砲やミサイルやロケットが該当する。
Lサイズとされる大型ロイドや車両だったら持てるが今度は運用コストが馬鹿にならないため財力が小さい傭兵では到底扱えるようなものではない。

このため、装甲としてみると冗長性がそれほど無い上に生体兵器としては珍しく高速治癒機能が無いという何かとAC装甲のそれに似た劣化バリスタンの防御特性に対する武器を使う事となった。
早い話が対AC火器を参考にAP(みたいなの)が尽きるまでは装甲として機能するがそれがなくなったらもっと弱い火器が通るようになるのでそのAPを如何にして削りきるかという戦い方とそれに合った武器を開発することとなったのである。
そういうことで傭兵達は各々が得意とする機動と距離に応じて武器と戦い方を変えていた。

フェヌン「なんか、ACと戦ってるみたいね……」

大口径重機関銃や軽量機関砲で防御を固めて劣化バリスタンを迎撃するのは変わらないが今ではそこから重量のある子弾をばらまく榴散弾や軟質徹甲弾(?)を発射するようになっている。
敢えて柔らかい弾頭を持つ軟鋼弾を使うのはどうせ貫通出来ずに弾かれて運動エネルギーを逃がされるくらいなら敢えて柔らかくして運動エネルギーを伝えて衝撃力を高めようということだった。
それで動きを止めたり衝撃で固めている所に劣化バリスタンを一撃で殺せる規模の成形炸薬弾を無反動砲で撃ち込んだりミサイルの弾頭にして発射して仕留めるのだ。
これらは主に大型ロイドがどっしりと構えて射撃精度が高い状態で迎撃する為のものだ。

中型ロイドとなると大型散弾銃や大口径短機関銃の使用が目立って来る。
特にボルトガンやボルタ―と呼ばれる.75Bを使う大口径短機関銃は弾代が安価で調達がしやすいのと銃自体も混沌軍が使っているモデルを大量に鹵獲されているのもあって安価であることから使っている者が多い。それと一部の重機関銃と弾が同じなのである程度は弾の共有ができるのも強みとなっている。
しかし、いくら弾が安価と言っても大柄な武器であることには変わらないのでもっぱら主力となっているのは張り付いて鉄の雨を浴びせ続けるように戦う中型以上の陸戦ロイドと空戦ロイドである。
そして小型ロイドや大半のヒュムにもなるともはや手持ちの銃火器では通らない事が多いので小型ロケットや小型ミサイルを撃ちきったら未だに投入し続けられる小型ドローンの迎撃に回る。
よく製造されるType2LBであってもマイクロロケットランチャーのような小さい大砲を持った個体が忍び寄るので油断ならないのだ。

レールガンや粒子ビーム砲などのEML系が見当たらないのはたまーに居る冷凍ビーム使いの劣化バリスタンと遭遇すると手も足も出なくなるからだ。
冷凍武器と呼ばれるその謎の武器は吸収するのが熱だけではなく電気も吸収してしまい、貫通されてしまうとENパックの中身が消滅したりそもそもブーストゲージが消滅したりするという報告があるのだ。
そうでなくとも冷凍ガスと呼ばれる謎の消火剤を散布されて文字通りフリーズさせられることもある。このため、寒冷地仕様ではないパワードスーツを使っているヒュムと大半のロイドにとっては天敵となっている。
なお、どうして寒冷地仕様にすると冷凍武器に強くなるのかも謎である。
でも今回、この宇宙要塞に居る黄色いうさぎ達にそれが居るかどうかはよく分からない。

フェヌン(まだ時間がかかりそうね。流石に100,000体居るって推定されていただけあるわ……)

2018年
10月16日
08:50

534: MI4989 削除

ニュルン「ただいまー」
フェヌン「おかえり」

休憩を終えたニュルン達は再び戦場になっている宇宙要塞群へと戻って来ていた。
戦況は今、ようやく半分を制圧した所でまだまだかかりそうだ。

水棲ツュヴェツィナ側は補給線を確保・維持した上で人数も少し足りないとは言え休憩させながら長期戦に挑んでいるが対する黄色いうさぎ達はどうにもこの宇宙要塞群に向かっている補給線が存在していない。テレポートワープで兵站輸送をしているのかと思いそうになるがこの宇宙要塞群とその周辺はあらゆる超時空機動を阻害するフィールドを展開済みであるため、どうしても船舶や航空機などによる補給線の構築が必要となっている。
なので黄色いうさぎ達はもう強い戦力は居なくなり、枯渇しつつある資源をどうにか武器に変えながら戦っているような状況となっていた。


ブロペニュ「戦況を見ているとミニバリスタンって本当にしぶといね……ずっとドローンを生産し続けるし戦略攻撃もし続けてる」
カスターダ「このしぶとさって他に逃げる場所が無いって思ってるからなのね。だから死ぬまで戦い続けるのが最善手になってる」
ブロペニュ「でも私達が居た所だとそんな個体なんていなかったよね?」
カスターダ「私達が居た所だとそういう弱いのはすぐに心が折れて死んでるのよ。だから居ないの」

休憩に行く前よりはちょっと飛行場らしくなったところでブロペニュとカスターダはそんなことを話した。
ニュルンはもう空爆要請と救援物資投下要請が来たので飛んで行っていた。

ちなみにブロペニュは誘導爆弾を14発と空対空マイクロミサイルを150発積み、巡航ミサイルと機雷敷設ドローンを迎撃しながら精密爆撃要請が来たら誘導爆弾を落とす役割。
カスターダは対地ロケット32発と対戦車ミサイル8発を積んでちょっと厄介そうな装甲目標に攻撃を行う役割。
ニュルンは対地ロケット64発と誘導爆弾28発と50kg爆弾を12発積んで空爆を専門的に行う役割だ。さっきはそれに加えて空中投下用コンテナを抱えながら離陸したがそれはついで。
準備が済んだブロペニュは離陸して空中警戒を始めた。


実は巡航ミサイルが飛んできても割と暇な部類な役割を担ったブロペニュは戦場を眺めながら飛んでいる。
そこに映るのは大量のカオスロイド型ドローンとロボット車両を相手に戦っているヒュムとロイド達。黄色いうさぎ達こと劣化バリスタンはそんなに見かけない。
大破した軍艦をごちゃごちゃと固めているという構造からなかなか立体的な戦闘が展開されそうなものだが、実際にはもう本当に軍艦としては使えないほど壊れているものを小惑星のコアに防御施設を兼ねた建物としてごちゃごちゃと敷き詰めて置いて作った要塞だ。そもそも屋根があって塞がっている場所は艦砲射撃や空爆で吹き飛ばされたりしているのでこのような航空支援を受けられる戦場を水棲ツュヴェツィナ達が作ったのもあるが……。

味方の方を見ると敵の長距離攻撃手段が迎撃可能な巡航ミサイルと機雷くらいしかないと踏んだのか、重迫撃砲基地なるものが出来て砲撃を始めていた。
前線で戦っていた傭兵部隊が後方に戻って来てそれと入れ替わるように上陸戦の時に戦っていた軽戦車隊と傭兵部隊が前線に向かっている。
その戦車隊が向かっている所を見るとそこでは手足が吹き飛んだりした劣化バリスタンを作業用重機の部品と装甲板で修繕した個体が機甲戦力として投入されているのが見えた。
APみたいなものが切れた後撃たれて負傷したからもう出ないと思っても、とどめを刺さなければこのように無理やりにでも「修理」して戻って来る事を傭兵達に刻み付けていた。
シュヴェシィナやType11AFVは死体になっても適当な修復でちょっとは使える戦力になる事は既に知られていたが、まさか自分達でもそれをやる事は知られていなかったようだ。

そんな時に知らないシュヴェシィナが機甲化した劣化バリスタン達の周りを飛び回っては攻撃して撃墜されているのが見えた。
よく見ると一部の傭兵達が密造したであろうシュヴェシィナを運用しているようだ。防弾性能は十分ではなく、特にレーザー防御が不足しているため迎撃レーザーに焼き切られて撃墜されまくっている。
ばーっと現れたが一瞬で迎撃されてしまい、半ば戦車と化している機甲化した劣化バリスタンに壊滅的打撃を負わされて撤退していた。

ブロペニュ(何がしたかったんだろ……)

撤退する傭兵部隊を追撃させないため、ガンシップ型シュヴェシィナであるシスティが飛んできたのを見たブロペニュは目を空中に向けて巡航ミサイルや機雷を探す事にした。

2018年
10月17日
13:31

535: MI4989 削除

カスターダは装甲化された地上攻撃機的な役割を持つ故に、最も対空砲火が厚い場所で近接航空支援を行っている。
そんな彼女が主に攻撃する目標は機甲戦力と自動トーチカだったがもはや自動トーチカは見なくなり、代わりに大量の自動銃座や戦列歩兵型ドローンを見るようになったので対戦車ミサイルと対地ロケットを撃ち尽したらどちらかをガンポッドに変えようと彼女は思っている。

槍のような徹甲プラズマ弾やもはや回避する事を諦めるくらい大量の銃弾、高射機関砲のようなレールキャノンから撃たれまくる榴散弾の散弾をまともに食らいながらカスターダは堅い目標を対地ロケットや機関砲で攻撃していく。

よく戦車や装甲車は航空攻撃に弱いと言われるが、これを爆弾を使わずに撃破しようとなるとかなり厄介だ。
基本的に装甲は入射角がきつくなるとみかけの厚みが増すため、小口径徹甲弾や多目的榴弾だと上面に命中させたのに弾かれることが度々発生する。まだCE防御がそこまで高くない軽量複合装甲なので成形炸薬弾はまだ有効だがそれでも角度が浅すぎると防がれる。
そのため、真上かそれに近い急角度で攻撃することが基本となる。

貫通力が高く弾かれ難いAPFSDSが「使えれば」もう少し浅い角度でも大丈夫なのだが、所謂魔境の装甲戦闘車両はEMGシールドが標準装備、その機能には効果範囲内に存在する大気を粒子防壁として利用する機能がある。
この粒子防壁は防弾性能はまるでないが弾の形状によっては著しく命中率を下げられたり強烈な大気減衰によって消滅させられる。
その効力のせいで全長に対して軽過ぎるAPFSDSの弾芯は容易に弾道を変えられてしまい、当てる事が非常に難しくなるのでふつうの徹甲弾や成形炸薬弾を使わざるを得なかった。

しばらく地上攻撃を続け、パワードスーツを着込んだようなミニバリスタンを攻撃しているとカスターダは腹に60mmマイクロロケット成形炸薬弾が直撃してしまった。
皮膚が傷つく程度だったが、直撃時の衝撃と起爆時の爆風で姿勢を崩され、ミニバリスタンへの攻撃を反らされた。
被弾した鎧の装甲はひびが入って細い刃で突き刺したような穴が開いている。次に同じ場所に同じ弾を食らったら致命傷になるだろう。
カスターダは再び真上をとって攻撃を始めようとするがそれをさせないようにロケット弾とミサイルが飛んできた。

これではしょうがないのでカスターダはミニバリスタンに対戦車ミサイルを撃ち込んで飛行経路を変え、対空砲火を張っているドローン群を掃討する事にした。
その時にはもう敵後方からは28mmガトリングキャノンや70mm近接防空ミサイル発射機を搭載したテクニカルが出現しており、それらがこちらに対空砲火を張り始めていた。
今まで食らっていた.75B規格や8.25x33mm規格の徹甲弾や180mm徹甲プラズマ弾や75mmブロンズレールキャノンの榴散弾とは違って一発が重いか一発で死ねる火力が投射されているのだ。

そんな中カスターダはすぐに2輌のテクニカルを倒す事にし、まっすぐと向かって正面から対地ロケット弾をばら撒きながら機関砲を撃ち込んだ。
カスターダには弾頭質量が4kg超という28mm徹甲弾が身体中にぶちあたり、しまいには当然のようにマイクロロケット弾が当たるようになった。一応、70mmミサイルだけは回避するがそれでもかすらせるのが精いっぱい。
テクニカル2輌を破壊して対地ロケット弾の爆炎から出る頃にはもう鎧の上半身部分は脱落している箇所が多いくらいにはボロボロになっていた。

ニュルン「ひさびさにボロボロになったのを見た気がする」
カスターダ「余計なお世話ね。あんたもこれくらい食らってみたらどうなのかしら」
ニュルン「私だったらぐちゃぐちゃになってるわよ」
ブロペニュ「わたしもあんなに食らったら燃えてるよ」

ニュルンとブロペニュに会ったのでふと上昇して制圧状況を見てみるといつのまにやら一気に残り8分の1とか10分の1とかいうくらい制圧が進んでいた。
やはり半分を超えるとかなり侵攻速度が速くなるようだ。その残りももはや傭兵達とミニバリスタン達による乱戦状態になっており、シュヴェシィナ達にとってはおいそれと航空攻撃が出来ない状況になっていた。
そうでなくともバルカン系やガトリングガン系などの短時間に弾幕を張る銃をぼんぼこ撃ちまくってるので誤射塗れである。
……ちょっとリンチしているようにも見える。

フェヌン「表立って抵抗している分はこれで終わりね。あとは……クリアリングよー」

じみーにめんどくさい作業が残っていた。

ニュルン「帰っていいかしら」
フェヌン「良いわよ」
ブロペニュ「わーい」

もう航空機型シュヴェシィナはそんなに数が要らないので戦闘機型や爆撃機型は帰ってよいことになった。
そんなこんなでニュルン達はダスドへ飛んでいくのであった……。

2019年
04月04日
10:07

536: MI4989 削除

~ρ13-γ27、クレリア王国バリスト州東部、クリムクリフ地上層~
現地時刻 昼下がり
天候 晴れ、ときどきスコール

上から見下ろすと熱帯性の森林地帯に紅い亀裂が入っているように見える地形が特徴のクリムクリフ。
気候が三層になっているのが特徴で地上に当たる一番上が普通の熱帯雨林気候、
その下は雨として降るのが水ではなく硫酸になっている金星的な熱帯雨林気候、
そのもっと下はたまに鉄の雨が降るかもしれない乾燥(?)している砂漠気候。
そんな感じの妙な気候と高低差が数千mから数万m台の険し過ぎた地形だ。

そういう変な場所にバリスタン達やクレリアン達はよく住んでいた。というのも陸上最強の猛獣である戦車が近寄りたがらない場所なので戦車に見つかるとすぐに死んじゃう堅くないしそもそも強くないクレリアン達にとってはこういう変な場所にしか住めないからだ。それと爆撃機の群れや野生の砲撃型軍艦が来てもまぁ、なんとかなる地形でもある。
そんな場所にブロペニュ達は任務の為に来ていた。

ブロペニュ「高山型惑星かな?」
カスターダ「何時見ても変な地形だわ……」
ニュルン「ケピニェコ君の故郷というだけあってバリスタンがいっぱい居るわね」

今日の任務はクレリアンの誘拐犯グループの討伐。
……なんだが攻撃対象も当たり前のようにシュヴェシィナを雇っているのでやっぱり航空戦闘が始まる。しかも今回はクレリアンが居る地域なのでシュヴェシィナの大型機種であるツュヴェツィナも居る。
ブロペニュはいつものように制空戦闘に加わり、ニュルンとカスターダは対空砲火をくぐって敵のクレリアンとバリスタンを狙う。

まともな徹甲弾を持ってなかったりそもそも何かの事情でそれらを使いたがらないクレリアンやバリスタンの戦いでは成形炸薬弾と粘着榴弾がとてもよく使われる。
投槍のように大小さまざまな対戦車ミサイルを投げ合い、それを機関銃や突撃銃で迎撃し、そして火薬の力でなんとかする砲弾を撃ち出す滑腔砲や古いKE弾を使う機関砲で撃ち合う。
この流れが一般的となっていた。

鋼鉄の樹木と突然生える樹木が生い茂る森の中で航空爆弾やロケット榴弾の破片が直撃してもびくともしない頑丈な女巨人達や狼女が銃斧や銃槌が付いた滑腔砲で殴り合い、たまに思い出したようにロケット弾やミサイルや対戦車地雷を投げ込む光景が広がる。
ここではツュヴェツィナとクレリアンの境界線はとっても曖昧。

ブロペニュはこの任務の為に翼内機銃を5.56mm機関銃や7.62mm機関銃2挺だったのを7.62mm連装機関銃とマイクロミサイル発射機の混載に換装し、翼のハードポイント全てに空対空ミサイル発射機、背部ハードポイント2ヶ所に60mm無反動砲という戦闘機なのか攻撃機なのか分からない装備にしていた。
この状態でブロペニュは制空戦闘を行うのであった。

2019年
04月05日
13:06

537: MI4989 削除

ツュヴェツィナ、特に陸棲ツュヴェツィナを相手に戦う時に頭に入れておかないといけないのは有効火器の弾が無い時に近寄り過ぎないこと。
空中戦では地面に足が付けられない分、体重差が絶対的な関係になりやすいので掴まれてしまったら逃げる術が殆ど無いし、シュヴェシィナがツュヴェツィナに殴ったり蹴ったりしても跳ね返されるだけ。
陸棲ツュヴェツィナは概ねそれなりに堅く、銃や砲以外の近接武器では全く止めようがないのでこの特性がかなり強く出ている。

ブロペニュから見える範囲でも傭兵として雇われた戦闘機型シュヴェシィナが空対空ミサイルを撃ち切った後に陸棲ツュヴェツィナに対して近接武器による肉薄攻撃を仕掛け、その全てが陸棲ツュヴェツィナの防御を前に跳ね返され、陸棲ツュヴェツィナから繰り出される引っ掻きとサマーソルトキックで反撃されて一撃で大破していた。

ブロペニュは空対空ミサイルを切らしたらある程度は敵のシュヴェシィナを攻撃するものの、なるべく速やかに空対空ミサイルの補充に戻る事にしていた。
背部の無反動砲はあくまでも陸棲ツュヴェツィナによる近接攻撃対策なのでこれで戦おうとは思わない。どっちにしろブロペニュにとって陸棲ツュヴェツィナはミサイルが無いとどうしようもない相手なのだから。


ところ変わってニュルンとカスターダはその火器搭載量を活かして敵クレリアンやバリスタンに対して地上攻撃に出ていた。
ニュルンは爆弾を沢山搭載できることを活かし、成形炸薬になっている子爆弾が209発つめこまれた対戦車クラスター爆弾8発と57mmロケット16連装発射機10基を搭載して手持ちも短機関銃を取り付けたマイクロハウザーを2挺持ちして絨毯爆撃していく。

対戦車クラスター爆弾の子弾は直径が70mm程度なのでそれほど威力がある訳ではないが直撃すればクレリアンやバリスタンをズタボロにするには十分な威力を持つ。それを散布するのであまり堅くないクレリアンやバリスタンにはかなり効果的だった。

一方でカスターダはというと背部の23mm2銃身ガスト式機関砲と手持ちの12.7mm重機関銃はいつも通りだが武装翼に23mm2銃身ガスト式機関砲2基と12.7mm4銃身ガトリング式重機関銃2基とそれらの弾薬箱を増設して機銃掃射を行っていた。
クレリアンに対しては23mm機関砲で、バリスタンに対しては12.7mm重機関銃で撃破していく腹積もりだ。

けれどもここはクレリアンとバリスタンが沢山居る場所なだけあってそれらがとても多い。
堅い戦力が歩兵みたいな数で現れる場所。そして弾が頼りない。弾がアレなので弾のお値段は安いが数が必要になるので弾薬費が膨れ上がって行く。あと補給の負担が凄い事に……。
彼女らもブロペニュと同じく頻繁に補給に戻っていた。

ニュルン「うーん……やっぱり装甲があるクレリアンはクラスターが効きにくいわね……」
ブロペニュ「そういえばドローン系は全く見ないね。同じクレリアンである劣化バリスタンとの戦いだとドローン軍団との戦いなのに」
カスターダ「この土地には乗っ取りスキルが極まっている憑依する身体を探して彷徨うノラ兵器群の魂みたいなのが物凄く多いからロボットを使えないのよ」

そんな中でクレリアンの戦い方がなんかCB次元群とはだいぶ異なっている事が目に付いた。
プリッツアの山で見たあのクソババアやCB次元群で暴れてる劣化バリスタン達はこれでもかとドローンを作りながら戦っていたがここに居るクレリアン達は全くロボットの類を作らない。
ロボットっぽいのと言うと、おそらく元からこの土地で暮らしていたであろうType2LBがお互いの陣営に弾薬運びとしてそこそこ居るだけであんまり前には出てこない。

こちら側のクレリアン達が敵側の拠点へ殴り込み始めたのでそろそろ終わりそうかなとブロペニュ達は思いながら飛び回る。

2019年
04月05日
17:26

538: MI4989 削除

ブロペニュ(あ! 拙いかも!)

空対空ミサイルを撃ち切った後、1機の戦闘機型シュヴェシィナが投弾コースに入ったニュルンに向かったのが見たブロペニュは直ぐに向かい始める。
ニュルンは低高度からの侵入を得意としていたため彼女はそういう高度を飛んでおり、その敵戦闘機シュヴェシィナも低高度へ降下している。

低高度はだいたいどの世界でも対空砲火が激しいが、シュヴェシィナが一般的になって大分時間が経った魔境に居るクレリアン達は背部に対空防御とミサイル防御を兼ねた取り回しの良い機関銃を装備していることが多いのでこの戦場も例外ではなかった。
特にクレリアン達はその巨体から軽くても汎用機関銃に相当する7mm級の機関銃を対空機銃に選んでいることが多く、ここから弾頭質量160g台の徹甲弾を放って弾幕を形成する事が多い。
そして対空戦車的な役割を持っているクレリアンやバリスタンは弾頭質量500g台の徹甲弾をばらまく多連装重機関銃や弾頭質量が1000g超の徹甲弾や40~100gの子弾をぶちまける榴散弾を撃つ機関砲を使ってさらに対空砲火の密度を高める。
そこそこ堅い部類に入るブロペニュにとっては7.62mmクラスの徹甲弾は防御が難しく一発でも貰ったら大ダメージだ。

それでもブロペニュはマイクロミサイルを起動し、ニュルンを狙う敵戦闘機型シュヴェシィナを捕捉。マイクロミサイルを発射して敵戦闘機型シュヴェシィナにフレアと回避機動を行わせてから翼内に搭載していた7.62mm連装機関銃を撃って仕留めた。

そして28mm榴散弾1発と7.62mm旧式通常弾(徹甲弾)24発と9mmから11.4mmまでの拳銃弾規格の旧式通常弾(徹甲弾)282発が飛来した。
射撃後に直ぐ上昇するところまで読まれていて、ブロペニュはかなりの密度の対空砲火を食らった。
先に28mm榴散弾が炸裂して数百発の子弾に分裂、ブロペニュの前進に子弾が衝突し、外殻と発動機と下部スラスターをズタズタに破壊した。
続いて7.62mm旧式通常弾が7発命中し、左腕と左足と右脚を損傷させて機能不全に陥れ、発動機に3発入って発動機を破壊、そして武装翼基部左側に入って武装翼の左側を機能不全に陥れた。
ダメ押しとばかりに多数の拳銃弾が入ってブロペニュはズタボロにさせられ、スピンしながら高度を急激に落とし墜落した。

ブロペニュ「うぅ……久々に墜落しちゃった……」ボロ……

墜落した場所は敵の拠点。当然だが敵のバリスタンやクレリアンに囲まれる位置だ。軟着陸に成功したブロペニュはFAMAS G2を取り出し、背部の60mm無反動砲の動作チェックと状態確認を行う。
……とりあえず無反動砲と上部スラスターが動く事を確認したブロペニュは近くにいる味方のクレリアン達に合流すべく、スラスターを吹かしてACみたいにブースト移動していく。これは脚がうまく動かない時のホバー移動的なやり方だ。

クレリアン同士の地上戦は装甲車同士のぶつかり合いなのもあって重たい攻撃が飛び交い、破片がびゅんびゅん飛んでくる。
向かって来るバリスタンの女は5.56mm徹甲弾で動きを止め、クレリアンの女は60mm粘着榴弾で動きを止めながら味方へ合流しようとブロペニュは戦場を走る。
動きを止めたバリスタンやクレリアンが一気に集中攻撃を食らって倒れて行くのでちょっとは加勢できたことになるのだろうか……?
そんな感じで味方の後ろへ逃げ終えたあたりで戦いが終わった。

ニュルン「あら、もう落ちないのかなって思ったらすっごいボロボロになってるわね」
ブロペニュ「(´・ω・`)ニュルンちゃんもボロボロじゃん」
カスターダ「皆ボロボロね……」

そんな状態でブロペニュ達は報酬を受け取って工房に帰って行くのであった……。

2019年
04月16日
21:50

539: MI4989 削除

~なんかしらんけど農作物が良く育つ資源惑星の衛星軌道、宇宙港~

混沌軍の潜水艦隊の活動が収まり、惑星間や宇宙都市間での交易がいつも通りに行われるようになった。

けれども「混沌軍の潜水艦隊が動いている」という情報がよく認識されている間は交易が滞り、食料やエネルギーセルなどの必需品の供給を外部との交易に頼っていた多くの宇宙都市が荒れる原因となっていた。
その傷跡はすぐに癒えるはずもなく、そのような宇宙都市は今や海賊の根城へと変貌していた。彼らは混沌軍が使っていた潜水艦を拾ったり、闇市などで潜水艦を入手したりしてもうひとつの潜水艦隊となっていた。

そして今日はそのような発生経緯を持つ海賊が農作物の輸出をよく行っている惑星の港を襲っていた。そんな場所に今まではデブリ拾いをやっていたトガリミミ族の女達はさまざまな場所からやってきた傭兵と共に出向く。

「作戦予定座標まで残り2分、降下準備を済ませておけ」

交易の為にその港に行く予定の商船に乗せてもらい、そこから輸送機型シュヴェシィナにぶら下がって展開する手筈となっていた。
CV-15と呼ばれている量産型シュヴェシィナの磁気ワイヤーを繋ぎ、手持ちの銃と装備が離れないようにスリングのチェックを行う。

「敵戦力は……この世界なら標準的なものね。光学迷彩は持って行くけど離れないように」
「戦力はともかく指定された弾薬しか使えないのがキツイなぁ……。施設が大事だけど敵を何とかしてほしい系ってこういうの多いよね」
「敵は多分強い弾薬をガンガン使うんだろうなぁ……」

彼女らの武装は自前で持って来た8.25mmレーザーカービン3挺とペイロードライフルと光学迷彩。
これに加えて傭兵仲介業者から貰ったり借りたものが炸薬を発電炸薬に変えた手榴弾6発、発煙弾6発、.32ACP弾を使う自動拳銃3挺、12ゲージ小型散弾銃2挺、そして弾薬となる。
機甲戦力は居ないらしいので強度はそれほどでもないのかもしれない……。


3人でチームとして動くこととなった姉妹は輸送機型シュヴェシィナにぶら下がって商船から発進、敵の近くまで運ばれていく。その付近で彼女らは光学迷彩を対レーダーモードのみだったのを全波長モードへと変更して輸送機型シュヴェシィナから降下した。
彼女らの役割は偵察となっていたため、各々が見つけた敵戦力の情報をチーム内の通信手へと知らせて行く。そして通信手はその情報を伝えて行く。

「――タワークレーン上部に狙撃銃を持った小型ロイドが2機……」
「ユンピャー、敵戦力に武装ホバーボートが居るんだよね?」
「ブリーフィングではそうだったわ」
「所謂見覚えのある軽戦車が路肩に駐車している状態で2輌居るんだけど」画像参照(車輪が見えるけどそれは駐機時に使われる降着装置です。ホバー移動時には引き込まれます)
「……マジ?」
「望遠写真を送るよ」
「……うわ、ホントだわ。これこっち側の装備的にかなり辛いことになるわよ……」

あろうことか軽ホバータンク的なものを発見してしまった。
今回港を襲っている海賊が潜水艦を持っているのは掴んでいたが軽“戦車”を持っていることまでは事前調査では掴めなかったようだ。
通信手であるユンピャーは望遠写真と共に敵の情報を送る。

<無線通信を探知! 指定座標へ向かえ!>
「っ! これだから通信手はやりたくないの!」
「でもユンピャーしかこの世界の言葉を話せないじゃん」

そして無線通信を探知され、無線通信をしていたユンピャーが短機関銃による攻撃を受けて重プラズマ弾が防弾ヘルメットに2発入った。重プラズマ弾は防弾ヘルメットで止まったものの、衝撃は相当なものとなり彼女は弾き倒されて建物から落ちた。

2人は建物から落ちたユンピャーと合流すると光学迷彩を全波長迷彩モードと対レーダーモードを切り替えながら熱管理と手持ちのレーザーカービンによる反撃をしつつ、なるべく3人で固まって攻撃から逃げ始める。

2019年
04月17日
01:49

540: MI4989 削除

「相手に戦車が居るんじゃ、軽歩兵や対人兵装しかない戦力ばかりのこっち側は不利よ! 攻撃に移るのを待つように言って!」
ユンピャー「分かってる! まずは周囲警戒を……!」
「あー! もう味方が攻撃し始めてるーっ!?」
ユンピャー「私達の情報を元に速攻に移ったんだわ……しかも失敗してる」

逃げて海賊の戦力を撒いたあと、再び偵察に移るがそこで見たのは海賊が所有する軽戦車を前にして逃げ惑ったりどうにかして止めようと対戦車攻撃を敢行する傭兵達の姿だった。

砲塔側面にアヒルとその鳴き声が書かれている「アヒル号」なる軽戦車と塗装がされておらず軽量複合装甲の地金のままで白い錆びが浮いている軽戦車はその性能を持ってして傭兵部隊に対して圧倒している。

その主砲である46mm短砲身機関砲とその副武装である25mm重機関銃は隠れたスナイパーなどを効果的に攻撃して黙らせ、その装甲は小火器や手榴弾の直撃でもビクともしない。極めつけにホバータンクであるため準航空機的な機動力をも持ち合わせていた。

ユンピャー「前に乗せられた時は対戦車銃にもバスバス抜かれてた頼りない奴だったのに……状況次第ではあんなバケモノになるのね……」
「前っていつ? 騙されてミニバリスタン横取り作戦に行かされた時?」
ユンピャー「その時に乗せられてたのは8連装ミニ機関砲と重機関銃が搭載されてる砲塔違いよ……。車体は一緒だけど……」
「つかPTRDの話ははやめて……車体側面から抜かれて両脚がもげて蒸し焼きになったのを思い出しちゃう……」

軽戦車2輌を中核として前進してくる海賊達。
商船から軽攻撃機シュヴェシィナが数機出たのを見たのでまだ傭兵部隊のやる気はあるようだ。ユンピャー達にとってはあの戦車を前にされても引く気はないと言っているように見え、あんまり良い印象には見えなかった。

とは言え、戦車から歩兵を分断するということはできるので彼女らはレーザーカービンで迎撃しつつ、後退していく。
良くも悪くも腕前的にはそれほどじゃない彼女らは孤立しないように動くのが精いっぱいだった。

「そのペイロードライフルって榴弾あったよね……それで砲塔下部を撃てば……」
「あの軽戦車はクレリアンライフルの榴弾でそういうことをされて操縦室をズタズタにされまくったから天板も13mmの軽量複合装甲になってるの。この口径で使える榴弾や小銃擲弾じゃ無理よ」
ユンピャー「そもそもこの状況だと狙撃銃なんて構えてられないわ」

そんな時に海賊の陸戦型ヒュム4人が突っ込んできた。
劣化バリスタンが使っていたであろう銃斧が付いた自動散弾銃や75口径超大型リボルバーにストックを付けたような銃を持った彼女らは乱射しながらユンピャー達に肉薄していく。

相対したユンピャー達はレーザーカービンの集中射撃で4人のうち2人を仕留めたが、ペイロードライフル持ちが胸に75口径鋳鉄弾と9mmくらいの鉛散弾30発を食らって倒され、ユンピャー達も2人になった。

海賊の陸戦ヒュムに銃斧が付いた銃を振りかぶられたときにユンピャー達もそれぞれがタックルを食わせ、流れるようにレーザーカービンのストックで顔をぶん殴り、倒れた所をレーザーを撃ってとどめを刺した。

ユンピャー(防弾スーツだから抜けないって分かってても食らうと痛いわ……)
「ザンが死んだ!」
「……」ピクッ
ユンピャー「よっと……」
「いや、置いて行こうよ。重いし、どうせ後でリスポーンすればいいし……」
ユンピャー「身内の死体がロボットの部品に使われたり食料になったり、死体にされるよりはずーっとマシよ……!」
「同種族だとこのへんにレイプが加わるよね」
ユンピャー「ヤンピャーっ! ふざけてる暇があるなら周りを見て! 奴隷市場に並べておく見本のバイトに応募するわよ!」
「それこの前、ユンユンが応募して落ちた奴だよね!?」

肉薄攻撃に対処した後はペイロードライフル持ちをユンピャーが背負い、もう一人に周囲警戒をさせながら退却していく。