心意気

わんわん帝國 90107002
戦争がもたらす不穏な空気は人々に不安をもたらし、心に影を落とす暗い不吉なものである。世の人々はそれを敏感に察し、戸惑い慄く。
これが普通である。 
しかし、この国。愛鳴藩国は普通とは少し違っていた。
暗いその空気を良しとはせず、ましてやそれが子供たちの笑顔を曇らせるようなことがあってはならない。そう、あってはならないのである。
この国の民が持つ赤い炎の色の髪が、眼がその暗いなにかに対し「それがどうした!」と
藩王以下、下々にいたるまで各々がほんの少し。
そうほんの少しずつであるが暗いなにかに向かって胸を張り闘っているのである。
闘う力のある、ないに関わらず非力な者までがこの心までは折れないと言わんばかりに
「いつも」を生きる。
これがこの国の“馬鹿さ”である。
そう、気に入らないものは気に入らない。どんなに強大な力を有するものが相手でも、子供の敵は全ての赤い髪の者の敵。この国の敵である。
銃を持てなくとも剣を持てなくともこの心はこの心だけはあの空の如くに自由である。
ほんのわずかの抵抗として「いつもどおりに過ごす」。
かような真似をしてみせた国が他にあっただろうか?少なくとも私は知らない。
この藩国がたとえ戦火に巻き込まれたとしても彼らの心を折ることは出来ない。
その心は自由である。どこまでも広大無辺に広がるこの宇宙のように。
最終更新:2007年01月10日 20:32