Ange's Adventures in Wonderland内検索 / 「水底の歌姫-3」で検索した結果

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  • 水底の歌姫-3
    水底の歌姫-3 フェレンツァの姫と別れた後、その日の夕方には俺も東方への船に乗り込んでいた。 傷心を癒したかったし、銀髭が方々に放った追手が ヴェネートに入り込むのは時間の問題だったからな。 ベアトリーチェを底部の厩に運んでもらい、 俺もそそくさと手形に印を押してもらった。 ダリオ≪緑の庭師≫に任せた薔薇園はどうなっているだろうか、 これからの道程が、彼女の旅路と交わることはあるだろうか…… そんなことをぼんやり考えながら、ゆったり流れていく時間を過ごしていた。 船はやがてビュザンティオン≪東と西の交わりたる帝都≫に着くから、 ハギア・ソフィアの大聖堂に真っ先に向かおうと考えていた。 女のことを忘れるには、敬虔な気持ちで 五本山巡礼の旅をするなんてのもいいじゃないか。 面倒ごとに見舞われたのは、何日目のことだったか忘れてしまったが、 とにかく...
  • 水底の歌姫
    水底の歌姫 水底の歌姫-1 水底の歌姫-2 水底の歌姫-3 水底の歌姫-4
  • 水底の歌姫-4
    水底の歌姫-4 歌声が聞こえる。 どこから聞こえてくるのかわからない。 だって四方を見渡しても草原ばかりなんだ。 包み込まれているような気がしてな……。 突然体が震えた。 ぞくっとするような、歌声が体の奥にまで 侵入してくるような気がした。 とても透き通っていて、美しい歌だった。 陸の上にはセイレーンはいないはずだ。
  • 水底の歌姫-1
    水底の歌姫-1 ベアトリーチェは白銀の毛並みをたたえる駿馬だ。 ロマーニアの中枢を束ねるフェレンツァ領主、≪銀髭≫のガレアッツォの厩に繋がれていた。 俺が遍歴の旅に出た時に、ふさわしい馬が欲しいと思ってな。 ガレアッツォの姫と示し合わせて手に入れたんだ。 彼女は望まぬ結婚をさせられようとしていた。 年老いた皇帝に嫁がなければならない身だった。 「自由な鳥になりたい…」 姫の声はまだありありと耳に残ってるぞ。
  • 水底の歌姫-2
    水底の歌姫-2 馬鹿な、とても美しかったが… 手に入れることはできなかった。 彼女は海が観たいと言っていた。 その気持ちに応えたくて、ヴェネート≪水都≫に連れて行ったよ。 ふん、相乗りをしているところを荒くれ男どもが見て、 何か冷やかしていたように思うが覚えてない。 港に佇む姫の姿はとても印象的だった。 放っておいたら身を投げてしまうんじゃないかと、 心配にさえなった。 結局、朝一番の船に乗って彼女は東へと旅立った。 今は何してるんだろうな。 もう一度会ったら、今度こそくどいてやるんだが。
  • アンジェ
    アンジェ・ド・メディシス 庭園 城壁 区域 住人 根源 大城門付近 ~ 散歩道 湖 湖の島 サロン 四つの祠 詳細不明の地 黄昏の塔 薔薇の騎士 地獄 水底の歌姫 ギリシャにて 冬薔薇の後 愛馬 時間 バタイの福音書 ルクレツィア クラウディア 日常 死に行く年 ドゥーチェ 城館 パスタ 虹の道、歌の道 直感 所感 桃花源記 黒薔薇戦争 リュートを調弦する女 精液 絶句二首 其二 開花 共和政 退廃 習作 空 灰 パスタの自由 三国志 一杯茶 (阮籍) 贈秀才入軍五首 情詩五首 雑詩 (傅玄) 赴洛道中作二首 答張士然 公讌 嘲熱客 或る貴公子の悲劇 (曹植) 送応氏二首
  • 答弁-3
    答弁-3 アンジェ ζ :幸せならよかった。 ここに薔薇の花が映った写真があるんだけど、 花びらの上によく見るとうつぶせになった妖精がいるのがわかるかな? クマッタ@ガチホモ板天皇:ああいる アンジェ、いやロコふるという名の妖精が確かにいる 150:アンジェの綺麗な肛門に妖精が二人、交互にキスをしているな
  • 日常-3
    日常-3 アポロンが大海を眺めたいと、玉座を西に動かしていく。 バルコニーに出て西を眺めると、太陽は 白い峰 の頂に下りようとしている。 白い柔らかな光が雲を伝ってこちらに注ぎ、 やや離れたところでは空がうっすらとした青に澄んでいる。 美しいこの時間は、地上にあるどんな贈り物にも増して素晴らしい。 傍らに佇む薄青のヴェールを纏った貴婦人は、 何も言わずに天上に思いを馳せている。
  • パスタ-3
    パスタ-3 たかがパスタと、君、嗤うこと勿れ。 一ミリグラムの小麦についても、それを育てた偉大なる 愛 が生きているのだから。 いわば愛の集約されたる姿を食しているのだから、 その偉大さは称揚されてしかるべきである。
  • 一杯茶-3
    一杯茶-3 〝ああ、茶を飲むと厠が近くなって困るな〟 劉伶が辞去してからというもの、阮籍は自室と厠を行ったり来たりしておりました。 茶の成分が体の毒を溶かし、外に出そうとするものですから、 しばらくの間は頻繁な尿意に悩まされることになるのです。 〝其馨如蘭、か。あんたは本当に達観してっからな。俺にゃ無理だよ〟 ケイ康の兄、ケイ喜は弟と異なり、実直に社稷に尽くす世俗型の人間でした。 阮籍はそんなケイ喜を蔑み、白眼で相対してひどく世間の顰蹙を買ったこともありました。 しかし考えてみれば、俗人を強く意識して切り離す自分は、 まだ超然の境地に辿りついていないではないか。 そうして頭を悩ませ、机を打って荒れるのです。 庭の木には小鳥が二、三羽ほどとまっているのでしょう、 歌声が琴の重奏のように重なり合っております。 日差しを受けてきらきらと輝き、と...
  • バタイの福音書-3
    バタイの福音書-3 サタンよ、わが後ろに退け。 汝はヘタリアのことを識らず、反って予を貶めんことを思う
  • クラウディア-3
    クラウディア-3 クラウディアが話して聞かせてくれた物語の中に、 いまだに解明されない恐ろしい病の話があった。 とつぜん現れるその病は、瞬く間に世界に広がり、 やがて多くの花が枯れてしまうだろうということだ。 怖いわ、と笑いながら話す 彼女 に、 俺も笑顔で相槌を打っていた。 〝怖いな、今日は眠れるだろうか〟 冗談めかして言う俺に、 笑いながら〝気をつけて〟と返すクラウディアが愛しい。 笑い話にしてしまったけれど、 彼女 が枯れてしまうのも、俺が死んでしまって二度と 彼女 に会えないのも、 どちらも怖いことだ。そんなことは耐えられそうもない。
  • 或る貴公子の悲劇-3
    或る貴公子の悲劇-3 「あのひとの髪は、烏羽玉のように深く黒くて」 「ああ」 「絹のように艶やかで」 「ああ」 「目元は…」 「ああ」  放心したように力なく、しかしとめどなく思いを口にする曹植。 それでも、最後には、 「兄上に謝らなくてはいけない。どうかしてた。 兄上があの人の夫だというだけで、胸にこみ上げてきて、 話すのが耐えられなくて、今朝顔を合わせた時に逃げてしまって…」 「…付いていってやろうか?」 「いや、大丈夫…です」  曹彰は弟の笑顔に安堵し、また前方に視線を戻した。
  • ギリシャにて-3
    ギリシャにて-3 最後に扉が閉ざされてから、どれだけ経ったのか分からない店を見つけたことならあるぞ。 煤けた木の扉で、看板にはリングア≪古代文字≫で綴られた店の名前が書かれていた。 作りは典型的なグアエキアの骨董品商店の老舗といったふうで、 遍歴の騎士としては旅情に浸るいい材料になった。 ビュザンティオンに居たのは一週間に満たなかったし、 その間には日に日に高まる戦さの機運で 城下の雰囲気もピリピリしていた。そのせいでどうにもいたたまれなくなって 宿舎から外に出ることはあまりなかったから、帝国での数少ない思い出の場所になったんだよ。 最初に見つけた時には、窓には板が打ち付けてあったし、 扉にも錠が下ろされていたからな。 進入を試みて歩哨に見咎められるのも気が引けたから、 後ろ髪を引かれる思いでその場を立ち去った。 不思議なことに、その店のことは忘れて...
  • パスタの自由-3
    3 突如、ラジオのN○CK5が国営放送に切り替わる ラジオから流れるのはドゥーチェの演説 アンジェ「…地中海の加護篤き正しきパスタの子たる男女諸君! 運命によって定められた時が、祖国の空を覆っている 今や不退転の決意をする時が来たのだ! ポモドーロの大地の賛歌を冒涜するがごとき穢れた赤 食感を冒涜するがごとき汚泥の舌触り サタンの血便にも等しき悪の調味料ケチャップがイターリアを侵食する! …名を口にするもおぞましき食品加工技術の負の産物よ、おお! アメリカの災厄、パンドラの箱、浅薄なる調理! 斯くも醜きイターリアへの挑発であることよ、かのナポリタンは! 手間隙をかけた料理を疎み、深い味わいを忘れた豚野郎ども! パスタが泣いている! ポモドーロやパンチェッタが泣いている! ああ、許してはおけない! かの食への冒涜を正すのは自然に息づく...
  • クラウディア-2
    クラウディア-2 昨日、クラウディアは俺の顔を見るなりぱあっと顔を明るくしてくれたんだ。 俺が話しかけると、寄り添うようにして、深紅の花弁をさらに高潮させ、 花の中にたたえた滴をうるうると滲ませて頷くんだ。 本当に何もかもが可憐だ。 庭に立っていると時間を忘れてしまう。 彼女 が笑顔を浮かべてとりとめもない永遠の庭園のことを口にするのを 聞いていると、俺も自然に幸せな笑顔が浮かんできて この上ない幸せな気持ちになる。 塔に戻る道すがらは、まるで五月に小鳥が 歓喜 の歌を交わしている中に 立っているような心地さえする。 玉座に腰を下ろして、黄昏を眺めながら思案していると やがてああ言えばよかった、こう聞けばよかったと後悔に襲われる。 不安の海に投げ出されて、俺の心は壊れてしまいそうになる。 その不安を拭い去れる...
  • 虹の道、歌の道
    虹の道、歌の道 ~虹の道を行け、歌の道を行け 進むうちにまわりに美があふれ、 くらい靄の中からの出口が見つかる。 虹の道を行く人には~ どうしようもなく心が塞いだとき、少女はいつもこの歌を口ずさみました。 彼女はネイティブ・アメリカンの生まれでした。 故郷を離れてヨーロッパへ渡った後も、 彼女の心はいつも故郷の荒野とともにありました。 少女は生まれつき、特異な感性を持っていました。 太陽や、星や、花や、風といった自然から、生命力を受け取ることができました。 頭の上に座った妖精と交信することができましたし、 人の心の機敏を鋭く察することができました。 とにかく心が柔らかく、感性が繊細なものですから、 人の中にいるだけでも消耗し、負の感情に触れれば簡単に傷ついてしまいます。 ヨーロッパでは、心ない仕打ちを受けることもありました。 褐色の肌を...
  • ギリシャにて-1
    ギリシャにて-1 前にもこういうことがあってな。 足の向くままに歩いていたら、街道を逸れて森の中に入っていたんだ。 夜も更けて道の分別もつかなかったし、森の中の月明かりでは心もとなかったからな……。 ただ、さらさらと水音が聞こえたものだから、 上手いこと川を見つければ、それに沿って人のいるところまで歩いていけると考えた。 ひたすら水が流れる方へと歩いていったよ。これほど聴覚に神経を傾けたことはなかったな。 そしたら驚いたよ。何を見たと思う? 若いニンフが一人、目を閉じて気持ちよさそうに水浴びをしていたんだ。 長い髪をおぼつかない手つきで洗っていて、月明かりを映した水辺の景色とあいまって印象的だった。 どうしようかとさすがに迷ってな。 ニンフに不用意に近づいて、怒りを買って呪いをかけられた男の話なんて ギリシャ神話を読めばいくらでも出てくるし、かと...
  • パスタ
    パスタ パスタ-1 パスタ-2 パスタ-3 パスタ-4 ~俺の体に流れているのは、 あのトマトよりも赤く激しいものだよ~
  • 144
    144 答弁 答弁-1 答弁-2 答弁-3 答弁-4 答弁-5 答弁-6 答弁-7 答弁-8
  • ギリシャにて
    ギリシャにて ギリシャにて-1 ギリシャにて-2 ギリシャにて-3 ギリシャにて-4
  • クラウディア
    クラウディア クラウディア-1 クラウディア-2 クラウディア-3 クラウディア-4 ~こまやかな愛で 風の雄叫びを 甘美な調べに変える者 その人こそ、偉大~
  • 日常
    日常 日常-1 日常-2 日常-3 日常-4 日常-5 ~夜、枕に頭をのせるときに その日のことを思い返して 「今日、わたしはだれかが いくらか賢くなるように 力をつくした」 できれば、いつもそう言いたい~
  • バタイの福音書
    バタイの福音書 バタイの福音書-1 バタイの福音書-2 バタイの福音書-3 ~ヘタリアを笑う者は、ヘタリアに泣く~
  • 一杯茶 (阮籍)
    一杯茶 (阮籍) 一杯茶-1 一杯茶-2 一杯茶-3 ~深い静寂に耳を傾け 心をひらく…… この狂った世界の みだれた思い、光景 そして騒音のかなたに きみを待っている 平安にひたる~
  • 或る貴公子の悲劇 (曹植)
    或る貴公子の悲劇 或る貴公子の悲劇-1 或る貴公子の悲劇-2 或る貴公子の悲劇-3 或る貴公子の悲劇-4 或る貴公子の悲劇-5 或る貴公子の悲劇-6 或る貴公子の悲劇-7 或る貴公子の悲劇-8 或る貴公子の悲劇-9 或る貴公子の悲劇-10 或る貴公子の悲劇-11 ~だれかをゆるすとき かたい結び目はほどけ、過去は解放される~
  • パスタの自由
    パスタの自由 庶民的な味で多くの人に親しまれたナポリタンだったが 国家パスタ社会主義を掲げるアンジェによって徹底的に弾圧される 後の人々はこれをパスタジェノサイドと呼んだ これはそんな抑圧時代に 庶民の食卓に笑顔を取り戻そうと挑んだ 解放者達の物語である── パスタの自由-1 パスタの自由-2 パスタの自由-3 パスタの自由-4 パスタの自由-5 パスタの自由-6
  • 日常-4
    日常-3 自然 が優しい顔つきをしている今日のような日でさえ、 多忙 がつきまとって心が晴れることがない。 ある時は木々の間から、ある時は背後にじっと佇んで、 たえず気持ちを揺さぶることに腐心している。 音楽を聴いていても気持ちが穏やかでなく、恋人を思い浮かべても揚々としない。 閑暇 とはなんと素晴らしい少女だったことだろう! 彼女が俺のもとから離れてからというもの、幻想世界はさらに朧気なものとなってしまった。 ああ、世の人よ、滑稽なことだと笑うのも構わない。 あの忌まわしい 多忙 よ、呪われてあれ! 彼の追手からはドゥーチェであろうと逃れられないものなのだ。
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