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 愛鳴藩国には飛行剣士という職業がある。要は近接戦に特化したパイロット集団のことである。なぜそんな集団が発生したかということについては諸説あるが、現在ではわんわん帝國特有のヒロイックさによるものであるという説と、激しく燃える炎のような髪をしたはてない国人特有の熱血馬鹿さが彼らに近接戦特化型のパイロット集団を作らせたという説、国民の大多数が戦争孤児であるために国を守るための守護神的な存在が必要だったとの説が有力視されている。上記の説が正しいかどうかはともかく、この職業が愛鳴藩国人の気質に合ったのは事実である。そのために愛鳴藩国の子供達のなりたい仕事ランキングでは毎年トップテン入りしている。当然ながら倍率は非常に高く、この職につける者は希望者のうちのごく少数である。
 
 
 
 
  だが、運良く合格し、晴れて憧れの飛行剣士見習になった新米飛行剣士見習達を待っているのは過酷な訓練である。山の中にある訓練場への駆け足、到着したら早速準備運動と白兵戦の基礎訓練。それが終わったら国のちょうど反対側にある飛行場まで移動をかねたマラソン、飛行場についたら操縦についての基礎講習を受ける。休む暇が無いとはこのことである。新米飛行剣士見習から新米の二文字が外れる頃には基礎白兵訓練は本格的な白兵戦闘訓練へと移行し、基礎講習はシミュレーターによる擬似操縦を経て、練習機を使った操縦訓練へと移行する。そして、模擬戦を数回繰り返した後、つまり飛行剣士見習から見習の文字が消える頃、目新しいパイロットスーツと、マフラー、エプロンを渡され念願の飛行剣士隊の一員となる。
 
 
 
 
  本当に忙しいのはこれからである。彼らは愛鳴藩国を守る守り刀として、もしくは友情に報いるための剣、その切先となって、ついでに子供達の英雄となって戦わねばならないのである。彼らは時にパイロットスーツの他に鎧を纏って出撃することもある。それは機体が破壊されても剣を持ち最後まで英雄たらんとするためである。飛行場にスクランブルがかかる、今日も飛行剣士は英雄として出撃する。
 
-(文:グググ子さん)
+(文章:グググ子)