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Bukkey Artworks side "KANOTO" - (2015/02/04 (水) 12:22:24) のソース

#image(Kanoto.png)
アートワークスなんて偉そうな名前付けたはいいものの、大方の予想通りこれは忘備録&自己満足の垂れ流しだ。
どうせこのページ開いた時点でそのあたりは言わんでも解ってくれてると思うので早速書こうと思う。
今回はアームヘッド本編において、時間特異点の攻性手段として登場する「依型神徒」について。

時間のない人は今すぐ閉じなさい。気付いたら長くなってた。
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依型を含めた神徒の姿は、その人間の生前の在り方や搭乗する特異点の内に秘める感情とかが現れています。
これは死者が『特異点』というイレギュラーな力によって命の代わりに「感情」を存在の“核”として転生したことによるものです。
他の方が神徒を作ろうと思った際には特に気にする必要はありませんが、あくまでブッキー個人はそういうテーマの下に全体的な印象とかを纏めていく感じで組んでたり。
以下に、現在まで実機が存在する4機を例に軽く解説させて頂きます。

&bold(){< リバースオブアザー / Rebirth of Other >}
#image(ROO01.png)
未来の特異点、セリア・オルコットの依型神徒です。
デザインコンセプトは&bold(){『剣』『銀』『曲線』『無機質』『人造感のない機械』}。
最初に完成した依型神徒で、以降何度か手を加えつつ結局この姿に落ち着きました。
#image(RoO.png)
生前の姿である神崎翔が操っていた機体・メシアエンブリオの姿が若干投影されていますが、
この機体の最も特徴的なポイントは両腕のロングブレードになります。
これはセリアの深層心理の奥深くに存在する&bold(){『他者への恐怖・拒絶』}が具現化したものですが、
同時に「ブレード」という&bold(){『必然的に他者へ近接戦闘を仕掛ける必要のある』}武器であることが、
彼女の人を恐れながらも人から離れることのできない心理を表しています。

&bold(){< ジャバウォック / Jabberwock >}
#image(Jacv01.png)
もう一人の未来の特異点、ステタル・ガッポの依型神徒です。
デザインコンセプトは&bold(){『砲』『錆』『直線』『スクラップ寸前の機械』『拒絶の鎧』}。
あえてリバースオブアザーと対になるように最初からデザインした神徒であり、実は頭身やサイズもほぼ同じです。
#image(Jav.png)
ジャバウォックというファンタジックな原典からくる名前と裏腹に全身が茶色の装甲で覆われた現代兵器のようなデザインですが、
これはリバースオブアザーが&bold(){『銀』}であるのに対し&bold(){『錆』}という意味合いを込めたカラーリングでもあります。
かつての想い人の存在を証明する為に自分のパーソナリティを塗り潰すという愚行に走った結果、
自身の人格や記憶、その姿までも想い人のそれに文字通り塗り潰されていく彼の精神状態そのものを表しています。

また両腕がリバースオブアザーとは対照的なカノンや機関銃となっていますが、
これは他者に恐怖しつつも歩みよることをやめなかったセリアとは反対に、
ステタルとこの機体の生前の姿たるアリスの、他者との接触を&bold(){「拒絶」}する感情が遠距離兵装として具現化した故です。
よく見ると単なる大砲や機関銃として見てもタイプが古く、彼が特異点性質とは裏腹に過去に停滞し続けていることも意味します。

近付く者は敵だろうと救いの手を伸ばす誰かだろうと全て拒絶し、
その果てに全身を錆に覆われ、なおも動き続ける死体のような機械……そんなイメージで最終的に落ち着きました。

&bold(){< タオルケット / Towelket >}
#image(Tk00.png)
現時点で確認されている最後の未来の特異点、セリア・ローレライの依型神徒です。
デザインコンセプトは&bold(){『天使』『実体化した奇跡』『見て解る“最強”』『概念の結晶体』}。
前2機がそれぞれ『曲線』と『直線』がテーマであるのに対して、これはその中間のようなイメージでデザインしました。
どちら側にも偏っていない、ローレライとタオル自身の、完全に均整のとれた関係を表してたり。
全身に纏う黄金の装甲は、リバースオブアザーの『銀』やジャバウォックの『錆』の更に上位にあたる、
決して錆びない金属という意味合いとしての&bold(){『金』}を表現したつもり。
#image(TK.png)
前2機と決定的に異なる点は、まず目を引く白い翼と、あとは&bold(){『腕と一体化していない武装』}です。
依型を含めた全ての神徒の武装は基本的に機体と一体化した形で搭載されていますが、
実はこの『一体化した武装』こそが、神徒の共通テーマにして呪いである『依存』を表していたりします。
その点タオルケットは明確に掌が存在し、武装はその手に握って扱うといった&bold(){『非依存』}を表現しています。

また裏設定として、全ての神徒は体内にアームコアのような結晶体を持っているという設定がありますが、
これは&bold(){『他者への恐れ』}という『依存』と必ず対となる感情の発露として、基本的に体外に露出していません。
しかしタオルケットは胸にこの結晶体がこれでもかと言わんばかりに露出しており、
神徒の『呪い』から天文学的な確率で開放されている存在であることを意味しています。

背面の白い翼は正直なところ『他の機体との明確な違い』を第一優先目的にした感が強いですが、
『存在としての有り様』が具現化する本体を際立たせる『純粋な力の発露=実体化した奇跡』という方向で合致したのでそのまま組みました。
『見て解る“最強”』というテーマを表現するにはかえって解りやすいほうが実際理に叶っていますしね。カッコイイし。

&bold(){< ブラックシープ / Black Sheep >}
#image(Bs01.png)
この世界に最初に出現した時間の特異点にして初代・過去の特異点、パトリシア・M・フォックスアイの依型神徒です。
このブラックシープのみブッキー原案ではなく、よっさん(吉田組氏)執筆による本編「ザ・パニッシュメント」にて登場した機体になります。
故に武装や特徴などが当初からある程度既に確定しており、前3機と比べてデザイン上におけるブッキー節は控えめです。
(強いて言えばカートゥーン調にデフォルメされた羊がデザインモチーフではあります)
#image(BS.png)
独自解釈の結果としては、やはり武装と一体化していない掌と、小さく露出した胸のコアです。
パトリシア自身が後の時代に英雄、女傑として語り継がれる程の強い意思をもった女性である点を鑑み、
タオルケット同様『依存』から遠い存在として掌の明確化とコア露出のデザインを取り入れました。
またこの機体に実体化する思念体、シリアス・プラン自身がいわば&bold(){『全ての特異点の原典』}ともいうべき存在であり、
『依存』の力に頼らずとも強力な力を発揮できる、という意味でも非常に合致します。

また&bold(){『原初の機体』『かつての世界崩壊の引き金』}という共通のテーマから、
実はプラント皇帝の専用機&bold(){「創生」}のオマージュを少し取り入れてます。
明確に解るのは肩部のクラーカンマスクのみで、あとは黒いカラーリングしか共通点がありませんが、
「パッと見た時の印象がなんとなく似ている」程度にあえて留めたのでこれで正解だったのかもしれません。