第84話 二次元の世界へ


東京近郊にある大利根航空に立花ナオキと鏡京太郎はいた。
京太郎「村上隊長たちは長野に向かうそうだ」
ナオキ「あれだけ基地が破壊されたら当然だよな」
グランドキングの襲撃によって基地が壊滅したために小野寺参謀の指示でPATは長野に移動することになったのだ。
ナオキ「ジャイアントはタイに戻って行ってしまって俺たちは東京に残されちまった」
京太郎「そう言うなナオキ。いま関東一帯の防衛軍の人員が不足しているんだ仕方がない」
ナオキ「まあジャンガーZも加わったから問題はないな」
京太郎「だがこの役目は重要だ。油断は禁物だ」
いつになく真剣な表情で京太郎は言った。

その時二人の近くの鏡に謎の男が写し出された。
「京太郎。聞こえるか京太郎…」
驚いて二人は鏡をのぞきこんだ。その男の顔を見た京太郎は驚いた。
京太郎「とっ父さん!?」
そうその男こそ初代ミラーマンで鏡京太郎の父親その人であった。
「京太郎そしてナオキ君聞いてくれ。いま二次元世界が重大な危機に陥っている」
ナオキ「なんですか。その危機とは!」
「いま二次元世界は、インベーダーとグロース星人の連合軍によって攻撃されているんだ」
京太郎「なんだったて!まさか奴ら大いなる意思の力で蘇ったのか!」
「その可能性が高い。いま我々はエメラルド星人と協力して立ち向かっているが苦戦している。なので二人の協力が必要になったのだ」
ナオキ「エメラルド星人も一緒なのか…」
「そうだ。二人はTACと呼ばれる組織と会ってほしい。そうすれば三次元と二次元の世界を同時に救うことができる近道だ。二人とも頼んだぞ!」
京太郎「父さん!!」
そう言うと京太郎の父は鏡から姿を消した。

ナオキ「グロース星人め。まさか蘇っていたのか!」
ナオキは怒りに満ちた声で言った。ナオキが怒るのも無理はない。
かつて彼の兄である信也はグロース星人に殺されたのだ。
京太郎「ナオキ落ち着くんだ。それよりもなぜ父さんはTACに会えと言ったのかを
考えよう。きっと何か意味があるはずだ。」
ナオキ「TAC…確かTACは異次元人ヤプールと超獣を相手に戦った組織だ」
京太郎「ヤプールか。二次元の世界でも奴らの名は有名だった」
ナオキ「待てよ。確か村上隊長から聞いた話だとTACはヤプールとの決戦の時に異次元に転送する装置を開発したって噂を聞いたぞ」
京太郎「そうかわかったぞ!父さんの言いたかったことが!父さんはナオキ。君が二次元世界に行くためにその装置のことを伝えたかったんだ」
ナオキ「なるほどそういうことだったのか。じゃあすぐにでもTAC極東支部に
向かおう!事態は一刻の猶予も許されない状況だからな。とりあえずジャンカーZに乗ってくれ!大社長がジャンセスナをまた勝手に使ったら首だ!言っていたからな」
京太郎「ああすぐに行こう。確かTAC極東支部はここからだと三時間で着く」
二人は急いでジャンガーZに乗ってTAC基地に向かった。


その頃二次元世界のとある場所で会議が行なわれていた。
会議をしているインベーダーとグロース星人総司令官のデモンゴーネである。
インベーダー「どうですか。デモンゴーネ閣下進行状況は?」
デモンゴーネ「エメラルド星人が加勢しているのでしぶとく抵抗しているが力負けするのは時間の問題だと思われている」
インベーダー「まあこの二次元世界さえ占領するば三次元世界のあらゆる場所から侵略が可能となりますからね」
デモンゴーネ「くっくっく…見ているがいい。立花ナオキ!すぐに二次元世界を占領して貴様を我々のこの手で地獄に引きずりこんでくれるわ!」
いま二次元世界に最大の危機が訪れた…。


場所は変わりTAC基地の独房に二人の男が閉じ込められていた。鏡京太郎と立花ナオキである。
大利根航空を出発した後二人はMYDOがゴラス破壊に行った直後に到着した。
しかし何故か二人は取り調べをされずに地下の独房に入れられてしまったのである。
「何故取り調べもやらずに独房に入れたんだろう」
「いくら状況が良くないからってこんな扱いしやがって!」
二人の声が真っ暗な独房に響き渡った。
その時聞き覚えのない声がどこからともなく聞こえてきた。
「それは君たちが我々の邪魔者だからだよ。鏡京太郎、立花ナオキ!」

「誰だ!どこからしゃべっていやがる!」
ナオキが怒鳴り返すとその声は笑い声をあげた。
「私はこの基地の長官だよ。しかし正体は宇宙人だがね!」
「宇宙人だと!」
「そうさ。私メフィラス星人とメトロン星人はこの基地の長官だ。だがTACおよびこの基地にいる防衛軍の連中は私の正体は知らないけどな」
「ここの連中は騙されているということか!」
「その通りさ。しかし私の計画に思わぬ障害がやってきた。君たち二人だ。君たちにこの基地を自由に移動してもらったらいろいろとやっかいだからな。
そこで君たちを独房に入れたというわけさ。そこならミラーマンとジャンボーグ9にはなることができないからね」
「くそう!汚いぞ!」
「なんとでも言うがいい。もしその扉を開けようとするならばやめておけ。もし開けば動力室に仕掛けた爆弾が爆発してこの基地は消える。
まあ我々の目的が達成した時は君たちを洗脳していいよう使わせてもらうけどね」
そういうと再び笑い声がした後声は消えた。
残された二人は悔しさと不甲斐無さを実感した。


「ゴラスを破壊できたと言うのは本当か?」
報告を聞いた武上参謀が、慌てて喜びに沸き返る指令室にやってきた。
「はい参謀。今、薩摩隊長から連絡がありました。5時間後には基地に帰還できるそうです」
山中隊員が笑顔で武上に告げた。
「しかし、スカイシャークの装備でどうやって?」
「はい、敵の襲撃をうけ、かなり不味かったようですが、スターピースの力で破壊できたそうです」
「スターピース…何だねそれは?」
「えっ、参謀。バルカンベースでの会議の報告書に書いてあったじゃないですか?」
「んっ、ああそうか、アレの事か。いや、色々あったのでど忘れしたようだ」
「んっ?」
その返事を聞いた竜隊長は、武上参謀に違和感を感じた。
何故なら、バルカンベースでの会議の報告書を、竜隊長の前で確認し
ゴラス破壊後にTACでもスターピース捜索を行なうように命じていたのであった。
「(もしや…)」
そして、その違和感は、ある疑念へと変わりつつあった。
「武上参謀!」
そこへ、青ざめた顔をした右田参謀が指令室に入って来た。
「どうした?」
右田参謀は、武上参謀に近付くと耳打ちをした。
「そうか、ゴラス破壊は本当のことか。だとしたら、我々がここにいる理由はもうないな」
武上参謀は、指令室にいる竜達を見回しながら、今まで違う低いトーン
声で言った。
「はあ、参謀、なにいってんすか?」
今野が、武上に呑気に言った。
「参謀もしや!」
そう言うや、竜は武上達に銃を向けた。

「隊長どうしたんですか?」
「竜君!」
その場にいた者達は、竜隊長が参謀に銃を向けた事に驚きの声を上げた。
「そう、竜隊長、君の思った通りだよ。基地内の隊員達が、動けなくなっり、
暴れ出したりした事、変電室が破壊されたのも全て我々の仕組んだ事だ」
そう言うと、武上と右田は、メトロン星人Jr.とメフィラス星人(2代目)の姿に戻った。
「メトロン星人Jr.とメフィラス星人!」
その姿を見た山中達も、一斉に銃を向けた。

だが、次の瞬間、基地内は激しい揺れに襲われた。
「どうした?」
「大変です。キングオブモンスが、マリア3号建造工場に出現しました」
オペレーターが写し出したモニターの中に、建造中のマリア3号を抱きかかえ、天井を突き破り飛び去っていく姿が写し出された。
「あっ、マリア3号が!」
「隊長、格納庫にマグラーが!」
別のオペレーターが写し出したモニターには、TACの戦闘機を破壊しているマグラーの姿があった。
「マリア3号と、そのデーターは我々が貰っていく」
そう言い、メメトロン星人は、マリア3号のデーターの入ってディスクを竜達に見せた。
「このディスクには、会議の記録も入っている、スターピースの事も、じっくりと調べさせてもらうぞ」
「撃て!」
竜達は、一斉にメトロン星人Jr.メフィラス星人に向けて引き金を引いた。
だが、両星人は竜達の目の前で姿を消した。
「フハハハハ。基地の防衛機能は麻痺状態の今、TAC基地はもって後30分。辞世の句を考えるのが関の山だな」
指令室にメフィラス星人の声が空しく響いた。

「くそー、メトロン星人とメフィラスめ!」
「みんな、格納庫に向かうぞ。マグラーを倒すんだ!」
「はい」
「隊長!地上にプラズマとマイナズマが現れました!」
マグラーを倒すために格納庫に向かおうとして竜隊長に、オペレーターは悲痛な声を上げた。
「何!」
モニターには、地上の施設を破壊しているプラズマとマイナズマの姿が写し出されていた。
変電室が破壊され、防衛機能は麻痺し戦闘機も使い物にならない今、もはや、TACは全滅を待つのみであった。

地上のプラズマとマイナズマは合体し地上施設を破壊し続けていた。爆散する防衛機能、燃えるレーダー、TAC基地はなすすべなく全滅を迎えようとしていた。
その時、天空から声が聞こえた。
「ミラーキック」と
そうそれは、地下独房に閉じ込められていた鏡京太郎が「ミラースパーク」の掛け声とともに変身した姿ミラーマンであった。
鏡京太郎は、地下で暴れるマグラーによってできた壁の亀裂から立花ナオキと共に独房を脱出していたのだ。
脱出後、二人はTAC基地を三大怪獣から守るため別れて戦うことにしたのだ。
ミラーキックは完璧なまでに命中した。しかし、合体したプラズマとマイナズマの驚くべき硬さによって威力はほとんど半減されてしまった。
攻撃され、怒ったプラズマ、マイナズマはミラーマンを軽く吹っ飛ばしていった。
ミラーマンは、この戦いが辛いものになるであろうと確信した。
また、地下のマグラーと戦う立花ナオキは炎や瓦礫にに行く手を遮られていた。

地下でマグラーと戦う立花ナオキは周りが炎と瓦礫で身動きができないでいた。
絶対絶命のその時
「隊長!あそこに人が!」
「私が怪獣の気をそらすからその隙に彼を助けるんだ」
マグラーを迎撃に着た竜隊長たちTACであった。
竜隊長がマグラーをおびき寄せている間に隊員たちはナオキを救出した。
「隊長!救出終わりました!」
「よし!急いで地上に出るんだ!ここでは我々が不利だ!」
ナオキの救出に成功したTACはマグラーを迎撃しつつ地上に出た。
「立花ナオキ君だね。噂に聞いている。」
「俺のことを知っているんですか。」
「ああ、君の兄である立花信也君とは知り合いでね。君のことも話していたよ」
「そうですか。それより俺の車はどこにありますか」
「君の車は確か格納庫の外にある。破壊されてはいないぞ」
それを聞いたナオキは安心してTACと共に外に出た。

マグラーを地上におびきだしつつTACとナオキはジャンカーZに辿り着いた。
「確かに無事だ。よし!TACの皆さん後は任せて下さい!」
「後は任せろってどうするつもりだ?」
山中隊員が不思議がっているとナオキはジャンカーZに乗りこんで地上に出てくるマグラーに向かって行った。
「おい!気でも狂ったか!」
呼び戻そうとするTACを無視してナオキは兄の形見の腕時計が光るの確認すると
「ジャンファイト!ツーダッシュ!!」
その場にいたTACは目を疑った。なんと車が一瞬で巨人に変形したのだ。
「すごい!これならあんな怪獣なんか一捻りだ」
吉村隊員が感心していると美川隊員が
「隊長!見てください!周りの景色がおかしいです」
なんと周りの景色が歪んでいた。ジャンボーグ9とTAC、それにマグラーの周りが
どんどん歪んでいっているのだ。
「これはまさか…いかん!全員この場から逃げるんだ!」
しかし時すでに遅く周りの空間の歪みが激しくなったかと思うと閃光を放った。
そして次の瞬間ジャンボーグ9もTACもマグラーもその場から消えてしまった。

その様子を遠くで見ている者がいた。メフィラス星人とメトロン星人Jrである。
「どうやらうまくいったようだな。しかしまさかお前があんなことを思いつくと思わなかったぞ」
「まあな。TACのデータを調べている時にふと見つけてな。それを改造しただけさ」
なんとメトロン星人Jrが作ったのは京太郎とナオキが探していた異次元転送装置だったのだ。
メトロン星人Jrはこの装置の存在を知りみずからの手で小型にして作り上げたのだ。
そして時を同じしてやって来た京太郎とナオキを独房に閉じ込めてその間にジャンガーに装置をとりつけてジャンボーグ9になるのと同時に作動するように設定したのだ。
「いったい何処に奴らを転送したのだ?」
「転送先は設定はしていない。まあ奴らが何処に行こうが生きて帰ってこれまい」
「確かにな。さて我々はもうここには用ないな。後はプラズマとマイナズマがミラーマンを始末してくる。
いくらミラーマンといえどもウルトラマン80が単独で戦って勝ってなかった怪獣たちに勝つことは無理だからな」
そう言うとメフィラス星人とメトロン星人はどこかに消えてしまった。


一方その頃ミラーマンはプラズマとマイナズマの攻撃に苦しんでいた。
2匹は分離と合体を駆使してミラーマンに攻撃の隙さえも与えなかった。
ミラーマンが苦しそうにナオキが戦っているはずの格納庫を見ると格納庫の周りの空間が空間転移の状況になっているのが見えた。
(まさかあれは空間転移!それも僕が二次元界に行く時の状況に似ている)
しかしその考えは2匹の攻撃によって途中で消えてしまった。
ミラーマンを態勢を立て直すを確認するとプラズマとマイナズマは合体してとどめを刺そうとした。
(わかったぞ。あの怪獣たちの弱点が!奴らは合体した直後エネルギーを貯めるため一時的に動きを止めるんだ。
しかし奴ら自身そのことに気づいているから相手が態勢を崩さないと合体を解除しないんだ。よしそれなら!)
ミラーマンは合体した2匹に向かって行くと
「ミラーハレーション!」
太陽光線を利用したかく乱戦法ミラーハレーションを使った。
プラズマとマイナズマは混乱していちかばちかミラーマンに最大級の電撃光線を発射した。
そしてそれはミラーマンに当るとミラーマンは苦しそうに倒れてしまった。

2匹は勝利を確信して合体を解除したその時!
「ミラクルキック!」
なんと倒れたミラーマンの反対側からミラーマンが攻撃してきたのであった。
ミラクルキックは見事マイナズマに直撃したそしてプラズマに間髪入れず
「シルバークロス!!」
を放って見事プラズマとマイナズマを仕留めた。
そしてミラーマンは鏡京太郎に復身して格納庫に向かおうとすると
「君!大丈夫か!」
見ると向こうから科特隊のムラマツキャップとアラシそしてチームEYESのヒウラ隊員とフブキ隊員が駆けてきた。
「ひどい怪我だ!大丈夫ですか!」
「これぐらい平気ですよ…」
「君は確か鏡京太郎君じゃないか!解体されたSGMの特別隊員の!」
「はい。僕は鏡京太郎です。それより格納庫でいったい何があったんですか。ぐっ!」
京太郎はその場で倒れてしまった。
「京太郎君、京太郎君!アラシ!彼をどこかで休ませて手当てをするんだ。
ヒウラ君とフブキ君は私と一緒に無事な通信室に行ってPATの村上隊長に連絡するんだ!」
「了解!」
残されたメンバーは行動を開始した。


TAC基地に宇宙から帰還したMydoそして連絡を受けて長野から来たPATが到着した。
ムラマツキャップはTAC基地で何が起きたのか説明した。
「マリア3号の強奪、バルカンベースでの会議の内容をディスクに記録して逃走さらにTACとナオキ君の行方不明か。
ムラマツキャップ何故TACとナオキ君は行方不明になったのかね」
PATと行動を共にしていた小野寺参謀が質問するとムラマツキャップは
「それが目撃した人は京太郎君しかいないので我々には説明することができないんです」
格納庫はマグラーに破壊されたために監視カメラも破壊されて状況を知る術がなかったのである。
「京太郎君は我々に動力室に爆弾があることを教えてくれたのですが、それ以外のことを話そうにも怪我がひどいためにそれ以上話せないんです」
「となると京太郎が回復しない限りどうすることもできないというわけか。わかった。さてこれからどうするのか君たちの意見を聞こう」
小野寺参謀はみんなに聞いた。

初めに口を開いたのは薩摩隊長だった。
「私はバルカンベースに向かった方がいいと思います。まずは一刻も速く嵐山長官にこの事実を伝えて対策をとる方が先決です。
それに京太郎君の怪我を治すにも万全の設備が整った場所の方が良いと思います」
「私も賛成です。長野の防衛軍基地で補給をしていた時の情報ではバルカンベースが大規模な攻撃を受けたという情報は聞いていないのでその方が良いと思います」
「わかった。ではTAC基地は梶主任に任せて我々はバルカンベースに向かおう。では全員用意ができしだい出発だ。」
「了解!」
そしてそれぞれが出発の準備をしている時村上隊長はムラマツキャップたち待機していたメンバーを呼び止めて
「ムラマツキャップたちは我々のジャンボフェニックスなどに乗りませんか?格納庫の戦闘機が破壊されたのでどうでしょう」
「分かりました。我々も使わせてもらいます」
数分後彼らは一路バルカンベースに向かった。


「まさか、宇宙警察に乗り込まれるとは、私とあろう事がすつかり油断していた」
「ご安心を、この本部ならば誰にも気付かれることはありません」
こうぼやきながら、第2本部に到着したベンゼン星人を待っていたのは宇宙一の頭脳を持つガッツ星人、裏社会の実力者タイラー星人ダーデン、
夜の帝王と呼ばれている父親の名代出やって来たマーダラー3兄弟であった。
 「会長、御無事でなによりです。さっ、こちらにおかけ下さい」
「うむ、諸君達には迷惑をかけてしまった」
ガッツ星人に促され、ベンゼン星人は会長席に腰を落とした。
「ところで、宇宙警察の方はどうなっているのかね?」
「はい。現在、主力艦隊の80%が壊滅。宇宙警察の監獄惑星の2/3は陥落しています」
ガッツ星人が答えた。
「どうですか会長。開放された囚人達を我が会の会員にすると言うのは?」
武闘派でもある3兄弟の兄がベンゼン星人に提案した。
「いや、囚人達はこのまま好きにさせたいと方がいいだろう。下手に会員にすると
我々の仕業と分かってしまう。それに、好きにさせておけば、宇宙警察いや銀河連邦
警察らの注意も引き付けておける」
「おお、さすが会長。深謀遠慮に頭が下がります」
兄は深々と頭を下げた。
「しかし、この計画が上手く言ったのは、特別会員になられたあのお方の尽力
があったからこそですな」
ダーデンがそう言うと、扉が開き一人の男が入って来た。

「おお、会長戻って来たか」
「クロガネ殿、貴殿には世話になったな」
そう、特別会員とはダルガ帝国皇帝ダルガことライザーパワーを身に付けた暗黒魔神クロガネであった。
ジャスティライザーに倒された後、後継者争いの内部分裂で弱体化し各地で反撃にあい壊滅状態にあったダルガ軍は、復活したダルガことクロガネにより再集結し、
かつての戦力まではいかずとも、ウオフマナフと互角以上の戦力を持っており、当然、宇宙警察など足下にも及ばないのであった。
「地球を破壊するためなら、このクロガネ、全面的にウオノメ・ナマコに協力するぞ」
「おお、頼もしい」
その場にいた者達は、クロガネの頼もしい発言に声を上げた。

「会長ただいま戻りました」
そこへメトロン星人Jr.とメフィラス星人が帰還して来た。
「おお、マリア3号建造阻止御苦労だったな」
「それにしても、忌々しいのはあの謎の光だ」
「確かに、あの謎の光さえなければ、ゴラスで地球を破壊できたのに…」
苦々し気に言うベンゼン星人にガッツ星人が答えた。
「会長、あの光はスターピースと言う物の光だそうです」
「スターピース?」
「はい、奴らから奪ったマリヤ3号とそのデーターと一緒に、スターピースに関する記録を持って来たのでご覧下さい」
そう言い、メフィラス星人はTACから奪って来たCDを差し出した。
「でかした、では早速見てみよう」

「…スターピースか。『大いなる意志』に対抗するためのカギでもあるのかそれは、ともかく、また我々の計画の邪魔になるかもしれんな」
CDのデーターを見てベンゼン星人は口を開いた。
「ヒーロー共の手に渡らない内に我々が見つけて破壊するのが賢明ですな」
「うむ」
ガッツ星人にその場にいた者達が全員賛同した。
「ならば、その任務は我々にお任せを」
そう言いながら、暗闇の中からぺガッサ星人が姿を現した。
「おお、ペガッサ星人」
「スターピースは地球に済む我らペガッサ一族が必ず手に入れて見せます」
「頼んだぞ…」
「はっ、分りました」
そう言うと、ペガッサ星人は暗闇に姿を消した。

「では、諸君。我々は「破壊と言う名の芸術」を楽しむための新しい計画を考えるとしようでしないか」


正義と悪が激しい戦いを繰り広げている頃二次元界ではインベーダーとグロース
星人の連合軍とエメラルド星人と二次元人の連合軍が戦いを繰り広げていた。
「くそう!なんという強さだ!これが怪獣の強さか!」
「こいつら光物質ガラスで光線が効かないぞ!」
エメラルド星人たちはジャンキラーとアロザとアリゲーダーの攻撃に苦戦していた。
怪獣たちは強くなっておりさらに光物質ガラスを装備しているので光線技が通用せず苦戦をしいられていた。
「みんな覚悟を決めろ!行くぞ!!」
全員が覚悟を決めたその時
「見ろ!あれは何だ!」
怪獣たちとエメラルド星人の間の空間に歪みが発生していた。
その歪みが激しい閃光を放つとそこにTACとジャンボーグ9とマグラーが現れた。

転送されて来たTACは
「ここは何処だ!」
「あれはウルトラマン?でも目がエメラルドだ。」
そんな中ジャンボーグ9を操縦していた立花ナオキは
「エメラルド星人!?まさかここは二次元界か!?」
エメラルド星人たちは
「ジャンボーグ9!立花ナオキか!」
「しかしどういうことだ鏡京太郎がいないぞ!」
混乱した状況の中で立花ナオキは
「とにかくTACのみなさんを安全な所に運ぶか」
ジャンボーグ9はTACをエメラルド星人たちの元に向かうと
「彼らを頼みます」
「油断するな立花ナオキ!あの3匹の怪獣たちは光物質ガラスを装備していて光線技を使うと吸収して撃ち返してくるぞ」
「わかった。なあにジャンボーグ9はそう簡単に負けはしないぜ!」
そう言うと立花ナオキはジャンボーグ9で戦いに向かった。

しかし、マグラーを除いた3匹の怪獣たちは強くしかも怪獣同士とは思えない連携でジャンボーグ9と互角の戦いを展開する。
「こいつら本当に怪獣か?見事すぎる連携攻撃だ。くそう!グロース星人め!
そうとうこいつらを鍛えたんだな。よしそれならまずは俺たちと一緒に来ちまった怪獣からだ!」
ジャンボーグ9はいったん距離をとるとマグラーめがけて
「ミラクルフラッシャー!!」
光線は見事マグラーに直撃しマグラーは粉々に粉砕した。
「よし!まずは一匹!お次はこいつらだな。光線が効かないぐらいでジャンボーグ9を止められると思うなよ!くらえ!ブーメランカット!!」
ジャンボーグ9は頭部のジャンカッターを怪獣たち目掛けて投げつけた。
ジャンカッターはアロザの首を切り落とすとジャンボーグ9の手に戻ってきた。
すると再びジャンボーグ9はジャンカッターを投げて今度はアリゲーダーの首を落としてジャンボーグ9の頭部に装着した。
「最後はお前だ!くらえ!ダイナマイトパワー!!」
ジャンボーグ9の体にエネルギーが走るとジャンキラーに突っ込んだ。
ジャンキラーはたちまち爆発してしまった。
「ふうやっと終わった。しかし怪獣がここまで強いとは侮れないな」
ジャンボーグ9はエメラルド星人たちの元に戻って行った。

ジャンボーグ9はエメラルド星人たちの元に戻ると一人のエメラルド星人が
「立花ナオキ。事情はTACの人たちから聞いた。そして我々を助けてもらってありがとう。感謝する」
「なあに助けることなんて当たり前の今度ですよ」
「そうだな。それからTACの竜隊長と話していっしょに鏡の国に向かうことにした。その事に異論はないだろうな」
「もちろんです。そもそも俺は二次元界を救うために行動していたんだ。そのほうが都合がいいですから」
「分かった。では敵の援軍が来る前に出発するぞ!」
こうしてTACと立花ナオキはエメラルド星人たちと共に鏡の国に向かった。


鏡の国そこはかつてインベーダーの侵略によって破壊された国であった。
しかしインベーダーの侵略から生き残った二次元人たちの努力によって長い年月をかけて復興した。
今ではいろいろな星の人たちが鏡の国に訪れるようになるまでになった。
その鏡の国に立花ナオキとTACが到着した。
彼らはある部屋に通された。
「ようこそ立花ナオキ君、TACのみなさん」
「ミッ、ミラーマン!?どうしてここに!」
ナオキが驚くのも無理はない。そこに立っていたのはミラーマンだったのだ。
「私は京太郎の父親。鏡と呼んでくれてけっこうです」
「鏡さん私はTACの隊長の竜と申します。よろしくお願いします」
そう言って竜隊長が握手をしようとするとミラーマンの体をすり抜けてしまった。
「ゆっ幽霊!?」
驚く一同にミラーマンは
「先に言っておくべきでしたな。私はインベーダーの罠にはまって三次元で生きるための肉体を失ってしまったのです。
ごらんの通り二次元の物質なら触れるのですが三次元の物質には触ることができないんです」
「そうだったんですか。失礼なこと言ってすみませんでした。」
「いえたいした事ではないので気にしないでください。それより話したいことがあるので椅子に座ってください」
そう言われて一同は椅子に座った。

「では我々は地球に戻ることはできないんですね」
「そういうことになります。せめて京太郎が一緒ならば皆さんを戻すことができたのですが…」
ミラーマンの話はTACにとっては絶望的であった。鏡の国は地球とは国交を結んでいなかったので地球には鏡の国に行くための転送装置がなかった。
そのため鏡の国から地球に戻ることができなかったのである。
そんなTACと対象的にナオキは
「鏡さん。それよりインベーダーとグロース星人の本拠地はどこにあるんですか!」
「インベーダーとグロース星人はある遺跡を本拠地にして活動しています」
「遺跡?」
「詳しく話した方が良さそうですね」
そう言うとミラーマンは語り始めた。
鏡京太郎が三次元界に行った後、二次元界である遺跡が発掘された。
その遺跡には古い一冊のノートがあるだけの不思議な遺跡であった。
遺跡に外傷はなく争った形跡もなかった。ノートが見つかった階層より下の階を調べようとした矢先にインベーダーとグロース星人に襲われて調べることはできなかった。
「これがそのノートです」
そう言うとミラーマンはノートをナオキに渡した。
「これが…」
「そうです。字はかなり古いので読むことができません。
しかもそのノートの材質は三次元と二次元の物質が使われているので多分二次元人と三次元人の手によって作られたということは確かです」
「なるほど。」
一同がノートに対して考えていると
「話すことは他にはありません。それとみなさんのために部屋を用意したので使ってください。
とにかくなんとかみなさんを地球に戻せるように努力してみます」
「わかりました。我々もそれまではインベーダーとグロース星人から鏡の国を守ってみせます」
そう言って一同は二次元人たちに案内されて部屋に向かった。


「会長、入ります…」
「ほう、X星人と例の地球人か…」
ベンゼン星人達の目の前に二人の男が現れた。
世界各地に怪獣を送り込んで地球侵略を企んだX星人とスペースビーストを生み出した「ザ・ワン」と融合した有働貴文であった。
「おい、どうして我々の敵である地球人がどうしてこの星にいるのだ?」
ダーデンが有働を指を刺しながら叫ぶ。
「それは私にも分かりません。ただ気が付いたらX星人殿の宇宙船にいたからです」
「フフフ、この有働という男、我々の力になろうとしているのです。だから彼を信じてください」
有働を信頼して欲しいかの様にX星人は不気味に笑った。
「ところでX星人殿、デスギドラとやらの封印は解けたのかね」
「メトロン殿、ご安心を。デスギドラは完全体になっており翌日には地球に送り込みます」
X星人がメトロン星人Jrに聞かれ、そのデスギドラという怪獣に関して答える。
デスギドラとは六千万年前に恐竜を滅ぼした怪獣であったがモスラ一族によって北海道の森林奥地に封印された。
現代にも森林伐採によって封印が解かれたが、モスラの活躍により再び封印。
そして、X星人の手によって三度目の封印が解かれたのであった。
「あの植物のエネルギーを吸収出来る怪獣か!」
「その通りです。この化け物を使えば地球を滅ぼすのも容易いので会長達はここで見ていてください」
クロガネがデスギドラの力を見抜くとX星人が皆を挑発するように笑い部屋を去った。
「あの若造め、我々を馬鹿にしてるのか」
メフィラス星人が部屋を去るX星人の挑発に乗ってしまう。
「メフィラスよ、落ち着け。あのX星人に任せようではないか」
ベンゼン星人がメフィラス星人を落ち着かせる。

「会長、私は蘇った時に大いなる意思とやらの声を聞きました」
「ほお、様々な者達を蘇らせた大いなる意思か」
「奴は『我が計画の邪魔となる光を導く者の一人を始末しろ』と言われました」
有働がベンゼン星人に一枚の写真を見せる。
「この少女は?」
「大いなる意思がこの少女を光を導く者の一人と言っていました」
その写真に写っていたのは望月綾で彼女こそ三人目の光を導く者であった。
「この少女を探すというのか?」
「その通りです。既にこの少女は月にいると言われました」
ジュニオに聞かれるが有働は淡々と答えていく。
「では私はその少女をここへ。会長、これでよろしいですよね」
「頼むぞ、転送装置がもうすぐ完成するのでこれで月へ行くがよい」
有働はベンゼン星人に頭を下げると部屋を去った。
既にデータを元に転送装置を作っていた。
これによりスペースデブリに包まれれている月へと無傷で向かう事が可能になった。

「X星人とザ・ワンか…さてどこまで出来るかな?」
ベンゼン星人は二人の名を呟きながらワイングラスを回した。

「しかし会長、デスギドラで地球を滅ぼすというのは、我が会の主旨とちがうのでは?」
二人が出て行った後、マーダラー兄が、会長に疑問を投げかけた。
そう『ウオノメ・マナコ』は地球を破壊する事を目的とした会であり、デスギドラで地球を滅ぼすというのは、会の目的と違っていたのであった。
「それが、そうでもないのだよ。給食委員説明したまえ」
ベンゼン星人は、メトロンJr.に説明を促した。
「へっ、私はいつ給食委員になったのでしよう?」
「気にするな」
「はぁ、じゃあ、みなさん、これを見て下さい」
メトロンがそう言うと、空間に小さな金属の球体のホログラムが浮きでた。
「これは?」
「これは、エネルギー吸収爆弾、エネルギーを吸収すればするほど、破壊力が増します。
これをデスギドラの体内に飲み込ませてあります」
「ほほう」
「デスギドラの体内で、奴が吸収したエネルギーは、爆弾に吸収されるのでデスギドラは常に空腹状態。それゆえ、デスギドラの活動能力は通常の10倍以上になります」
「ようするに腹減ってるから、空腹を満たすために活動が活発になると言う訳か」
「はい」
クロガネにメトロンは答えた。
「そして、奴が吸収しまくり、爆弾の臨界点をこえると爆発をおこし、地球は吹き飛ぶというわけです」
「ほほう、それは素晴らしい」
メトロンの説明に一同は感嘆の声を上げた。
「しかも、今回はデスギドラに特殊シールド発生装置を埋め込み、姿を肉眼、レーダー等科学機器でも見つからないようになっています。
さらに、デスギドラを人目につかない南米奥地で復活させそこから活動させ。滅ぼす度に人目のつかないジャングル等で移すので、この混乱の中デスギドラに気付く者はいません!説明終わり」

「話のオチとか締めはないのかよ!」
マーダラーは突っ込んだ。


二次元界の遺跡の最下層でデモンゴーネとインベーダーがある物を調べていた。
「結論を言うとこれは古代兵器の設計図です。動力源に星形の何かを取り付けて機動するようです。それ以外は字が読めないのでわかりません」
「どちらにしてもいまの我々には必要はないな。一応保管はしておくとしよう」
「閣下!」
そこにサタンゴーネが走ってきた。
「サタンゴーネどうした」
「デモンゴーネ閣下!ジャンボーグ9いや立花ナオキが現れました!奴はエメラルド星人たちを助けると鏡の国に向かいました。
それと何故かは知りませんがミラーマンは現れませんでした」
「そうかわかった。それよりサタンゴーネ。光物質ガラスはどれくらい残っているんだ?」
デモンゴーネが聞くとサタンゴーネは
「それが光物質ガラスは怪獣に装着できたとしても4体しか装着は無理です」
その報告を聞くとデモンゴーネは
「インベーダーのみなさん。お聞きの通りいま我々は非常に不利な状況です。
この状況を打開するには我々もどこかの組織に入らなければなりません」
それを聞いたインベーダーの一人が
「しかし閣下!どこの組織も隙あらば何をするかわかりません。危険ではないでしょうか?」
「安心したまえ我々はそんな危ない所には行きませんよ」
「では何処の組織に行くつもりですか?」
それを聞いたデモンゴーネは少し間を置いてから答えた。

「ウオノメ・マナコ」
「ウオノメ・マナコ!?あんなふざけた連中の所に行くつもりですか!」
インベーダーの一言にデモンゴーネは
「奴らの目的は地球の破壊。ならばインベーダーのみなさんにとって都合がいいじゃないですか。
地球人たちに自分たちの味わった悔しさを教えてやれるのですからそれに会長のベンゼン星人はああ見えてもかなりの切れ者」
「確かにしかしそう都合良く入れてくれるのでしょうか?」
「大丈夫だ。そんなことあろうかと手土産を用意してあります」
「手土産!?」
驚いている一同にデモンゴーネは
「手土産はこの古代兵器の設計図です。これは我々にはいらない代物なんだったら奴らにあげた方が都合がいい」
デモンゴーネの提案に一同は感心した。
「とにかくいまは下手に動かない方がいい。動くの明日にしましょう」
それを聞いたインベーダーとサタンゴーネはそれぞれ持ち場に戻って行った。

最下層での会議を終えたデモンゴーネの元にアンチゴーネとマッドゴーネがやってきた。
「閣下!サタンゴーネから聞きました。本当にウオノメ・マナコに入るつもりですか。それはつまり鏡の国から手を引くということでしょうか」
「その通りだ。奴らの目的は地球の破壊。鏡の国を破壊することではない。だから我々も鏡の国から手を引かなければ入ることはできないのだ」
「ですが閣下!いま我々の目と鼻の先に立花ナオキがいるのですよ!」
アンチゴーネもマッドゴーネもサタンゴーネもデモンゴーネも立花ナオキに倒された。
デモンゴーネも立花ナオキを殺したい気持ちは同じだがいまの状況ではどうすることもできないのだ。
「二人ともどうしても立花ナオキと戦いたいのか?」
「当然です!」
その返事を聞いたデモンゴーネは
「わかった。お前たちは殿になってくれ。私とサタンゴーネは本隊を連れて奴らと交渉をしに行く。
お前たちはその行動を鏡の国に気づかれないように攻めこんでくれ。強力な怪獣を3匹連れ行き思う存分戦え」
「ありがとうございます。デモンゴーネ閣下!」
「その役目必ず果たしてみせます!」
アンチゴーネとマッドゴーネは礼を言うと持ち場に戻って行った。
「すまん許してくれ二人ともこうするしかなかったのだ」
冷酷残忍なデモンゴーネはそっと二人にお礼を言った。

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最終更新:2013年03月14日 03:21
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