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アグリコラ(Agricola) - (2013/03/07 (木) 01:30:25) の1つ前との変更点
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-ルール確認中
-写真掲載予定
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*アグリコラ
(原題:Agricola)
|発売年|2007年|&image2()|
|プレイ人数|1~5人|~|
|プレイ時間|30分×人数|~|
|対象年齢|12歳以上※|~|
|||~|
|デザイナー|Rosenberg, Uwe|~|
//|備考||~|
//|価格||~|
※1人用ルールでは10歳以上対象
#contents(fromhere)
----
**ゲーム概要
17世紀の中央ヨーロッパは、疫病(ペスト)の災厄から徐々に息を吹き返しつつありました。
農民夫婦であるプレイヤーは自身の家を持ち、畑を耕して家畜((飢饉の影響で、この時期から人々に肉食の習慣が根付いた。))を育てます。時期が来たら作物を収穫し、あなたと家族を養っていってください。
2部屋の木の小屋と連れ合いだけがある慎ましやかな地点から、あなたの農民人生が始まります。
-本作の作者ローゼンベルクは、2008年に『[[ル・アーブル(Le Havre)]]』、2009年に『洛陽の門にて』を製作。これらは「収穫三部作」と呼称されるようになる。
//&image2()
//#center(){コンポーネント}
**ルール(概略)
&bold(){&color(blue){コンポーネントの特徴}}
-メインボードは初期状態から開放されているアクションのスペースがあり、残りはほとんどがラウンドカード置き場。
--この他に、全員共通の「大きい進歩カード」を並べるサブのボードがある。
-プレイヤーの農場ボードには、3×5のマス目が描かれている。&br()ここに家・畑のタイルや牧場の柵などを配置していく。
-各プレイヤーが手札として持ち、ゲーム中にプレイすると特殊な効果を発揮する「職業カード」「小さい進歩カード」が&color(red){''大量に''}用意されている。
--''職業は169種類、小さな進歩は139種類''。&br()職業は「E」「I」「K」((Eはエントリー。初心者向け。 Iはインタラクティブ。このあたりから、能力の効果的な組み合わせ(相互作用)を意識した運用が求められる。 Kはコンプレックス。複雑。上級者向け。))マークで分類され、好みに合わせて好きなセットを選んで使える。
--職業カードは、使用する際の推奨プレイ人数がカードに書いてあるので、参考に。
-ラウンド数を表示する「ラウンドカード」は、表返すとアクションが描かれている。
--ラウンドは2~3ごとのステージに分かれていて、新アクションの登場タイミングはステージの範囲内でのランダムとなる。
-節目ごとの収穫フェイズで食料の支払いができなかった場合に受け取る「物乞いカード」がある。
-これ以外には、各種資材・作物・家畜(木材/レンガ/葦/石材/小麦/野菜/羊/猪/牛)の木製ピース9種類に、家・畑のタイル、その他の細かい部品が付属。
&bold(){&color(blue){セットアップ}}
+各プレイヤーは色を1色選び、道具一式((家族コマ5個、厩4個、柵15本))と農場ボード、ステージ概要と得点を示す手元サマリ((たいていのゲームで、用意されてはいるもののあまり使わない手元サマリだが、本作ではかなり有用。))を受け取る
++スタートプレイヤーは食料を2つ、それ以外のプレイヤーは食料を3つ受け取る
+メインボードを組む
++プレイ人数が3人以上の場合は、対応するアクションカードをボード左側に配置
+ラウンドカードを裏面のステージ別に分けてシャッフルし、ステージ順に並べて山を作る
+大きい進歩カードをサブのボードに並べる
+職業カードと小さい進歩カードをシャッフルし、各プレイヤーに7枚ずつ配る
++使用する職業カードは、カード表面の表示を参考に取捨選択して良い
+各プレイヤーは、自分のボードの所定の位置に木の家タイルを2枚置き、その上に家族コマを置く
++それ以外のプレイヤー小道具はプレイヤーボードの外で待機。また、残りのリソース類も小分けしてメインボードの外で待機。
&bold(){&color(blue){プレイ上のポイント}}
-ラウンドの最初にメインボード上にラウンドカードが開示され、アクションとして選択できるようになる。
-プレイヤーは手番中に1回手元から家族コマを1個出し、アクションを選択して経営を進める。
--家族コマはゲーム中に最大5人まで増える。全プレイヤーの家族コマが全て使用されるまでアクションフェイズは続く。
--既にコマが置かれたアクションは、そのラウンド中は再選択不可となる。
-特定数のラウンドでは、終了時に3つのフェイズからなる収穫イベントが発生する。
--畑フェイズ
---畑に植えられている小麦・野菜を1つボードのストックに移す。
--食料供給フェイズ
---家族1人当たり2つの食料を消費する。
---「○○をいつでも食料に変えられる」効果があれば、このタイミングで使って食料を調達し、支払いにあてても良い。
---支払えなかった場合は、足りない食料1つにつき1枚の物乞いカードを1つ受け取る。&br()このカードはゲーム終了時にマイナス点となり、また基本的には返す方法が無いので、極力取らないように。
--繁殖フェイズ
---同種の動物が2頭以上いて((このフェイズより前に食べるなりして減ってしまった場合は、当然増えない。逆に、このタイミングに間に合わせれば増える。))、空きスペースもある場合は、動物が1頭増える。増えた動物をすぐ食べるのはダメ。
-畑について
--小麦・野菜を植える場所。&br()畑を耕し、小麦・野菜を手に入れて、それを種としてまく(約3手番相当)と、収穫の時にまいた物と同じ作物が増える。
--種をまく時、小麦なら手元から1個、共通のストックから2個の計3個を畑タイルに乗せる。そして、収穫の時に1個ずつ手元に入っていく。
--収穫していない作物は食べられないし使えないが、勝利点には影響を及ぼす。
//
-牧場について
--柵を作るアクションを実行して必要なリソースを支払い、マス目の任意の辺に柵コマを置く。「柵で囲まれたスペース」が出来上がったらそこが牧場となる。&br()牧場は1マスあたり2頭までの動物を飼える。
--2マス以上の牧場に後から柵を増やして区切っても良い。&br()ただし、作った柵を壊すアクションは無い。
--「厩」は、厩を建てるアクションを実行するとノーコストで立つ。&br()更地に厩を建てると、そのマスでは2頭までの動物を飼える。牧場の中に厩を建てると、1マスあたりの収容数が2倍になる。
-家畜について
--アクションで獲得した動物は基本的に牧場で飼うが、ペットとして家タイルにも1頭まで住まわせられる。飼いきれない分は逃げてしまい、共通のストックへ戻される。&br()逃げられる前に、かまど等で食料に変換しても良い。
--家畜も収穫フェイズでの増量対象。また、勝利点にも大きく関係してくる。
//
-家・家族について
--家族を増やすには、まず部屋がいる。家を増築するには、増築アクションを選択して必要なリソースを支払う。
--空き部屋のある状態で、第2ステージ以降に出現する「家族を増やす」アクションを実行すると、そのコマの上に新しい家族コマを1個乗せる。コマはラウンド終了時に一緒に回収し、次のラウンドからワーカーとして使用可能((そのラウンドで獲得したばかりでまだ1度もアクションを実行していない家族コマは「新生児」と呼ばれる。このコマは、収穫イベントでの食料消費は1人あたり1個でOK))。
--家を改築すると、木の家はレンガの家に、レンガの家は石の家にグレードアップ。&br()ゲーム終了時の勝利点が大きく伸びる他、職業や進歩の中にはプレイする条件として家の状態を参照するものもある。
-その他のポイント
--畑・牧場は、始めて農場ボードに配置する際は好きな場所を選べるが、それ以降は元あるものの上下左右にマスが隣接していなければならない。家も同様で、最初に建っている二部屋に隣接させること。
---ただし、完成していない作りかけの柵であれば好きなように配置できる。それが上策かどうかはさておき。
--改築は増築と違い、一度に二段階グレードアップはできない。
--スタートプレイヤーは、専用のアクションを選択する事でしか交代されない。結構重要。
--収穫して手元にある小麦と野菜は、食料供給の際に「食料1個分」として直接支払い可能。動物は加工なしだと食べられない。
&bold(){&color(blue){終了条件・得点計算}}
-14ラウンドを全て消化し、最後の収穫を行なってゲーム終了。農場ボードの状態や職業・各進歩などの勝利点を計算し、最も繁栄したプレイヤーの勝利。
-勝利点として計上される要素は、基本的なものは付属のサマリカードに記されているのでそちらを参照されたし。
--家……改築した家の1部屋あたり、レンガの家1点、石の家2点。
--家族……1人あたり3点。
--厩……柵で囲まれたものは1個1点。
--その他……職業・小さい進歩・大きい進歩固有の点数を加算する(列挙できないくらい多彩なので詳細は割愛)。
--減点対象……ボードの空きスペース1マスにつき「-1」。物乞いカード1枚につき「-3」。
#region(基本的な勝利点一覧)
手元サマリに載っている情報の中でも特に重要なのがこれ。
|||-1|1|2|3|4|
||||||||
|畑||0-1|2|3|4|5+|
|牧場※||0|1|2|3|4+|
|小麦||0|1-3|4-5|6-7|8+|
|野菜||0|1|2|3|4+|
|羊||0|1-3|4-5|6-7|8+|
|猪||0|1-2|3-4|5-6|7+|
|牛||0|1|2-3|4-5|6+|
※牧場は、マス数ではなく「柵で区切られた単位」で1つと数える。
見ての通り、一つの要素で突出しても''最大で4点''。得点源は多めに確保していきたい。
#endregion
&bold(){&color(blue){ゲームの流れ}}
+現在のラウンドカードが開かれる
+メインボードのリソース補給
+労働アクション
++スタートプレイヤーから各プレイヤーが1手番に1回ずつ、手元から家族コマを出してアクションを選択、実行。&br()すべての家族コマを使用するまで繰り返す
+アクションが終了したら、家族コマを回収
+特定のラウンド終了時には収穫イベントがある
++畑から小麦・野菜を収穫
++食料を消費する
++家畜が増える
+1へ戻る。14ラウンド満了し最後の収穫を行なってゲーム終了
ワーカーを置いてアクション。全て使い切ったらラウンドが進み、アクションの選択肢が増える。特定ラウンドの合間に収穫、そして食料供給。
流れは複雑ではないが、ラウンド開始前と終了時の処理は慣れた人がいないとちょっと手間取る。
また、これ以外にも職業や進歩による細かい動きがプレイヤーごとに発生する点に注意。
**コメント
#region(プレイ感と感想について)
: ゲーム性 | このゲームには、牧場・畑・家・家族……と全ての勝利点要素をまんべんなく押さえた「理想的な農場の姿」があり、偏りのある特化型経営は勝ちにつなげにくい。この「理想」に近づけるべく、最初に全員バラバラなものを渡される特殊能力(職業・小さな進歩)を上手く回して点を伸ばす事になるだろう。コンボゲーと呼ぶほどの派手さは無いが、プレイ感覚はそれにやや近い。&br()普遍的に人気のアクションは常に奪い合いになる。スタートプレイヤー権の重要性は高いので、くれぐれも甘い見通しを立てないように注意。
: テーマ・コンポーネント | 農家ゲームとしてはてんこ盛りな内容。作物や家畜を増やすだけでなく、家を建て家族を増やし飯を食うところまで手広くカバーしている。&br()愛しい家族の一員であり大切な食料でもある動物たちがちゃんと動物コマである事や、膨大な特殊カードが全て専用の絵柄である事など、本作ならではの個性に沿った「粋」を感じる部分もある。
: ボリューム | 慣れに応じて所用時間がぐんぐん短縮(理想的最終形態の雛形があるから?)されるそうで、総合的には「ギリギリ中量級」と言われている。&br()ただし、考えなければならない事は多岐に渡り、食べ応えはほとんど重量級。遊ぶのに必要なスペースも重量級ゲーム相当。やると決めたら腹を括ろう。
***欠点
-ものすごいスロースターター。ワーカーが2人しかおらずアクションの種類も少ない序盤は食い物の調達に追われるばかりで、下積み期と割り切ってなお地味で苦しい時間が続く。&br()「食料供給が安定するのはワーカーが増える中盤以降、点が大きく伸びるのは最終盤」という独特のペース配分は、未経験者にも事前に伝えておきたい。
-少し遊びにくい。毎ラウンドの補給を始めとする各種リソースの動きは職業・進歩の影響もあって細かく、慣れた人がリードしてくれないとゲームに弄ばれる。
-「誰が遊んでも農場の完成形が似通いやすい」とよく言われる。&br()実状は、プレイヤーの好きなように個性的な箱庭を作り上げるのではなく、そこに至る道筋の紆余曲折に面白さの重心が寄っているのであり、欠点というよりは性質の違いか。
***お勧めタイプ
基本は箱庭いじりだが、その描写は神様視点ではなく等身大。地に足をつけて作物や家畜を育て、育てたものを食べて家族を養う……そんな流れに心惹かれる人には超お勧め。特殊効果の数が非常に多くプレイする毎に展開が異なるのも、流れを楽しむゲームとしてはお得感溢れる強力な長所。
能力やゲームバランスをよく把握していない最初の内は、上手くいかずに泣けるほどボロボロの農場がしばしば出来上がるけれども、難しいゲームと腹をくくってまずは臨んでみるべし。多少苦労してでも触れてみるだけの価値がある、後からじわじわ旨みの出てくるタイプ。
***【お勧め度:★★★★★★☆☆☆☆】
#endregion
**関連商品
-拡張セット『アグリコラ:拡張セット 泥沼からの出発』&br()悪地形を開拓し、副産物として木材や燃料が手に入る仕様となっている。また、新規の家畜や進歩の他、家に「暖房」の概念が追加されている。
--この他にも、同デザイナーが考案した公式のジョークエキスパンション『アグリコラ:プレミアムグッズ』や、大会用エキスパートセット『アグリコラ:世界選手権デッキ』((2013年3月発売予定))などがある。特殊効果カードの多彩さをウリの1つとしたような大元のゲームデザインの賜物か。
-2人用アレンジ版『アグリコラ:牧場の動物たち』&br()牧場と家畜に焦点を絞った簡易アレンジ版アグリコラ。これは単独で遊べる。ワーカー&マネジメント要素を持つボードゲームの入門用といった趣の内容。
----
**FAQ
: &color(blue){Q:長考してしまう質なので、「特殊効果カードが豊富」と聞いて回りの迷惑にならないか心配です。} | &color(red){''A:''}重めのゲームには尽きないダウンタイム問題。&br()もっともこの作品は、特殊効果カードがゲーム中にほとんど回転しないので開始前に配られる7枚+7枚だけ把握すればよく、その分には他人の手番中程度の時間でも結構足ります。&br()最初にプレイする職業選択は非常に重要ですが、どうせみんな悩みたいのは一緒でしょうから、マナーとして一声かけて、早い段階で堂々と考えましょう。&br()それ以外の点では、上級者向けの職業セットでもない限り「最優先事項は“家族”」というセオリーを意識すれば、案外考え込まずに済むと思います。
*ページ未完成
-ルール確認中
-写真掲載予定
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*アグリコラ
(原題:Agricola)
|発売年|2007年|&image2()|
|プレイ人数|1~5人|~|
|プレイ時間|30分×人数|~|
|対象年齢|12歳以上※|~|
|||~|
|デザイナー|Rosenberg, Uwe|~|
//|備考||~|
//|価格||~|
※1人用ルールでは10歳以上対象
#contents(fromhere)
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**ゲーム概要
17世紀の中央ヨーロッパは、疫病(ペスト)の災厄から徐々に息を吹き返しつつありました。
農民夫婦であるプレイヤーは自身の家を持ち、畑を耕して家畜((飢饉の影響で、この時期から人々に肉食の習慣が根付いた。))を育てます。時期が来たら作物を収穫し、あなたと家族を養っていってください。
2部屋の木の小屋と連れ合いだけがある慎ましやかな地点から、あなたの農民人生が始まります。
-本作の作者ローゼンベルクは、2008年に『[[ル・アーブル(Le Havre)]]』、2009年に『洛陽の門にて』を製作。これらは「収穫三部作」と呼称されるようになる。
//&image2()
//#center(){コンポーネント}
**ルール(概略)
&bold(){&color(blue){コンポーネントの特徴}}
-メインボードは初期状態から開放されているアクションのスペースがあり、残りはほとんどがラウンドカード置き場。
--この他に、全員共通の「大きい進歩カード」を並べるサブのボードがある。
-プレイヤーの農場ボードには、3×5のマス目が描かれている。&br()ここに家・畑のタイルや牧場の柵などを配置していく。
-各プレイヤーが手札として持ち、ゲーム中にプレイすると特殊な効果を発揮する「職業カード」「小さい進歩カード」が&color(red){''大量に''}用意されている。
--''職業は169種類、小さな進歩は139種類''。&br()職業は「E」「I」「K」((Eはエントリー。初心者向け。 Iはインタラクティブ。このあたりから、能力の効果的な組み合わせ(相互作用)を意識した運用が求められる。 Kはコンプレックス。複雑。上級者向け。))マークで分類され、好みに合わせて好きなセットを選んで使える。
--職業カードは、使用する際の推奨プレイ人数がカードに書いてあるので、参考に。
-ラウンド数を表示する「ラウンドカード」は、表返すとアクションが描かれている。
--ラウンドは2~3ごとのステージに分かれていて、新アクションの登場タイミングはステージの範囲内でのランダムとなる。
-節目ごとの収穫フェイズで食料の支払いができなかった場合に受け取る「物乞いカード」がある。
-これ以外には、各種資材・作物・家畜(木材/レンガ/葦/石材/小麦/野菜/羊/猪/牛)の木製ピース9種類に、家・畑のタイル、その他の細かい部品が付属。
&bold(){&color(blue){セットアップ}}
+各プレイヤーは色を1色選び、道具一式((家族コマ5個、厩4個、柵15本))と農場ボード、ステージ概要と得点を示す手元サマリ((たいていのゲームで、用意されてはいるもののあまり使わない手元サマリだが、本作ではかなり有用。))を受け取る
++スタートプレイヤーは食料を2つ、それ以外のプレイヤーは食料を3つ受け取る
+メインボードを組む
++プレイ人数が3人以上の場合は、対応するアクションカードをボード左側に配置
+ラウンドカードを裏面のステージ別に分けてシャッフルし、ステージ順に並べて山を作る
+大きい進歩カードをサブのボードに並べる
+職業カードと小さい進歩カードをシャッフルし、各プレイヤーに7枚ずつ配る
++使用する職業カードは、カード表面の表示を参考に取捨選択して良い
+各プレイヤーは、自分のボードの所定の位置に木の家タイルを2枚置き、その上に家族コマを置く
++それ以外のプレイヤー小道具はプレイヤーボードの外で待機。また、残りのリソース類も小分けしてメインボードの外で待機。
&bold(){&color(blue){プレイ上のポイント}}
-ラウンドの最初にメインボード上にラウンドカードが開示され、アクションとして選択できるようになる。
-プレイヤーは手番中に1回手元から家族コマを1個出し、アクションを選択して経営を進める。
--家族コマはゲーム中に最大5人まで増える。全プレイヤーの家族コマが全て使用されるまでアクションフェイズは続く。
--既にコマが置かれたアクションは、そのラウンド中は再選択不可となる。
-特定数のラウンドでは、終了時に3つのフェイズからなる収穫イベントが発生する。
--畑フェイズ
---畑に植えられている小麦・野菜を1つボードのストックに移す。
--食料供給フェイズ
---家族1人当たり2つの食料を消費する。
---「○○をいつでも食料に変えられる」効果があれば、このタイミングで使って食料を調達し、支払いにあてても良い。
---支払えなかった場合は、足りない食料1つにつき1枚の物乞いカードを1つ受け取る。&br()このカードはゲーム終了時にマイナス点となり、また基本的には返す方法が無いので、極力取らないように。
--繁殖フェイズ
---同種の動物が2頭以上いて((このフェイズより前に食べるなりして減ってしまった場合は、当然増えない。逆に、このタイミングに間に合わせれば増える。))、空きスペースもある場合は、動物が1頭増える。増えた動物をすぐ食べるのはダメ。
-畑について
--小麦・野菜を植える場所。&br()畑を耕し、小麦・野菜を手に入れて、それを種としてまく(約3手番相当)と、収穫の時にまいた物と同じ作物が増える。
--種をまく時、小麦なら手元から1個、共通のストックから2個の計3個を畑タイルに乗せる。そして、収穫の時に1個ずつ手元に入っていく。
--収穫していない作物は食べられないし使えないが、勝利点には影響を及ぼす。
//
-牧場について
--柵を作るアクションを実行して必要なリソースを支払い、マス目の任意の辺に柵コマを置く。「柵で囲まれたスペース」が出来上がったらそこが牧場となる。&br()牧場は1マスあたり2頭までの動物を飼える。
--2マス以上の牧場に後から柵を増やして区切っても良い。&br()ただし、作った柵を壊すアクションは無い。
--「厩」は、厩を建てるアクションを実行するとノーコストで立つ。&br()更地に厩を建てると、そのマスでは2頭までの動物を飼える。牧場の中に厩を建てると、1マスあたりの収容数が2倍になる。
-家畜について
--アクションで獲得した動物は基本的に牧場で飼うが、ペットとして家タイルにも1頭まで住まわせられる。飼いきれない分は逃げてしまい、共通のストックへ戻される。&br()逃げられる前に、かまど等で食料に変換しても良い。
--家畜も収穫フェイズでの増量対象。また、勝利点にも大きく関係してくる。
//
-家・家族について
--家族を増やすには、まず部屋がいる。家を増築するには、増築アクションを選択して必要なリソースを支払う。
--空き部屋のある状態で、第2ステージ以降に出現する「家族を増やす」アクションを実行すると、そのコマの上に新しい家族コマを1個乗せる。コマはラウンド終了時に一緒に回収し、次のラウンドからワーカーとして使用可能((そのラウンドで獲得したばかりでまだ1度もアクションを実行していない家族コマは「新生児」と呼ばれる。このコマは、収穫イベントでの食料消費は1人あたり1個でOK))。
--家を改築すると、木の家はレンガの家に、レンガの家は石の家にグレードアップ。&br()ゲーム終了時の勝利点が大きく伸びる他、職業や進歩の中にはプレイする条件として家の状態を参照するものもある。
-その他のポイント
--畑・牧場は、始めて農場ボードに配置する際は好きな場所を選べるが、それ以降は元あるものの上下左右にマスが隣接していなければならない。家も同様で、最初に建っている二部屋に隣接させること。
---ただし、完成していない作りかけの柵であれば好きなように配置できる。それが上策かどうかはさておき。
--改築は増築と違い、一度に二段階グレードアップはできない。
--スタートプレイヤーは、専用のアクションを選択する事でしか交代されない。結構重要。
--収穫して手元にある小麦と野菜は、食料供給の際に「食料1個分」として直接支払い可能。動物は加工なしだと食べられない。
&bold(){&color(blue){終了条件・得点計算}}
-14ラウンドを全て消化し、最後の収穫を行なってゲーム終了。農場ボードの状態や職業・各進歩などの勝利点を計算し、最も繁栄したプレイヤーの勝利。
-勝利点として計上される要素は、基本的なものは付属のサマリカードに記されているのでそちらを参照されたし。
--家……改築した家の1部屋あたり、レンガの家1点、石の家2点。
--家族……1人あたり3点。
--厩……柵で囲まれたものは1個1点。
--その他……職業・小さい進歩・大きい進歩固有の点数を加算する(列挙できないくらい多彩なので詳細は割愛)。
--減点対象……ボードの空きスペース1マスにつき「-1」。物乞いカード1枚につき「-3」。
#region(基本的な勝利点一覧)
手元サマリに載っている情報の中でも特に重要なのがこれ。
|||-1|1|2|3|4|
||||||||
|畑||0-1|2|3|4|5+|
|牧場※||0|1|2|3|4+|
|小麦||0|1-3|4-5|6-7|8+|
|野菜||0|1|2|3|4+|
|羊||0|1-3|4-5|6-7|8+|
|猪||0|1-2|3-4|5-6|7+|
|牛||0|1|2-3|4-5|6+|
※牧場は、マス数ではなく「柵で区切られた単位」で1つと数える。
見ての通り、一つの要素で突出しても''最大で4点''。得点源は多めに確保していきたい。
#endregion
&bold(){&color(blue){ゲームの流れ}}
+現在のラウンドカードが開かれる
+メインボードのリソース補給
+労働アクション
++スタートプレイヤーから各プレイヤーが1手番に1回ずつ、手元から家族コマを出してアクションを選択、実行。&br()すべての家族コマを使用するまで繰り返す
+アクションが終了したら、家族コマを回収
+特定のラウンド終了時には収穫イベントがある
++畑から小麦・野菜を収穫
++食料を消費する
++家畜が増える
+1へ戻る。14ラウンド満了し最後の収穫を行なってゲーム終了
ワーカーを置いてアクション。全て使い切ったらラウンドが進み、アクションの選択肢が増える。特定ラウンドの合間に収穫、そして食料供給。
流れは複雑ではないが、ラウンド開始前と終了時の処理は慣れた人がいないとちょっと手間取る。
また、これ以外にも職業や進歩による細かい動きがプレイヤーごとに発生する点に注意。
**コメント
#region(プレイ感と感想について)
: ゲーム性 | このゲームには、牧場・畑・家・家族……と全ての勝利点要素をまんべんなく押さえた「理想的な農場の姿」があり、偏りのある特化型経営は勝ちにつなげにくい。この「理想」に近づけるべく、最初に全員バラバラなものを渡される特殊能力(職業・小さな進歩)を上手く回して点を伸ばす事になるだろう。コンボゲーと呼ぶほどの派手さは無いが、プレイ感覚はそれにやや近い。&br()普遍的に人気のアクションは常に奪い合いになる。スタートプレイヤー権の重要性は高いので、くれぐれも甘い見通しを立てないように注意。
: テーマ・コンポーネント | 農家ゲームとしてはてんこ盛りな内容。作物や家畜を増やすだけでなく、家を建て家族を増やし飯を食うところまで手広くカバーしている。&br()愛しい家族の一員であり大切な食料でもある動物たちがちゃんと動物コマである事や、膨大な特殊カードが全て専用の絵柄である事など、本作ならではの個性に沿った「粋」を感じる部分もある。
: ボリューム | 慣れに応じて所用時間がぐんぐん短縮(理想的最終形態の雛形があるから?)されるそうで、総合的には「ギリギリ中量級」と言われている。&br()ただし、考えなければならない事は多岐に渡り、食べ応えはほとんど重量級。遊ぶのに必要なスペースも重量級ゲーム相当。やると決めたら腹を括ろう。
***欠点
-ものすごいスロースターター。ワーカーが2人しかおらずアクションの種類も少ない序盤は食い物の調達に追われるばかりで、下積み期と割り切ってなお地味で苦しい時間が続く。&br()「食料供給が安定するのはワーカーが増える中盤以降、点が大きく伸びるのは最終盤」という独特のペース配分は、未経験者にも事前に伝えておきたい。
-少し遊びにくい。毎ラウンドの補給を始めとする各種リソースの動きは職業・進歩の影響もあって細かく、慣れた人がリードしてくれないとゲームに弄ばれる。
-「誰が遊んでも農場の完成形が似通いやすい」とよく言われる。&br()実状は、プレイヤーの好きなように個性的な箱庭を作り上げるのではなく、そこに至る道筋の紆余曲折に面白さの重心が寄っているのであり、欠点というよりは性質の違いか。
***お勧めタイプ
基本は箱庭いじりだが、その描写は神様視点ではなく等身大。地に足をつけて作物や家畜を育て、育てたものを食べて家族を養う……そんな流れに心惹かれる人には超お勧め。特殊効果の数が非常に多くプレイする毎に展開が異なるのも、勝ち負け以外に流れをも楽しむゲームとしてはお得感溢れる強力な長所。
能力やゲームバランスをよく把握していない最初の内は、上手くいかずに泣けるほどボロボロの農場がしばしば出来上がるけれども、難しいゲームと腹をくくってまずは臨んでみるべし。多少苦労してでも触れてみるだけの価値がある、後からじわじわ旨みの出てくるタイプ。
***【お勧め度:★★★★★★☆☆☆☆】
#endregion
**関連商品
-拡張セット『アグリコラ:拡張セット 泥沼からの出発』&br()悪地形を開拓し、副産物として木材や燃料が手に入る仕様となっている。また、新規の家畜や進歩の他、家に「暖房」の概念が追加されている。
--この他にも、同デザイナーが考案した公式のジョークエキスパンション『アグリコラ:プレミアムグッズ』や、大会用エキスパートセット『アグリコラ:世界選手権デッキ』((2013年3月発売予定))などがある。特殊効果カードの多彩さをウリの1つとしたような大元のゲームデザインの賜物か。
-2人用アレンジ版『アグリコラ:牧場の動物たち』&br()牧場と家畜に焦点を絞った簡易アレンジ版アグリコラ。これは単独で遊べる。ワーカー&マネジメント要素を持つボードゲームの入門用といった趣の内容。
----
**FAQ
: &color(blue){Q:長考してしまう質なので、「特殊効果カードが豊富」と聞いて回りの迷惑にならないか心配です。} | &color(red){''A:''}重めのゲームには尽きないダウンタイム問題。&br()もっともこの作品は、特殊効果カードがゲーム中にほとんど回転しないので開始前に配られる7枚+7枚だけ把握すればよく、その分には他人の手番中程度の時間でも結構足ります。&br()最初にプレイする職業選択は非常に重要ですが、どうせみんな悩みたいのは一緒でしょうから、マナーとして一声かけて、早い段階で堂々と考えましょう。&br()それ以外の点では、上級者向けの職業セットでもない限り「最優先事項は“家族”」というセオリーを意識すれば、案外考え込まずに済むと思います。