第六話

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しばらくその場に立ち尽くしていたがハッと我に返り散策を続ける。 
「確かこの川を歩いて行けば『高炉』に着くはず。」 
30分程歩いたか、ようやくそれらしき建物が見えてきた。遠くからでもその建物がいかに大きいか解る。 
もう少し近づいて見ようとした時、怒鳴り声と金属音が聞こえた。刹那は咄嗟に近くの岩場に身を隠した。 
刹那は顔半分だけ出し様子を窺うと坪八とチンピラ三人がいた。坪八はそのチンピラの一人と戦っていた。 

「おらおら!そんなもんか!?」 
「クッ!ウオォォォ!」 
「いいぞ!そこだ!」 
「兄貴!頑張れ!」 
(何だ?稽古でもしてるのか?それにしても真剣でやるなんて危なくないのかなぁ・・・。) 
「やめだやめだ!オメェじゃ相手になりゃしねぇ!」 
「す、すまねぇ。兄貴・・・。」 
どうやら稽古は終わったらしい。刹那はあまり関わりたくなかったのでこっそりその場を後にしようとした。しかし、 
「へぶっ!」 
近くの石に躓いてしまい盛大にこけてしまった。当然それに気付かないはずがない。 

「ん?なんだ刹那か。」 
「ど、どうも・・・」 
真っ赤になった鼻をさすりながら涙目で答える刹那。 
「丁度いい所にきたな。今から俺の稽古に付き合え!」 
(ああ、まただ。また強引に話を・・・。明治の人は皆強引なんでしょうか・・・?) 
「さっさと刀を構えろや!」 
悲しみに暮れる刹那を無視するかのように怒鳴り散らす坪八。 

「はぁ・・・。さっさと終わらせて帰ろう・・・。」 
「ああ!?“さっさと終わらせる”だとぉ!?」 
「え!?いや、あの、そのぉ・・・」 
小声で呟いたのだが予想以上に地獄耳だったらしい。もう稽古で済みそうにない。 
「ぶっ殺す!!」 
(マズイ!この人目が本気だ!) 
身の危険を感じすぐさま刀を抜く。坪八はすでに攻撃を開始している。 

「三発!」 
回転を加えた一撃。幸いモーションが大きくガードは間に合い反撃をしようとした。が、すぐに坪八の追撃が来た。 
「二発!」 
そのまま返しの右から左のへ切り払う。先程のと違い出が早く隙がない。 
「一発!!」 
「うわっ!」 
最初の攻撃より更に回転の勢いをつけた攻撃。あまりの衝撃にガードをしても吹っ飛んでしまった。 

「へっ!どうした!?早く終わらせるんじゃなかったのか?」 
「・・・くっ。・・・痛っ!」 
突然の頬の痛み。触れてみるとぬるぬるしている。そして手にはベットリと血がついていた。 
(いったい何故・・・?) 
辺りを見ると何か小さな破片のような物がキラキラと輝いている。 
(!!・・まさか刃こぼれか!?) 
慌てて自分の刀を見るが別に以上はなかった。 
(という事は坪八さんの・・・。ならば・・・!) 

刹那は立ち上がると坪八を睨みつける。 

「お?ちったぁ本気になったか?」 
「本気を出すまでもないですね。あなたの技は見切りましたから。」 
「んだとぉ!?調子乗ってんじゃねーぞ!!」 
刹那の挑発にまんまとひっかかり先程の技を放つ。予想通り坪八の刀が刃こぼれしている。 
「なんでいつも裸何ですか?」 
「うるせぇぞ!!」 

――破片が飛ぶ 

「風邪ひかないんですか?そういえば何とかは風邪ひかないらしいですよ。」 
「ぶぅぅっ殺ーーーす!!!!」 

――更に破片が飛ぶ 

(そろそろかな。)「坪八さんって意外と弱いですね。」 
――ブチッ 
「死ねやーーーーー!!!!!!」 

――パキィィィン! 

「あ。」 
ついに坪八の刀が折れた。刹那の作戦勝ちである。 
「・・・ぐ、卑怯だぞこの野郎!」 
「いやぁ、まともにやり合ったら危ないし、それに私女ですから野郎じゃ・・・」 
「うるせぇ!!この・・・、覚えてやがれ!!」 
「覚えてろよ!!」 
「覚えてろよ!!」 
「・・・ごめんな。」 
それぞれ捨て台詞を吐いて去ってしまった。刹那は自分の刀に目をやる。 
「やはりタダでは済まないか・・・。」 
見ると夕凪も刃こぼれしている。刀が折れる程の攻撃を受けて何もならない方がおかしい。 
「たしか『一本松』の近くに刀鍛治があったて言ってたな。そこに行こう。」 
刹那は急いでもと来た道を戻った。宿場の戻ると怪しい人物がうろついていた。刹那の波乱はまだまだ続く・・・。 

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