第50話 狙われた防衛軍基地


ザノン号が放ったギロンの襲撃を受ける大阪。
アフリカから来た海底怪獣レイジャと超古代狛犬怪獣ガーディーがギロンを迎え撃つものの、その能力は第十惑星のフローベラ、バーベラによって育てられた物を上回る能力を持っていた。

「フゴー」
頭の両脇から目にも止まらぬ速さで放たれる無数の手裏剣は2匹のレイジャの体に突き刺る。
「ぐわぁーー」
「きゃーー」
大地に倒れる2匹の怪獣。

「…あ、これを!」
その時、樹里が何かに気付いた。

見ると瓦礫の下に横たわっている2人…ジーンとシャウだった。
おそらくギロンの手裏剣の攻撃を食らった時、生命の危機を感じたレイジャが道連れには出来ないとレイジャとジーンを強制的に分離させたのであろう。

「大丈夫、息はあるみたい…でも、危ないかも…」
レイが2人を診て言う。
「ど…どうしたら…」
本当なら病院にでも連れて行くのだが、2人は人間ではなくギャシー星人である。
一体どうやって治療したら良いのか見当もつかない…。

「とりあえず、ここから離れないと…」
ギロンはいまだにビルを切り刻んで暴れているのだ。
3人はジーンとシャウを担いで、その場を離れた。

その後も大阪の街で暴れ回るギロン。

樹里「…そんな」
その光景に顔を背ける樹里。
レイ「今なら、奴に気づかれないわ。ジェットヘリに急ぎましょう」
ダイアン「そうね、樹里さん早く」
ジーンとシャウを抱きながら、瓦礫の中を走りレイジャ達と大阪に来た時に乗ってきたジェットヘリに乗り込んだ。
樹里「浮上!」
エンジンを全開に飛び上がるジェットヘリ。暴れるのに夢中のギロンは、その音を聞いても見向きもしなかった。

マーチン「すっかり暴れるのに夢中のようね」
レイ「ところで、どこへ行く?」
そう、とりあえず脱出はできたが宇宙人である2人を診てくれそうな場所にも当然ながら心当たりはないのであった。
レイ「・・・」
樹里「・・・防衛軍、極東エリアに行きましょう」
思案に暮れていると樹里が口を開いた。
レイ「防衛軍の極東エリア?」
樹里「そう、あそこの科学班には宇宙生物学の権威である城野博士がいらっしゃるわ。博士ならなんとかしてくれるかも・・・」
レイ「そうね、それしかないわね」
マーチン「樹里さん、急いで」
樹里「分かっているわ」
そう言うと、樹里はエンジンを全開にし防衛軍、極東エリアのある厚木に進路をとった。

そして、樹里たちを乗せたジェットヘリと前後するように、メーサータンクと対空自走砲を中心に編成された自衛隊の迎撃部隊がやって来た。


石堂参謀によって各自に辞令がでたが、隊員達はそれでも納得のいかなかった。
金城「なんだよ、いきなり異動だなんて…」
佐々木「それに工場を襲った怪獣もたおしていないのに」
上原「二人とも落ち着け、確かに石堂の様な防衛軍の反MAT派は工場での件を口実に解散に踏み切ったが、長官のOKが出ていない。
もし怪獣が現れたら俺一人でも出撃する」
坂田「上原…そうか、我々は参謀本部の支持がでるまで待機だ」
佐々木「何故ですか、隊長」
金城「あの男のいいなりにでもなったのですか!?」
坂田隊長の一見、非常だと思われる答えに対し、隊員たちは口を揃えて、反論するが隊長は静かに語った。
坂田「よく聞いてくれ、我々MATは怪獣達から人々の生活を守る為に戦っている。だから怪獣が出てきたら参謀本部なんて無力だ。
だから、怪獣が出てきたら、我々は出撃して力いっぱい戦う。それがMAT精神だ!」
金城「隊長…」
その時、藤川隊員の切羽つまった声が聞こえた。
藤川「隊長、防衛軍基地に怪獣が出現しました!」
画面に映っているのは防衛軍基地で暴れまわるネロンガとベキラだった。
坂田「今度こそ、決着をつけるぞ、MAT出撃!」
一同「了解!」

「それはどうかな…」
その声と共に現れたのは怪獣出現の報を聞いた石堂だった。

藤川「どいてください、私たちは今から怪獣と戦いますので」
石堂「おい、貴様ら、ここで銃殺刑にもかけられるのだぞ!」
石堂の慌てっぷりに対し、坂田隊長の怒りが爆発した。
坂田「石堂参謀、あなたの本当の敵は怪獣ですか、それとも我々MATですか…銃殺刑なんてナンゴウ長官の許可なくするのですか…それが参謀本部のする事ですか!?」
石堂「ならば、異動で許そうと思った今ここで解散だ!この基地を防衛軍に渡せ!」
未だ石堂の暴走は続き、呆れ顔になるMAT隊員たち、その時作戦室のドアが開いた。

「石堂参謀、私の子供達になんて真似をしてくれるのかね…」
作戦室の外から人影が現れた。

その人物は元MAT隊長の伊吹竜参謀であった。
石堂「伊吹参謀、何を言うのかね…もうMATの解散は決まったばかりだ」
その石堂の怯えた口調の言葉に対して伊吹参謀は怒りをあらわにした。
伊吹「貴様…それでも参謀か?ロクに現場に出ないで出世欲ばかり出してその様な奴に平然と下の組織に解散をいえるのか!」
石堂「参謀だからこそ許されるのだ、そしてMATは捨て駒にしか過ぎない」
金城「こいつ…!」
坂田「落ち着け、金城、今は伊吹参謀に任せよう。」
伊吹「次郎君、いや坂田隊長、多くの人々を怪獣達から守ってくれ、それがMATの使命だ!」
一同「はい!」
伊吹参謀の一言によりMATは本来の使命である怪獣達との戦いに向かおうとしていた。
石堂「俺の言う事が聞けないのか?おい!聞いているだろ!」
伊吹「少しは頭を冷やせ!」

伊吹参謀は石堂を殴りつけた。
石堂「伊吹…何を…するんだ…」
伊吹参謀の一発で石堂は伸びてしまった。

伊吹「頼むぞ、MATの諸君!」
坂田「よし、改めてMAT出撃!」
一同「了解!」


所変わって防衛軍極東エリア、UGMの本部も置かれるこの基地の地下にあるパドックと呼ばれるUGMの作戦室では大阪で大悪獣ギロンとの
戦いで負傷したジーンとシャウの治療の為、防衛軍基地へと来た立花レイ達3人が来ていた。
ユリ子「本当に似ていますね」
レイ「その星隊員って人は今どこにいるの?」
猛(確かに似ているが、本当の事は言えない…)
樹里「どうしたの、矢的隊員」
猛「いえ、何でもない」
猛は考えていた。レイと瓜二つの女性、星涼子。彼女の正体はウルトラの星の王女ユリアンだからだ。
オオヤマ「星隊員は別のエリアで元気に働いている」
猛「隊長…」
猛は思った。オオヤマ隊長の精一杯の嘘は自分と同じでウルトラの星の住民だと知られたくなかったからだ。
オオヤマ「立花さん、ジーンさんとシャウさんの容態は順調に回復しています。安心してください」
樹里「よかった、ところで大阪はどうなっているのでしょうか?」
オオヤマ「大阪の方は自衛隊が迎撃にあたっているが、それでも防戦一方だ」
ダイアン「そんな…」

樹里「きゃぁ!」
イトウ「地震か!?」
その時、大きな揺れが起こった!

通信員「隊長!モニターを見てください!」
オオヤマ「なにぃ!」
黒木「怪獣…!」
モニターに映っていたのはMAT工場を襲った暴れん坊怪獣ベキラだった。ベキラはところかまわず炎を噴いて破壊の限りを尽くしていた。
結城「なんだよ、モゲラの修理も終わってないってのに、こちらとらは猿島から戦いっぱなしなんだぜ」
新城「いつもの結城さんらしくありませんよ」
結城「笑えん…!」
ベキラに対し対空ミサイルが打ち出されるが、ミサイルが発射台もろとも爆発した。
黒田「どうしたんだ、ミサイルが爆発したぞ!」
白川「そんな…何故なの…」
イトウ「どうすりゃいいんだ…大半のメカも氷付けにされた上に、修理に時間を追われているし…」
白煙を上げるミサイル発射台の目の前に突如としてもう一匹の怪獣、透明怪獣ネロンガが姿を現した。
シラガネ「もう一匹いたのか!」

二匹の怪獣によって防衛軍基地は炎に包まれ、なす術も無かった。
猛「隊長!自分を行かせてください!」
パドックを出ようとする猛の手にはウルトラマン80への変身道具、ブライトスティックが握られていた。
オオヤマ「あの時言った事を忘れたのか?もうお前には戦わないで欲しい。地球人の手は地球人で守ると言った事を…」
猛「隊長…」
イトウ「猛、エースフライヤーの修理は終わっている。だから事の成り行きを見守っていて欲しい」
猛「チーフ…」
朝日奈「猛君、昔ZATに君に似た身の上の隊員がいた。彼もZATを離れる前に凶悪な怪獣を倒すために人間の知恵と勇気を信じて一人で立ち向かった。そう、君と同じウルトラ戦士だったんだ」
荒垣(光太郎の事か…)
猛「朝日奈さん…」
猛は悩んでいた、それでも自分が戦わなかったらまた大切な人が死んでしまうと、それでも大切な人を守る為に。

通信員「隊長!見てください!」
オオヤマ「何があったんだ!」
モニターに映っていたのはベキラの弱点である背中を攻撃する複数の戦闘機だった。
イトウ「あれは、MATの戦闘機!」
黒木「MATが救援に来てくれたのですか!」
石堂参謀の失脚と共に見事現場復帰したMATの戦闘機マットアロー1号と2号、そしてマットジャイロが救援に来た!

パドックにMATからの通信が入る
坂田「UGMのオオヤマキャップですね!」
オオヤマ「MATか、怪獣は二匹とも強敵だ、気を付けてくれ!」
イトウ「キャップ、私もエースフライヤーで出ます!」
イトウチーフはパドックを出てエースフライヤーの格納庫へ向かった。

上原「また消えたぞ!」
金城「こんどはどこにいるんだ!?」
再び姿を消したネロンガに苦戦を強いられるMAT、そこに猛スピードで飛び回る一機の戦闘機が横切った。
それによりネロンガは吹き飛び、姿を現した。

坂田隊長の乗るアロー2号に通信が入る
イトウ「大丈夫か?MATの諸君」
坂田「あなたは、UGMのイトウチーフ!」
その戦闘機はイトウチーフの専用機エースフライヤーだった!
イトウ「しかし、油断は出来ない、もう一匹の怪獣が近づいているぞ!」
坂田「はい!」
イトウチーフの言う通りアロー2号にベキラが歩み寄ってきたが、後ろへ回り込みながら避けるアロー2号。
坂田「よし、再び背中を攻撃だ!」
佐々木「了解!」
坂田隊長のアロー2号と佐々木隊員と金城隊員の乗るアロー1号はエースフライヤーと共にベキラの背中を撃ち始めた。

ベキラを攻撃しようとするエースフライヤーらを電撃攻撃で追撃しようとするネロンガ。
しかし、運動性能の高いエースフライヤーらの戦闘機でかわしてもベキラにこちらを向かえてしまう。

藤川「隊長、佐々木隊員、ベキラが後ろからアローを狙っています。
佐々木「こっちを狙ってきたか!」
坂田「避けてもベキラに狙われるし、どうすれば…」
イトウ「なら私がネロンガを引きつけよう」
坂田「イトウ隊員…」

「ギャオオオオ!」
その時、巨大なマジックハンドがネロンガを掴んだ!
金城「なんだありゃ!」
上原「マジックハンド…!」
藤川「ネロンガの上側を見てください!」
なんとネロンガを掴んでいたのは巨大な戦闘機だった!
坂田「あれは…」
イトウ「ZATのスカイホエールだ!」

朝日奈「よし、森山くん、一気に怪獣を持ち上げるぞ。」
森山「了解!」
朝日奈隊長の指示によりスカイホエールはネロンガを持ち上げた。
上原「すごい…」
イトウ「これが戦闘機の出来る芸当か」
防衛軍きってのエースパイロットでもあるイトウチーフですらもスカイホエールの高出力だからこそ出来る戦法に驚きを隠せなかった。

「ギャァァァオ!」
スカイホエールに気を取られている隙にベキラがエースフライヤーらの方へ向いた。
坂田「やばい、こちらに気づいたか」
ベキラが口を開くと炎を噴きだしたが、各戦闘機はこれを間一髪でかわす。
ネロンガの辺り一面を炎で包むが、いくらスカイホエールでも限界があった。
二谷「隊長、どうしますか?」
朝日奈「怪獣を炎の中へ落として蒸し焼きにするか」

「よし、あの炎に冷凍レーザーを打ち込むぞ!」
と、その時3機のUFOの様な戦闘機が冷波を地面の炎に放つ。それにより炎は氷の柱と化した。
イトウ「スーパーXか!」
それは陸上自衛隊の首都防衛移動要塞スーパーXとその後継機の2、3だった。

結城「ったく、モゲラの修理が終わればあんな怪獣楽勝なのに…」

パドックでMATらの戦いを見ていた猛は自らが戦いに出れない事に対し自分への苛立ちを覚えていた。
オオヤマ「猛、本当に行くのか…」
猛「行かせてください、僕の変わりに戦っている人の為にも。」
オオヤマ「だが、お前も地球へくるまで様々な戦いをしてきたのはわかる、だからもう少し休んでいて欲しい。」
猛「隊長…」

「オオヤマ隊長、行かせてやってはどうだ」
その一言と共に何者かが現れた。
猛「イイジマ副官…」
それはナンゴウ長官の留守の防衛軍基地を預かるイイジマ副官であった。
レイ「な、何を言うの!そんな失礼な!」
オオヤマ「副官、よく聞いてください。地球の平和は地球人自身で守るからこそ価値があります。それにウルトラマンばかり頼りにしていたらもう防衛軍は終わりです」
イイジマ「大勢で何を言うのかね…現にイトウチーフたちは苦戦しているのだぞ。今こそウルトラマンの力が必要ではないのか」
結城「てめぇ、副官失格だな!モゲラがなおりゃあ怪獣共を蹴散らしてやる!」
ダイアン「もう、あなたに味方がいません。そんなにウルトラマンが来て欲しいなら自分がウルトラマンになってみては」
レイ達の言葉に呆然としてしまうイイジマであった。

レイ「猛さん?」
オオヤマ「まさか…!?」
目を放した隙に猛はパドックを飛び出していた。

既に猛は基地の外に出ると変身道具のブライトスティックを天に掲げ叫んだ!

「エイティー!」

怪獣たちの前に銀色の巨人が立ちはだかった。
黒木「あれは…」
イトウ「猛…」
荒垣「ウルトラマンか!」
金城「やったぞ!」
坂田(郷さん…違う!)
その巨人、ウルトラマン80は怪獣達に向かいファイティングポーズを執った。

イトウ「よし、ウルトラマン80の援護をするぞ!」
坂田「ウルトラマン80?」
イトウ「そのウルトラマンの名前だ!」

「トゥ!」
ウルトラマン80が大きくジャンプし、ネロンガにキックを喰らわせた。
「ピギャォォォ!」
その一撃はネロンガを吹き飛ばしていった。

「トゥ!」
80はベキラの方を向くとベキラにタックルを喰らわせそのまま格闘戦に持ち込んだ。
しかし、80が吹き飛んでしまう!
金城「ウルトラマンが吹き飛んだぞ!」
佐々木「ネロンガか!?」

「ピギャォォォ!」
佐々木の言うとおりネロンガが雄叫びを上げながら姿を現した。

坂田「上原、ネロンガにナパーム弾を落とせ!」
上原「はぃ、一気にネロンガを倒します!」

上原と藤川の操縦するマットジャイロはネロンガの真上にナパーム弾を落とした
上原「喰らえ!」
「ピギャァァァォ!」
ネロンガはナパーム弾から放たれた炎に包まれそのまま爆発四散した。
金城「やったぞ!」
黒木「後はベキラだけか。」

ベキラは80に向かって炎を吹くが80が猛スピードでかわしていくようにベキラの頭上にキックを放った。
イトウ「よし、一気に攻撃だ!」
坂田「はい!」
イトウチーフのエースフライヤーと坂田隊長のアロー2号はベキラに攻撃をしていく。それによりベキラは80の真後を向いた。
「デュワァァ!」
80はベキラの背中にサクシウム光線を放った。
イトウ「ここから離れるぞ!」
坂田「光線を打つのか!」
「ピギャァァァォ!」
80のサクシウム光線によりベキラは一気に粉々になった。

二匹の怪獣を倒した80は空に浮かんだ巨大な文字を見つけた。
「ウルトラサイン…」
その文字を80は驚きを隠せなかった。
「巨大惑星…ウルトラの星に何かがあったのか!?」
そのウルトラサインはウルトラの星へ戻っていたウルトラマンからのサインであった。
ウルトラの星の方向に謎の巨大惑星が迫っているという。その惑星はガバナス帝国の本拠地、惑星ジルーシアだった。
そして、さらに後には宇宙最大の軍団、大星団ゴズマも迫っていた。

「猛…」
オオヤマキャップは自分の見込んだ隊員、矢的猛の真の姿であるウルトラマン80を見上げながらつぶやいた。

「シュワッチ!」
80はオオヤマキャップに首を下げるとウルトラの星へ向かい、大空へ飛び立った。


防衛軍基地の近くの山道からネロンガとベキラを倒されたところを見ていた人影があった。
怪獣を送り込んだ牙隊長ゲドリアンとガテゾーンだった。

ゲドリアン「タイガーめ、奴の呼んだ怪獣は役にも立たなかったな」
ガテゾーン「しかし、岸田は俺たちの側にいる。これでマリバロンの鼻をくじけるだろう」
ゲドリアン「そうか、ダイモニウムさえそろえばブレインも目覚める、これで怪魔界の同胞達を蘇らせる事が出来る」
何故、怪魔界人達がゴメスに協力するのかというと大いなる意思の力で怪魔界を復興しようと企んでいた。

ガテゾーン「よし、ならばブレインの所へ戻ろう」
ゲドリアン「岸田どもめが、自分が大いなる意思に近づこうとしている事を知らずにな…」
二人はブレインへ戻っていった。


戦いが終わりUGMのパドックにはMAT隊員たちも来ていた。
坂田「本当に申し訳ありませんでした。サターンZも奪われてしまって」
オオヤマ「何を言うのかね、君達は防衛軍基地を守り怪獣達とも勇敢に戦った」
上原「と、言う事は我々はバラノイアの追撃に当って欲しいわけですね」
イトウ「うむ、まだバラノイアの本拠地はつかめていない、頼むぞ」
坂田「では、我々は基地で補給を行ってからバラノイアの本拠地を追跡します」
坂田隊長以下MAT隊員たちはMAT基地へ戻っていった。


冷凍怪獣バルゴンの吐く冷凍光線によって凍り付いてゆく町。
かつて大阪の町を氷漬けにしたほどの強さを持つバルゴンは
今度は名古屋を氷漬けにしようとしていた。
だが、その時。

「ゾーンダブルファイトッ!」
ゾーンファイターと…
「これ以上好きにはさせないダップ!」
ダップとVRVマスターの乗ったビクトレーラーが到着した。

だが、バルゴンはそれに気が付いていないのか背中を向けている。
「ダプ? 気付かれてないダップか?」
「ガバアァァァァッ!」
しかしその時、バルゴンの背中から虹色の光線が発射された。
太陽遮る悪魔の虹だ!
それを寸でのところでかわすビクトレーラーとゾーンファイター。

さらにバルゴンはこちらの方を振り返ると一気に冷凍光線を発射した。
たちまち白くなっていくゾーンファイターとビクトレーラー。
このままでは動けなくなってしまう。

「このままじゃ氷漬けになってしまうダップ!」
「ダップ、諦めるな!ここで死んでは恭介たちとは会えないんだぞ!」
「はっ…そうダップ!」
ゲンバーを倒しバルカンベースへとやって来たダップたちだったが
カーレンジャーたちは既に長野へと旅立った後だった。
すぐに後を追おうとしたが各地に怪獣が出現、嵐山長官からの頼みで名古屋へと出動したのである。
「ここで負けたらみんなに合わせる顔がないダップ! 必勝合体!」
ビクトレーラーの中から5台のVRVマシンが発進し合体を始めた。
「エンジン絶好調!VRVロボダップ!」
ダップは暴走皇帝エグゾスを倒した後、必死にVRVロボの操縦を覚えたのだ。
「くらえダップ!」
VRVロボの怪力がバルゴンを投げ飛ばした。

一方、白くなり片膝を付くゾーンファイター。
「ジュニア、スモーキーで氷を溶かしましょう!」
「OK!」
スモーキーから赤い光線が発射されゾーンファイターに当たる。
白くなっていたゾーンファイターは、たちまち元のゾーンファイターに戻った。
「やったわ!」

バルゴンに向かってファイティングポーズを取るVRVロボとゾーンファイター。
「ガバアァァァッ!」
だがバルゴンはなおも冷凍光線を吐く…だが同じ手を2度も受けるゾーンファイターではない。
「流星風車!」
ゾーンファイターの体が高速回転し、冷凍光線を跳ね返す!
「よし今だ!ダップ!」
「流星ミサイルマイト!」
「ビクトリーツイスター!」
ゾーンファイターとVRVロボの必殺技が同時に決まる。
「ガバアァァァァァッ!」
それをうけたバルゴンは炎に包まれ大爆発を起こした。

「よし、長野へ向かうダップ!」
VRVロボをビクトレーラーーに格納すると、長野へ向けて飛んだ。
マイティライナーとスモーキーもそれを追った。

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最終更新:2013年03月05日 17:47
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