一般学生バトルロワイアルまとめ @ ウィキ内検索 / 「決意の朝」で検索した結果

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  • 決意の朝
     目が覚めると、そこには様々なものがあった。  きっと、この部屋の主と自分は気が合うだろうと  少年、七原秋也は思った。  部屋の隅にはマンガ本がゆうに100冊以上はある。  また、壁にはギターが掛けられており、その横には数枚のCDが重ねてあった。  一番上には秋也自身の十八番でもある  LAST ALLIANCEが歌う『疾走』のCDが置かれてあり、ますますこの部屋の主と気が合うと思った。  通常時であれば、主が帰って来ると同時に 「やあ、ブラザー!」  とでも言いたいぐらいだったが  残念ながら、今は部屋の主が帰ってくることもない。  そして、そんな余裕もない―― 「くそ!!慶時・・・・・」  少しの間でも現実逃避した自分に怒りを感じ  秋也は壁を殴りつけた。  軽くウェーブの掛かる髪が揺れる。 「あの糞野郎!絶対ぶっ殺してやる!」  秋也の瞳が憎...
  • 【バトル・ロワイアル】
    ...I氏     10 決意の朝 ◆FBECTmyb.U G-2 民家周辺 一日目 早朝 32 サカサマ ◆ORLXhoTwxA F-2 民家 一日目 午前 37 <さらば愛しき蠅たちよ> ◆.b1wT4WgWk F-2の道を北西へ 一日目 昼 48 考えた!疲れた!悩んだ! ◆xXon72.MI. F-1 民家 一日目 日中 58 盗聴!発射!回復! ◆FBECTmyb.U F-1 民家 一日目 午後 61 The Gold Experience No.2:<黄金の背に追い縋り少年は冬の路傍に立ちぬ> ◆.b1wT4WgWk F-2 平瀬村内部 一日目 夕方 ○三村信史 00 オープニング ◆ilZClmyqFI     05 橋の上の二人 ◆nbevOugVxc D-3 道 一日目 早朝
  • ◆FBECTmyb.U氏
    ... 二人の金髪 10 決意の朝 12 クリムゾンの迷宮 17 漢の眼 21 政府連絡文書 23 LEVEL1 25 交差する想い 27 word of the voice 29 ブルーと熱い二人 30 止まらない足 31 Reach Out To The Truth First Battle 34 シーソー 40 鍵を持つもの 45 第一放送 47 覇王樹 50 お前は俺に負けておけ 58 盗聴!発射!回復! 氏が執筆したキャラ 2回 周防美琴、川田章吾、千葉紀梨乃、坊屋春道、花澤三郎 宮崎都、美浜ちよ、阪東秀人、七原秋也、沢近愛理 1回 鳳鏡夜、田中良、桐島ヒロミ、宝積寺れんげ 伊藤真司、春日歩、滝野智、三橋貴志 西園寺世界、杉村弘樹、高崎秀一、桑原鞘子 榊、神楽、銛之塚崇 、塚本天満 桂言葉、川添珠姫、栄花段十郎、坂持金発 赤坂理子、一条かれん、加東秀...
  • 第1回放送までの本編SS
    ...人、美浜ちよ 10 決意の朝 ◆FBECTmyb.U 七原秋也 13 眠れる無学寺の三橋編。あずまんが添え ◆ORLXhoTwxA 春日歩、滝野智、三橋貴志 16 惑い ◆ORLXhoTwxA 高崎秀一 18 ジレンマ ◆7eg.5UCwi6 伊藤誠、清浦刹那 20 スーパーダン英雄譚――開幕 ◆U965ULhZ6Q 栄花段十朗 【朝】 11 おおきく振りかぶって ◆fM3LvKazag 加藤乙女、周防美琴 13 眠れる無学寺の三橋編。あずまんが添え ◆ORLXhoTwxA 春日歩、滝野智、三橋貴志 14 <狂犬とじゃじゃ馬> ◆.b1wT4WgWk 加東秀吉、赤坂理子 15 黄金の風 ◆fM3LvKazag 榊、須王環、銛之塚崇 19 仲間を求めて ◆ORLXhoTwxA 杉村弘樹、桑原鞘子 22 戦いの海へ ◆ORLXhoTwxA 神楽 24 愛しき人の為に ◆ORL...
  • 50話まで
    ...人、美浜ちよ 10 決意の朝 ◆FBECTmyb.U 七原秋也 11 おおきく振りかぶって ◆fM3LvKazag 加藤乙女、周防美琴 12 クリムゾンの迷宮 ◆FBECTmyb.U 桐島ヒロミ、宝積寺れんげ 13 眠れる無学寺の三橋編。あずまんが添え ◆ORLXhoTwxA 春日歩、滝野智、三橋貴志 14 <狂犬とじゃじゃ馬> ◆.b1wT4WgWk 加東秀吉、赤坂理子 15 黄金の風 ◆fM3LvKazag 榊、須王環、銛之塚崇 16 惑い ◆ORLXhoTwxA 高崎秀一 17 漢の眼 ◆FBECTmyb.U 周防美琴、伊藤真司 18 ジレンマ ◆7eg.5UCwi6 伊藤誠、清浦刹那 19 仲間を求めて ◆ORLXhoTwxA 杉村弘樹、桑原鞘子 20 スーパーダン英雄譚――開幕 ◆U965ULhZ6Q 栄花段十朗 21 政府連絡文書 ◆FBECTmyb.U 坂持金発 22 ...
  • 【25話までの次回予告】
    ... 次回 第10話 決意の朝 みんなもやろう!さあ一緒に、おおきく振りかぶって ……頭を砕こう 次回 第11話 おおきく振りかぶって 東亜くん……強力モーター……拡声器…… 後からみるとやりすぎた……orz 次回 第12話 クリムゾンの迷宮 その男は寝ていた。何をしても寝ていた。 説明の時すら寝ていた。真実を知るとき―――彼がとる行動は? 次回 第13話 眠れる無学寺の三橋編。あずまんが添え 狂犬に首輪は必要ない。じゃじゃ馬にも必要ない。 狂犬は番犬となりて反撃を待つ。 次回 第14話 <狂犬とじゃじゃ馬> ホスト部のキングこと須王環 本日のお客様は榊様ですね。全力でお相手させて戴きます。 次回 第15話 黄金の風 桐生道士郎、小林一文字……武士シリーズの原点とも...
  • ホテルにて……
    ...で読む Next 決意の朝
  • サカサマ
     花澤三郎は道を行く。  目的の為に、決意の為に、覚悟の為に。  □ □ □  藤岡ハルヒは読書をしている。  木製の椅子に腰掛けて、傍らにある小さなテーブルに手を伸ばし、その上の湯気がたつ カップを手に取る。それを口にまで持っていき、一口。  なんてことは無い、ただのインスタントコーヒーだ。  かといって今の、プログラムが行われている沖木島ではそのインスタントコーヒーです ら手に入れること、というよりも淹れる事が難しい。  それをどうやって、いやそもそもハルヒが今どこにいて、何故一人で居るのか。  まずはハルヒがどこにいるか……平瀬村のある一つの民家にいる。  コーヒーはそこで手に入れたのだ。  水は備蓄されていたものを使用し、火もカセットコンロがあったのでそれを使った。  では何故そこにいるのか……花澤三郎に置いてい...
  • 人類最強のオンナノコ
    「抵抗しないで下さい。武器を捨てて落ち着いて下されば痛めつけたりはしないと約束します」  役場を訪れた理子は死角から現れた人影に突然組み伏せられ、状況にそぐわないやけにかわいい声でそう勧告された。  顔を向ける。自分を床に押し付けているのは儚げな雰囲気の少女。彼女は驚かされた。  理子も熱心ではないとはいえ合気道道場の一人娘。並の体育会系男子学生ならいなせる実力は持っているつもりだ。それなのに不意打ちとはいえあっさりと上四方固めを決められてしまった。  それをした相手がまさか華奢な女の子だとは。想定外にも程がある。 「そう言われてすぐに信じられるほど世の中甘くないでしょッ!」  握っていた銃をひとまず床に落とし、全力で抵抗しようとする。が、動かない。  形は決して完璧ではない。つまり、技術で足りない部分を膂力で補っている。 (そんな細い体型でどれ...
  • 止まらない足
    朝も明け、昼に差し掛かるわけでもない中間の時 普段であれば、学校で午前の授業を受けている、この時間 その授業の中でも彼女の得意な科目は自他ともに体育だと認めるものだった。 よく神楽や智と勝負したことを思い出す。何故かいつも勝ってしまうが、それでも楽しかった。 だが、その彼女、榊でもこの島では少し走るだけで息切れを起こす。 それほどまでに、榊の精神は参っていた。 先ほど出会った男の人も、最初は親切にしてきたが、それも勘違いだとわかった。 もし、最初から油断して彼を近づけていたら今の自分はいなかったかもしれない。 そう思うとぞっとするしかない。 しかし、それよりも恐ろしいことは、この同じ島に彼女の級友達もいるということだ。 先ほどの自分の立場に級友達がいればほぼ間違いなく、彼を信用していたに違いない。 そして、その結末も………。 その思考の結末が脳内に浮かび出てくるが、...
  • シーソー
    「勝負だ! 俺と勝負して、俺が勝ったら殺し合いなんて止めろ!」 出会った瞬間に言ってきた。二度目。この島に来て二度目。 ありえないことだが、実際に目の前で起こっている。 一度目は背伸びをしているが、まだまだ体格も出来上がっていない一人の中学生。 次に、警報の音に導かれやってきた分校内 そこで今現在、出会った直後の少年。彼も中学生どころか小学生とも言えるほどの体格。 その小柄なドングリ頭の少年が発した言葉の前提には、既に目前にいる自分がこのプログラムに乗っているというものがある。 まあ、銃器を持っていたら、そう思われるかも知れないが そんなもので、この男は判断していないと直ぐに分かった。 その小柄な見た目からは検討も付かない、銃器を恐れない男気 男の中で漢を売っているからこそ分かる、隠されたその度量。 七原秋也とはまた違う色だが同じことを言ってきた。 少年の言葉...
  • Reach Out To The Truth First Battle
    プログラム 正式名称は戦闘実験第六十八番プログラム これは防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーションとされており 参加させられているのは毎年、全国の中学校から任意に選出された生徒達である。 今回のプログラムにおいては、一クラスでのプログラムではなく また中学生のみのプログラムでもない。中学生、高校生入り乱れて複数の学校が参加を強制させられている。 ルールもチーム戦という既存のものとは、異なったプログラムである。 だが、その中でも特に異彩を放つ存在が二つあった。 一つは、天才飛び級少女、美浜ちよ 彼女の肩書きは確かに高校生ではある、しかし弱冠10歳で高校に編入したため 現在は12歳の高校三年生である。 そして、もう一つ、阪東秀人の存在 彼は確実に卒業していたはずだった。ゆえに彼の実年齢も現在19歳である。 本来、高校生とはプログラムに選出さ...
  • ジレンマ
    「―――伊藤、伊藤起きて」  どこからか呼ぶ声に嫌々ながらも反応して目が覚める。 「――ん、なんだよ」  少年、伊藤誠が起きると目の前には赤いリボンで髪を束ねる同じクラスメイトの清浦刹那がいた。 「清浦?」 「――寝ぼけずにこれを見て」  寝ぼけた眼を擦り、刹那をよく見ると見たこともない黒い物体をこちらに向けていることに気づく。  『これ』とは突きつけている黒い物体、拳銃のことなのだろうか? 「清浦! これは何の真似だよ!」 「いいから聞いて伊藤、私の言う事を聞いてくれないと今すぐこの銃を……撃つわよ」  刹那の意図も決意も誠には分からない。ただ分かる事は自分自身に拳銃の矛先が向けられていることだけだった。  あの小さな人差し指が軽く動くだけで自分の人生の終わりがくること……それだけが確かなもの。  体中から冷たい汗が流れ出...
  • 戦いの海へ
     朝日を受けて輝く海、その波打ち際に神楽はいた。  寄せては返す波の前、神楽は地面に膝を立てる形で座り、その膝を両手に抱え込んでいた。いわゆる体育座りの形だ。ここに座り込んでからだいぶ時間が経つように思えた。それを確認する術が無いので実際にはそこまで時間は経ってないのかも知れないが。  今、この場にいる事を夢だと思いたかった。  しかし身体に吹き付ける冷たい風、その風に運ばれる潮の匂いと波の音、地面のざらざらとした感触。それら五感が伝える全ての事柄が、これが現実なのだと教えてくれた。  黒沢先生が死んだのも現実だった。見知らぬ二人が殺されたのも現実だった。あの鉄臭い、血の匂いは良く覚えている。  黒沢先生は一年の時の担任で、自分が入っていた水泳部の顧問で、短いようで長い付き合いだった。進路の相談にも乗ってくれた。……いい先生だった。  じわりと熱いものが目の奥から溢れ出してく...
  • <“I Shot the Sheriff”川田章吾ver.>
     ……目覚めろ、立ち上がれ。お前の正義のために立ち上がるんだ!  ……目覚めろ、立ち上がれ。戦うことをあきらめるんじゃない!  音楽はいい、音楽って最高だ。特にロックンロール。それは体制に屈しない、反 逆の力。それで世界は救えなくても、きっとロックには力がある。この無数にある 平行世界のどこかで七原秋也が言っていたように、プラスの力が。  さあ、音楽をかけよう。大音量で、誰の耳にも聴こえるように。流れ出す曲は、 そうだ、ボブ・マーリイなんてどうだろう? それはロックじゃなくてレゲエじゃ ないかって? そんなことはいいんだ、まったくロックじゃないヤツだな。平行世 界で七原もボブのあの言葉を思い起こしていたじゃないか。ボブが歌ったあの言葉 だ。そう、聴こえるか? 「立ち上がれ!」ってボブは叫んでる。  さて、2時間ばかり前の話をしよう。ある...
  • 交差する想い
     12月だというのに、この島の朝は季節に似合わない暖かさだった。  プログラムという政策により呪われた島  沖木島が日本のどこに位置するか参加者達は知らないが肌で大体の予想はつくだろう。  草むらで目覚めた多数の参加者をよそに最適な寝所で放置されている金髪の不良  その傍らに佇む二人の少女。  三人の学生は島の北東、無学寺にいた。 「なあ、このパンってアンパン? それともジャムパン?」  関西弁特有のイントネーション全開で聞く少女  大阪(本名、春日歩)転校初日に智につけられたあだ名だ。  理由はただ一つ、大阪府からの転校生だから。  智らしい意見で半強制的につけられたあだ名だが三年近くも呼ばれると愛着が沸いてくるらしく本人は気にしていなかった。 「只のコッペパンみたいだな」 「そうかー」  歩に返事を返すのは歩にあだ名をつけた少女...
  • 響き渡る『信念』
    私立桜蘭学園は一に家柄、二にお金 ――ザなッ 財あるものは暇を持つ ――かザァッ かくして桜蘭ホスト部とは暇を持て余す美少年達が ――glンなjい 同じく暇な女生徒達を持て成し、潤わす、 ――ザ、でザ、ザ スーパー金持ち学校独自の華麗なる遊戯なのである。 ――ノイズが走る 「クソッ!!」 華やかに光る金髪の髪が激しく揺れ 木に叩きつけた拳は赤く腫上がる。 ホスト部のキングこと須王環は、後悔と自責の念にかられていた。 「何もできない……何もしない……こんなことが……」 脳内では全てを理解している。 今やれることは、榊が持っているであろう政府へと連絡できそうな機器を 銛之塚が受け取り戻ってくるのを待つだけ。実際、もう数時間も待っている。 それに下手に動いて、すれ違いなどは避け...
  • おおきく振りかぶって
     思い切って草むらに仰向けで寝てみたのに、目を開けても自宅のベッドではなかった。  首には無骨な銀の首輪。デイパックには金属バットと束ねたロープの膨らみ。いつもと変わらないのはあの青空だけ。 「夢じゃ、ないんだ……」  周防美琴は思った。せめてここが戦国時代だったらと。 曹操や関羽のいた時代なら、戦があらば正規兵でなくとも槍を持ち馳せ参じるのが当たり前のそんな時代だったら、これほど迷うこともなかったろうにと。  朝特有の冷たい風が辺り一帯の草をざわざわと鳴らし、美琴の不安をかきたてた。 「もうみんな、殺され」  不意に口から出そうになった言葉を急いで封印する。いくら天満や一条の平和的な性格がプログラムにおいて致命的とはいえ、それだけは考えてはいけない。  絶対みんな生きている。チーム内では殺しあわなくていいのだから5人揃って帰れる。 帰...
  • 深く静かに
     あれからずっと、三橋は大阪の亡骸の傍にいた。  大阪が息を引き取ってからは、ナイフで刺された腕の傷をおざなりに手当てしただけで、そ れ以外にはなにも行動をおこしていない。  三橋としては早いところ、この場を離れて理子たちを探しにいきたかった。  しかし、それができない。傷が痛むからではない。足に力が入らないのだ。  足を持ち上げ立ち上がり、歩く。それだけの事がどうしてもできない。  三橋は混乱していた、狼狽していた。  自分がなにをやったかも、何故そうしなければならなかったのかも、わかっていた。  全て自分で判断して、実行したことだ。しかし……。  何故、こんなことになったのか。どうしてこんな所に自分はいるのか。  そんな言葉がいくつも湧き出しては、ぐるぐると頭の中を巡る。  三橋は自身の人生の中で初めて、自分の感情を持て余していた。 ...
  • BAMBOO BLADE
    私立室江高校の剣道部顧問・コジローこと石田虎侍は、その日の食事にも困る貧乏生活の日々を送っていた。そんなある日、高校時代の先輩である石橋賢三郎から練習試合の話を持ちかけられる。石橋が顧問を務める町戸高校剣道部に勝ったら、1年間寿司食べ放題。しかし、5対5の練習試合をするには室江側の部員が足りない。 コジローは翌日から早速、5名の女子部員を揃えるべく東奔西走していたところ、ある女生徒が竹ぼうきで難無く複数のボール(と教頭)を打ち返すのを目撃。何としてでもその女生徒を剣道部に入部させようと試みる。 千葉 紀梨乃(ちば きりの) 室江高校2年3組。身長157cm。血液型O型。通称「キリノ」。髪型はポニーテールで、部活の時は長いリボンで髪を縛る。イメージカラーはイエロー。単行本第2巻および第8巻表紙。 受験で引退した3年生に代わって部長に就任する。ストーリー開始時点...
  • 漢の眼
     加藤乙女を殺害後、美琴は草木を掻き分け南へと進んでいた。  海岸線を南から南東へ移動して同じ学校、矢神学院高校の面々を探すつもりだった。  少し歩くと、村が見え、自分の位置がI-6付近だというとこもわかった。 (みんな……生きててくれ……)  目を覚ましてから何度も同じ言葉を呟く。  ついた村は地図を見ると氷川村と書いてあるが、実際には民家が数軒建っているだけのもので  一目で村全体が見渡せるほどだった。  村を見渡す美琴の目に一点、人影が目に映る。 (あれは……長ランに髪総立ち?)  そこには、とても同じ時代の人間とは思えない正に、不良そのものが立ち尽くしていた。  仲間と一緒に帰る為に美琴は、その不良に近づいていく。  不良は後ろを向いており、そのまま奇襲することもできた。  それでも、美琴は声を掛ける。  ―――――名前を聞くために 「……よぉ」 ...
  • word of the voice
    「ここは少し気をつけてね」  沢近愛理は目の見えない西園寺世界を、丁寧に誘導しながら北へと進んでいた。  世界と遭遇してから沢近は、川が近くにあること  ホテル跡が見える位置にいないことから、自分達の居場所がD-1で間違いないと確信していた。  それを元に行き先を考慮した場合、北には鎌石村、南には平瀬村この二つが目的地にあがる  どっちでも良かったのだが沢近が選んだのは鎌石村だった。  平瀬村の方が近いのだが何故か南よりも、北の道の方が整備されており盲目の世界を連れて移動するなら  鎌石村に向かう方が効率がいいと思い、北へと道を進めていた。  それに沢近は直感的に感じていた。北に同じクラスメイトがいる気がすると  ………それは、女の勘というもの 「すいません、私のせいで沢近さんにまで迷惑をかけて……」  沢近に声をかける少女、西園寺世界は普段...
  • <さらば愛しき蠅たちよ>
     人間は蠅に似ている  なぜ頭から  窓ガラスを通り抜けて  救いの光には  到達できないのかを  理解できない蠅に        ―― J. A.  日に焼けてくすんだクリーム色。ぼやけて見えるそれが、彼の脳が認識した最 初の色で、同時に目に映った全てだ。そのクリーム色の正体は、彼のいる小屋の 天井だった。より正確に言うならば、天井とおぼしき何かだった。網膜に映りこ んだそれを天井と断じるには、あまりにも彼の視界は狭くなっていたから。 (ここは……?)  そう頭の片隅で思った瞬間、体中が軋み、悲鳴を上げ、激痛を訴えてきたので、 彼は思わずもう一度目をつむる。そして、上瞼と下瞼が触れあったとたん、今度 はその接触による痛みに思わずもう一度目を見開く羽目になった。 (……痛い、なんてもんじゃない...
  • 盗聴!発射!回復!
    カチッカチッと聴こえる……これはきっと時計の音だろう。 ボワッボワッと聴こえる……これはきっと暖房から出る炎の音だろう。 スゥスゥと聴こえる……これはきっと金髪の少女から漏れる吐息だろう。 ハアハアと聴こえる……これはきっと疲労回復を図っている少年による呼吸だろう。 何かが擦れる音……シュシュッと聴こえる……!? もう一度耳を傾ける……確かに聴こえる……この音はなんだろうか? 「なあ、オマエ、この音が何だか分かるか?」 専用インカムに集中している中、二メートルほど離れた無機質な部屋の中央部から 小汚い灰色ソファーの上で足を組みつつ、下品な笑顔を向ける上官が自分に問いかけてきた。 部屋には他にも数人の兵士がいるというのに、自分を選んできたことを心の底から憎んだ。 ……しかしながら、周りの面子はほとんど無愛想。 第一放送前にも兵...
  • 考えた!疲れた!悩んだ!
    「そう……、天満も……」 沢近愛理は、独り言を呟いた。 つい先ほど、このプログラムで最初の放送が行われ、地図も名簿も筆記用具も持っていない沢近は内容をメモすることも出来ず、ただ歩きながらそれを聞いていた。 しかし、死者の発表で播磨拳児と塚本天満の名前が挙がったところで、沢近は足を止めた。 沢近の知らないところで、天満もまた播磨と同じように、その命を落としていたのだ。 「どうして、こんなことに……」 沢近はギリッと奥歯を噛みしめ、止まっていた足を再び動かして歩き始めた。 今まで天満と話したことや、一緒に行った旅行のことなどが脳裏に蘇り、こみ上げてくる悔しさと悲しさでその場に泣き崩れそうになるのを耐えながら、沢近は歩き続けた。 泣くのも、後悔するのも、全てが終わった後でいい。 しばらく歩く内に、沢近は徐々に気持ちが落ち着いてきたのか、...
  • 世界がいないということ
    伊藤誠と清浦刹那の二人が正午の放送を聞いたのは、世界の身体を洗うために向かっていた川にたどり着いた直後のことだった。 刹那は、世界の死体を見つけてからずっと放心状態の様子で、 放送が流れてきても内容をメモしようともせず、ボーッとしており、 仕方なく、と言うわけでもないが、放送の内容は、それまで背負っていた世界を川辺に寝かせ、 誠がメモを取った。 刹那は、その間も世界の亡骸の近くで、ただ呆然と突っ立っていた。 「……加藤」 放送の中で、今は川辺に寝かせている西園寺世界の名が呼ばれることは分かっていたが、 それとは別に、誠とは中学時代から付き合いのある加藤乙女の名が呼ばれ、 筆記用具を持つ誠の手は震えた。 「くそ……、何が生を掴み取れだ!一方的に、こんなゲーム強要して……」 放送が終わった直後、誠はそんな風に毒づくと、ジ...
  • 逃げろ
    沖木島東部、海沿いの道。 須王環を追いかけようとしていた神楽と、そんな神楽を止めようと、 神楽の前に立ちはだかっていた榊は、正午の放送が流れる瞬間まで、睨み合っていた。 しかし、放送が流れてきた時には、流石に無視するわけにもいかず、 榊と神楽は一時休戦して、放送を聞いた。 そうして二人は、春日歩の名が呼ばれる瞬間を迎えることとなった。 「春日…、歩……。なあ、春日歩って……、大阪のこと…、だよな?」 神楽は榊に向き直り、やっとの事で声を絞り出した。 強い海風が吹きつけ、二人の髪とスカートを揺らした。 榊は、風が弱まるのを待って神楽の問いに答えた。 「……ああ、そうだ」 榊の答えは、普段から口数が少ない彼女らしく、いたってシンプルだった。 「お前なぁ!!」 榊の性格はよく知っている神楽だったが、この...
  • <ハロー、グッバイ>
     暗くもなく明るくもなく。寒くもなく暖かくもなく。およそ現実の言葉で規 定されない謎めいた空間に、短ランで金髪の男――千葉が世界に誇る不良、三 橋貴志である――は、プカプカと浮いていた。あたりは一面、怪しげな靄に包 まれている。そのまま三橋はどこぞの宗教家よろしく空中で胡座をかくと、フ ワフワとそこら中を飛び回り始めた。  もちろん、三橋はいたって普通の――と言うと若干語弊があるかもしれない けれども――不良高校生であり、間違っても空中浮揚などという技は身につけ ていない。では、なぜ彼は空中をさまよっているのか? その問の答はごく簡 単だ。そう、三橋貴志は夢を見ているのである。  本人は自分が夢の中にいるなどとは気づいていないし、まだ目覚める様子も ない。ただ徒にまどろみに身を任せているだけなのだから、まったく暢気なも のだ。何せ寝入ったが...
  • The Gold Experience No.3:<黄金を頭に戴いて狂王は屍の玉座に嗤う>
     早咲きの椿の花が、首を切られたようにぽとりと落ちた。苔むす岩の上で、 寒気のするほど紅く際立つそれに続くように、赤い液体が散っている。師走の 午後、覇気のない陽光はその温い赤を覚束なげに照らす。紅、赤、赤……辿り ゆけば、鮮やかな道しるべの終わるそこで、二人の男が微動だにせず睨み合っ ていた。  一人は血塗れた日本刀を構えて立つ、長身の男だ。鋭い眼光。研ぎすまされ た刃のごとき印象を与える彼は、まるで武士のようだった。その静かな、だが 曰く言いがたい威圧感のある佇まいは何の乱れも見せていないが、彼の左肩か らは血液が滲みだし、制服の肩口を赤黒く染めている。そこを掠めた鉛玉に肉 を抉られた痕だ。深いものでないとはいえ、痛みを感じていないはずもなかっ たが、彼は顔色ひとつ変えていない。  もう一人は地面に片膝をついたまま、両手で小型の拳...
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