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陸奥国 [[耶麻郡]] &ruby(はんたい){磐梯}山
&blanklink(大日本地誌大系第31巻){https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179202} 149コマ目
#image(bandaisan.jpg, width=500)
※国立公文書館『新編会津風土記48』より
#expand(500){{{
[[猪苗代城下>耶麻郡猪苗代城下]]の西北にあり、3峯並峙つ。
積翠空に挿み一郡の&ruby(いかん){偉觀}なり。中峯尤も高し。西を小磐梯といい、東を&ruby(あかはにやま){赤埴山}といいまた&ruby(みねやま){見祢山}と称す。
高306丈周15里。
絶頂に磐梯明神とて石の&ruby(そうし){叢祠}あり(磐梯神社も古はこの山上に鎮座ありという。その社跡なるも知べからず。本寺村恵日寺司なり)。常に登山の者なけれ共、毎年6月15日には祭ありて参詣多し。
&ruby(はんぷく){半腹}より上は路極て&ruby(けわ){崚}しく木を&ruby(すが){攀}るに非れば登るべからず。頂に至れば東は相馬岩城の海邊より、北は出羽国月山湯殿山まで遠く&ruby(えんあい){煙靄}の中に浮動し、&ruby(ちょうぼう){眺望}数郡の外に及ぶ。
かかる高山なれば山嵐常に&ruby(はげし){烈}く、草木地に&ruby(めぐ){蟠}り5、6月の頃まで残雪消尽きず。竹樹これにをされて根屈す(俗これを磐梯竹という。雪深き山に産する竹皆しかり)。
山上に&ruby(しゃくなげ){石楠花}多し。また一種の百合あり。ひとえの赤き花をつけ、上に向て開く。&ruby(けいよう){莖葉}短縮愛玩すべし。
東の半腹に沼9あり。周各30間計。
小磐梯の西に温泉湧出。味甘酸、頭痛・積聚・眼疾・諸蟲によしという。硫礬石を産す側に湯泉神社あり(何れの頃にか塩川組落合村鈴木金四郎という者草創すという。府下北小路町大久保播磨假にこれを司る)。
4郡第一の名山なれば、古より會津山と称し、故人の詠あり。
後撰集 藤原滋幹女
友則のむすめのみちの國へまかりけるにつかはしける
>君をのみ しのふの里へ ゆくものを 會津の山の はるけきやなそ
千五百番歌合 法橋顯照
>ほくしかけ 鹿に会津の 山なれは いるにかひある さつら成けり
古今六帖 読人不知
>杖折して ゆかましものを 會津山 入よりまとふ 道としりせは
堀河百首 藤原仲実
>会津山 すそ野の原に ともしすと ほくしにひをそ かけ明しつる
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-Google Map
--[[磐梯山>https://goo.gl/maps/GqpmacUDF3fYGQoM6]]
--[[赤埴山>https://goo.gl/maps/71WN951kAdEqgap26]]
※ついでに有名な歌を追加
万葉集 巻14 3426番 東歌
>会津嶺の 国をさ遠み 逢わなはば 偲びにせもと 紐結ばさね
参照:『[[万葉集「会津嶺の歌」>https://blog.goo.ne.jp/aizu01/e/cc4a0c1317033ed3cb6bd08314943b68]]』
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陸奥国 [[耶麻郡]] &ruby(はんたい){磐梯}山
&blanklink(大日本地誌大系第31巻){https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179202} 149コマ目
#image(bandaisan.jpg, width=500)
※国立公文書館『新編会津風土記48』より
#expand(500){{{
[[猪苗代城下>耶麻郡猪苗代城下]]の西北にあり、3峯並峙つ。
積翠空に挿み一郡の&ruby(いかん){偉觀}なり。中峯尤も高し。西を小磐梯といい、東を&ruby(あかはにやま){赤埴山}といいまた&ruby(みねやま){見祢山}と称す。
高306丈・周15里。
絶頂に磐梯明神とて石の&ruby(そうし){叢祠}あり(磐梯神社も古はこの山上に鎮座ありという。その社跡なるも知べからず。本寺村恵日寺司なり)。常に登山の者なけれ共、毎年6月15日には祭ありて参詣多し。
&ruby(はんぷく){半腹}より上は路極て&ruby(けわ){崚}しく木を&ruby(すが){攀}るに非れば登るべからず。頂に至れば東は相馬岩城の海邊より、北は出羽国月山湯殿山まで遠く&ruby(えんあい){煙靄}の中に浮動し、&ruby(ちょうぼう){眺望}数郡の外に及ぶ。
かかる高山なれば山嵐常に&ruby(はげし){烈}く、草木地に&ruby(めぐ){蟠}り5、6月の頃まで残雪消尽きず。竹樹これにをされて根屈す(俗これを磐梯竹という。雪深き山に産する竹皆しかり)。
山上に&ruby(しゃくなげ){石楠花}多し。また一種の百合あり。ひとえの赤き花をつけ、上に向て開く。&ruby(けいよう){莖葉}短縮愛玩すべし。
東の半腹に沼9あり。周各30間計。
小磐梯の西に温泉湧出。味甘酸、頭痛・積聚・眼疾・諸蟲によしという。硫礬石を産す側に湯泉神社あり(何れの頃にか塩川組落合村鈴木金四郎という者草創すという。府下北小路町大久保播磨假にこれを司る)。
4郡第一の名山なれば、古より會津山と称し、故人の詠あり。
後撰集 藤原滋幹女
友則のむすめのみちの國へまかりけるにつかはしける
>君をのみ しのふの里へ ゆくものを 會津の山の はるけきやなそ
千五百番歌合 法橋顯照
>ほくしかけ 鹿に会津の 山なれは いるにかひある さつら成けり
古今六帖 読人不知
>杖折して ゆかましものを 會津山 入よりまとふ 道としりせは
堀河百首 藤原仲実
>会津山 すそ野の原に ともしすと ほくしにひをそ かけ明しつる
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-Google Map
--[[磐梯山>https://goo.gl/maps/GqpmacUDF3fYGQoM6]]
--[[赤埴山>https://goo.gl/maps/71WN951kAdEqgap26]]
※ついでに有名な歌を追加
万葉集 巻14 3426番 東歌
>会津嶺の 国をさ遠み 逢わなはば 偲びにせもと 紐結ばさね
参照:『[[万葉集「会津嶺の歌」>https://blog.goo.ne.jp/aizu01/e/cc4a0c1317033ed3cb6bd08314943b68]]』
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