動物キャラ・バトルロワイアル
http://w.atwiki.jp/animalrowa/
動物キャラ・バトルロワイアル
ja
2014-01-24T10:02:57+09:00
1390525377
-
◆w2G/OW/em6
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/157.html
**◆w2G/OW/em6 氏
|話数|タイトル|登場人物|
|003|[[面影]]|まん丸、メレオロン|
|013|[[終端の宴と異世界の騎士]]|シエラ、ザフィーラ|
|015|[[おさかな天国?]]|イカルゴ、ヨッシー|
|022|[[未来へのシナリオは]]|風雲再起、ツネ次郎、ケットシー|
|025|[[それは不幸な出会いなの?]]|チョッパー、ザフィーラ|
|031|[[狼×お子様×サッカー場]]|まん丸、メレオロン、ホロ|
|039|[[流れ行くものたち]]|ラルク、ヨッシー|
|055|[[新しい朝が来た、疑問の朝だ]]|ケロロ軍曹、ぼのぼの|
*登場させたキャラ
2回
ザフィーラ、まん丸、メレオロン、ヨッシー
1回
シエラ、イカルゴ、風雲再起、ツネ次郎、ケットシー、ホロ、ラルク、ケロロ軍曹、ぼのぼの
- コンスタントに作品を作り上げる書き手 -- 名無しさん (2008-09-22 21:11:56)
- メレオロンさん殺すなし〜(T . T) 神の不在証明もっと活用してよ〜( ;´Д`) -- 遊太 (2014-01-24 10:02:57)
#comment
2014-01-24T10:02:57+09:00
1390525377
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第三回放送までの死者
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/275.html
*&color(red){第三回放送までの死者}
|時間|名前|殺害者|死亡作品|死因|凶器|
|日中|[[クズリの父]]|[[パスカル]]|[[RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]|咬殺|両顎|
|日中|[[パスカル]]|[[まん丸]]|[[RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]|惨殺|ヤマアラシデビル|
|日中|[[ザフィーラ]]|[[トニートニー・チョッパー]]|[[とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]|殴殺|刻蹄桜吹雪|
|日中|[[トニートニー・チョッパー]]|[[ムックル]]|[[とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]|咬殺|鋼の牙|
|日中|[[クロ]]|[[ケットシー]]|[[彼にしか出来ないぶち抜き]]|オーバーヒート|アギダイン|
|日中|[[ケットシー]]|[[クロ]]|[[彼にしか出来ないぶち抜き]]|斬殺|ヴァルセーレの剣|
|午後|[[ケロロ軍曹]]|[[アライグマの父]]|[[ひとつ火の粉の雨の中]]|圧死|アヴ・カムゥ|
|午後|[[アマテラス]]|[[ぼのぼの]]|[[ひとつ火の粉の雨の中]]|毒殺|ベンズナイフ|
|午後|[[ぼのぼの]]|[[アライグマの父]]|[[ひとつ火の粉の雨の中]]|圧死|アヴ・カムゥ|
|午後|[[ムックル]]|[[ラルク]]|[[未完成の自画像]]|圧殺|右手|
|午後|[[まん丸]]|[[ラルク]]|[[未完成の自画像]]|刺殺|スティンガー|
おまけ
|名前|最期の言葉|
|[[クズリの父]]|「まん丸君、よしなさい」|
|[[パスカル]]|なし|
|[[ザフィーラ]]|「――い」|
|[[トニートニー・チョッパー]]|「行こう……」|
|[[クロ]]|「やっぱ……こうじゃなきゃな」|
|[[ケットシー]]|なし|
|[[ケロロ軍曹]]|「まさか! あれは……ザクⅠ――!?」|
|[[アマテラス]]|なし|
|[[ぼのぼの]]|「……オオカミさん――?」|
|[[ムックル]]|なし|
|[[まん丸]]|「助けてくれて、ありがとうござ――――」|
殺害数
|順位|該当者|匹数|このキャラに殺された動物|生存状況|スタンス|
|1位T|[[赤カブト]]|5匹|[[アルフ]]、[[アライグマ]]、[[ツネ次郎]]、[[銀]]、[[グレッグル]]|&color(red){死亡}|無差別|
|1位T|[[ラルク]]|5匹|[[ヨッシー]]、[[ウマゴン]]、[[オーボウ]]、[[ムックル]]、[[まん丸]]|生存|危険対主催|
|2位|[[ケットシー]]|4匹|[[シロ]]、[[楽俊]]、[[因幡てゐ]]、[[クロ]]|&color(red){死亡}|中立|
|3位|[[シエラ]]|3匹|[[コロマル]]、[[ボニー]]、[[夜叉猿]]|生存|奉仕|
|4位T|[[ミュウツー]]|2匹|[[メレオロン]]、[[モロ]]|&color(red){死亡}|無差別|
|4位T|[[クロコダイン]]|2匹|[[タヌ太郎]]、[[キラーパンサー]]|生存|無差別|
|4位T|[[ムックル]]|2匹|[[ミュウツー]]、[[トニートニー・チョッパー]]|&color(red){死亡}|脱出→無差別|
|4位T|[[アライグマの父]]|2匹|[[ケロロ軍曹]]、[[ぼのぼの]]|生存|中立→無差別|
|5位T|[[因幡てゐ]]|1匹|[[ヒグマの大将]]|&color(red){死亡}|扇動|
|5位T|[[風雲再起]]|1匹|[[ペット・ショップ]]|&color(red){死亡}|対主催|
|5位T|[[ペット・ショップ]]|1匹|[[風雲再起]]|&color(red){死亡}|無差別|
|5位T|[[カエル]]|1匹|[[赤カブト]]|生存|対主催|
|5位T|[[楽俊]]|1匹|[[ピカチュウ]]|&color(red){死亡}※|対主催→ゾンビ|
|5位T|[[パスカル]]|1匹|[[クズリの父]]|&color(red){死亡}|無差別|
|5位T|[[まん丸]]|1匹|[[パスカル]]|&color(red){死亡}|対主催|
|5位T|[[トニートニー・チョッパー]]|1匹|[[ザフィーラ]]|&color(red){死亡}|危険対主催|
|5位T|[[ぼのぼの]]|1匹|[[アマテラス]]|&color(red){死亡}|対主催|
|5位T|[[クロ]]|1匹|[[ケットシー]]|&color(red){死亡}|対主催|
2013-07-12T21:07:54+09:00
1373630874
-
地図
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/12.html
&ref(umee.PNG)
-施設詳細及び現在の禁止エリア
&ref(animalrowa.jpg)
【参加者現在位置情報速報】
|地図上記号|場所|キャラクター|時間|
|A-1||||
|A-2||||
|A-3| |||
|A-4||||
|A-5||||
|A-6|研究所|&color(red){赤カブト}、&color(red){銀}、&color(red){グレッグル}、&color(red){ツネ次郎}、&color(red){アライグマ}、&color(red){アルフ}||
|A-7||||
|B-1||||
|B-2||||
|B-3|橋|||
|B-4|路上|&color(red){ヒグマの大将}||
|&color(red){B-5}||||
|&color(red){B-6}||||
|B-7|崖下|&color(red){風雲再起}||
|&color(red){C-1}||&color(red){コロマル}||
|C-2|駅前|シエラ、クロコダイン、ニャース|正午|
||駅付近|&color(red){夜叉猿}||
||南部|&color(red){タヌ太郎}||
||北西|&color(red){ボニー}||
|C-3||||
|C-4||アライグマの父、オカリナ、カエル、&color(red){ケロロ、ぼのぼの、アマテラス}|午後|
||校舎前|&color(red){因幡てゐ}||
|C-5|崖下|&color(red){シロ}||
|C-6||||
|C-7| |||
|&color(red){D-1}| |||
|D-2| |&color(red){プックル}||
|&color(red){D-3}||||
|D-4|ホテル跡|&color(red){楽俊}、&color(red){ピカチュウ}、&color(red){チョッパー}、&color(red){ザフィーラ}||
|D-5| |||
|D-6||||
|D-7| |||
|E-1| |||
|E-2||||
|E-3||&color(red){モロ}、&color(red){ミュウツー}||
|E-4|サッカー場付近|&color(red){クロ}、&color(red){ケットシー}||
||南部|イギー、ホロ|日中|
|E-5| |||
|E-6| |||
|&color(red){E-7}| |||
|F-1| |||
|F-2||||
|F-3||||
|&color(red){F-4}|列車内|&color(red){メレオロン}||
|F-5|F-5駅内|ギロロ伍長、ユーノ|正午|
|F-6||&color(red){オーボウ}、&color(red){ウマゴン}||
|&color(red){F-7}| |||
|G-1| |||
|G-2| |||
|G-3| |||
|G-4|豪邸|ラルク、イカルゴ、&color(red){まん丸}、&color(red){ヨッシー}、&color(red){クズリの父}、&color(red){パスカル}、&color(red){ムックル}|午後|
|G-5| |||
|G-6||||
|G-7||||
[[-参加者現在地>http://www6.atwiki.jp/animalrowa?cmd=upload&act=open&pageid=12&file=rowa_map1.png]]
[[-参加者現在地(施設詳細マップ)>http://www6.atwiki.jp/animalrowa?cmd=upload&act=open&pageid=12&file=rowa_map2.png]]
// &ref(rowa_map1.png)
// &ref(rowa_map2.png)
// ↑ので画像貼り付けようとしたらレイアウトがえらい事になった(^p^)何とかできる人いたら、スマン、頼む…
2013-06-16T22:56:07+09:00
1371390967
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彼にしか出来ないぶち抜き
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/287.html
*彼にしか出来ないぶち抜き ◆EwVLYtcCbD23
「ヒーッ! ホーッ!! こりゃいいや!!」
空を飛ぶという初めての感覚に、猫の機嫌は鰻登り。
今まで地に足を着けて歩くことしか知らなかった彼は、大空の旅を満喫していた。
とはいえ、そこまで自由なものではないのだが。
飛ぶ方向は決まっているし、速度も一定。
自分の思い通りに動かすことは、出来ない。
けれども、初めてというのはやはり気持ちがいいもので。
全身を使って風を切る、ということを思う存分楽しんでいた。
「ふぅ、もーいっかいと行きたいけど、ここは温存しとくべきだよね~」
初めてとは思えない完璧な着地をこなし、上機嫌の猫はあたりを見渡していく。
あたりに広がっているのは、瓦礫の山。
すこし歩きにくい地面を、よたよたとケットシーは歩く。
「おっ、マグネタイトじゃん? ラッキーラッキー」
転がっていたいくつかの死体から、生体マグネタイトを吸い取っていく。
死んでから間もないからか、その量はケットシーの予想以上に多かった。
「これでしばらく安心だね! うーんオイラってほんとにラッキーボーイ!」
丸々二日は生き延びられると見ても良いほどの、大量のマグネタイトを手に、ウキウキで探索を続ける。
その他にも、死体が持っていた道具を次々と拾得し、自分のものにしていく。
見事逃げ仰せた上に、マグネタイトと道具も手に入った。
なんて幸運なのだろうと、自分でも思う。
そう、確かに幸運だった。
「ん……これって」
光輝く「それ」さえ見つけなければ。
かつて投げ捨てた、一つの金属片。
それを、傷ついた手で触ってしまった。
さっきは手袋越し、しかも傷の付いていない手で触ったから良かったのだ。
もし、あのとき傷口が「それ」に触れていたら、話はまた変わったかもしれない。
まあ、今こうして。
「傷口」で「それ」に触れてしまったから、どうしようもないが。
ぶつん、という音と共にブラックアウトする意識。
自分のモノが、自分だけのモノが何かに塗り変えられていく。
手放しちゃいけない、誰にも渡してはいけないと分かっているのに。
体はとっくのとうに言うことが利かなくて。
染まる、染まる、染めあげられる。
……肉は確かに細切れになっていた。
だが、あの時一つだけ確認しなかったことがある。
なぜ、楽俊はザフィーラ達を襲ったのか。
その大本を突き詰めることをせず、"再起不能"の烙印を押した。
元凶は、元気に生きていたというのに。
こうして、再び"肉"を得た「それ」は、再びこの地に蘇った。
さらに、面倒なことは続く。
悪魔が実体化するために必要なエネルギー、生体マグネタイト。
ケットシーは、大型悪魔でも一日は暮らせる量を持っていた。
生体マグネタイトは、用途に応じて姿を変える。
故に、どんな悪魔にも適合し、その力となることが出来る。
いわば、何にでもなれる"秘宝"といってもいい。
それが、デビルガンダム細胞と組み合わさった。
自在に変形することができるデビルガンダム細胞と、どんな姿にも適合する生体マグネタイト。
もちろん、反応が起きないわけではない。
生体マグネタイトが何であるかを理解し、即座に情報を組み替えていく。
ケットシーの体すらも生体マグネタイトに変換し終えた細胞は、次々に変形をこなしていく。
その途中、あたりの瓦礫を巻き込み、あたりの死体を巻き込み。
有象無象と化した一本の塔が、天高くそびえ立つ。
まるで、悪魔合体が行われているかのように。
やがて、ぼろぼろと肉片や瓦礫がこぼれ落ち、塔が崩れさっていく。
表面がはげ落ちるようにボロボロと、休む間もなく崩れていく。
そしてしばらくして、削げ落ちる物がなくなったとき。
「我は――――」
無数の翼、光輝くような髪、天を突かんとする白い角。
「――――魔王」
漆黒を纏いし存在が、そこに立っていた。
沈黙。
ナメた口調の放送が流れてから、三者共に口を開かずに居た。
目的を失ってしまったイギーは押し黙り。
最初はベラベラと自己紹介に花を咲かせていたホロですらも口を閉ざしている。
そしてクロも例外ではなく、放送に言葉を失う。
「あー、ったく、待ちっぱなしってのはガラじゃねぇなぁ」
しばらく沈黙が続いた後、クロがおもむろに口を開く。
我慢が出来なかったのか、それともこの空気を壊そうとしたのか。
「だったら雨でも浴びて来いよ」
「機械の体じゃ雨は楽しめねぇよ」
「だろうな」
それに乗るようにイギーも口を開く。
軽口を飛ばしあうくらいには、待ちというものは辛い。
しかも、今は放送の所為で妙に重苦しい空気が流れている。
イギーとしても、気を紛らわせたかったのだろう。
何より行動派のクロにとっては、そんじょそこらの攻撃より辛いかもしれない。
イギーにナメられるわけにもいかないし、かといってここをほっぽりだして大暴れするわけにもいかない。
まだ口を開こうとしないホロの行動も見守りつつ、ただただ待つ。
ストレスの限界と戦いながらも、クロはただひたすらに待ち続けていた。
そして、念願のストレスフリーを、クロは手にすることとなる。
「……ッ!!」
その場にいる三者全員が、息を飲む。
いや、息を飲まざるを得ない。
むしろ、飲まない者がいたとしたら、よっぽどの脳天気野郎か自信過剰のキチガイくらいだ。
踵から尻の穴、背筋を通ってうなじまで、ぴったりと離れることなく舐められる感覚。
ゾゾゾッ、とした悪寒が止まらない。
現に、そこまで場慣れしていないであろうホロの足は震え、歯を慣らして怯えはじめている。
イッスンに至っては言葉を失うあまり、白目を剥いているほどだ。
場慣れしているイギーやクロでさえ、冷や汗が止まらないのだから無理もない。
「仲良くそろって大脱走、ってのを許してくれそうも無ぇな」
「あの図体相手じゃ逃げ場もねぇだろ」
ようやく言葉を出すことができたイギーに、クロは冷静に突っ込んでいく。
目の前にはサッカー場を覆わんとする巨体、隠れ場所は一時しのぎでしかないし、逃げ場は無いと言って良い。
あの巨体の目の位置から見えないところまで逃げるのは、相当骨が折れることだろう。
……それも、相当な脚力があっての話だが。
「つーか、逃げんのか? 臆病なんだな、お前」
「君子危うきに近寄らずってヤツだ、オメーみたいな脳味噌筋肉のキチガイ野郎と一緒にすんな」
クロの問いかけに、イギーはとてもめんどくさそうに答える。
もとより、面倒臭いことはとことん嫌う性格だ。
ヤバいと分かっていながら突っ込むなんて、大馬鹿のする事だ。
「ハッ、大口叩いといてイザって時は逃げ腰か。
しゃーねぇなぁ、バブちゃんの為にいっちょ大暴れすっか!」
「何とでも言えこの野郎、誰も好き好んで死にに行きたくはねーよ」
「ケッ、これだから温室育ちは……」
クロの皮肉たっぷりの言葉にも耳を貸さず、イギーはスタンドを発現させ、早々に逃げる準備を整える。
そんなイギーを横目に、クロはすっかり怯えきったホロへと視線を向ける。
「ま、っつーことで。ここは俺に任せて、おめーは全速力で走って逃げろ」
「し、しかしぬしは――――」
「三人そろって逃げ出す余裕なんざ無えっつってんだよ!!」
自分がそこまで死にそうな顔をしているのに、まだ他人を心配するというのか。
そういうヤツから死んでいく、というのはクロは良く知っている。
だから、あえてキツい言葉で突き放す。
こんな場所に安全なところはないとしても、ここに留まるよりかは幾分かマシなはずだから。
お守りから逃れたいとかそういう気持ちもあったが、先に思ったのは「無駄に死なれたくない」という事だ。
「ザフィーラが戻ってきたらちゃんと伝えっから、今はあれから逃げることだけ考えろ!!
あと犬公! テメーはホロを守るくらいしやがれチキン野郎」
「あァ?!」
突然言葉を向けられたイギーが、思わず怒りを露わにした反応をしてしまう。
なぜ先ほどであったばかりの話が長いだけの女を守らなければいけないのか。
そんな義理はないというのに。
「チッ、わーったよ脳味噌筋肉」
けれども、イギーはそれを受けた。
なぜか、というとシンプルな理由しか思いつかない。
目の前の猫に、ナメられたくないからだ。
「正直てめーでホロが守れるかは不安だがな」
「んだと……!?」
「キレてる暇があったら早く逃げろ!」
最後の最後の皮肉に思わず反応してしまったと同時に、クロは剣を片手に漆黒へと飛びかかっていった。
チッ、と軽く舌打ちをしながら、まだ怯えた顔をしているホロを見る。
これを助ける義理はない、分かっているけれどあの猫には舐められたくない。
どちらも"意味のないこと"だとは、分かっているが。
「おい、行くぞ」
心に残る何かに唆されるまま、イギーはホロと共にサッカー場を全速力で後にした。
サッカー場をぼんやりとした目で見つめながら、魔王は立ち尽くしていた。
と、いうのも、実はまだ"魔王"としての意識が目覚めきっていないというのが正直なところなのだ。
魔獣、ケットシーを媒介として行われた疑似的な悪魔合体。
正規の手段ならば生まれた先の意識のみとなるのだが、今回はそうではない。
生体マグネタイトと、獣たちの肉、そしてDG細胞による変形能力を用いて行われた今回の合体は、イレギュラー中のイレギュラーな手段と言っても良い。
その上さらに、通常の悪魔合体でも起こるマグネタイトの異常反応――――俗に言う"合体事故"も起きた。
あり得ないことにあり得ないことが上塗りされた結果、あり得ない者が生まれた、と言うべきか。
ともかく、今ここにいる魔王に自我はない。
あるのはDG細胞の支配と、それに抗おうとするケットシーを初めとした肉体たちの意志。
そして途中で取り込んだヒョウヘンダケのこともある。
魔王の意識がその中にあるのかどうかは、分からない。
様々な要素が重なりあって生まれた、不安定な存在。
それが、この"魔王"だ。
「ゴアアオッ!!」
本来、その姿を象っているべき存在ならば、絶対に出さないであろう醜い声と共に腕を振るう。
見る者を包み込んでしまいそうな巨体から放たれた一撃が、豆腐を砕くかのようにいともたやすくサッカー場の一部を砕いていく。
「ガアッグアアアオッ!」
続けて放たれた一撃が、さらにサッカー場を抉っていく。
たった二撃でこの惨状、サッカー場、いやこの世界全体が崩れさるまでに、そう時間はかからないだろう。
もう、この場にいるもの達には絶望しか残されていない。
誰もが、そう思うだろう。
「どぉおおおおりゃああああああああ!!!」
そんな絶望に正面から突っ込んでいく、たった一つの"黒い希望"が居た。
巨体の脚部から駆け上り、顔へとまっすぐに駆け抜けていく。
それに気がついたのか、たまたまなのかは分からないが魔王は腕を振るう。
駆け上るクロを振り払うように、剛腕をうならせていく。
「うおぁっ!」
地面に対して直角に走り出していたクロは、それをなんとかよけるものの、重力に従って落ちはじめてしまう。
これではまた登り直しだ。
「にゃろっ!!」
だから、手をのばす。
魔王の体に向けて、手に持つ剣をのばしていく。
ほんの一瞬だけ、魔王の体に剣の先端が刺さる。
その一瞬を利用し、全身の力を込めて魔王の体へと戻っていく。
すたっ、と着地した場所は、地面からほぼ直角の場所。
立ち止まっている暇など、もちろん無い。
足に渾身の力を込めて、そのまま駆け上る。
魔王はそこでようやくクロの姿を認識したようで、その瞳に姿を映していく。
グォオ、と低く唸る魔王に希望は銃を構える。
ただし、それは攻め手ではなくあくまで道を造るためのもの。
軽い音を立てながら放たれる無形の銃弾たちは、魔王の体に突き刺さることはない。
「うおっ!?」
それどころか、まっすぐに希望の元へと跳ね返ってきていた。
軌道が真っ直ぐだったので避けることは苦ではなかったが、銃が足止めに使えないと言うのは大きな痛手だ。
先ほどの剣の突き刺さる感覚からして、心臓を一突きという訳にもいかない。
「ゲッ!」
だったらどうする、と考えていた矢先。
クロの小さな体を簡単に飲み込んでしまいそうなほど大きな火の玉が、彼の目の前に鎮座している。
大きく避けなければ、直撃は必至。
「クソッ!!」
せっかく稼いだ前進距離を少し犠牲にしつつ、希望は大きく横に避ける。
チリッとしっぽが火球を掠め、焦げ臭いにおいが広がっていく。
舌打ちをしながら前を見る、そこには同サイズの火球がもう一発待ちかまえていた。
「マジか……」
ぽつりとつぶやいた一言と共に、クロの小さな体が飲み込まれていった。
「あー!! くそ! 熱い熱い熱い!!」
火球が落下し、サッカー場の瓦礫を溶かすと同時に、一つの銀色の影が火球から飛び出す。
纏っていた皮を抜け出し、本来の姿へと戻っていく。
いや、本来の姿であり、仮初めの姿と言うべきか。
彼は動物達が集うこの場所で、ほぼ唯一と言っても良い機械の体の持ち主。
剥き出しになった金属面が、それを物語っている。
「体はデケぇし硬ぇし、銃は跳ね返ってくる上に、お手手からは炎が出ると来た」
魔王の死角に潜り込み、"銀色の希望"は状況を整理する。
とはいっても、絶望的な今を噛みしめれば噛みしめるほど、彼に抵抗の手段など残されていないというのが分かる。
自分の攻め手は無いに等しく、相手の攻め手は強烈なモノばかり。
いわば"詰んで"いる、分かりきったことなのに。
「……おっもしれえ」
彼は笑う、それも狂気をたっぷりと含んだ笑顔で。
こうでなければ、こうでなければいけない。
今まで散々我慢してきたのだから、これぐらい"狂わせて"くれないと、話にならない。
使いモノにならない銃を捨て、剣を腹の中に仕舞い、もう一本の剣を携えていく。
なぜ、武器を切り替えたのか?
初めに持っていた剣の方が、切れ味は上だというのに。
「おおおおおおおおおっっ!!」
一直線に走り抜ける。
使えないナマクラを手に、魔王へと向かっていく。
間を置かずに、クロの前進に気がついた魔王が炎を放つ。
先ほどとほぼ同サイズ、それでいて広範囲の火球が四方八方縦横無尽に飛び回る。
そのままクロへと牙を剥き、それぞれが炎の渦を巻き起こす。
筈だった。
炎が向かった先、そこには剣を構えるクロの姿。
そして、真逆の方向へと跳ね返っていく火球達。
一体、何故?
答えは、彼の持つ剣にある。
ある地方、ある王国に代々伝えられた伝説の剣。
主に桃缶を開けるために使われる……のではなく、万物を切り裂き道を造るとされている伝説の剣だ。
しかし、それは伝説の宝石と聖なる者の魂があってのこと。
それがなければ、この剣は"何も斬ることが"できない。
この世でもっとも使えない、ナマクラ剣と言っても良いだろう。
少なくとも、"斬ることに関しては"。
伝説の剣が本来の力を手にしていないときの特徴が、もう一つある。
それは、"どうやっても砕かれない"ということ。
来るべき覚醒の日まで、砕けるわけにはいかない。
故に、この剣はその日まで"絶対に砕けないよう"作られた。
そう、来るべき伝説の日まで。
万物に対して干渉しないし、されないように作られていた。
故に斬ることもできない、代わりに斬られることもない。
何も破壊できないが、何にも破壊されることはないのだ。
それを――――クロは理解していた。
飛び交う極大の火球、それをかわす手段。
そう、避けれないなら"弾け"ばいいのだ。
時には剣のように、時にはバットのように、時には槍のように。
伝説の剣をうねらせ、無形である炎を弾き飛ばしていく。
クロは、剣ではなく"盾"としてそれを使うことで、活路を見いだした。
「おぅ……らァッ!」
そして、最後の一発。
それを弾き返すと同時に、弾き返した炎の上に"乗る"。
伝説の剣をまるでサーフボードのように操り、魔王へと真っ直ぐ戻っていく炎に乗って、一直線に眼前へと近づいていく。
超高速で近づくクロに、魔王は反応が遅れる。
ほんの一瞬、されど一瞬。
クロが懐から取り出したヴァルセーレの剣を投げつけるには十分すぎる隙だった。
弾丸のように飛び出した剣が、魔王の眼に突き刺さる。
ぐらり、とすこしだけよろけると同時に、クロが飛び出していく。
そして、再び伝説の剣を振りかぶり。
突き刺さったヴァルセーレの剣の"ちょうど中心"を、真っ直ぐに叩く。
何も斬れない、砕けない、破壊できない、干渉できないナマクラ刀。
けれども力を伝える事はできる。
絶対に何も斬れず、絶対に何にも砕かれないからこそ、一直線に力を伝えることができる!
まるでトンカチのようの振りおろしたそれが、魔王の眼に突き刺さったヴァルセーレの剣を縦へ進めていく。
「うおおおおっ!!!」
当然、魔王は暴れる。
剛腕はうなり、火球は乱れ飛ぶ。
けれども、クロは止まらない。
「おおおおおおおおっ!!」
加速、重力、自分が使えるありとあらゆる力を乗せ、振りおろしていく。
止まらない、止まらない、暴走列車のように。
縦に真っ直ぐ線が入り、魔王の体が斬り裂かれていく。
瞬時に再生を始めようとするが、それは遅すぎた。
断面、つまり外皮に覆われていない内蔵が見えているという事。
それさえ見えれば、十分だ。
「うっ……るァァァァァッ!!!」
瞬時にヴァルセーレの剣へと持ち換え、一薙ぎ、二薙ぎと攻撃を重ねていく。
断面を境にぶちり、ぶちりと斬り飛ばされていく肉体、その攻撃は再生速度を優に上回っていた。
吹き飛ばされた肉は、瞬時に形を失っていく。
魔王の体は純粋な肉体とは違い、元々死骸だったものと生体マグネタイトで無理矢理構成されたものだ。
細胞の力がなければ生きていられるわけもない。
それを知ってか知らずか、クロは大きく振りかぶって魔王を"ブツ切り"にしていく。
弾け飛んだ部位から、溶けだしていく。
足、足、胴、胸、肩、肩、次々に吹き飛ばされていく。
そして、最後に残った頭。
未だに抵抗をやめようとしない魔王に、クロは最後の一撃を叩き込んで行く。
「おっ……らっ」
始めに突き刺さった部位を基準に、顔が両断されていく。
「よぉっ!!」
吹き飛ばされる、顔の半分。
断末魔の叫びも空しく、空に溶けていった。
どろりと融けた肉塊に包まれ、その中心でクロは倒れこむ。
初撃で浴びてしまった炎が思っていたよりも体を蝕んでいたようで、あちこちで金属の軋む音が聞こえる。
というか、軋むどころではなく半身もっていかれている。
どろりと融け始めていた金属を押し通してあんな無茶をしたのだから、無理も無い。
だが、クロは止まらない。
「手前が本体か」
残った片腕を伸ばして掴み取るのは、光り輝く一枚のチップ。
先ほどまで、魔王を形成していた"悪魔"の本体だ。
クロが手に取ったことを察知し、チップは何時もどおりにクロの意識を乗っ取ろうとする、が。
「悪ぃな、テメーも一緒に死んでもらうぜ」
クロは生体ではない、寧ろチップと同じ"金属"と"半導体"で出来ている。
自分で思考し自分で行動できる、天才科学者、剛万太郎の自信作(サイボーグ)。
そんじょそこらの人間の肉体を乗っ取る程度のチップに、遅れを取る訳が無いッ!!
「ぬぅぅぅうりゃああ!!!」
クロの自我を食い荒らそうと侵略を始めるチップに、全身全霊全プログラムを賭けて対抗する。
傍から見れば、チップを手にクロが叫んでいるだけ。
けれど、そこで起こっている事はここにいる誰もが出来ないこと。
この場所で彼にしか、彼だけしか出来ないこと。
ばちん、と雷が弾ける。
先ほどと同じ、いやそれより激しい戦い。
動きは無く、仲間も無く、音は弾けた雷だけ。
けれど、けれど、彼にしか出来ない戦い。
「ああ……」
戦いを終え、遠くを見つめる。
身体を動かすどころか、もう思考すらままならないけれど。
「やっぱ……こうじゃなきゃな」
この上ない満足感に包まれながら、ゆっくりと眠る。
目は、覚まさない。
&color(red){【クロ@サイボーグクロちゃん 死亡】 }
&color(red){【ケットシー@真・女神転生if... 死亡】 }
&color(red){【デビルガンダム細胞@機動武闘伝Gガンダム 機能停止】 }
※放置支給品(E-4):メガブラスター@クロノトリガー 、ヴァルセーレの剣@金色のガッシュ
アームターミナル@真女神転生if...、伝説の剣@ハーメルン
※放置支給品(D-4):まぼろしのてぶくろ@MOTHER3 、デザートイーグル@真女神転生if...(コロナショット@真女神転生if...(12発))
和道一文字@ワンピース、雷の石@ポケットモンスター、拡声器、折れたシャムシール@真女神転生if...、
グリードアイランドカード(追跡)@HUNTER×HUNTER 、ケットシーの帽子@真女神転生if...、
フィジカルミラー@ペルソナ3、カマンベールチーズ@現実、キメラのつばさ*1@DQ5、
伝説の剣のルビー@ハーメルンのバイオリン弾き
エルルゥの毒薬@うたわれるもの(テクヌプイの香煙×5、ネコンの香煙×5、紅皇バチの蜜蝋×5、ケスパゥの香煙×5)
【E-4/南部/1日目/日中】
【イギー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】:全身打撲(小・治療済)、疲労(中)、精神的疲労(中)
【装備】:腕時計
【道具】:支給品一式(食糧:ドライフード)、犬笛
【思考】
基本:面倒なので殺し合いには乗らない。
1:とりあえず逃げる
【備考】
※イギーの参戦時期はペット・ショップとの戦闘で、下水道に逃げ込む前後です。
※スタンドの制限に気づきました。
※タヌ太郎に少し心を許しました。
※コロマル、アライグマの父と情報交換をしました。
※ピカチュウたちと情報交換しました。異世界という情報を得ています。
※オーボウ、グレッグル、ミュウツーへの伝言を預かりました。
【ホロ@狼と香辛料】
【状態】右腕に切創(小。止血済み)
【装備】:イッスン@大神、魔甲拳@ダイの大冒険
【所持品】:支給品一式、身かわしの服@DQ5、まんまるドロップ@聖剣伝説Legend of Mana(四個)、
ラスタキャンディ@真女神転生if...(二個)、アギラオジェム×3@ペルソナ3
【思考】
基本:ゲームに乗る気はない。ただし、向かってくる者には容赦しない
1:逃げる。
2:どうにかして血を手にいれたいの。
3:わっちの麦はどこにあるのじゃ?
【備考】:参加時期は6話「狼と無言の別れ」の後です。
※生き血を飲んで変身できる事は話していません。
*時系列順で読む
Back:[[空が別れを告げている]] Next:[[ひとつ火の粉の雨の中]]
*投下順で読む
Back:[[陰の天、宙の風]] Next:[[]]
|099:[[蛙人乱れし修羅となりて]]|ケットシー|&color(red){死亡}|
|092:[[驟り雨]]|クロ|&color(red){死亡}|
|092:[[驟り雨]]|ホロ||
|092:[[驟り雨]]|イギー||
2013-06-16T21:22:50+09:00
1371385370
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キャラ別SS表
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/19.html
**追跡表
各キャラクターごとにSSを追跡します。
000はオープニングです。
|名前|話|登場話|
|>|>|&color(yellow){■ぼのぼの}|
|[[ぼのぼの]]|9|[[000>オープニング]]、[[004>悲しいことや辛いことが終わるために…]]、[[030>狡兎三窟]]、[[055>新しい朝が来た、疑問の朝だ]]、[[068>本日の特選素材]]、[[079>雨がくる風がたつ]]、[[093>背なの上のぼの]]、[[097>雨の降る昼、いったいどうする]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|[[アライグマ]]|6|[[000>オープニング]]、[[009>禍福は糾える縄の如し]]、[[027>アライグマくんの受難]]、[[042>参上!太陽の使者!その名は…]]、[[058>王者の風]]、[[063>へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~]]|
|[[クズリの父]]|7|[[014>クズリくんのお父さんとコウマくん]]、[[037>Night Bird Flying]]、[[054>口より先に欲が出る]]、[[070>朝日と共に去りぬ]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[083>今日も明日も変わるけれど――]]、[[096>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]|
|[[ヒグマの大将]]|2|[[021>命を懸ける熊犬と懸けない羆]]、[[030>狡兎三窟]]|
|[[アライグマの父]]|11|[[018>ここはび~いち、キュウビの湯]]、[[032>現場は木造平屋建て]]、[[034>二度あることは三度ある]]、[[046>獣の卍(前篇)]]、[[065>乱暴者タヌキは今日も行く]]、[[078>戯守奇譚]]、[[085>Raccoon Over The Castle]]、[[089>黒い牙]]、[[100>俺の背丈追い越して、いつかはお前もいっちょ前]]、[[101>空が別れを告げている]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|>|>|&color(yellow){■ポケットモンスター}|
|[[ピカチュウ]]|6|[[002>宇宙を越えた執着心]]、[[024>勘違いの産物]]、[[049>異境異聞]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[072>赦されざる者]]、[[094>荒れ狂う稲光の――]]|
|[[ニャース]]|8|[[010>ニャースの謡]]、[[033>不夜城のシロ]]、[[047>鎮魂花]]、[[052>黄昏の宿 暁の空]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[071>Dances with the Goddess]]、[[086>雨迷風影]]、[[090>SPIRITs away]]|
|[[ミュウツー]]|4|[[019>LABYRINTH ~午前二時の迷宮~]]、[[041>孤鬼]]、[[050>神の不在証明]]、[[060>残すものは言葉だけとは限らず]]|
|[[グレッグル]]|5|[[008>フロッグ・スタイル]]、[[036>暴走ポケモン特急]]、[[043>蛙は意外と速く走る]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[074>熊嵐]]|
|>|>|&color(yellow){■忍ペンまん丸}|
|[[まん丸]]|9|[[003>面影]]、[[031>狼×お子様×サッカー場]]、[[050>神の不在証明]]、[[057>夢有]]、[[062>在りし日の夢は散り散りに毀れる]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[083>今日も明日も変わるけれど――]]、[[096>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]、[[103>未完成の自画像]]|
|[[タヌ太郎]]|1|[[006>始の忍法帖]]|
|[[ツネ次郎]]|6|[[001>されど山犬は仔猫と躍る]]、[[022>未来へのシナリオは]]、[[038>暁を乱すもの]]、[[058>王者の風]]、[[063>へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~]]、[[074>熊嵐]]|
|>|>|&color(yellow){■魔法少女リリカルなのは}|
|[[ザフィーラ]]|7|[[013>終端の宴と異世界の騎士]]、[[025>それは不幸な出会いなの?]]、[[048>Beyond the Sword]]、[[062>在りし日の夢は散り散りに毀れる]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[092>驟り雨]]、[[098>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]|
|[[ユーノ]]|6|[[011>いくら動物といえど知性はあるさ]]、[[035>Gallery Fake]]、[[051>白兎は秘かに笑う]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[075>異界の車窓から]]、[[080>Crossfire]]|
|[[アルフ]]|1|[[009>禍福は糾える縄の如し]]|
|>|>|&color(yellow){■ジョジョの奇妙な冒険}|
|[[イギー]]|9|[[006>始の忍法帖]]、[[032>現場は木造平屋建て]]、[[046>獣の卍(前篇)]]、[[049>異境異聞]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[072>赦されざる者]]、[[081>stray]]、[[092>驟り雨]]、[[107>彼にしか出来ないぶち抜き]]|
|[[ペット・ショップ]]|4|[[008>フロッグ・スタイル]]、[[027>アライグマくんの受難]]、[[042>参上!太陽の使者!その名は…]]、[[058>王者の風]]|
|>|>|&color(yellow){■ケロロ軍曹}|
|[[ケロロ軍曹]]|9|[[002>宇宙を越えた執着心]]、[[024>勘違いの産物]]、[[055>新しい朝が来た、疑問の朝だ]]、[[068>本日の特選素材]]、[[084>Four Piece of History]]、[[088>白い兎は歌う]]、[[091>でもそれは大きなミステイク]]、[[099>蛙人乱れし修羅となりて]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|[[ギロロ伍長]]|6|[[011>いくら動物といえど知性はあるさ]]、[[035>Gallery Fake]]、[[051>白兎は秘かに笑う]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[075>異界の車窓から]]、[[080>Crossfire]]|
|>|>|&color(yellow){■銀牙―流れ星銀―}|
|[[銀]]|5|[[021>命を懸ける熊犬と懸けない羆]]、[[040>熊王の城]]、[[043>蛙は意外と速く走る]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[074>熊嵐]]|
|[[赤カブト]]|5|[[009>禍福は糾える縄の如し]]、[[040>熊王の城]]、[[061>この○○を作ったのは誰だぁ!!]]、[[063>へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~]]、[[074>熊嵐]]|
|>|>|&color(yellow){■HUNTER×HUNTER}|
|[[メレオロン]]|3|[[003>面影]]、[[031>狼×お子様×サッカー場]]、[[050>神の不在証明]]|
|[[イカルゴ]]|9|[[015>おさかな天国?]]、[[029>陸の上のタコ]]、[[045>罅ぜるは刹那の夢]]、[[053>先送りの決断]]、[[070>朝日と共に去りぬ]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[083>今日も明日も変わるけれど――]]、[[096>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]、[[103>未完成の自画像]]|
|>|>|&color(yellow){■ハーメルンのバイオリン弾き}|
|[[オカリナ]]|8|[[012>主に仕えし魔物の道は]]、[[024>勘違いの産物]]、[[049>異境異聞]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[084>Four Piece of History]]、[[086>風は悽愴]]、[[101>空が別れを告げている]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|[[オーボウ]]|5|[[016>二つの思惑]]、[[037>Night Bird Flying]]、[[054>口より先に欲が出る]]、[[070>朝日と共に去りぬ]]、[[076>闇の梯子]]|
|>|>|&color(yellow){■聖剣伝説Legend of Mana}|
|[[ラルク]]|9|[[016>二つの思惑]]、[[039>流れ行くものたち]]、[[045>罅ぜるは刹那の夢]]、[[053>先送りの決断]]、[[073>雪上断温]]、[[076>闇の梯子]]、[[080>Crossfire]]、[[096>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]、[[103>未完成の自画像]]|
|[[シエラ]]|6|[[013>終端の宴と異世界の騎士]]、[[028>暗い渦]]、[[046>獣の卍(前篇)]]、[[067>誰がために陽はのぼる]]、[[077>闇よりほかに聴くものもなし]]、[[090>SPIRITs away]]|
|>|>|&color(yellow){■ダイの大冒険}|
|[[クロコダイン]]|8|[[006>始の忍法帖]]、[[026>Train Train Runnin']]、[[028>暗い渦]]、[[046>獣の卍(前篇)]]、[[067>誰がために陽はのぼる]]、[[077>闇よりほかに聴くものもなし]]、[[086>風は悽愴]]、[[090>SPIRITs away]]|
|>|>|&color(yellow){■グラップラー刃牙}|
|[[夜叉猿]]|3|[[023>北、玄武の方角ッ!!]]、[[034>二度あることは三度ある]]、[[046>獣の卍(前篇)]]|
|>|>|&color(yellow){■ONE PIECE}|
|[[チョッパー>トニートニー・チョッパー]]|6|[[017>好奇心は身を滅ぼす]]、[[025>それは不幸な出会いなの?]]、[[048>Beyond the Sword]]、[[072>赦されざる者]]、[[094>荒れ狂う稲光の――]]、[[098>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]|
|>|>|&color(yellow){■金色のガッシュ}|
|[[ウマゴン]]|5|[[014>クズリくんのお父さんとコウマくん]]、[[037>Night Bird Flying]]、[[054>口より先に欲が出る]]、[[070>朝日と共に去りぬ]]、[[076>闇の梯子]]|
|>|>|&color(yellow){■真・女神転生}|
|[[パスカル]]|4|[[019>LABYRINTH ~午前二時の迷宮~]]、[[044>飴と機知]]、[[080>Crossfire]]、[[096>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]|
|>|>|&color(yellow){■真・女神転生if}|
|[[ケットシー]]|8|[[007>シロとケットシーの偽典・黙示録だゾ]]、[[022>未来へのシナリオは]]、[[054>口より先に欲が出る]]、[[066>悪魔は来りてホラを吹く]]、[[084>Four Piece of History]]、[[091>でもそれは大きなミステイク]]、[[099>蛙人乱れし修羅となりて]]、[[107>彼にしか出来ないぶち抜き]]|
|>|>|&color(yellow){■ドラゴンクエストⅤ}|
|[[キラーパンサー]]|6|[[012>主に仕えし魔物の道は]]、[[024>勘違いの産物]]、[[049>異境異聞]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[084>Four Piece of History]]、[[086>風は悽愴]]|
|>|>|&color(yellow){■狼と香辛料}|
|[[ホロ]]|8|[[020>狼の新たな旅立ち]]、[[031>狼×お子様×サッカー場]]、[[050>神の不在証明]]、[[057>夢有]]、[[062>在りし日の夢は散り散りに毀れる]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[092>驟り雨]]、[[107>彼にしか出来ないぶち抜き]]|
|>|>|&color(yellow){■東方project}|
|[[因幡てゐ]]|6|[[004>悲しいことや辛いことが終わるために…]]、[[030>狡兎三窟]]、[[051>白兎は秘かに笑う]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[088>白い兎は歌う]]、[[091>でもそれは大きなミステイク]]|
|>|>|&color(yellow){■スーパーマリオシリーズ}|
|[[ヨッシー]]|3|[[015>おさかな天国?]]、[[039>流れ行くものたち]]、[[045>罅ぜるは刹那の夢]]|
|>|>|&color(yellow){■クレヨンしんちゃん}|
|[[シロ]]|2|[[007>シロとケットシーの偽典・黙示録だゾ]]、[[033>不夜城のシロ]]|
|>|>|&color(yellow){■ペルソナ3}|
|[[コロマル]]|3|[[018>ここはび~いち、キュウビの湯]]、[[032>現場は木造平屋建て]]、[[046>獣の卍(前篇)]]|
|>|>|&color(yellow){■大神}|
|[[アマテラス]]|11|[[000>オープニング]]、[[010>ニャースの謡]]、[[033>不夜城のシロ]]、[[047>鎮魂花]]、[[052>黄昏の宿 暁の空]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[071>Dances with the Goddess]]、[[079>雨がくる風がたつ]]、[[093>背なの上のぼの]]、[[097>雨の降る昼、いったいどうする]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|>|>|&color(yellow){■機動武闘伝Gガンダム}|
|[[風雲再起]]|3|[[022>未来へのシナリオは]]、[[038>暁を乱すもの]]、[[058>王者の風]]|
|>|>|&color(yellow){■十二国記}|
|[[楽俊]]|8(10)|[[010>ニャースの謡]]、[[033>不夜城のシロ]]、[[047>鎮魂花]]、[[052>黄昏の宿 暁の空]]、[[059>距離を超えた遭遇]]、[[066>悪魔は来りてホラを吹く]]、[[068>本日の特選素材]]、[[084>Four Piece of History]]([[094>荒れ狂う稲光の――]]、[[098>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]])|
|>|>|&color(yellow){■もののけ姫}|
|[[モロ]]|3|[[001>されど山犬は仔猫と躍る]]、[[038>暁を乱すもの]]、[[060>残すものは言葉だけとは限らず]]|
|>|>|&color(yellow){■うたわれるもの}|
|[[ムックル]]|8|[[001>されど山犬は仔猫と躍る]]、[[038>暁を乱すもの]]、[[060>残すものは言葉だけとは限らず]]、[[063>命ゆくもの]]、[[071>Dances with the Goddess]]、[[093>背なの上のぼの]]、[[098>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]、[[103>未完成の自画像]]|
|>|>|&color(yellow){■サイボーグクロちゃん}|
|[[クロ]]|8|[[019>LABYRINTH ~午前二時の迷宮~]]、[[029>陸の上のタコ]]、[[045>罅ぜるは刹那の夢]]、[[053>先送りの決断]]、[[070>朝日と共に去りぬ]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[092>驟り雨]]、[[107>彼にしか出来ないぶち抜き]]|
|>|>|&color(yellow){■クロノトリガー}|
|[[カエル]]|8|[[008>フロッグ・スタイル]]、[[036>暴走ポケモン特急]]、[[043>蛙は意外と速く走る]]、[[069>罪穢れの澱みを着せて]]、[[074>熊嵐]]、[[087>GREN~誤解の手記と鍾乳洞~]]、[[097>雨の降る昼、いったいどうする]]、[[102>ひとつ火の粉の雨の中]]|
|>|>|&color(yellow){■MOTHER3}|
|[[ボニー]]|3|[[005>動物アドベンチャー]]、[[034>二度あることは三度ある]]、[[046>獣の卍(前篇)]]|
>*参加者外のキャラ別SS
#region(close,開示する)
|>|>|&color(yellow){■大神}|
|[[イッスン]]|5|[[048>Beyond the Sword]]、[[062>在りし日の夢は散り散りに毀れる]]、[[082>慌てない慌てない、一休み一休み]]、[[092>驟り雨]]、[[107>彼にしか出来ないぶち抜き]]|
|[[キュウビ]]|3|[[000>オープニング]]、[[056>第一回放送]]、[[095>第二回放送]]|
|[[天邪鬼]]|2|[[056>第一回放送]]、[[095>第二回放送]]|
|[[疾飛丸]]|3|[[078>戯守奇譚]]、[[085>Raccoon Over The Castle]]、[[089>黒い牙]]|
|>|>|&color(yellow){■グラップラー刃牙}|
|[[加藤清澄]]|1|[[068>本日の特選素材]]|
|>|>|&color(yellow){■クロノトリガー}|
|[[アザーラ]]|1|[[095>第二回放送]]|
#endregion
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2013-06-15T21:31:26+09:00
1371299486
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陰の天、宙の風
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/286.html
*陰の天、宙の風 ◆TPKO6O3QOM
中嶋陽子は自分の置かれた状況に酷く困惑していた。
もっとも、ケイキ――いや、景麒にこの世界に連れてこられてから困惑しない時などなかったが。
目の前に立つ二人の男性――精悍な面持ちの武人然とした男が雁国王、金髪の小柄な少年が雁国宰輔だという。
一方、自分は囚われてもおらず、それどころか上等な絹の衣装を着せられて彼らと同席している。此処は上空を覆う雲海の上、関弓山の頂にある王宮だ。
そして、何より頭を悩ませているのが――己が慶国の新たな王である、ということだ。
どうしてこうなってしまったのか。自分にも解りかねていた。
楽俊を見捨てて、だけれども呵責に耐えかねて午寮の街へと戻った。しかし、楽俊の姿はどこにもなかった。
見てきてくれた行商の話から少なくとも楽俊が死んではいないらしいことを知った。それだけで十分だった。楽俊は、家に帰ったのだろう。自分は楽俊を見捨てたのだ。それどころか、戻って殺そうかとすら考えたのだ。
そんな女を、彼が待っている道理はない。
これでいいのだ。ただ、楽俊に心からの礼を一度も告げていないことだけが心残りではあった。
二月をかけて阿岸に辿り着き、そこから雁国の烏号へと渡った。
雁は海客に心易い国だ。三年間だけではあるが、手厚い援助を授けてくれる。その間に身の振り方を考えろということだ。
街で働く内に、芳陵という郷城に壁落人という海客がいると知った。
彼を訪ね、これまでの顛末を話した際、陽子を連れてきたのが慶国の麒麟であると告げられたのだ。加えて、麒麟が頭を下げるのは自らの国王だけであると。
呑み込めない陽子を他所に、壁が宰輔の許に手紙を送り、そして迎えが来た――。
「まだ、信じられないか?」
雁国王・延に話しかけられ、陽子は目を瞬かせた。
「え、ええ。他人事のような気がしています。御伽噺みたいで」
「まあ、無理もないがな。だが、おまえの持つ水禺刀が何よりの証拠だ。この地で言葉が通じることも併せてな」
「――慶の状況は良くない。景麒を捕えて以降、偽王軍の勢いは大きく増した。麦州が落ちるのも時間の問題だな」
少々苛立ったように宰輔――延麒が口を挟んだ。
慶国は先代の王が崩御し、偽王が立っている。しかし、この世界では王を麒麟が選ぶ。王が立たねば、大地は荒れ、妖魔が増え、病が蔓延する。
覆しようのない封建制に縛られ、管理されているのがこの世界の現状だという。
しかし――。
感情が顔に出ていたのだろう。延麒が小さく笑った。
「陽子が家に帰りたいだけってのは分かる。王になりたいわけでもないってこともな。俺は尚隆と違って、陽子に王を強制するつもりはない」
「だが、戴と芳が瓦解し、柳と巧が怪しい今、せめて慶には立ち直って貰いたいことは俺もこいつも変わらん。これ以上、荒民が流れ込めば、我が国も立ち行かなくなる。そうなれば、荒民に対し、無慈悲な決断をしなくてはならん。俺は俺の国の民を守らねばならんからな」
「だから逃げ道を塞ごうとすんなっての。責任を追う覚悟さえあれば、王は何をしたっていいんだ」
陽子は言葉を発することができなかった。
自分の肩に全国民の命がかかっている。実感は湧かなかった。あまりに大きすぎて、想像が追いつかない。
今までは自分の命の心配だけだった。惜しむのは自分のためであった。しかし、そうではない。
見ず知らずの数多くの命が、己の動向ひとつで失われる。そして、それはそれらの命の贖いなしでは放り出すことすら出来ない。
「ただ、俺の願望を言わせてもらえば、景麒だけは助けてやってほしい。あんな姿はあんまりだ。あいつだけでも、国のために残してやってほしい」
「……そのことは異存ありません」
「今はその返事で充分だ」
延麒が安堵したような笑みを浮かべた。
「一つ、陽子に伝えておくことがある。これは現存する王と麒麟、全員が知っていることだ。この二月の間、蝕が異様とも言える頻度で起こっている」
陽子は眉を潜ませた。蝕は海客が起こす。そう詰られ、幾度も命の危険に見舞われてきた。楽俊によると、順番が逆とのことだが。
蓬莱や崑崙と呼ばれる日本や中国と、この世界が繋がる災害――。
延麒が延の後を続けた。
「本来交じり合わない二つの世界が強制的に重なって引き起こされるのが蝕だ。有り得ないことだから大きな反発を生み、場合によっては大災害になる。蝕には二通りあるんだ。麒麟が故意に起こすものと、自然災害としての偶発的なものだ。現在、あらゆる場所で蝕が頻発している。王がいない土地は元より、奏や範といった安定した国でもだ。勿論、雁でも。麒麟の仕業じゃない。あまりに多すぎる。同時に三つも起こったことだってある。そして、流れてくるものも常とは違うものが混じってきている。見たこともない獣や呪具とかな。俺はよく蓬莱に行くから分かるけど、あれは蓬莱や崑崙にあるような代物じゃない。どっちかいえば、こっち寄りのもんだ」
「それは……どういうことなんでしょうか?」
「果たして、常世はこの世界だけではなかった……ということらしいな。この世界、蓬莱や崑崙がある世界、そしてそれ以外の世界があるようだ」
「はあ……」
延を見るが、彼は皮肉気に頬を歪めた。
「それも多数だ。言ってみれば、この世界と向こう側は"近い"世界だったんだろう。だから時折交った。他は、"遠い"から交わることがなかった。だが今、それらが全て"近く"なっている。だから、交わる回数が増え、蝕が頻発する。どうもそういうことらしい。このまま放置すれば融合するのか、ぶつかりあって壊れるのか……どちらだろうな」
「知らせてくれたのは向こう側の人間だ。昔の蓬莱っぽい恰好だったけど、多分違う常世だと思う。半獣というか、達磨というか、珍妙な連中も混じっていたし。この状況に乗じて、どうも妙なことをやってる奴がいるんだとさ。他の世界と組んで、原因究明と事態解決に動いているらしい」
「そちらにも協力するんですか?」
陽子の言葉に、延は首を横に振った。
「することはするが、積極的なものは無理だ。向こうも軍を出してほしかったらしいが、覿面の罪に符合するかもしれない以上、下手には動かせん。連中も落胆してたな。うちは冬器や騎獣を貸すぐらいだ。漣は、宝重の呉剛環蛇と共に廉麟を渡らせたな。麒麟だけなら、蝕もそこまでの被害は出ない」
「……綱渡りみたいですね」
「偽王討伐も含めてな。ま、こっちはこっちでやらなきゃならないことをやるしかない。陽子、今日はここまでにしよう」
促され、陽子は席を立った。
己のこと、国のこと、王のこと、蝕のこと――考えることが多すぎて、寝られそうにはなかった。
*サイドストーリー
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*投下順で読む
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2013-06-15T21:29:13+09:00
1371299353
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ひとつ火の粉の雨の中
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/283.html
*ひとつ火の粉の雨の中 ◆TPKO6O3QOM
もう、体は地面すれすれを飛行していた。仲間の一人が持っていた、浮遊して移動する板――それと大体同じ高度だろうか。
それを操っていた、愛らしい黄色い仲間はもういない。その板にぶら下がっていた愉快で剛毅な仲間も、もういない。
一人ぼっちだ。虚ろな穴が心に穿たれ、感情がそこから砂のように零れ落ちていく。そのとどまることの無い喪失感は、降り注ぐ雨よりも冷たく体を貫いた。
この苦しみを、あの娘に与えてしまっていたのか。二重の苦しみが胸を締め付ける。
横風に、大きく体が煽られた。
「――てっめえはぁー! 最初に我輩のジムを奪おうとした不届き者その一ィィィィィィィッ!」
怒号が雨音を突き破った。緑色の物体がオカリナの嘴の先を掠めていく。
それは泥水を跳ね飛ばしながら急停止すると、跳ねるようにしてオカリナに向き直った。
緑色の表皮。不恰好な赤ん坊のような体系。黄色い帽子――電波塔で出会った、あの緑色の獣人だ。
疲労のためか、雨風による騒音と視界の悪さのためか。オカリナは彼の接近に気づけなかった。
楽俊との対話の中で、彼との軋轢は誤解であるのではないかとオカリナは考えていた。話せば分かり合える。その可能性は十分あるようにも思えた。
しかし、この雨風では如何なる言葉も彼の耳まで届くまい。そこまで声を張り上げる体力そのものがない。また、彼自体、正気を失っているようだ。全身から怒りと殺気が湯気のように昇りたっている。
時期が悪いのであれば、また出直せばいいだけだ。ただ、そのためには逃げなくてはならない。問題は、それが一番の無理難題であるということだ。
既に翼は鉛の塊のように重い。自分の意思では自由に操ることなど、もう不可能に近いだろう。初撃こそ運よく避けられた形となったが、次からはそうもいくまい。例え凌げたとしても、近い内に必ず捉まる。
捉まれば、そこで終わりだ。
それでも、ここから離れなければ――。
だが、想いとは裏腹に羽ばたきは力を失い、オカリナの小さな体は泥の中に落下した。
緑色の獣人は歓喜とも絶叫とも取れる声を上げた。と、それとは別に微かな振動をオカリナは感じた。
朧気な視界の中で、旋風のごとく疾走してくる影が映る。獣人とオカリナの間に滑り込んだ陰は影は、不安定な足場にも関わらず力強く踏み込むと流れるように脇に構えた棒を振りぬいた。
すぱぁんと小気味良い音を立てて、獣人が打ち倒された。半ばから折れた棒切れが宙を舞う。
「ケロロさーん」
のんびりとした声とワンと言う吼え声が聞こえた。
(二)
大雨の音は、ガッコウの中に入ると余計に大きく感じられた。
カエルさんは、さっきケロロさんとケンカしていた白いカラスさんとお話している。白いカラスさんはオカリナさんというらしい。
オカリナさんはすごく疲れているようで、オオカミさんの額の上にちょこんと蹲ったまま、ほとんど身動きしない。息もどこか苦しそうで、ぼのぼのは不安になる。
カエルさんとオカリナさんはとても難しい話を、難しい顔をして話していた。
「――アマテラスさんの言葉は、最初のときから通じていなかった?」
「そうぼのぼのは言っていたな。楽俊の言う翻訳装置なんてものがあるにしても、少なくともこいつには作用していなかったことになる。始めからな」
「……そうしますと、異世界間で言葉が通じないという事態も可能性は低くなりそうですね」
「そいつは分からんよ。まあ、さっきも言ったが、まず"異世界"という部分が疑問なんだが」
「頑固ですね」
「前にも言われたよ」
「でも、なぜ言葉が通じないんでしょう? 翻訳装置がなかったとしたら」
「こいつが"神"だから……かな。人と獣の言葉が通じないんだ。神なんて更に次元が違うだろう?」
「……魔族と人は言葉が通じますよ」
「それは多分、お互いが思っている程には大きな違いはないんじゃないか? 俺はそう思えるようになってきたよ」
カエルさんは穏やかに言った。今のカエルさんは、一緒にいて安心する。
だけど――と、ぼのぼのはオオカミさんの背に体を預けながら髭をしゅんと垂らした。
カエルさんは、かつてぼのぼのがてゐさんに教えてもらった方法と似たやり方で二人のケンカを止めた。
手早く袋から木の棒を取り出してからのカエルさんの動きは、迅速で無駄がなく、見蕩れてしまうほどだった。
だけど、のびてしまったケロロさんを見下ろすカエルさんは、何故かとても怖かった。
そのカエルさんを止めたのは、オオカミさんの声だった。何を言っているかは分からないけれど、何を言いたいかは分かる。そんな吼え声だった。
今、ケロロさんは、カエルさんの持っていた細長い紐を何本も束ねた物で一本棒みたいに縛られている。
「確かに、人も魔族も変わらないでありますなー。いたいけな我が輩をムチで縛り上げるなどというマニアック――いや、暴虐非道な仕打ちをするし。というか、そんな我が輩を放置して何を気だるい午後的な雰囲気を醸し出しているでありますか!? そんなわけで教育委員会に訴えられたくなければ、この縄を解いてくれなさい」
「どんなわけにしても、殺しにかかってきたものに自由を与えるわけにもいかんだろ」
「その誤解は解けたはずであります!」
「それとは別に、因幡てゐの殺害の疑いも完全に晴れたわけじゃない」
「それは……我が輩自身も確信を持って否定できない痛い所を……」
ケロロさんとオカリナさんのケンカの理由は、オカリナさんの友達の言葉が分からなかったことらしい。それに加えて、オカリナさんの友達の一人はとても怖い顔をしていたんだそうだ。
気絶したケロロさんをオカリナさんが庇った事で、カエルさんも納得した。
だけど、その後ガッコウまで戻ったとき、ぼのぼのは変わり果てたてゐさんと再会した。てゐさんにはコヒグマくんのおとうさんと同じような穴が頭や胴に開いていた。
死んでしまったてゐさんを見て、カエルさんは又怖いカエルさんに戻ってしまった。気絶していたケロロさんを叩き起こし、真偽を問い質した。
目を覚ましたケロロさんは戸惑っていて、てゐさんの死体を確認すると、もごもごと口ごもってしまった。そんなケロロさんに、カエルさんはより怖いカエルさんになった。
ケンカになってしまうのかとぼのぼのは心配したが、ケロロさんが口にした猫と言う言葉にオカリナさんが反応した。ケットシーさんという、危ないネコさんがいると聞いていたらしい。
ケロロさんが口にした特徴は、カエルさんの持っているショウサイメイボにあるケットシーさんのものと一致した。スナドリネコさんをもっと軽薄にした雰囲気のネコさんだ。
ぼのぼのと出会った時にケロロさんがジュウを持っていなかったことと、ケットシーさんがラクシュンさんをジュウで殺したらしいことを知って、カエルさんは少し怖くないカエルさんに戻った。
ガッコウに入り、ニンゲンさんの居た部屋にケロロさんの案内で戻った。ニンゲンさんは死んでしまっていた。今度は穴が開いていなかった。
ニンゲンさんが誰なのか、カエルさんもオカリナさんも知らなかったし、何も分からなかった。ニンゲンさんの死体は、すぐ隣の部屋にまだある。
カエルさんは、雨が止んだら埋めてやろうと言っていた。
「まあまあ。ケロロさんの言い分を信じてあげましょうよ。私は信じてもいいと思ってますよ」
「おお。さすがオカリナ殿。こんな素敵なカラス殿に襲い掛かるなど、後一歩のところでギロロに続いて我が輩まで犯罪行為に手を染めてしまうところでありました!」
「こんな風に縛っておけば一先ず何も出来ませんし」
「………………」
と、ズシンズシンとガッコウが揺れた。地震かとぼのぼのは思った。揺れは段々と大きくなっていく。
ただ、ずっと下から突き上げてくるような揺れではなかった。何か近づいてきたとカエルさんが言った。森を大きなウシさんが通ったときのことを、ぼのぼのは思い出した。
カエルさんと、引きずられたケロロさんが部屋を出て行った。オカリナさんが不安そうに目をしばたたかせた。
「まさか! あれは……ザクⅠ――!?」
ケロロさんの何処か嬉しそうな叫びの直後、周囲が大きな音を立てて崩れた――。
顔に叩きつけられる雨で、ぼのぼのは目を覚ました。
起き上がると、辺りは一変していた。周りには大小様々な瓦礫が転がっている。ガッコウは両端だけ建っていて、真ん中が無くなっていた。
そのガレキの中で、真っ黒い巨人の周りを白い影が躍る様に動き回っていた。火花が雨の中で散る。
オオカミさんだ。オオカミさんの尻尾が振るわれた。巨人の左腕が肘の辺りから斬り飛ばされ、噴き出した血が雨を赤に変える。
絶叫が周囲の空気を振るわせた。
その声には聞き覚えがあった。アライグマくんのお父さんの声だ。姿が全然違ってしまっているが、あの巨人はアライグマくんのお父さんなのだ。
今度は、オオカミさんとアライグマくんのお父さんがケンカをしているのだ。ぼのぼのは周囲を見渡した。ケロロさんもカエルさんもオカリナさんも誰も居ない。ケンカを止められるのは、自分しかいない。
ぼのぼのは傍に落ちていた袋から、変わった石を取り出した。これを刺せば、ケンカを止められるとてゐさんが言っていたのだ。
ぼのぼのはオオカミさんたちに歩き出した。瓦礫の間を通り抜けながら、ぼのぼのは一歩一歩近づいていく。
ぼのぼのに気づいたオオカミさんが駆け寄ってきた。そのすぐ後ろではアライグマくんのお父さんが苦しそうにのたうち回っていた。
オオカミさんは、ぼのぼのを守るようにパッとアライグマくんのお父さんに向き直った。
そのオオカミさんの背中に、ぼのぼのは石を突き立てた。
甲高い声が雨音を切り裂いた。オオカミさんはばたりと倒れて痙攣すると、すぐに動かなくなった。その肢体は見る間にねずみ色に変わり、石のように変わっていく。
「……オオカミさん――?」
ぼのぼのは戸惑いの声を上げた。ふいに周囲が暗くなったようにぼのぼのは感じた。
空を見上げたぼのぼのを、アライグマくんのお父さんの右腕が押しつぶした。
(三)
瓦礫を押しのけて、カエルは立ち上がった。体の節々に痛みが走るが、これでも幸運だったと言うべきだろう。
廊下の窓から見えたのは、こちらに向けて大刀を構えた黒い巨人だった。あんな姿の参加者は載っていなかった為、おそらくはあれが支給品の一つなのだろう。
とっさに身を投げ出した直後に、光芒が校舎を両断した。
立ち上がったカエルは、よろめきながら離れていく巨人の後姿だった。巨人には左腕がない。追い討ちを掛ける好機だが、それをなせるだけの準備も余力もカエルには残っていなかった。
まずは他の四匹の安否の確認だ。一匹はすぐに見つかった。
自分に似た緑色の足が投げ出されている。その上半身には大きな瓦礫がめり込み、周囲に大きな血だまりを作っていた。確認するまでもない。死んでいる。
赤いダルマとはやはり知り合いだったらしいが、結局彼がどういった人物なのか、ほとんど知ることは出来なかった。ただ、少なくとも、手当たり次第に襲い掛かるような愚か者ではないらしいが。
拘束したままであったことが、彼の命を縮めたのかもしれない。対処に後悔はないが、哀れには思う。
やがて、血にまみれた毛皮と肉の塊を見つけた。青い毛皮の一部がかろうじて見て取れる。ぼのぼのだ。奥歯をかみ締める。ぼのぼのの遺体の傍には、粉々砕かれた石のような物が散らばっていた。
追悼の祈りを後回しにし、カエルはオカリナとアマテラスの名を呼んだ。
しばしして、瓦礫の上に丁寧に横たえられたオカリナを見つけた。そっと抱き上げると、しっかりと呼吸しているのが見て取れた。自然と安堵の吐息が漏れる。
ふと、カエルは周囲が今まで以上に暗いことに気づいた。太陽の姿が見えないのは相変わらずだが、それにしても暗すぎる。まだ昼過ぎだというのに、黄昏時のような按配だ。
カエルはオカリナを抱きかかえると、アマテラスを探して移動を開始した。
&color(red){【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹 死亡】}
&color(red){【アマテラス@大神 死亡】}
&color(red){【ぼのぼの@ぼのぼの 死亡】}
&color(red){【残り 16匹】}
【C-4/一日目/午後】
【オカリナ@ハーメルンのバイオリン弾き】
【状態】魔力消費(中~大)、疲労(大)、気絶中
【装備】なし
【道具】支給品一式、ミニ八卦炉@東方project、世界の民話、治療用の薬各種、不明支給品0~2個(治療道具ではない)
【思考】
基本:ゲームには載らない。キュウビを倒す……だけどもし――。
1:????????????
2:できるならミニ八卦炉は使いたくない
※参戦時期は死亡後です。
※自分の制限について勘付きました。
※人間と関係ない参加者もいるのではと思っています。
※ケットシーを危険な獣と判断しました。
※治療用の薬の内訳は後の書き手にお任せします。
※オカリナの考察
無意味に思えるアイテムを混ぜて、誰かが参加者に何かを知らせようとしているのではないか。
キュウビ一味は一枚岩ではない。
縁者を人質にとり、殺し合いを強制してくるのではないか。全員ではないにしても、部外者が拘束されている。
※プックルの反論
呪法=殺し合いとは限らない
殺し合いは目くらましかも
※カエル、ケロロとある程度情報交換しました。
※それぞれが違う世界から呼ばれたと気付きました。
※ディアルガ、パルキア、セレビィ等のポケモンや、妖精等の次元や時空を操る存在がキュウビによって捕らえられているかもしれないと考えています。
※この会場にいる獣達は全員人間とかかわりをもつ者だと勘違いしています。
※その間違えた前提を元にキュウビの呪法が人間に対してつかわれるものだと推測しています。
※『世界の民話』に書かれている物語が異世界で実際に起きた出来事なのではと疑っています。ハクオロ@うたわれるもの、ラヴォス@クロノトリガー、野原一家@クレヨンしんちゃん、主人公@ドラゴンクエスト5について書かれていたようです。
【カエル@クロノトリガー】
【状態】:複数の擦り傷・打撲、疲労(小)、魔力消費(小~中)、びしょ濡れ
【装備】:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、マントなし
【所持品】:支給品一式(食料:パンと蛙の腿肉料理)、モンスターボール@ポケットモンスター、しらたま@ポケットモンスター 、銀の不明支給品(0~2、確認済)、石火矢の弾丸と火薬の予備×9@もののけ姫 、マハラギストーン×3@真・女神転生if、風雲再起の不明支給品(0~2、確認済)、参加者詳細名簿、ペット・ショップの不明支給品(1~3、確認済)、スピーダー@ポケットモンスター×6、ユーノのメモ
【思考】
基本:キュウビに対抗し、殺し合いと呪法を阻止する
1:アマテラスを探す。
2:ニャースの捜索。
3:ギロロにあったら話をつけて誤解を解く。
4:余裕があれば鍾乳洞内を調べる。
※オカリナ、ケロロとある程度情報交換しました。
※異世界から参加者は集められたという説を知りました。
※参加者は同一世界の違う時間軸から集められたと考えています。
※天容の笛@忍ペンまん丸、しらたま@ポケットモンスターとパルキア@ポケットモンスターの存在を知りました。
※ペット・ショップ、ミュウツー、クロコダイン、クロ、チョッパー、ケットシー、因幡てゐ、ラルク、ムックルを危険ないし要警戒と認識しました。
※ログハウスの下にある鍾乳洞は抜け道のようなものと推測しています。
※死者の読み上げが、死亡した順番であることに気付きました。
※アマテラスがオープニングの時点で意思疎通が出来なかったことを知っています。
※制限に気が付きました。
※回復魔法の効果の発現が遅くなっています。しかし、本人は回復魔法の効果がなくなっているかもと思っています。
※アマテラスが死んだことに気づいていません。
【アライグマの父@ぼのぼの】
【状態】:頭部に怪我、尻尾に切創(止血)、疲労(中)、軽度の貧血、激痛による錯乱、アヴ・カムゥ内
【装備】:アヴ・カムゥ@うたわれるもの、アヴ・カムゥ専用の長刀@うたわれるもの、デイバッグ
【所持品】:地図、空飛ぶ靴@DQ5、魔除けの札@大神
【思考】
基本:全員を始末して、仇を取る。
1:??????????
【備考】
※札は少し湿っています。
※アイテムの説明は読んでいません。
※イギーと情報交換をしました。
※空飛ぶ靴は遊園地の入り口前が指定されていました。
※B-1からA-2の遊園地入り口までの間にアライグマの父の支給品が落ちている可能性があります。
※空を飛んだ時、月が地上よりも大きく見える気がしました。
※ボニーの考察は獣の卍参照。
※デイバッグは、コクピット内のアライグマの父が背負っています。
※第二回放送の内容を、アライグマが死んだこと以外聞いていません。
※アヴ・カムゥの左腕がなくなっています。
※太陽の光が著しく弱まりました。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
Back:[[空が別れを告げている]] Next:[[未完成の自画像]]
|097:[[雨の降る昼、いったいどうする]]|ぼのぼの|&color(red){死亡}|
|097:[[雨の降る昼、いったいどうする]]|アマテラス|&color(red){死亡}|
|097:[[雨の降る昼、いったいどうする]]|カエル||
|099:[[蛙人乱れし修羅となりて]]|ケロロ軍曹|&color(red){死亡}|
|101:[[空が別れを告げている]]|オカリナ||
|101:[[空が別れを告げている]]|アライグマの父||
2013-06-15T21:28:39+09:00
1371299319
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空が別れを告げている
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/282.html
*空が別れを告げている ◆TPKO6O3QOM
叩きつけるような雨の中を、一羽の白い鳥影が舞っていた。いや、舞っているというのは語弊があるかもしれない。
その羽ばたきに力強さはなく、風が吹く度に大きく身体を傾がせる。崩された体勢を立て直す余裕もなく、その小さな姿は大きく北に流されていく。
轟く様な強風と、石礫のような雨粒が吹き乱れ、地上の木々は大きく揺れていた。弾き飛ばされた枝葉が幾枚も宙を飛んで行く。
傍目から見ても、この天候の中を飛ぶのは無謀というものだろう。ましてや、鳥は疲弊しきっていた。どこぞの木で翼を休めるのが一番の選択だ。
しかし、それでもその鳥は懸命に東へと向かっていた。向かおうとしていた。風に戻され流され、それでも少しずつ東へと進んでいく。
風のせいで視界もままならぬ中、鳥は命を削るように両翼を羽ばたかせた。
休んでいる暇などないと、小さな身体は語っている。
実の所、この鳥は一度羽を休ませていたのだ。小さな公園で、鳥はしばしの休憩を取っていた。
そのときに鳥は、己が知る獣たちの死を知った。
尊敬する父。この地で共に行動してきた仲間たち。そして、これから探すはずであった者たち――。
その殆どが死んだ。少なくとも、この地で己を直接知る者は、もう誰もいない。
この鳥がもっと違う選択をしていれば、その幾つかの命は助かったかもしれない。
しかし、それを後悔しても詮無いことだと鳥は知っていた。鳥を駆り立てているのは後悔ではない。仲間の死は覚悟していたことだ。決死の覚悟を決めた仲間の背中は、まだ鳥の脳裏に焼き付いている。
身体に纏わりついた雨水は、風の圧力も加わって鉛のように重くなっていた。
しかし、それ以上に重い枷が、鳥の背に課せられていた。死んでいった者たちの遺志が、切迫した衝動となって鳥の全身を駆け廻っていた。それは時として、息苦しく鳥の身体を苛んだ。
されど、この枷は翼を休めることを許さなかった。
伝えなくてはならない。見届けなくてはならない。散り散りになった想いを、繋いでいかなければならない。
それが残された者の使命だ。生かされたということは、つまり託されたということだ。鳥は一度、託す側であった。今度は違う。此度は、己が背負う番なのだ。
風が奔る。雨が爆ぜる。
その中を、小さな白影が飛んで行く――。
低空を横切っていく小さな鳥を、彼は目に留めた。弱っているのか、鳥は覚束ない羽ばたきで東へと進んでいく。目立つであろう、今の彼に気付く様子はない。
彼が立っている橋の袂だ。そこから一気に橋を渡り、右手にある大刀を振るい――仕留める。
狩りとも言えぬ行動だが、それは簡単に成功するように思えた。手頃な獲物だ。
しかし、ここに居る獣たちは普通ではない。甘く見れば、こちらが考えもつかないような手段を用いてくることが大いにあり得るのだ。
まずは様子を見た方がいい。追跡し、確信を持った上で仕留めるのだ。
彼は、鳥を東に行く鳥の姿を視界に留めながら、橋を渡りだした。
【C-3/一日目/日中】
【オカリナ@ハーメルンのバイオリン弾き】
【状態】魔力消費(中~大)、疲労(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、ミニ八卦炉@東方project、世界の民話、治療用の薬各種、不明支給品0~2個(治療道具ではない)
【思考】
基本:ゲームには載らない。キュウビを倒す……だけどもし――。
1:C-4の学校に向かい重症の男を治療する。
2:そこでニャースを待つ。
3:できるならミニ八卦炉は使いたくない
※参戦時期は死亡後です。
※自分の制限について勘付きました。
※人間と関係ない参加者もいるのではと思っています。
※ケットシーを危険な獣と判断しました。
※治療用の薬の内訳は後の書き手にお任せします。
※オカリナの考察
・無意味に思えるアイテムを混ぜて、誰かが参加者に何かを知らせようとしているのではないか。
・キュウビ一味は一枚岩ではない。
縁者を人質にとり、殺し合いを強制してくるのではないか。全員ではないにしても、部外者が拘束されている。
※プックルの反論
・呪法=殺し合いとは限らない
・殺し合いは目くらましかも
【B-3/橋/一日目/日中】
【アライグマの父@ぼのぼの】
【状態】:頭部に怪我、尻尾に切創(止血)、疲労(中)、軽度の貧血、アヴ・カムゥ内
【装備】:アヴ・カムゥ@うたわれるもの、アヴ・カムゥ専用の長刀@うたわれるもの、デイバッグ
【所持品】:地図、空飛ぶ靴@DQ5、魔除けの札@大神
【思考】
基本:全員を始末して、仇を取る。
1:オカリナを追跡する。
【備考】
※札は少し湿っています。
※アイテムの説明は読んでいません。
※イギーと情報交換をしました。
※空飛ぶ靴は遊園地の入り口前が指定されていました。
※B-1からA-2の遊園地入り口までの間にアライグマの父の支給品が落ちている可能性があります。
※空を飛んだ時、月が地上よりも大きく見える気がしました。
※ボニーの考察は獣の卍参照。
※デイバッグは、コクピット内のアライグマの父が背負っています。
※第二回放送の内容を、アライグマが死んだこと以外聞いていません。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
Back:[[俺の背丈追い越して、いつかはお前もいっちょ前]] Next:[[ひとつ火の粉の雨の中]]
|086:[[風は悽愴]]|オカリナ|[[ひとつ火の粉の雨の中]]|
|0100:[[俺の背丈追い越して、いつかはお前もいっちょ前]]|アライグマの父|[[ひとつ火の粉の雨の中]]|
2013-06-15T21:28:13+09:00
1371299293
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参加者名簿(ネタバレ)
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/89.html
○生存 ●死亡
1/5【ぼのぼの】●[[ぼのぼの>ひとつ火の粉の雨の中]]/●[[アライグマ>へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~]]/●[[クズリの父>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]] /●[[ヒグマの大将>狡兎三窟]]/○アライグマの父
1/4【ポケットモンスター】●[[ピカチュウ>荒れ狂う稲光の――]]/○ニャース/●[[ミュウツー>残すものは言葉だけとは限らず]]/●[[グレッグル>熊嵐]]
&color(red){0/3【忍ペンまん丸】}●[[まん丸>未完成の自画像]]/●[[タヌ太郎>始の忍法帖]]/●[[ツネ次郎>熊嵐]]
1/3【魔法少女リリカルなのはシリーズ】●[[ザフィーラ>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]/○ユーノ/●[[アルフ>禍福は糾える縄の如し]]
1/2【ジョジョの奇妙な冒険】○イギー/●[[ペット・ショップ>王者の風]]
1/2【ケロロ軍曹】●[[ケロロ軍曹>ひとつ火の粉の雨の中]]/○ギロロ伍長
&color(red){0/2【銀牙―流れ星銀―】}●[[銀>熊嵐]]/●[[赤カブト>熊嵐]]
1/2【HUNTER×HUNTER】●[[メレオロン>神の不在証明]]/○イカルゴ
1/2【ハーメルンのバイオリン弾き】○オカリナ/●[[オーボウ>闇の梯子]]
2/2【聖剣伝説Legend of Mana】○ラルク/○シエラ
1/1【ダイの大冒険】○クロコダイン
&color(red){0/1【グラップラー刃牙】}●[[夜叉猿>獣の卍(後篇)]]
&color(red){0/1【ワンピース】}●[[トニートニー・チョッパー>とても優しい瞳をしてたあなたが歌う――]]
&color(red){0/1【金色のガッシュ】}●[[ウマゴン>闇の梯子]]
&color(red){0/1【真・女神転生】}●[[パスカル>RAINLIT DUST/――に捧ぐ]]
&color(red){0/1【真・女神転生if】}●[[ケットシー>彼にしか出来ないぶち抜き]]
&color(red){0/1【DQ5】}●[[キラーパンサー>風は悽愴]]
1/1【狼と香辛料】○ホロ
&color(red){0/1【東方Project】}●[[因幡てゐ>でもそれは大きなミステイク]]
&color(red){0/1【スーパーマリオシリーズ】}●[[ヨッシー>罅ぜるは刹那の夢]]
&color(red){0/1【クレヨンしんちゃん】}●[[シロ>不夜城のシロ]]
&color(red){0/1【ペルソナ3】}●[[コロマル>獣の卍(後篇)]]
&color(red){0/1【大神】}●[[アマテラス>ひとつ火の粉の雨の中]]
&color(red){0/1【機動武闘伝Gガンダム】}●[[風雲再起>王者の風]]
&color(red){0/1【十二国記】}●[[楽俊>Four Piece of History]]
&color(red){0/1【もののけ姫】}●[[モロ>残すものは言葉だけとは限らず]]
&color(red){0/1【うたわれるもの】}●[[ムックル>未完成の自画像]]
&color(red){0/1【サイボーグクロちゃん】 }●[[クロ>彼にしか出来ないぶち抜き]]
1/1【クロノトリガー】○カエル
&color(red){0/1【MOTHER3】}●[[ボニー>獣の卍(前篇)]]
12/47
>*以下、動物キャラ・バトルロワイアルにおける更なるネタバレを含む
#region(close,開示する)
4/4【大神】○イッスン/○キュウビ/○天邪鬼/○疾飛丸/○ウシワカ
&color(red){0/1【グラップラー刃牙】}●[[加藤清澄>本日の特選素材]]
1/1【クロノトリガー】○アザーラ
8/8【ペルソナ3】○有里湊(ペルソナ3主人公)/○岳羽ゆかり/○伊織順平/○桐条美鶴/○真田明彦/○山岸風花/○アイギス/○天田乾
4/4【クレヨンしんちゃん】○野原しんのすけ/○野原ひろし/○野原みさえ/○野原ひまわり/
3/3【うたわれるもの】○ハクオロ/○エルルゥ/○アルルゥ
3/3【十二国記】○中嶋陽子/○小松三郎尚隆/○六太
#endregion
2013-06-15T09:57:16+09:00
1371257836
-
書き手紹介
https://w.atwiki.jp/animalrowa/pages/153.html
*書き手リスト
|投下SS数|名前|代表的登場人物|
|51|[[◆TPKO6O3QOM]]||
|18|[[◆1eZNmJGbgM]]|クロコダイン、赤カブト、キュウビ、クズリの父|
|9|[[◆k3fZfnoU9U]]|アライグマ、楽俊、ケットシー|
|8|[[◆w2G/OW/em6]]|メレオロン、ザフィーラ|
|5|[[◆EFl5CDAPlM]]|キラーパンサー、オカリナ、ケロロ|
|3|[[◆EwVLYtcCbD23]]|ケロロ軍曹、因幡てゐ、トニートニー・チョッパー|
|2|[[◆h6cx7DWv6s]]| |
||[[◆EGv2prCtI]]| |
|1|[[◆EMOQZrE4lI]]| |
||[[◆3.14.mIY6A]]| |
||[[◆aAaY.9Pvg2]]| |
||[[◆dKBETGTMMY]]| |
||[[◆Tgv.obtSQA]]| |
||[[◆bD004imcx.]]| |
||[[◆7DOBbsTUNE]]|ペット・ショップ|
||[[◆xD212eOTyM]]|アマテラス|
||[[◆imaTwclStk ]]|ムックル、ミュウツー|
||[[◆ZFT/mmE33.]]| |
2013-06-15T09:32:52+09:00
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