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「正直に出て来い・・・さすれば、その目と愚息を潰し、今月分の記憶を消すだけで済ませてやる」 なんというか・・・ルカヴィすら素っ裸でしかも全力ダテレポ連打で逃げるような気配と声でこちらに警告をしているのはアグリアス。 そしてその警告に対し、偶然とはいえ鉢合わせてしまいしかも出なければもっと恐ろしい目にあうのがわかっていながらも出るに出れないラムザが居た・・・・ 少しばかり時間を遡ろう。 その日、ラムザたち一行は教会の追撃などを避けながら中部の山岳地帯を北進していた。 もうすぐ日が落ちるかという頃になってようやく野営の出来そうな地点に到達した。 日ごろの善行の賜物かそれとも偶然の幸運か、なんと野営予定地点には温泉が沸いていた。 しかも温泉が川と繋がっているので常に綺麗な湯を使えるとあって女性陣の喜びは一押しだった。 しかもラッドとムスタディオら男性陣が惚れた弱みか彼女らの喜びをさらに高めようと簡易ながらも湯殿を作ってしまった。 当然ながら一日の疲れを落とさんと準備が出来たものは我先にと湯殿に突入していった。 そんな喧騒を他所にラムザとアグリアスとオルランドゥ伯は翌日以降の行軍予定について会議をしていた。 隊長のラムザと自他共にラムザの片腕とされるアグリアス、雷神と恐れられるほどのオルランドゥ伯に加え、本来ならベイオウーフも知恵袋その2号として参加するはずだった なのだが恋人のレーゼによって強制連行されてしまったので今は居ない。 ようやく予定が決まり、解散しようとした矢先、会議用テントの入り口にラッドが現れ、湯が空いたことを伝えにきた。 その言葉にオルランドゥ伯は普段の彼からは想像できないくらいはしゃぎながら湯殿に向かっていった。 恐らく今宵は綺麗な満月なので湯につかりながらゆったりと月見酒としゃれ込むのだろう。 そんな伯の後姿を見送り、アグリアスもテントに戻っていった。 しばらくしてオルランドゥ伯がほろ酔い状態でラムザのテントを訪れ、湯が空いたことを伝えてくれた。 アグリアスから最後に入ると伝言をアリシアから言付かったので、自分も月見酒を楽しもうとこっそり仕入れた清酒を片手に湯殿に向かった。 ゆったりと浸りながらつまみを着替えのそばに忘れたのを思い出し、取ってきて再開しようと湯を出た矢先、人気を感じ、つい反射的に物陰に隠れてしまった。 暫く様子を見ているとアグリアスが一糸纏わぬ格好で現れた。 普段の勇ましくも美しい彼女に見慣れていたが流石にこのようなことは初めてだったので思わず見惚れてしまった。 しかしながらラムザもまた風呂に使っていた途中なので一糸纏わぬ格好だ。 当然湯で温まった身体も冷えてくる。 思わず身震いした際に不覚にも身体が草むらを少しばかり揺らしてしまった。 彼女以外であれば風のいたずらと思う程度であったが、アグリアスは即座に警戒態勢に入ってしまった。 そして冒頭の状態になってしまったわけである。 今出てしまえば彼女のことだ、叱責で許してくれるだろう。 しかしながらラムザも人の子、しかも健全な男子である。 女体の神秘を目の当たりにしたせいで一部が非常に元気一杯の状態でしかも少なからず好意を持った女性の前に出るほど無神経でもない。 結局出るに出れずに居るラムザと未婚の娘が肌をみだりに晒すわけにもいかず湯に使った状態のアグリアスである。 暫くしてようやく収まった愚息を桶で隠し、ラムザはアグリアスの前に出た。 流石のアグリアスもまさか、ラムザが覗き見をしていた事実には驚いたが事情を聞き、夜更けに大騒ぎをして騒ぎを大きくするわけにもいかないので許すことに下。 しかしながらお互いに裸と言うのは流石に不味いのでラムザは大急ぎでタオルを2枚取りに行き、アグリアスに片方を渡した。 「すみません・・・こんなことになってしまって・・・」 「気にするな。私と貴殿の間柄だ。気にしないでくれ。」 「あ、はい・・・いえ、でもアグリアスさんの裸を・・・その、見ちゃってすいません」 「そのことは気にするなといったはずだ。それに私の裸なんぞみても何も得にはなるまいて」 「いえ!そんなことはありません!」 「え?」 「こんなこと言うのはおかしいかもしれませんが少なくとも僕は欲情してしまいました!」 「えっ?ええっ!?」 「だから必ずこの責任は取ります!」 「そ、そうか・・・こんな私でも貴殿に女と認めてもらえるのか」 「そ、そんなこと言ってご自身を卑下しないで下さい!少なくとも、僕がこんな感情を持つのは貴女だけなんですから・・・」 「そ、そうか・・・ありがとう・・・・そ、そうだ・・・その・・・清酒を一口頂いても良いかな?」 「ど、どうぞ」 それからしばらく月見酒を楽しむ若いカップルを天から星と月が見守っていた。

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