ナイト・ポストオフィス2

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ナイト・ポストオフィス2」を以下のとおり復元します。
<hr /><p> かかとを潰した靴を履き、いよいよ家を出る。</p>
<p> </p>
<dl><dt><a href="http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51762/1416393675/766">766</a>:<font color="#008800"><b>ちかぽよ</b></font>:2014/12/08(月)
22:20:51 ID:r2k4OoX20</dt>
<dd>ああ…家出たぞ…ああ…<br /><br /></dd>
<dt><a href="http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51762/1416393675/767">767</a>:<font color="#008800"><b>タチネコくん</b>◆ifxaa/5/ew</font>:2014/12/08(月)
22:24:40 ID:tkuSqn/g0</dt>
<dd>ちかぽよ死ぬ気か?<br /><br /></dd>
<dt><a href="http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51762/1416393675/768">768</a>:<a href="mailto:sage"><b>名無し@アズール結婚おめでとう</b></a>:2014/12/08(月)
22:33:02 ID:YN.GqMio0</dt>
<dd>ちか、どうした</dd>
</dl><dl><dd><br /></dd>
</dl><p>冬の空気は澄みきっていて、夜空を見上げるとぽつりぽつりと星が輝いている。<br />
その姿は、まるで自分はここにいると必死にアピールしているかのように、僕には思えた。<br />
耳元をびゅうびゅうと吹き抜けていく夜風に、思わず飛ばされそうになる。<br />
いや、飛ばされてしまったほうが、むしろ幸せかもしれない。</p>
<p>ひたひたと空しく街の空気を振動させる僕の足音。</p>
<p>その単調な演奏に聴き入っていると、<br />
いつの間にかバイト先の郵便局の前に、僕の身体が、あった。</p>
<p> </p>
<p>僕を待ち構えていた仕事は思っていたよりも楽なものだった。</p>
<p>重たい荷物を運ぶわけでもなく、ただただ郵便物の仕分けをするだけ。<br />
何も考えず、手を決められたところに移動させるといった内容だ。</p>
<p>仕事場には手紙の行き来する音以外には、友達同士らしい3,4人のグループがたまに会話をするだけで、<br />
コミュニケーションらしきものは皆無といっても良いくらいの静けさだった。<br />
久しぶりに精神を集中させて作業をこなしていると、社員の方から30分の休憩の合図がだされた。</p>
<p>時計をちらりと見ると、その短い針は1の数字を指している。<br />
午後11時に仕事がはじまったから、もう2時間も経ったのか。<br /><br />
ふぅ。<br />
短くため息を吐き、椅子の背もたれに体重を乗せ辺りを見回す。<br /><br />
仕事中にも私語をしていたグループは、俺たちの輪に誰も入ってくるなといわんばかりに固まって<br />
確変がどうだの、設定がきついだの、最新の台がすごいだの、要するにパチンコの話ばかりをしている。<br />
なんてくだらないだ。もっと教養のある話はできないのか。</p>
<p>そのグループから少し離れたところには男が1人、ぽつんと座ってスマートフォンを指でつついている。<br />
縁の丸いオーバル眼鏡を掛け、髪は寝癖で乱れていて、<br />
英字がプリントされた安っぽいパーカーと、インディゴブルーのジーンズを履いている。<br />
清潔感という三文字からは縁のない男だということが、自分にもはっきり見て取れた。</p>
<p>遠くのほうにある自動販売機の周辺にはコーヒーを片手に談笑している男女が3、4人。<br />
さらにその近くの机には、大人っぽい雰囲気を醸し出した男が1人、資格か何かの勉強をしているようだった。<br /><br />
あとは何人か、ぽつぽつと散らばって行動していて、どうやらみんなで仲良くしようとする感じではないらしい。<br />
自己紹介もほとんどなく、触れ合う機会を逸してしまった今となっては、もうこちらから声をかけにいくしかない。<br />
だけど、当然そんな勇気があるわけもなく、手持無沙汰になってしまった僕は、<br />
心の中でひそかにバイト仲間にあだ名をつけることにした。</p>
<p>まずパチンコの話ばかりしてるあの集団はパチンカーズ。<br />
ひたすら携帯をいじっている根暗そうなあの子は眼鏡くんだ。<br />
コーヒーをもって談笑しているあいつらは、そうだな、リア充とでも名付けよう。<br />
そして資格の勉強をしてるあの落ち着いた年上っぽい人は、兄貴だ。</p>
<p> </p>
<p>はぁ。</p>
<p>はやく休憩時間が終わらないかな。<br />
後ろの背もたれが、ぎしぎしと、小さい音を出し始めた。<br />
 </p>
<p> </p>
<dl><dt><strong>&lt;&lt;第6章 <a href="http://www9.atwiki.jp/alolita_asai/353.html">ナイト・ポストオフィス</a></strong></dt>
</dl><dl><dt><br /></dt>
</dl><p><a href="http://www9.atwiki.jp/alolita_asai/pages/345.html">目次に戻る</a></p>
<p> </p>
<p>.</p>

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