5話 サド王子は空を仰ぐ 骨川スネ夫は怖かった。 この暗い森の中に一人ぼっちだから、というだけでは無い。 首には爆弾内蔵の死の首輪がはめられ、最後の一人が決まるまで、 戦わなければ、殺し合わなければならない殺し合い――バトルロワイアルの真っ只中にいる。 いつ襲われるか、いつ死ぬのか。 全く分からない死と隣り合わせのこの状況は、 スネ夫には到底、耐えられるものでは無い。 デイパックを乱暴に漁り、スネ夫はコンバットナイフと、双眼鏡を見付ける。 コンバットナイフを鞘から抜き、装備し、血走った眼で辺りを見回す。 「死にたくない、死にたくない、死にたくない……」 うわ言のように、同じフレーズを何度も呟くスネ夫。 「畜生、やってやる。やってやるよ……!」 恐怖心によって固まった彼の思考回路は誤った答えを導き出してしまった。 即ち殺し合いのルールに則り、殺し合いを行うという事。 最早スネ夫の頭には自分が生き残る事しか無かった。 同じく殺し合いに呼ばれている自分の友達の事などどうでも良くなっていた。 「おい、そこのー」 「!!」 若い青年の声が聞こえ、スネ夫が声の方へ向く。 月明かりに照らされた、黒いかっちりとした制服に身を包んだ好青年が立っていた。 「ちょっといいか?」 青年はスネ夫に何か話し掛けようとしていたが、スネ夫の耳には入っていない。 「う、うわああぁぁぁあああぁぁあああ!!」 「ッ!?」 叫び声を上げながら、スネ夫はコンバットナイフを振り上げ、青年へと向かっていった。 夜の森に、真紅の液体が飛び散った。 ◆ 「チッ……襲い掛かってきたもんだから反射的に斬っちまったが、 まだガキじゃねえか…チャイナ娘や新八君より年下だな」 沖田総悟は頭をかきながら、正当防衛とは言え斬り殺してしまった、 狐のような顔の少年の死体を見下ろす。 殺し合いという状況に気でも触れたのだろうか。 だが総悟にとって、職業柄、人を斬るなどという事は日常茶飯事である。 例えそれが女子供であったとしてもだ。 なので罪悪感など微塵も無い。すぐに頭を切り替え、少年の荷物を調べ始めた。 「ナイフに双眼鏡ね……双眼鏡だけ貰ってくか」 双眼鏡だけ自分のデイパックに移し替えると、総悟は少年の死体に背を向け、 コンパスを見ながら東の方角へと歩き出した。 武器は自分の支給品である打刀がある。それで十分に戦える。 「にしても殺し合いたァ、酔狂な事考えるぜあの香取って野郎ォ。 首に首輪まではめやがって…はめられるんのは土方さんで十分だィ。 ………まぁとにかく、万事屋の旦那、新八君、土方さんを探すか」 殺し合いに呼ばれている腐れ縁の銀髪天然パーマの侍と、 眼鏡ツッコミ少年、自分の上司のマヨラー男の事を考えながら、 サド王子こと、真選組一番隊隊長・沖田総悟は夜空を仰いだ。 &color(red){【骨川スネ夫@ドラえもん 死亡】} &color(red){【残り49人】} 【一日目/深夜/D-1森】 【沖田総悟@銀魂】 [状態]健康 [装備]打刀 [所持品]基本支給品一式、双眼鏡 [思考・行動] 基本:殺し合いには乗らないが、襲い掛かる者には容赦しない。 1:坂田銀時、志村新八、土方十四郎の三人を捜索する。 2:可能なら協力者も捜す。 [備考] ※原作かぶき町四天王篇終了後からの参戦です。 ※D-1森に骨川スネ夫の死体、コンバットナイフ、 骨川スネ夫のデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【コンバットナイフ】 戦闘用ナイフ。頑丈な作りで切れ味も鋭い。 【双眼鏡】 望遠鏡の一種で、遠方の物を両眼で拡大して見る光学器械。 【打刀】 いわゆる日本刀。切れ味鋭い刃を持つ片刃の両手剣。 |[[時と場合によっては誤解されるのは致命的]]|時系列順|[[]]| |[[時と場合によっては誤解されるのは致命的]]|投下順|[[]]| |[[試合開始~オープニング~]]|&color(red){骨川スネ夫}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|沖田総悟|[[]]|