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2013年6月19日バーナンキ記者会見での日経記者とのQA - (2013/06/22 (土) 23:35:16) のソース

フジイアキオ、日経新聞。

最近、日本市場の―株、国債、為替市場で、ボラティリティが大きく上昇しました。ある人はこれをFRBの先行きがどうなるか見えないためだといい、ある人は日銀の金融政策への信頼性が揺らいでいるせいだといいます。日銀のやり方をどう思いますか?日銀の政策をいまも支持していますか?もう一つ、FRBの出口戦略が海外市場に与える影響について、どのぐらい考えていらっしゃいますか?

バーナンキ議長

ボラティリティはほとんどが日銀のせいでしょうね。Fedが資産購入して日銀は何もしなかった時にはボラティリティがまったくなかった。それを考えるとわかるでしょう。つまり、今起きている変化は、日銀の政策変更のせいだと考えるのが筋が通っています。

日銀は慢性的でひどくやっかいなデフレと取り組んでいます。日本のデフレは長年問題となっていて――人々の期待はデフレに向かっていますから、そういった期待を打ち破るために非常にアグレッシブな政策を取っているわけです。何しろ日銀はインフレ率2%上昇を決めたわけですから。

だから困難なわけです。日銀は非常にアグレッシブでなければならない。こういったプロセスの初期段階でのアグレッシブさは、投資家はまだ日銀がどう反応するかを学びつつある段階ですから、ボラティリティが高くなって何の不思議もありません。その上、長期国債の市場は、たとえば短期国債に比べたら流動性が低い。だからそこは注意する必要があるでしょうけど、それよりなにより日本はデフレを克服することが重要です。そして3本の矢も良いでしょう。デフレを打ち破るということに加えて、物理的な、構造的な問題に取り組むことも重要です。私は黒田さんを支持します。日本が米国の経済になにがしかの影響を与えるとしても、今日本がやろうとしていることを支持しています。

新興国市場や他の国々で資本の流入とボラティリティが発生しているのには様々な原因がある。あるものは成長期待と関連している。たとえば、最近の新興国市場の成長パターンに変化が起きている。あるものはリスクオン/リスクオフの挙動と関連がある。あるものは先進国(もちろん米国を含む)の金融政策と関連している。我々は注意を払っています。私は、たとえばG20などで、新興国市場の関係者と頻繁に会っていて、これらの話題について議論しています。これについてどう考えるのがいいかというとですね、G7でもG20でも言及されたように、米国の金融政策がやろうとしていることは、日本と同様、経済を成長させようとしているのです。世界経済の回復、力強い世界経済の成長は、米国がそれなりの率で成長することに大きく依存している。いくらかの影響があっても、米国の経済がより強くなったときの最終的な効果はポジティブであり、新興国市場の中銀責任者たちはそれを認識していると思います。そうはいいましても、副作用を最小化するためにはあらゆる手段を取るし、そのようにコミュニケーションを取るつもりです。


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