眠れない。 SOS団の面子で温泉に来た当日の夜、 僕は布団に入ったものの眠りにつくことが出来なかった。 女性陣は隣の部屋、僕の隣に敷かれた布団では「彼」が安らかな寝息を立てている。 少し前までは隣の部屋からも楽しげな声が漏れていたが 今は時計の音と隣で眠っている彼の呼吸の音しか聞こえない。 ひとりで寝る事に馴れすぎた為か、隣に人が居るというだけで神経が高ぶっているのが分かる。 知らず、僕の手は下半身に伸びていた。 「ふっ……」 浴衣の裾を捲り、右手が下着の上からゆるゆると自身をなぞる。 すると直ぐに反応を示し、下着の中で主張し始めた。 こうなってしまうともう駄目だ。欲望を吐き出すまで寝る事は出来ないだろう。 隣で眠る彼が起きない事を祈りながらそっと下着の中に手を忍ばせた。 下着の中の自身に指を絡ませ、前後に扱き上げる。 「うぁっ……んっ……」 声を抑えようと思うのに、僕の口からは荒い息と快感を含んだ声が漏れ、静寂を打ち破る。 下半身からはニチュニチュと溢れる先走りを絡める水音がしていて、部屋中に響いている気さえする。 隣に人がいるという背徳感は思っていた以上に僕の快感を高めた。