対機甲クレリアン防衛戦術とその準備編


いざ機甲クレリアンと戦わないといけない、そんなときになったら。

まずは機甲クレリアンも装備や装甲の違いで動きが異なってきますのでその種類を把握しましょう。

 機甲クレリアンの装備から見る種類

 ・主力戦車型
この種類は戦車級クレリアンしかいません。機甲クレリアンの中では最大級の火力と装甲を持つ最も驚異的です。
その圧倒的な火力投射力と装甲により単体でも非常に驚異的ですが通常は1輌だけではなく必ず同等の主力戦車型や護衛のように振る舞う機甲クレリアンが居ます。
鎧は完全鎧であることが多い為、機関砲でも足を止める事が困難なのでほぼ必ず戦車を向かわせる必要があります。

非常に重装甲ですが強力な索敵能力と通信能力も持つ為、的確に敵戦力を発見捕捉し、攻撃してきます。

 ・駆逐戦車型、対空戦車型
この種類は戦車級クレリアンと装甲車級クレリアンが存在します。機甲クレリアンの中では高い火力と装甲を持つ装備です。
単体で動いていることが多く、あまり前に出る事がありませんが鎧は完全鎧なので砲爆撃を食らっていても生き残り易いです。
攻撃兵装を充実させた装備であることが多く、場合によっては対空戦車型として動いて敵の砲爆撃を迎撃する事もあります。

 ・偵察戦闘車型
この種類は戦車級クレリアンと装甲車級クレリアンが存在します。機甲クレリアンの中ではある程度の装甲と機動力を持つ装備です。
単体で動いていることが多く、かなり積極的な動きが特徴です。鎧は完全鎧なので砲爆撃を食らっていても生き残り易いです。
索敵兵装を充実させた装備である事が多いですが、奇襲阻止に動く事も多く、また後方に居る自走砲型の攻撃目標を指定していることもあります。

 ・自走砲型
この種類は装甲車級クレリアンしかいません。カノン砲や榴弾砲、ミサイル発射機を搭載した装甲車級クレリアン達です。
彼女らは間接砲撃や防空網の展開・維持を主としており、鎧はあまり着ません。
しかし裸体でも優れた防御力があるので砲爆撃では動きを止めにくく、また動き回りながら兵装を取り扱う為に自走砲としては攻撃に対してかなり強いです。

 ・戦士型
この種類は戦車級クレリアンと装甲車級クレリアンが存在します。いわゆる軽装備タイプです。
最も頻出する装備の機甲クレリアンで武装も強くはありません。
しかしそれでも機甲クレリアンなのでやはり驚異的です。


どの機甲クレリアンと戦う時には充分な対戦車火器が必須です。これが無ければ機甲クレリアンは戦力自体を無視して動き続けてしまいます。機甲クレリアンを止めるのは対戦車火器とその存在です。

機甲クレリアンに対して地形を使った障害物はあまり意味を成しません。人間と同じくサイズに対しての地形踏破性が極めて優れるので多くの地形を突破されてしまいます。
恒常的に機甲クレリアンの動きを阻みたいなら対戦車地雷の敷設も考えるべきでしょう。機甲クレリアンの眼を欺くように対戦車地雷を敷設するのは困難ですが逆に機甲クレリアンは対戦車地雷を発見した場合はそれを迂回しようとするので対戦車地雷が敷設された地雷原は古来から機甲クレリアン対策として効果的です。
対戦車地雷と同様に対戦車火器の存在を臭わす様に塹壕や掩体壕を敷設したり、あるいは車道を作るのも効果的です。これらも対戦車地雷と同じく避けようとします。

これを踏まえて機甲クレリアンの動きを阻む防衛線の構築の仕方は対戦車砲や対戦車ミサイル発射機などの設置系対戦車火器、自走対戦車砲や対戦車ミサイル搭載車などの対戦車車両、そして戦車の三つを使って防衛網を構築する事になります。
戦車の存在と対戦車砲の存在で広くカバーし、機甲クレリアンなら通れる場所に目星をつけて直ぐに対戦車火器や対戦車車両を動かせる体制を整えるのが基本です。

機甲クレリアンは地震波を使った音響索敵をよく行うのでこちらが用意した戦力はだいたいもう分かっている場合が殆どです。
そのためご自身で「もし自分の領域を攻めるとしたら」とシミュレートするのも大事です。
また機甲クレリアンは地中でも動けるため、防衛線に穴を無くすと対処が難しい地面の下から来ることが選択肢に入っていることもあります。

 機甲クレリアンを阻むのに用意しておきたい兵器と戦力

 ・拠点防御用EMGシールド
機甲クレリアンなどのワープ攻撃を無効化する為にもかならず揃えておきたい兵器です。
これがないとこちらにとって不利な位置へテレポートされてしまいます。

 ・戦車及び主力戦車
機甲クレリアンが苦手としている戦力です。機甲クレリアンは戦車の存在を知るとその周りにも姿を見せなくなります。機甲クレリアンのうち最大級となる戦車級クレリアンが相手でも正面戦闘ができるでしょう。
また仮に大量のロボット戦力群が殺到するような事態になったとしても戦車の存在は強大です。
しかし高価ですのであなたの財力とよく相談しましょう。

 ・大口径長砲身機関砲や速射高射砲を搭載した対空戦車
機甲クレリアンが対戦車攻撃力を落として自分達への対応力を高めたような兵器として見ている戦力です。
立体的な作りをしている市街地に機甲クレリアンが現れた場合にはこちらのほうが使い勝手が良い事もあります。
しかし、戦車以上に高価な兵器になってしまうのであなたの財力とよく相談しましょう。

 ・対戦車ミサイルと中口径機関砲を併載した重装甲戦闘車
機甲クレリアンのうち装甲車級クレリアンまでを相手するつもりであればこの戦力でも間に合わせる事が出来ます。
この種の兵器でも戦車と同じくらいの威圧を与える事が出来ますが、ミサイル迎撃が得意な機甲クレリアンや戦車級クレリアンを呼ぶ要因にもなってしまいます。
そこまで高価ではありませんが多くの場合は戦車級クレリアンが来るとどうしようもない事は覚えておくべきです。

 ・自走対戦車砲や駆逐戦車、強力な機関砲を積んだ自走対空砲
もし戦車を維持するだけの財力があなたにない場合や守備する領域が大重量物の移動に堪えない場合はこちらを使うのも手です。
しかし大抵は機甲クレリアンからの攻撃にはそこまで堪えませんので結果的に戦車のほうが安くなる場合もあります。

 ・対戦車無反動砲や対戦車ロケット・ミサイルを積んだ車両や歩兵
財力の大きさに関わらず機甲クレリアンの動きを阻むには有効な戦力です。
特に対戦車火器を持った歩兵は彼らが居るだけでも迂回させることも可能です。

 ・対戦車砲、対戦車地雷
どちらも設置すること自体に意味がある戦力です。
しかし動けないか素早く動かせないのでこれらを大量配備しようとして他の動ける戦力の数を圧迫してはいけません。

 ・機関銃や砲兵などの他の戦力
機甲クレリアンが自前で揃えたロボット戦力相手に効果を発揮します。揃えておいてもそのままノラ兵器群対策にもなるので無駄にはならないでしょう。


対単体戦術編
どんな対戦車兵器でも機甲クレリアンにある程度近寄って有効な弾を当てなければ機甲クレリアンは倒せません。

そこで真っ先に注意したいのは機甲クレリアンの視界は必ずしも顔にある二つの眼とは限らない事です。
機甲クレリアンは閉所などで視野を多くとる必要がある場面では背後の上から見下ろしたような視点で自分自身も見ながら索敵しています。また見ている画面の数も一つとは限りません。
そのため、不意打ちは非常にし難いとも言えます。
また機甲クレリアンが身体に自動銃座などを生やしている場合、彼らが見ているいくらかの画面が自動銃座でも見ているため、これによって精度の高い迎撃射撃を行う事が出来ます。

機甲クレリアンは音響索敵能力が優れているため、近寄るとあなたがどんな装備をしているのかも分かってしまいます。初めて対面する時になってもあなたがどんな戦力なのか判別されてしまうでしょう。どの大砲にどんな弾が入っているのかも分かってしまいます。
その音響データをもとに機甲クレリアンはどの武装を使うべきなのかを判断します。堅い装甲を持つものなら貫通力の高い徹甲弾を使う火砲やレールキャノン、そうでないなら榴弾や機関銃、もし可能であれば念力で息の根を止めるでしょう。
しかしこの索敵能力の高さは同時に機甲クレリアンを追い込むのにも使えます。戦車を動かせば機甲クレリアンはそこから避けようとしますし、対戦車ミサイルを持った兵士を動かせば警戒すべき範囲を増大させます。これを利用して静かに威圧して領域から撤退させる事も出来ます。

また機甲クレリアンはエネルギーを制御する能力に長けているため、送電線などからあなたの街の様子を見ている可能性もあります。


隠密気味に街へ侵入した機甲クレリアンを発見した時にはまず何かしらの反応を起こしてください。この時点で撤退する機甲クレリアンも居ます。
それでも徘徊するようなら偵察部隊を動かして索敵させ、必要応じて戦車や対戦車チームを動かし、機甲クレリアンに対して威圧を行ってください。機甲クレリアンには聞こえている可能性がありますがそれだけでも彼らにとっては強いストレスを与えています。
大抵の機甲クレリアンは戦車が動いた時点で撤退します。

それでも機甲クレリアンがあなたが支配する街で徘徊を続ける場合はあなたの街に何か用があるサインです。ソナー音として使っている打撃音を頻繁に響かせている時は何かを探しています。もしかすると私怨で暗殺したい人物が居るのかもしれません。またはあなたを狙っているのかもしれません。更には威力偵察の可能性もあります。

この段階で住民が大切なものである場合は避難誘導を開始してください。

もし偵察機や監視システムが使える場合には機甲クレリアンの表情を注意深く追ってください。
機甲クレリアンの表情は概ねヒトと同様です。もしヒトからみて怒っている様でしたらその機甲クレリアンも怒っていますし、怯えているようでしたらその機甲クレリアンも怯えています。気が狂っているように見えたならその機甲クレリアンはやはり気が狂っています。

隠密行動中の機甲クレリアンが事を起こした、あるいは最初から準備砲撃などで攻撃し始めた時にはすぐに対戦車戦力を動かしてください。
その機甲クレリアンが何かに目標を定めたような動きをしている場合はその目標をなるべく早く見つけ、その進行方向へ戦車や対戦車戦力を向かわせてください。
その機甲クレリアンが無差別な破壊活動など遊撃的に動いている場合は目標が定まっていません。その位置へ戦車や対戦車戦力を向かわせてください。


いざ、有効な兵装をもってして機甲クレリアンと相対した時に考えねばならないことがあります。機甲クレリアンは身体自体は大柄であるものの、重要部位に貫通弾を叩き込むことを考慮すると見た目よりも細く小さい人間であるとも言えることです。
このため取り扱いが厄介なことが多い対戦車火器を大柄な人間でしかない動体目標に撃ち込む技術が求められています。
どのような兵装でも機甲クレリアンには胸の中央か腹の中央を狙うのが最も効果的に無力化ができます。しかし機甲クレリアンは頭が破損したり喪失しても動き続けますので迎撃能力を削いだり、あるいは遠距離射撃精度を削ぎたい場合を除いて狙うべきではありません。

機甲クレリアンはほぼすべての面が曲面の装甲板で構成された小さい装甲戦闘車両のようなものです。人間を殺傷する程度の榴弾破片は皮膚さえ貫通出来ず、かといって重機関銃の徹甲弾程度でも皮膚でさえ貫通出来ません。
しかしその小ささ故に小口径徹甲弾でも貫通された場合は大きな破壊力となってしまい、戦車級クレリアンでも25mm級APFSDSの弾芯が貫通されるそれが骨格や機械内臓に直撃するとそこそこ大きな損傷として反映されてしまいます。これと同様にメタルジェットでも十分な破壊力を生み出す攻撃として機能します。
それ故に機甲クレリアンは裸の場合は25~40mmほどの中口径機関砲から撃たれるAPFSDSや100mm程度の成形炸薬弾でも大きなダメージになり易いです。

これが部分的に装甲している鎧や装甲板を付けている状態ではすこし話が違ってきます。
いくらかの地域で出没する機甲クレリアンはそこそこの装甲板で出来た盾を構えて突進してきます。この盾はそこまで重防御ではなく、先述の中口径機関砲のAPFSDSや成形炸薬弾でも容易に貫通されますがその盾を貫通した後では機甲クレリアンの防御を貫くエネルギーが失われてしまい、若干ながら無効化されてしまいます。
このことからある程度は弱点を狙った射撃が必要になります。余裕があるならある程度大きな徹甲弾を使える戦車砲や大口径機関砲を使うのも一つの手です。

重たい装甲板を完全鎧として着込んでいる機甲クレリアンは裸の時と同じですが非常に重防御となっているので出来る限り最大の火力を投射してください。

飛翔速度があまり速くない対戦車ミサイルや対戦車ロケットを使う場合は機甲クレリアンが持つレーザーや機関銃の迎撃を考えなければなりません。
一般的に機甲クレリアンが防御銃座や自動銃座として搭載しているそれらは装甲化されてない場合が多いので機関砲の弾幕や榴弾の集中射撃で破壊する事が出来ます。装甲化されている場合でも本体より堅いことはそれほどないので機関砲で狙撃して無力化しましょう。
もし迎撃兵装の無力化が出来ない場合には可能な限り至近距離かつ多方向から飽和射撃を行ってください。


 機甲クレリアンとの戦い方 対集団戦術編

機甲クレリアンは単体でも脅威ですが集団で襲ってくる事があります。
ここでの集団の定義は2輌以上を指します。
どの集団であっても必ず1輌に対して2輌以上の戦車で攻撃するように立ち回る事が必要です。

  • ペア(2輌)
集団で来る時には最も多い頭数です。その中でも戦士型のみの組み合わせがとても多く、通常なにかしらの装甲戦闘車両等級とされるものはあまりいません。
ペアで来ている場合には姿を見せるものがかならず1輌のみというパターンで来る場合もあります。
もしワープ阻害作用を有効化しているのにも拘らずワープしているように見える時は2輌で居る事を想定してください。

しかし、中には前衛と後衛に分担している場合や攻撃と索敵を分担している場合があります。
片方が倒れればすぐに始末できますし、片方を倒すと救助して撤退する場合もあります。その場で応急修理を超えた修理作業をしない場合は撤退行動に移る為、見逃せばそのまま撤退します。

  • トリオ、チーム(3~5輌)
3輌以上になると索敵と指揮を専門に行うリーダー個体が現れ、被害が拡大されやすくなります。
4輌以上になると通信専門か援護射撃専門に行う個体が現れます。通信専門の個体は長距離通信を行って後方の砲兵隊や航空隊を呼び寄せる可能性があります。また援護射撃を専門に行う個体が居ると集団での打撃力が格段に上がってしまいます。
このあたりから複数の戦車が居ないと被害拡大を抑えられなくなります。

またリーダー個体を先に撃破しても統率は崩れにくい傾向にありますが1輌を倒すだけでも撤退する場合が多いです。

  • スカッド(6~13輌)
チームが複数入っている集団です。
ただの戦車では対抗が難しくなり、戦車隊としての練度と技術力が求められるようになります。
この頭数から自走砲型装備の装甲車級クレリアンの集団が出現し、砲撃が活発化します。
対砲撃防御のために防空能力を可能な限り向上させてください。

6輌から9輌編成の場合は2輌、10輌以上の編成の場合は3輌倒すと撤退する場合が多いです。

  • カンパニー(40~136輌)
スカッドが複数入っている集団です。
非常に攻撃力が高く、大量の対戦車火器があっても止めるのが難しくなります。
戦車大隊を使って対処する事も考える必要があります。

またいくらかを倒しても人数の多さから修理専門の個体が居る為、ずっと攻撃し続ける事が多い為、一気に20~30輌以上倒す必要があります。

  • ロボット機械化歩兵大隊(1輌と1000機)
ロボット戦力を使う場合に最も多くみられる集団です。非常に機動力が高く、軍隊としての強さが求められます。
方言で自動車化歩兵大隊や自動車化狙撃兵大隊などと呼ばれることもあります。
他の複数の機甲クレリアンとの違いは歩兵的なロボット戦力が常に周りに居るため、より軽便な対戦車戦力の接近が難しいことです。

対策としては砲爆撃支援を絶やさないこと、ロボット戦力を見失わないこと。そして何よりも近接防御用の歩兵戦力と分断されないように立ち回る事です。
機甲クレリアンが使うロボット戦力は概ねよく訓練された軍人レベルの射撃精度が保証されていると言われており、これは他の地域で出没する劣化バリスタンのロボット軍隊相手への対処法と重なります。
最終更新:2021年01月23日 14:26