「トグサくんのミス」(2021/08/15 (日) 22:42:12) の最新版変更点
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*トグサくんのミス ◆LXe12sNRSs
ペダルをこぎながら、トグサは後悔の念に苛まれていた。
思い出されるのは、各施設に残した留守電メッセージの内容……早急に仲間を集めるための奇策だったとはいえ、やはり少し迂闊だったかもしれない。
『今から話すことを、どうか冷静になって聞いて欲しい。
まず、俺はゲームには乗っていない。誰が聞くかは分からぬ以上、名を明かすことは出来ないが……これだけは信じて欲しい。
このメッセージは、D-5エリアにあるホテルの電話からによるものだ。
俺は今、このゲームを脱出するために必要な人員と道具……特に、何かネットワークに繋げるような情報端末を求めている。
もしこれを聞いた者に、このゲームに抗う気持ちがあるというのなら……今すぐホテルへ連絡してくれ。
おそらく、俺の相棒が応対してくれるはずだ。もちろん、直接会いに来てくれるというのなら歓迎する。
だが……万が一このメッセージを聞いた者がゲームに乗った者であり、俺たちをカモだと思って襲ってくるんなら、その時は容赦しない。
特に、俺の相棒は頗る凶悪でね。暴れたら俺でも手がつけられないほどの狂犬、おまけに怪力だ。
これをブラフだと思うのは勝手だが、意地を張って痛い目を見るのは、あまりに滑稽だと俺は思う。
メッセージは以上だ――よい返答を期待する』
ひょっとしたらバトーは――どこかであのメッセージを聞きつけて、ホテルに向かったのかもしれない。
そしてその結果、同時に招いてしまったマーダー……セラスやバトーが適わないほどの相手に相対し、結果二人が死亡してしまったのだとしたら。
――自分がやらかしたことは、とても拭いきれるようなミスじゃない。
(……いや、今は後悔している暇はない。なにせ相手はトラックだ。失敗を悔いる暇があるなら、ペダルをこげトグサ)
でも、もうあのホテルには戻れない。
トグサが残した留守電は危険なマーダーを呼び込み、同僚と、めぐり合えた盟友、そして見知らぬメイドを死に至らしめた。
もしかしたらこの先も、あのメッセージを聞いた参加者がホテルに訪れ、バトーたちを殺したもう一方のメイドにカモにされてしまうかもしれない。
トグサが残した、あの留守電メッセージが原因で。
(…………クソッ)
今さらトグサ一人が戻ったところで、できることはたかが知れている。
人間を遥かに超越したパワーを持つ義体である二人が適わなかったのだ。
舞い戻ったところで、トグサが救える命など何一つとしてない。
ペダルを漕げば漕ぐほど、自責の念に押し潰されそうになった。
しかし、今はもう――過ぎたことと割り切り、新たな事項に着眼すべき時だ。
(――『今』、俺にできること。それは、あの留守電による被害者がこれ以上増加しないよう、祈ること。そして、先をいったトラックを追うこと。この、二つだけだ。)
そう思いながら、がむしゃらにマウンテンバイクを走らせる。
そのかいあってか、前方ではトラックの走行音が止み、遠目ではあるが一時停車している様子が確認できた。
接触はもう間もなくだ。自責の念を振り払うためにも、トグサは懸命にペダルを漕ぎ続けた。
(バトー……セラス……このミスのツケは、いつか必ず払ってみせる。だからもう少し、もう少しだけ待っていてくれ)
――実際のところ、トグサが犯したミスで一番マズかったのは、セラスを死んだと勘違いしてしまった点にある。
同僚が屋上から落下する様を直視して冷静さを欠いたとはいえ、もしトグサに彼等の安否を確かめる余裕があれば……これ以上の誤解は生まれなかった。
素子に知られたら弁解できないような、つまらない失態だ。タチコマだったら呆れてジョークの一つでも飛ばすかもしれない。
この『ミス』が後にどう転がるか……その結果により、トグサの運命は決まる。
【E-4/道路/一日目-朝】
【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:若干の疲労
[装備]:暗視ゴーグル(望遠機能付き)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本/マウンテンバイク
[道具]:デイバッグ/支給品一式/警察手帳(元々持参していた物)/技術手袋(残り19回)@ドラえもん
[思考]:1、トラックを追う。
2、情報および協力者の収集、情報端末の入手。
3、十分な協力者を得られた後、ホテルへ帰還しバトーとセラスを弔う。マーダーがいるようであれば撃退。
4、九課の連中と合流。
[備考]
※他メンバーの行動の妨げにならないよう、他メンバーについての情報は漏らさないつもりです。
※セラスのことを、強化義体だと思っています。
※セラスが死んでしまったと勘違いしています。
※なので、正午にホテルに戻るという行動はキャンセル。ですがあそこを拠点として使う考えは失っておらず、いつか必ず戻るつもりでいます。
※マウンテンバイクはレジャービルの中で発見しました。
※あの場にいたもう一人のメイド(みくる)を、バトー殺害犯だと勘違いしています(セラスについてはよく確認できなかったため、保留)。
※トグサの首輪についての考察は以下の通りです。
・『首輪は技術手袋で簡単に解体できるが、そのままでは起爆する恐れがある』
・『安全に解体するための方法は、脱出手段も含めネットワーク上に隠されている』
・『ネットワークに繋ぐための情報端末は、他の参加者の支給品に紛れている』
・『監視や盗聴はされていると思うが、その手段については情報不足のため保留』
・『ギガゾンビが手動で首輪を爆破させるつもりはないと考えているが、これはかなり自身ない』
※トグサが留守電メッセージを残した施設は以下の八つ。メッセージの内容は等しく同じです。
・A-1の高校
・A-8の温泉
・B-4の映画館
・D-3の病院
・D-5のレジャービル
・E-6の駅
・F-1の駅
・F-5の遊園地・北門付近の事務室(スタート時、不二子が居た場所)
*時系列順で読む
Back:[[トグサくんのメッセージ]] Next:[[死闘の果てに]]
*投下順で読む
Back:[[トグサくんのメッセージ]] Next:[[幕間 - 『花鳥風月~VSアサシン0』]]
|121:[[仕事]]|トグサ|137:[[正義の味方]]|
*トグサくんのミス ◆LXe12sNRSs
ペダルをこぎながら、トグサは後悔の念に苛まれていた。
思い出されるのは、各施設に残した留守電メッセージの内容……早急に仲間を集めるための奇策だったとはいえ、やはり少し迂闊だったかもしれない。
『今から話すことを、どうか冷静になって聞いて欲しい。
まず、俺はゲームには乗っていない。誰が聞くかは分からぬ以上、名を明かすことは出来ないが……これだけは信じて欲しい。
このメッセージは、D-5エリアにあるホテルの電話からによるものだ。
俺は今、このゲームを脱出するために必要な人員と道具……特に、何かネットワークに繋げるような情報端末を求めている。
もしこれを聞いた者に、このゲームに抗う気持ちがあるというのなら……今すぐホテルへ連絡してくれ。
おそらく、俺の相棒が応対してくれるはずだ。もちろん、直接会いに来てくれるというのなら歓迎する。
だが……万が一このメッセージを聞いた者がゲームに乗った者であり、俺たちをカモだと思って襲ってくるんなら、その時は容赦しない。
特に、俺の相棒は頗る凶悪でね。暴れたら俺でも手がつけられないほどの狂犬、おまけに怪力だ。
これをブラフだと思うのは勝手だが、意地を張って痛い目を見るのは、あまりに滑稽だと俺は思う。
メッセージは以上だ――よい返答を期待する』
ひょっとしたらバトーは――どこかであのメッセージを聞きつけて、ホテルに向かったのかもしれない。
そしてその結果、同時に招いてしまったマーダー……セラスやバトーが適わないほどの相手に相対し、結果二人が死亡してしまったのだとしたら。
――自分がやらかしたことは、とても拭いきれるようなミスじゃない。
(……いや、今は後悔している暇はない。なにせ相手はトラックだ。失敗を悔いる暇があるなら、ペダルをこげトグサ)
でも、もうあのホテルには戻れない。
トグサが残した留守電は危険なマーダーを呼び込み、同僚と、めぐり合えた盟友、そして見知らぬメイドを死に至らしめた。
もしかしたらこの先も、あのメッセージを聞いた参加者がホテルに訪れ、バトーたちを殺したもう一方のメイドにカモにされてしまうかもしれない。
トグサが残した、あの留守電メッセージが原因で。
(…………クソッ)
今さらトグサ一人が戻ったところで、できることはたかが知れている。
人間を遥かに超越したパワーを持つ義体である二人が適わなかったのだ。
舞い戻ったところで、トグサが救える命など何一つとしてない。
ペダルを漕げば漕ぐほど、自責の念に押し潰されそうになった。
しかし、今はもう――過ぎたことと割り切り、新たな事項に着眼すべき時だ。
(――『今』、俺にできること。それは、あの留守電による被害者がこれ以上増加しないよう、祈ること。そして、先をいったトラックを追うこと。この、二つだけだ。)
そう思いながら、がむしゃらにマウンテンバイクを走らせる。
そのかいあってか、前方ではトラックの走行音が止み、遠目ではあるが一時停車している様子が確認できた。
接触はもう間もなくだ。自責の念を振り払うためにも、トグサは懸命にペダルを漕ぎ続けた。
(バトー……セラス……このミスのツケは、いつか必ず払ってみせる。だからもう少し、もう少しだけ待っていてくれ)
――実際のところ、トグサが犯したミスで一番マズかったのは、セラスを死んだと勘違いしてしまった点にある。
同僚が屋上から落下する様を直視して冷静さを欠いたとはいえ、もしトグサに彼等の安否を確かめる余裕があれば……これ以上の誤解は生まれなかった。
素子に知られたら弁解できないような、つまらない失態だ。タチコマだったら呆れてジョークの一つでも飛ばすかもしれない。
この『ミス』が後にどう転がるか……その結果により、トグサの運命は決まる。
【E-4/道路/一日目-朝】
【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:若干の疲労
[装備]:暗視ゴーグル(望遠機能付き)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本/マウンテンバイク
[道具]:支給品一式/警察手帳(元々持参していた物)/技術手袋(残り19回)@ドラえもん
[思考]:1、トラックを追う。
2、情報および協力者の収集、情報端末の入手。
3、十分な協力者を得られた後、ホテルへ帰還しバトーとセラスを弔う。マーダーがいるようであれば撃退。
4、九課の連中と合流。
[備考]
※他メンバーの行動の妨げにならないよう、他メンバーについての情報は漏らさないつもりです。
※セラスのことを、強化義体だと思っています。
※セラスが死んでしまったと勘違いしています。
※なので、正午にホテルに戻るという行動はキャンセル。ですがあそこを拠点として使う考えは失っておらず、いつか必ず戻るつもりでいます。
※マウンテンバイクはレジャービルの中で発見しました。
※あの場にいたもう一人のメイド(みくる)を、バトー殺害犯だと勘違いしています(セラスについてはよく確認できなかったため、保留)。
※トグサの首輪についての考察は以下の通りです。
・『首輪は技術手袋で簡単に解体できるが、そのままでは起爆する恐れがある』
・『安全に解体するための方法は、脱出手段も含めネットワーク上に隠されている』
・『ネットワークに繋ぐための情報端末は、他の参加者の支給品に紛れている』
・『監視や盗聴はされていると思うが、その手段については情報不足のため保留』
・『ギガゾンビが手動で首輪を爆破させるつもりはないと考えているが、これはかなり自信ない』
※トグサが留守電メッセージを残した施設は以下の八つ。メッセージの内容は等しく同じです。
・A-1の高校
・A-8の温泉
・B-4の映画館
・D-3の病院
・D-5のレジャービル
・E-6の駅
・F-1の駅
・F-5の遊園地・北門付近の事務室(スタート時、不二子が居た場所)
*時系列順で読む
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