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Who do you go out with? - (2009/03/22 (日) 12:10:12) のソース

<p>「みたらし団子1本!!」</p>
<p>「はーい!」</p>
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<p>「日世璃ちゃーん!こっちにはみたらし団子2本!!」</p>
<p>「はいはい!ちょっと待ってー!」</p>
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<p>「お姉さん、わらびもちくださる?」</p>
<p>「あ、はい!今日のおすすめですね。」</p>
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<p>「お茶おかわりもらえますか?」</p>
<p>「すみませんー。セルフなんで自分でお願いしますー。」</p>
<p> </p>
<p>「江戸で1番ベッピンな日世璃ちゃーん。苺牛乳ー。」</p>
<p>「すみません、セルフなんで・・・・・・</p>
<p>ってあるかー!!!!</p>
<p>そんなに飲みたいなら自分で買ってこいー!!」</p>
<p> </p>
<p>お盆を持って、朝から団子屋を走り回る。</p>
<p>江戸の団子屋アイドルこと、日世璃。</p>
<p>ハァハァと若干息切れ気味な彼女に、いつもノリツッコミをさせる男・・・。</p>
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<p>「ギャアギャアうるせーなー。ふつうにツッコめよー。わざわざノリツッコミじゃなくてもいいだろ。」</p>
<p>「うるさいわ!あんたが言うことじゃないでしょ、このアホ銀時!!頭くるくるのくせにっ!」</p>
<p>銀時。『銀髪天然パーマの常にやるきゼロダメダメ人間』。</p>
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<p>「おーい。銀さんは頭じゃなくて髪の毛がくるくるなの。</p>
<p>わかる?</p>
<p>頭と髪の毛の違い。同じようでだいぶ違うから。そこ、重要だから。」</p>
<p> </p>
<p>うるさいなあ。ごちゃごちゃと。</p>
<p> </p>
<p>日世璃はツッコミのため片手で持っていたお盆を両手で持ち直す。</p>
<p>と、それと同時に店長からわらびもちを渡され、他の客を待たせていたことを思い出す。</p>
<p>「ごめんなさいね、遅くなって。ごゆっくり。」</p>
<p>そう言って、日世璃はわらびもちを差し出しながら、客にきれいな笑顔を見せる。</p>
<p>「あ、ありがとう・・・」</p>
<p>客は女だというのに顔が赤く染まり、それを隠すように下を向いた。</p>
<p>それもそのはず、その笑顔にノックアウトされてしまった男は数知れず、直接告白をしてきた男も何人かいたそうな・・・。</p>
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<p>もっとも、当の本人日世璃は、そういうのにまったく興味が無いのか、はたまた他に好きな男がいるのか</p>
<p>(団子屋の常連たちは後者だろうと勝手に予想しているそうだ)、その告白に顔を横に振るばかりなのだが。</p>
<p> </p>
<p>そんな日世璃と</p>
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「ていうか無視か!日世璃チャン。苺牛乳ぐらいくれよ。頼むわ。銀さん、甘いもんここ3日くらい食べてねーんだよ。体の中に糖がなさすぎて死にそうなんだよ。」</p>
<p>この『銀髪天然パーマの常にやるきゼロダメダメ人間』、銀時。</p>
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<p>社会から見れば、両極端にいるような2人だが、昔馴染みとはすごいもので、2人が出会ってもうすぐ18年らしい。</p>
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<p>「他のお客様の迷惑になるんで、子どもみたいなこと言うのやめてもらえます?」</p>
<p>ていうか、“ちゃん”付けとか気持ち悪い。 </p>
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<p>まともに話すと埒が明かないので、あえて他人のように話してみる。</p>
<p>銀時は、周りから見ればいい年した青年なのだが、日世璃には子どもみたいに見えるときがあるのだ。</p>
<p>もっとも、今のように“甘いもの”に関してだけだが。</p>
<p>甘いものは日世璃も確かに好きだし、毎日食べる。</p>
<p>じゃなきゃ団子屋なんかやっていないだろう。</p>
<p>しかし、銀時ほどではないと、毎日ここに来る彼に日世璃は逆に尊敬するくらい呆れていた。</p>
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<p>好き嫌いは人の勝手だが、ここまでくるとうっとうしい以外のなにものでもない、と日世璃は思う。</p>
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<p>「ていうか、ここ団子屋なんだから団子頼んでよ。それとも、団子は甘いもんのうちに入らないって言うの?」</p>
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