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ラグオルの風 第2話 - (2006/08/16 (水) 12:00:19) のソース

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 妙な胸騒ぎがして猫型プロトビーストの少女は目覚めた。まだ寝ぼけてて<br>

ぼんやりしていた視点が徐々にに合ってくる。ここはネコ科の最終調整室、<br>

巨大な調整槽の中。スリコミ後技能訓練を経て送られてこの調整液の中で<br>

身体組織の欠陥や技能の不具合などの最終的なメンテナンスを行う。<br>

先行試供品として出荷間近だったそのネコ娘は辺りを見回した。<br>

 この秘密研究所の中はロノスの裏イメージカラー「白」で統一されている。<br>

壁も天井も床も、真っ白。研究者の服装や名前にまで(無論偽名であるが)<br>

白という意味の東洋の文字がついている。<br>
 そんな白い世界の中3mほどもある金魚鉢のような調整槽の中でプカプカ<br>

と浮きながらソダテノオヤと呼ばれる生まれてから出荷まで製品管理をする<br>

専属スタッフを探した。24時間3交代制で常にスタッフはいるはずだ。<br>

(・・・いた)隅のほうで3人集まって頭を寄せてフォトンフォトグラフを<br>

見ているらしい。角度が悪くて何のフォトかはよく見えないがあのしまりの<br>

無い顔からいってHなの見ているのだと予想できた。<br>
                     *<br>
(まったくこんなセクシーなレディがここにいるってのに失礼よね)<br>

ため息をつき自分の起伏のない小さな体を見て、さらにため息をついた。<br>

(私のご主人様は、なんでこんな体にしたのかなー)口を尖がらせた姿は<br>

まさに子供である。・・・大きな猫耳と尻尾がなければ、である。<br>

クライアントの意向によって低年齢で造られたネコ娘は(うちは子供の遊び<br>

相手用なのかな~?それとも老夫婦で手間要らずなペットほしかったとか?)<br>

(Hなご主人様だったらきっとぼいんぼいんだったのにな~)と特殊な嗜好<br>

の人もいることもつゆ知らずに勝手な妄想をもんもんと続けていた。<br>

(ん?)ふと顔をあげると、調整室のドアが開き見知らぬ研究者が青い顔で<br>

飛び込んきた。なにやらソダテノオヤに大慌てで話している。(なんだろ~)<br>

 3人のソダテノオヤも顔色が変わりなにやら装置を操作し始めた。シュポッ<br>

(あ!)足元の排水ダクトが開き轟音と共に調整液が金魚鉢から抜けてゆく。<br>

音がして見ると上にあるはずの封印蓋までもが外されていた。「出ておいで」<br>

との言葉にネコ娘は高さ3mの鉢を弾丸のように飛び出した。<br>
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