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第28話「改変イレギュラー②」」を以下のとおり復元します。
これまでのあらすじ
メッサー社、コントロール・ルームに到達したアルカとレイルの前に現れた紫髪の少年レギ。
メッサーの社長である彼は「アルカの家族は"名も無きトーア"を封じ込める為の人柱になった」と言う。
その意味とは...?


ストーリー:カウンター・アタック
第28話「改変イレギュラー②」


「..."名も無きトーア"は、危険なアームコアだ。そのコアが完全覚醒すればこの世界は多大な損害を受けるだろう。
それを封じ込める為に、巫女...パイロット共々機体を葬る必要があった」
「それとアルカに何の関係があるのぜ」


「その後、"偶然"発生した手違いによって俺の手を離れた"名も無きトーア"は何処に行ったと思う?」
「...まさかぜ」
「"偶然"デベロッパーの手に渡りツヴァイヘンダーのメインホーンとなった。
...名も無きトーアはアルカを欲しているのさ」


「つまりその巫女の役割を果たせるのは君だけだ、アルカ。」
レギは金属のパーツで構築された手でアルカを指し補足する。
「あの日逃げ出しさえしなければ、君の家族は記憶処理の後解放したんだが...残念だよ」


「...そんな、僕が逃げたからだって言うの?」
アルカは愕然しへたり込む...だがそれより早くレイルが動き、レギの頭を掴み思い切り地面に叩きつける!
「レギ!!」
そしてレギの心臓にあたる部位に右手のアームホーンを突き付ける!


「アルカ!レギの言うことを聞いちゃ駄目だぜ!悪いのは全部レギだぜ!」
「酷いじゃないか、私達は同じ兄弟だろう?」
レギは床に叩きつけられながらも虚ろな瞳で真っ直ぐレイルを見つめる。
「黙れ!お前はやってはいけない事をやったんだぜ!」


「そうか...なら」
レイルはレギの目を見てしまった!
「!!....」
レイルはアームホーンを収納し、何事もなかったかのように立ち上がる。
「レーラビくん?」
「レイルレーラビ、巫女を"名も無きトーア"の元へ」「...はい」


「アルカ、行くぞ」
いつもの語尾がない!異常!
...だがアルカは地雷を起爆しなかった。
「....あの、レギさん」
「何だい?」
「本当に僕一人が犠牲になっていれば、皆...ああならずに済んだんですか?」


ーーーーー


レーレビくんに連れられて、僕はもと来た道を引き返した。
壊れたはずのツヴァイの手足が氷のようなもので再び作られているようだったけど、今の僕にはもうどうでもいいことだった。
「アルカ、機体を再起動させるんだ」
「わかったよ、レーラビくん」


僕はツヴァイの白い装甲を撫でる。
「僕が必要なら、最初から言ってくれれば良かったのに」
君のお陰で、僕の周りの皆が巻き込まれる事になったんだ。
...いや、そもそも僕が逃げ出したからなんだっけ。
「...僕の災い魔」


僕に呼応してツヴァイのコクピットが開く。
レーラビくんが最後まで僕は悪くないって言ってくれたのは本当に嬉しかった。
でも僕は責任を取らないといけないんだ。
「うう、寒いなあ...こんな事ならもっと厚着してくるんだったよ」
コクピット内はとても寒かった。


「...レーラビくん、ごめんね」
ツヴァイのコクピットは硬く閉ざされた。


次回、第29話「凍結システムアルカ」に続く。


レギ
#image(ここに画像のURL)
紫髪の少年の姿をした、メッサー社の社長。
レイルレーラビ、レーリレイ、レレラ達の兄に当たる存在。
彼はアームヘッドではなく未知の技術で作られたロボットであり、回路を介した"兄弟"のコントロール権限を持つ。 


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