非リレー型バトルロワイアル @ ウィキ内検索 / 「嗚呼、この想いは溢れて」で検索した結果

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  • 嗚呼、この想いは溢れて
    第四十話≪嗚呼、この想いは溢れて≫ 大海原を眺めながら、人狼型の使い魔・黒牙とそのマスターである黒髪の少女・大木弓那は、 デイパックの中に入っていた食糧を頬張っていた。 黒牙はビーフジャーキー、弓那はグラタンコロッケパンである。 今二人がいるのは軍事施設の地下壕跡。 しかし崩落より、海に面した崖に横穴があるような状態になっていた。 ここならば、誰にも見つからずに済む。 互いに殺し合い、最後の一人にならなければ生きて帰る事は出来ないという、 殺人ゲーム・バトルロワイアルの中、 強い信頼関係と愛情で結ばれた黒牙と弓那は、殺し合いを放棄し、 死ぬまで添い遂げる事を決心した。 黒牙は尻尾で弓那の事を包んだり、首を甘噛みしたり、擦り寄って甘えたりしている。 弓那もそれに応えるように、黒牙の頭や顎の下を撫でたり、鋭い牙の生えた口にキスをしたり、 ふかふかの胸元の毛...
  • 俺オリロワ追跡表・男性参加者その1
    ...愛に全てを 040 嗚呼、この想いは溢れて 057 二人が望む永遠
  • 俺オリロワ追跡表・女性参加者その1
    ...愛に全てを 040 嗚呼、この想いは溢れて 057 二人が望む永遠 ≪大崎俊代≫ 登場話数:1話 死亡 021 うさたんクラッシュ ≪桂川八重≫ 登場話数:4話 死亡 001 絶望青年と傍観少女 019 何この火力差ふざけてるの? 044 桂川八重の異変 056 紅(あか) ≪金ヶ崎陵華≫ 登場話数:8話 死亡 011 お嬢様は崖っぷち 037 高級車でGO! 043 陽が昇る 055 惨劇の引き金はとても軽く 060 血、死体、酒場にて 064 ARENA~行軍~ 068 日没、そして闇が訪れる 073 すくえぬもの ≪菊池やと≫ 登場話数:7話 死亡 017 長寿が故の苦悩、そして新たな旅立ち 030 狐の少女の考察、そして邂逅 039 錯綜する犠牲者 058 騎士を演じた男 065 悲哀を乗り越えて 068 日没、そして闇が訪れる...
  • 男なら当然?
    ... Back 040嗚呼、この想いは溢れて 時系列順で読む Next 042幕間‐殺人狂‐ Back 040嗚呼、この想いは溢れて 投下順で読む Next 042幕間‐殺人狂‐ Back 023それは微妙な出会いなの 伊藤文子 Next 049竜の少年×兎の女性 Back 023それは微妙な出会いなの 本庄忠朝 Next 049竜の少年×兎の女性
  • 二人が望む永遠
    ...男 Back 040嗚呼、この想いは溢れて 黒牙 死亡 Back 040嗚呼、この想いは溢れて 大木弓那 死亡
  • 第一回放送までの本編SS
    ...、葛葉美琴 040 嗚呼、この想いは溢れて 黒牙、大木弓那 041 男なら当然? 本庄忠朝、伊藤文子 042 幕間‐殺人狂‐ 高野雅行 043 陽が昇る 一色利香、富松憲秀、川田喜雄、四宮勝憲、金ヶ崎陵華、新藤真紀 044 桂川八重の異変 桂川八重 045 BROOKHAVEN HOSPITAL 松宮深澄、島川奈織 046 悪狼はじっくりと牙を研ぐ 須牙襲禅 【放送時刻・正午12時】 047 俺オリロワ第一回放送 主催者(詳細不明)
  • 俺オリロワ投下順本編SS:0~50
    ...、葛葉美琴 040 嗚呼、この想いは溢れて 黒牙、大木弓那 041 男なら当然? 本庄忠朝、伊藤文子 042 幕間‐殺人狂‐ 高野雅行 043 陽が昇る 一色利香、富松憲秀、川田喜雄、四宮勝憲、金ヶ崎陵華、新藤真紀 044 桂川八重の異変 桂川八重 045 BROOKHAVEN HOSPITAL 松宮深澄、島川奈織 046 悪狼はじっくりと牙を研ぐ 須牙襲禅 047 俺オリロワ第一回放送 主催者(詳細不明) 048 決意、新たに 大崎年光、北原大和、山本良勝 049 竜の少年×兎の女性 本庄忠朝、伊藤文子 050 悲しみの向こうへと 藤堂リフィア
  • 愛に全てを
    ...牙 Next 040嗚呼、この想いは溢れて Back 021うさたんクラッシュ 大木弓那 Next 040嗚呼、この想いは溢れて
  • 錯綜する犠牲者
    ...む Next 040嗚呼、この想いは溢れて Back 038山頂殺戮劇場 投下順で読む Next 040嗚呼、この想いは溢れて Back 027”Old Army”~老兵は死なず~ 北原大和 Next 048決意、新たに Back 027”Old Army”~老兵は死なず~ 大崎年光 Next 048決意、新たに Back 027”Old Army”~老兵は死なず~ 山本良勝 Next 048決意、新たに Back 034俺を☆守って 朱雀麗雅 Next 054RUN!RUN!RUN! Back 034俺を☆守って 高原正封 Next 054RUN!RUN!RUN! Back 033Nearer My God To Thee 藤堂リフィア Next 050悲しみの向こうへと Back 015遭遇 中松英子 死亡 Back 015遭遇 鉤丸聖人 Next 052Deadly Silen...
  • 鬼に金棒/永遠の想い
    「いやー! 何なのよ、あの子供はぁ~~~!!」 その時、市街地では奇妙な光景が流れていた。 走者は二人。 前方にオレンジ色の髪の毛を揺らし疾走する少女―――ナミ。 後方に銀色の髪の毛をたなびかせ悠然と歩く少年―――ヘンゼル。 少年より一歳か二歳は年上であろう少女が、少年から全速力で逃亡を計っていた。 「待ってよお姉さん。折角のゲームなんだ、精一杯楽しもうよ」 少女とは対称的な何処か余裕の感じられる走りを見せながら、少年は一定の距離を保っている。 泥棒時代、海賊時代と数多の海賊たちから逃げおおせてきたナミの逃げ足を考慮すれば、コレは相当な所行。 逃げられそうで逃げ切れない……逃亡をする身からすれば現状は最もキツい状態であった。 「ハァッ……ハァッ……何でこんな目に……」 この逃亡劇の始まりは、ほんの数分前。 唐突に...
  • 想いは 正しく伝わらない
    月光の下、桐山和雄は二度目の人生を生かされていた。 そして、前回のゲームでもそうしたように、彼は今回もコインを投げて決めようとしていた。 表ならば、主催者と戦う。 裏ならば、ゲームに乗って優勝を目指す。 そこに、例えば本当に優勝なんてできるのだろうか、とか、主催者とどうやって戦うのだろうとか、そういった感情による迷いは存在しない。 彼の心は、生まれた時からそういう風にできていたからだ。 コインを右手にのせ、指ではじいて上空に打ち上げる。 コインは空中でくるくると回り、やがて桐山の手の甲に向かって落下を始める。 桐山はそれを受け止めようとした。 背中に刃物をあてられた。 「動くな。質問に答えろ」 彼はひとまず指示にしたがった。 直立不動の姿勢をとった。 女性の鋭い声が質問をした。 「君の名前は?」 「……桐山和雄だ...
  • 焼け付く想いは憂い募らせる
    63話 焼け付く想いは憂い募らせる 放送を聞いた後も、赤髪のグラマーな女性、稲垣葉月と、 黒狼レックスは相変わらず熱い交わりを続けていた。 最初の6時間で14人の死者が出たという事実には二人も多少は動揺したが、 それだけで、禁止エリアを互いに記録した後は、今までの激しい行為の余波で すっかり空いた腹を満たすために朝食を取り、そして。 「うっ! ハヅキ……!」 「ああっ……! ん……はぁ、はぁ、はぁ、凄い……あれだけ出したのに、 まだこんなに出るんだ……」 「狼は一杯出すんだよ……知らなかった?」 「撮影で狼によく似た狼犬とかシェパードとかとならやった事あるけど、 こんなには出てなかったよ」 「撮影? ああ、ハヅキは女優さんだったんだっけ」 「女優って言っても、AVの、だけどね……あはは」 淫らな行為をしながら、他愛もない会話を交わす女と黒狼。...
  • 全てを食らう牙の王 後編
    SWORDVENT 「うおおおおおおおおおおおお!」 ナイトがウイングランサーで王蛇に切りかかる。 「無駄だ、」 王蛇はそれを止めたが、 「はあっ!」 「なにっ!?」 龍騎がドラグセイバーで王蛇の脇腹を攻撃していた。 「俺はやられてばっかじゃ嫌なんだ!」 さらにそのドラグセイバーの剣撃は王蛇の顔面部を襲う。 七瀬陸にはある思いがあった、 幼少期からずっと兄である九条天背中を追いかけていた日々 それは九条天への憧れという気持ちだ。 だがしかし同じステージでライバル関係となった今彼の中には誰かの後ろじゃ嫌だ、共に並んでいきたい、その思いが七瀬陸を奮起させていた。 「陸!連携攻撃だ!」 「はい!」 ナイトのウイングランサーと龍騎のドラグセイバーによる剣撃はべノサーベルとエビルウィップの防御を...
  • 「JOKER」
    気付けば相川始は、一棟の民家の中に立ち尽くしていた。 視線を左右に這わせ、何者かの存在を探索する。 人の気配はなし。少なくともこの家の内部には誰も居ないと、相川は判断した。 判断すると同時に、その場にて立ち尽くしたまま思考を始める始。 思い出されるは、つい数分前、唐突に行われた惨殺事件。 何時も通りに仕事を終え、束の間の団欒を過ごし、寝床についた筈だった。 しかしながら、覚醒と共に眼前で繰り広げられたものは、凄惨極まる反吐がでるような虐殺劇。 抵抗する気配すらなかった男を、一方的に殺害した兵藤という老人。 兵藤の口から語られる、バトルロワイアルと称された殺し合い。 人間が皆善人だとは思わない。 だが、ここまでの所業を愉悦を以て執り行える人間がいるとは、思いたくなかった。 アイツが救おうとした世界は、アイツが救おうとした人類は、こんな醜悪なものでは...
  • 想いが全てを変えていくよ
    この広い空の下には、幾千、幾万のひとたちがいて、 色んなひとが、願いや想いを抱いて暮していて、 その想いは、時に触れ合って、ぶつかり合って、 けれど、その内の幾つかは、きっと繋がってゆける―― これから始まるのは、そんな出会いと触れ合いのお話 ☆  ☆   ☆ 「魔法って……もしかして、さくらちゃんも『魔法少女』だったりするの?」 「そうですよ。まだ魔法を習い始めて1年ちょっとしかたってませんけど」 「そんなに!? 私なんか、ついこの間契約したばかりだよ。 そっかぁ~、じゃあさくらちゃんの方が先輩なんだ~」 「ほえぇぇ! 私の方がずっと年下なのに、後輩とか言えません!」 さやかが茶化すように言うと、さくらは真に受けてわたわたと手を振る。 その仕草は撫で撫でしてあげたくなる可愛さだ。 いや、本当に『可愛...
  • 追うもの追われるもの
    ここはご存知萌え立つ 渦越しの 碧野。 今は戯言遣いは立ち去り、シキと愛花がここに残っている。 時間的に後放送まで30分というところまで来ていた。 「んー。ネクはまだかなぁ」 「まぁ気長に待っておけばいんじゃない」 シキと愛花はこれといって目的も無くうろうろしていた。 ちなみにネクたちは既にこのエリアに到着はしている。 しかし、シキ、愛花たちがあまりに動き過ぎたため見つけるまでに至っていなかった。 だけど惜しくも時間切れ。 全ては遅かった。彼達は遊び過ぎたようだ。 「フハハッハハh―――ハハ。ラジ、アンど、も、虚す。うにしてやる!!!」 後ろの方から声が響く。 「―――えっ…」 愛花の心臓をエネルギー弾が貫く。 愛花は即死。 シキは慌てて振り向くが、それも無意味だった。 「て、めぇもだ!!」 それはシキを貫い...
  • Human Hunter
    ――――夢。 そうだ。 これはきっと夢。 そうに決まっている。 悪い夢なんだ。 これまで見た物は、私の作り出した妄想。 覆面の男も、金属製の首輪も、首無し死体も、全部。 ――――目覚めよう。 いつもの天井が、いつもの景色が、私が夢から覚めるのを待っている。 目を開ければ、そこにはきっと―――― ◆ 「……………………。」 絶望。 それが、少女――小島多恵の心の中に最初に生じた感情である。 目に飛び込んできたのは、見慣れた天井ではなく、夜空で淡い光を放つ小さな球体。 背中からひんやりとした感触を感じるのは、自分がコンクリートの上で横になっているからだ。 「……………夢じゃ……ない………」 現実。 今まで見た物は、夢でも、妄想でもない。 紛れも無い“現実”。 ともだちも、殺し合い...
  • 嗚呼是酷
    11話 嗚呼是酷 『私は宇良明代! 殺し合いに反対するって言う人は、どうかエリアH-3にある灯台まで来て下さい!』 支給品の拡声器を使って灯台から呼び掛けを行ったのが数十分前。 そして呼び掛けに応じ二人の参加者がやって来た。 ほとんど全裸の狐獣人とサキュバスの少女。 「えーと、私が宇良明代、さっき呼び掛けしたんだけど…」 「俺は…隠塚英紀…」 「ロジーナです」 淫乱な雰囲気を醸し出してる二人だが取り敢えず会話は通じそうだ。 「殺し合いには俺も反対だよ……そんな事より俺は尻を掘って貰いたいんだ」 「私も…殺し合いよりエッチな事が好きなんです」 「そ、そう…あの、何か武器になる物持っていない? 私、この拡声器だけで……」 明代が尋ねると、英紀とロジーナの二人はそれぞれデイパックを開けランダム支給品を取り出した。 英紀は脇差とVz61...
  • 無情なる風
    万物は流転し続け、その形状を変えていく。 この世には、ずっと同じであり続けるものなど、ただの一つとして存在しない。 何かしらこの世のものは、変化し続ける。 ただ、その変わり行くスピードが、モノによって違うだけの事。 雨垂れが石を穿つように、時間をかけてゆっくりと変わるものもあれば、一陣の突風で儚く崩れてしまう砂山のように、一瞬で変わるものもある。 緑川聖奈の日常は、その後者だった。 ありふれた、永遠に続くものだと信じて疑わなかった日常という存在。 それがある日突然どうあがいても手の届かないはるか遠くまで飛んで行ってしまった。 ――燃え盛る炎は街を薙ぎ払い、道行く人は理性を失ったゾンビとなり人を襲う。 立ち向かっていった者は死に、立ち向かえずに逃げたものも死んだ。 聖奈が生き延びる事が出来たのは、ほんのわずかだけ人より幸運だっただけにすぎない。 死んでいった人たち...
  • WOLF'S RAIN
    71話 WOLF S RAIN 「うえっ……うぷ……」 「……」 稲垣葉月とレックスは、エリアF-6の島役場を訪れ、そこで一人の女性の死体を発見していた。 銀髪の若い女性の死体。胸元に二個の穴が空き血溜まりを作って死んでいる。 初めて生で死体を見た葉月は凄惨な状況に耐え切れず胃の中の物を戻していた。 一方の黒狼レックスは、死体を見た事は今までにも何度かあったため、 それ程動揺はしていなかった。 「大丈夫? ハヅキ……」 「ん……も、もう大丈夫。そ、そうだよね。殺し合いだもんね。 死体くらい、あるよね……うぷ」 本物の死体を見付けた事で、葉月は改めて、 自分が殺し合いの場にいるという事を再確認する事となった。 何とか気丈に振舞うものの、心の奥底の死への恐怖が再び顔を覗かせる。 笑顔を作ってはいるが葉月の身体がブルブルと震えているのがレック...
  • 竜の少年×兎の女性
    第四十九話≪竜の少年×兎の女性≫ 僕、本庄忠朝と、バニーガールの伊藤さんは、この灯台で遭遇してから、 ずっとこの灯台の管理人詰所に身を潜めていた。 その間、詰所にあったお菓子やジュースを飲んで他愛も無い会話をしたり、 僕は僕で、伊藤さんの……その、谷間、に、どうしても目が行ってしまい、 その度に自身の……えー、雄としての欲求、って言ったら良いのかな……が増大しちゃって、 それでまたその度に、伊藤さんに「トイレ行ってきます」って告げて、 トイレで……うん。ほら、シコシコってするアレ。アレをね。してたんだよ。 普段の生活でもほぼ毎日、毎朝毎夜欠かさず行っている事なんだけど、 いやはや凄い物で、いつもの二、三倍は出てるよ。マジで。 まあそんな事はさておき、僕と伊藤さんは灯台管理人詰所でお昼の放送を聞いた。 『はーい、みなさんお元気ですかー? お久しぶり...
  • 赤の神様、紫の信者
    【体育館倉庫付近】 ○ 眩しい、とあたしは呟いた。 事実眩しいので異論は受け付けない。 四月一日。 始まりを予感させる日。 エイプリルフール。 嘘をついても許されるアホみたいな日。 こんな出来事も、貴則くんが死んだのも嘘であれば全てが 全くの虚実であれさえすれば、あたしは何もいらない。 ねぇキリストさん。あなた今何処で何をやらかしているのでしょう。 こんなバカげた催しが行われて何が楽しいのでしょう。 嗚呼、神様。 神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様。 あたしはこんなにも神様を愛しているのに。 あたしはこんなにも神様に尽くしているのに。 どうして、こんな仕打ちにあうのでしょう。 意味がわからないです。 あたしに恵みをささやかなるものでいいので神のご加護を。 神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様。 嗚呼どうかあたしに――...
  • 走り出した想いは何時までも――――
    Aさんの常識とBさんの常識はノットイコールである。 人それぞれに存在する常識はそれぞれ違う。例えば、Aさんの家では毎朝5時に風呂を沸かす。しかしBさんからすれば朝早すぎる、『非常識』だと感じられる。 逆にAさんからすればその時間に風呂に入らないBさんの家は非常識だ。 さあここで、一つの滑稽な悲劇のお話。 とある少女は百年間の間、惨劇の運命を繰り返し抗い続けた。 腹を裂かれて内臓をぶち撒けて、無惨な死(おわり)を遂げる。 或いは、ガソリンの大爆発で黒焦げのバラバラになって死ぬ(おわる)か。 常人でなくとも発狂してしまうような迷路に迷い続けた少女。 その傍らに居た、少女の心を無意識下に支えてきた仲間たち。 当然彼らの常識では、世界を繰り返すなど考えられもしない。 だが彼らは無意識下に、世界の運命を、行く末を担う存在なのだ。 たった一人が壊れてしまえば、そ...
  • EDL――――Advance・9
    ……。 人の命の重さって、いつだって変動する。 株価並みの速度で、変わっていく。 日常生活においての人の命は、とても重い。 戦争最中においての人の命は、とても軽い。 なら、今のあたし達にとっての命はなんなのか。 日本の法律すら、学校の規律すら、生活の旋律すらをも掻き乱した、この催しに限れば、何だっていうんだろう。 ……。 軽い、わよね。 面白いぐらいに、笑えないぐらいに、軽い。 ふわっふわ。 もう宙に浮かんでるんじゃないかってぐらい、手応えがない。 現実感なんてものはすべて幻影で、手で、もがいて、足掻いて、必死につかみ取ろうとするけれど空を切り、 感覚が、麻痺して、ぼやけて、犯されて、壊れる。 ――――。 そう。 これが始まってから。 あたしの倫理観なんてものの崩壊の序曲は流れていて。 ボロボロに成り果てて。ズタズタに成り果...
  • 失われた世界
    72話 失われた世界 修学旅行はあっと言う間に終わった。 楽しい時間って本当に早く過ぎ去ってしまうんだよね。 でも、本当に楽しかった。高校最後の想い出には相応しい。 …修学旅行。 そう、私やクラスメイトのみんなは無事に修学旅行を終えた。 あの――クラスメイトを巻き込んだ殺し合いは起きなかった。 あの――香取亮太の起こした殺し合いから生き残った私は、 緊急脱出装置と言う謎の機械で、元の自分の世界に帰る事が出来た。 でも、ここはどうやら……クラスメイト同士の殺し合いが起こらない、 言わば、「平行世界」の私の世界、らしい。 つまり、あのクラスメイト同士の殺し合い(ややこしい)が起きる要因が、 こっちの世界では起こらなかった、って言えばいいのかな。 当然、クラスメイトは全員生きている。 ノーチラスや森屋君、銀鏖院さん、フラウさん...
  • 一方通行な想い
    9話:一方通行な想い 廃墟と化したラブホテルを住処にする野良の妖犬。 彼、ドーグラスは自由気ままな野良生活を送っていた。 それがある日、彼の人生に大きな潤いがもたらされる事になる。 「ドーグラスさん、お願いがあります、私を犯して下さい」 「……は?」 それは、廃墟探検が好きだと言う、中学生の少女からの突然の願いだった。 彼女はドーグラスと知り合いたまに食糧を持ってきてくれるなどそれなりに親しい仲になったとは、 ドーグラス自身も思ってはいたがまさかこんな願いをされるとは。 そしてドーグラスは少女の願いに、答えた。 普段滅多に交尾も出来ないのにわざわざ女の方から願われているのだから断る理由など無い。 「ああ! あああ~! 犬のおち***が奥まで来てるよぉ!」 「締まりが最高だぜ! ウウッ、クウウッ気持ち良いぞォ! もっと締めろや!」 「あひぃ!...
  • 好きなように生きるのは難しい
    9:好きなように生きるのは難しい 商店街の一角にある古本屋にて、◆ymCx/I3enUは本を漁っていた。 「これは……! まさかここで見付かるとは」 いくら探しても見付からなかった本が置いてあるのを見付け喜ぶ。 持っていってしまおうとも考えたが、いくら店員がいないとは言え窃盗行為は流石に気が引けた。 仕方無く持っていくのはやめその場で読む事にする。 「ほうほう……おおおお、こうかこうか……」 嬉々とした表情で、◆ymCx/I3enUは本を読み進めていく。 「……!」 「ん?」 その時、微かだがどこかから悲鳴らしき声が、◆ymCx/I3enUの耳に届いた。 (気のせい、じゃ、ないよな今の……結構、近くからだったような……様子、見に行ってみるか) 支給された鉈を持ち、本を元にあった場所に戻して◆ymCx/I3enUは...
  • 悲しみの向こうへと、辿り着けるなら
    大いに、『彼女』は怒っていた。 『彼女』と言うと、聞き返す者も居るかもしれない。それも結構な数。 黒人とまではいかないが色黒な肌、顔にある傷。かなり大柄な体駆に銀髪が威圧感を周囲にこれでもかと発していた。服の袖が破け、鍛えられた肉体が覗いている。 彼女に喧嘩を売るような輩はそう居ないと一目で理解できるだろう。 しかも見かけ倒しではない。彼女はとても強い。 まず町の不良番長程度では相手にならず瞬殺されるのがオチだろう。 彼女の名前は大神さくら。『希望ヶ峰学園』の生徒だ。 『超高校級』の才能を持たなければ入学できない学園に彼女が入学できたのは当然、『超高校級』の才能を持つからだ。彼女は『超高校級の格闘家』。 総合格闘技の天才。最強を目指す戦士(ファイター)。 その彼女が今、これ以上ないほどの怒りを示していた。 「古戸ヱリカ………絶対に許さぬ………!...
  • 勇気を出せばきっと何かが変わる
    39話 勇気を出せばきっと何かが変わる 「なぁ、ブライアン……」 B-2市街地の倉庫に隠れていたブライアンと聖徳太子の二人だったが、 不意に聖徳太子がブライアンに話し掛けた。 「……何だ? 太子」 「……私は考えていたんだ。逃げて隠れてばかりで良いのだろうかって」 「太子……」 神妙な面持ちで太子が続ける。 「隠れてばかりではこの殺し合いから脱出する手段も、 呼ばれている知り合いも何も探す事が出来ない。何も進まない。 いや……勿論、私だって無理に危険を冒そうなどとは思わないさ。 さっきの青髪の男のような奴と会うのはもう二度とごめんだ。だが……」 「……太子、言いたい事は分かった」 「ブライアン」 「確かに……逃げて隠れてばかりじゃ、しょうがないよな」 ブライアンが立ち上がり、バトルアックスを持ち上げ刃を見詰める。 その目...
  • 曉血殺傷
    64話 曉血殺傷 潮風が吹き抜ける、海岸線沿いの幹線道路を、 野比のび太、神山アキナ、死神五世、ミーウの四人は歩いていた。 進行方向から見て右に、草原地帯を挟んで大海原、左に森と森に覆われた小高い山、 そして鉄塔と思しき建造物が見える。 「あれ……?」 その鉄塔を何となく見詰めていたのび太とアキナが、その方向の森から 出てくる、歴史の教科書の挿絵か何かで見たような和風の鎧具足に身を包んだ 人物の姿を認めた。 「どうしたのび太……! あ、あいつは……!」 鎧武者の姿を確認した死神五世は驚きと喜びの混じった表情を浮かべる。 その鎧武者は、五世がよく知る人物だったからだ。 「ムシャ! おーい、ムシャ!!」 大きな声で、その鎧武者の名前を叫んだ。 鎧武者――ムシャは予想だにしていなかった。 まさか森を抜けた所で、自...
  • あの子を夢見て肌も心も
    2:あの子を夢見て肌も心も 「はぁ、はぁ……!」 稲垣葉月は息を切らしながら森の中を走る。 自分に突然襲い掛かった男から逃げるために。 ダァン! 「ひぃ!」 背後から銃声が響く度、葉月の中の恐怖は一層高まっていく。 いつ身体が銃弾に貫かれるか分からない、貫かれたら痛いどころでは済まされないだろう。 (どうして、どうしてこんな事に…! 助けて、誰か…レックス…レックス!) 自分と同じくこの殺し合いに呼ばれている最愛の相手の名前を心の中で何度も呼びながら、葉月は必死で走り続けた。 そしていつしか、銃声は聞こえなくなった。 勇気を振り絞って立ち止まり背後を振り向くと、もう襲撃者の姿は無かった。 どうにか逃げ切れたようだ――――葉月は安堵し近くの樹木の根元に座り込む。 「…うっ…ううっ…怖い…」 緊張の糸が切れたのか...
  • 消えない想いよ天届け
    81話 消えない想いよ天届け 第二回目の放送を聞き終えた後、ミーウは食事を取り荷物を纏め始めていた。 放送の死者発表では目の前で殺害された死神五世と神山アキナの二人、 自分が殺害したジン、石川昭武の二人の名前も当然呼ばれた。 死神五世、アキナの二人を殺害したムシャという鎧姿の男、 途中まで行動を共にしていた野比のび太の二人の名前は呼ばれなかった。 主催者と同姓の二人も、まだ生き残っているらしかった。 「後15人……もう一息って感じかな」 突撃銃H K G3を携え、デイパックを肩から提げたミーウが民家から出る。 目指すはエリアF-6に存在する島役場である。 周囲を警戒しながら、静かな市街地の道路を歩いて行く。 黒狼レックスにとって、放送はもう余り重要なものではなくなっていたが、 それでも聞けるだけは聞いた。 今度は18人が命...
  • 「雷帝」
    「殺し合え……か。人間のくせになかなか面白い事を考えるじゃねえか」  威圧的な言葉が暗闇の森林の中に木霊した。  声の発生源はその大人びた口調とは裏腹な、精々小学生前半の身長しかない小柄な少年。  その出で立ちは、銀髪に銀色の外套という派手なものだった。 「ワープ技術に謎の首輪……チッ、魔力も制限されているな」  少年は物怖じ一つ見せる事なく、森林を進んでいく。  深夜という時間帯も影響して、景色の殆どが闇に覆われているというのに、少年の足取りは軽やかなもの。  段差や木の根にも軽々と対応しながら、少年は足を動かし続ける。 「このゲームが王を決める戦いに関連しているとは考えにくい……おそらくは何らかの『力』を有した愚かな人間が企てたものだろう」  その右手には大きな灰色の―――いや光沢はなけれどこちらも銀色か―――本が握られていた。  それ...
  • この出会いは偶然か、必然か
    昼がすぎ時刻は夜。D-4の街の廃屋とかしたアパートで、男性と女性が4ラウンド目に突入していた。 淫らな水音と喘ぎ声が部屋に響く。 女性は逆レイプ魔の長谷川燐。男性は元強姦魔のステブルス。 ステブルスは結婚している。ただし、結婚する前は現役バリバリの強姦魔である。 数多の女性を犯し、そして犯そうとした女性に一目ぼれ。そして結婚。 今では全く強姦はしないが、このバトルロワイアルは別だ。女性は少ない、しかし犯し放題ではないか。 そしてこのアパートに入ってきた、長谷川という女を犯した。 ただし彼にとっての計算外だったのは、彼女も逆レイプ魔だった…ということである。 そして話は数分前に遡る… □□□ 長谷川は街を歩いていた。手ぶらの状態で。 今襲われればひとたまりもない。…私が男性を襲ってたんだけどね。 そういうことではなく、武器を持ってないということが非常に...
  • 蘇る翼
     かさかさ――という足音が、森の闇から歩み寄る。  新緑と茶色い幹をくぐって、平野へと姿を現したのは、森の獣ではなく人の少女だ。  宵に映える紅髪は、さながら獅子のたてがみのように、風を受け堂々とたなびいていた。 「……どうしたもんかね」  いまいち緊張感に欠ける声で、少女がため息と共に呟く。  きらびやかなステージ衣装と相まって、この実験場に放り出されたにしては、あまりにもアンバランスな様子を示していた。  少女の名は、天羽奏。  当時人気絶頂を極めていた、アイドルデュオ・ツヴァイウィングの片割れである。  そして本来ならば彼女は、既にこの世にはいるはずのない存在でもあった。  享年17歳――彼女は今から2年前に、命を落としていたはずだったのである。 (あたしは確かに、さっき死んだはずだったんだけどな……)  ぎゅ、と己が身を右腕で抱く。  風鳴翼の感触は、辛うじ...
  • 星を探して
    3:星を探して ホテルの一室にて青い猫型ロボット、ドラえもんは支給品を確認していた。 出てきた物は、ピッケルと、 「ぎゃああぁあ! ネズミー!!? …って、玩具じゃないか、もう!」 精巧に作られた鼠の玩具三つ。 我に返ったドラえもんは部屋のゴミ箱にその玩具を突っ込んだ。 ただでさえ外れの支給品だが重度の鼠嫌いである彼にとっては最悪の部類に入る。 「のび太君達を捜さないと……ここはホテルかな、もしかしたら僕の他にも誰かいるかも」 殺し合いに呼ばれた自分の友人達を捜し、この殺し合いを潰す――ドラえもんが考える、 この殺し合いでの自分の行動指針。 あのヒリューと言う竜が何者なのか分からないが、このような狂ったゲームに乗れるはずは無い。 きっと友人達――野比のび太、源静香、剛田武、骨川スネ夫だって同じ事を考えている、 少なくともドラえもんはそう...
  • きっと、終わりは始まりの時。
    c-6エリア、ネットカフェにて。橋田はキーボードを打つ作業に追われながら、怒りを覚えていた。放送にて、ラボメンの一人である椎名まゆりの死が告げられたのだ。 許せなかった。その肉体を八つ裂きにして、火にくべてやりたくなる。 「(……落ち着け。冷静さを欠いたらハッカーは負けだお)」 そして、橋田は続ける。 だが、彼はまだ知らない。最悪の科学者と最高の親友が奇しく同じタイミングでこの場所に向かっていることを。彼は知らない。数分後ここに広がる光景を。 ◆ 「………ダル?」 橋田至は、ついに成し遂げた。 常に首輪を起爆されるリスクと戦いながらも荒耶のセキュリティをわずかに、少しずつ切り崩していき、ようやく首輪の解除コードを入手した。 それと同時に、彼の最大の親友の声がした。 「オカリィィィン!!イッツアグゥゥゥッドタイミィィィングだお!」 「...
  • EDL――――Advance・2
    日が射し込む廊下を歩く。 運動靴で、歩く。 静かに、辺りを警戒しながら、そうやって、ぼくは一つの場所を目指していた。 ……。 ……。着いたわね。 扉に手をかける。 自然と、手に力が入り、身体が固まる。 ……いけないわ。これでは、ぼくはまだいけない。 目的のためには、負けるわけには――いかないっ! 意を決めると、ぼくは乱暴に扉を開けた。 家庭科室。 誰も――いない。 よかった。――いや、よくなかったわね。 まあ。 そこまで考えて、不自然な歩調で、一つの場所まで歩いて、止まり、しゃがむ。 六台あるの薄汚れた白の机の一つの下の扉をあける。 中には、ボウルやら調理器具があるわね。けれどボウルとかは今回いらないもの。 ぼくが興味あるのは、こっち。 「……包丁、ね」 言葉に出して、確認。 扉の裏側に在った、一丁の包丁。まめな家...
  • 妖星乱舞-第三楽章-
    91話 妖星乱舞-第三楽章- 最上階、リリア・ミスティーズは高い天井に広い面積の大広間に立っていた。 数分前から、階下から聞こえてきていた銃声や怒号が一切聞こえてこない。 侵入者――殺し合いの生存者達を全員始末できたのであれば、 何らかの報告が入るはずであるが、そのようなものは入って来ていない。 だとすれば、考えられる可能性はもう一つある。 ドガアン!! 正面前方の豪華な木彫り装飾が施された木製の大扉が乱暴に蹴破られ、 そのもう一つの可能性が実証された。 扉の向こうから、広間に続々と入ってきたのは、7人の殺し合いの生存者達。 高原正封。 クリス・ミスティーズ。 レオン・ミスティーズ。 ドーラ・システィール。 アレックス。 ピタゴラス。 ガーゴイル。 何れも、今まで屠ってきた敵兵士の返り血や、自らの傷から流れ...
  • 意識の果てへ
    12:意識の果てへ 「大変な事になったよなー、殺し合いなんてよ……」 「本当ですね…」 エリアF-7病院の二階病室にて、青と黄色の身体を持つ竜、リューグと、 金髪の髪を持った全裸の巨乳エルフの美女、ヴァレリアは互いの身体をまさぐり合いながら、 現状を振り返っていた。 収納口から顔を出し、先端から透明な汁を垂らすリューグのいきり立つそれを、 ヴァレリアは愛おしそうに見詰め、両手で優しく扱く。 「オオ…ウ……」 「あったかい……こんなに汁が溢れてビクビクして……それでですねリューグさん…。 この殺し合い…リューグさんはどうします…?」 「決まってるさ。乗る訳無いだろ。何とかして、脱出するんだ…! そのために、この首にはまってる首輪、どうにかしないとな…アァ……」 「でも、首輪、無理に外そうとすると爆発するって言ってましたよ……はむっ」 「キャウッ!...
  • ワタシガヤルベキコト
    85話「ワタシガヤルベキコト」 「……!!」 私はふと意識を取り戻した。 そして、周囲を見渡すと、そこは森林地帯が眼下に広がる崖の上。 首には金属製の首輪。手にはM79グレネードランチャー。 「うあ……あ……」 そして、目の前には…怯えた表情で私の事を見ている猫族の幼馴染、ケトルがいた。 間違い無い、この光景は見覚えがある。 私が――あのセイファート主催の殺し合いに呼ばれる直前、この崖から落ちる前。 いなくなった英人の居場所を傍にいたケトルに問い詰めて、逃げ出したケトルを追い掛けていた時。 今、正にその瞬間に、私はいる。 ――戻ってきたのだ。 ほとんど漁夫の利の形で優勝を収めた私は、あの後ホテルでセイファートからよこされた迎えの人達と合流し、 目隠しをさせられ、多分ヘリか何かに乗せられて、主催本部に連れて行かれた。 ...
  • 魔女演舞~槍兵~
    「ーーーーーまどかはまだ死んではいないようね」 ほっ、と安堵の表情を浮かべるほむら。いつも何か気張ったような堅い表情をしている彼女の表情が若干笑顔に近い表情に変わったのを見て、ランサーはカラカラと笑いながら言う。 「そういう顔もできんじゃねえか」 黙りなさい、とほむらは言う。 ランサーの知り合いはアサシン以外に死んではいなかったが、騎士王セイバーはともかくとして最強の英雄王が生き残っているのは好ましい状況とはとても言えなかった。 奴は英霊さえ瞬時に殺害するレベルの力を持っている。 ランサーも一度戦ったが、結果的には鎖で拘束されて剣に打たれ死亡した。 見つけたら逃げねえとな、と思っていると、急にほむらの顔色が険しくなった。 「どうしたんだ、ほむら」 「魔女の気配がするわ。それもかなり特大の…」 ワルプルギスの夜並みの魔力を放つ魔女。 ...
  • 愛する貴方へ花束を
    「アラヤ………裏切ったな」 まだ幼さの残る20代くらいの男、コルネリウス・アルバは憎々しげに吐き捨てる。 自分を蒼崎橙子に殺させたのも、この為の布石であったのではないか、という疑念すら沸いてくる。 しかし、コルネリウスに魔術がある。 封印指定こそ受けてはいないが、それでも上級の魔術師である。 注意すべきは、直死の魔眼遣いーーーーー両儀式。 彼は知らないが、荒耶宗蓮は彼の死後、両儀式に殺害されている。 あれはバケモノだ。 あんなものがゲームに乗っていたら、それこそ勝ち目は一寸も無いだろう。 「ーーーーー考えても仕方無いか」 何より、コルネリウス・アルバの目先の問題は。 明らかな殺気を放つ目の前の少年であった。 ◆ 「めんま、だと。ハハッ、あんな奴まで俺をおちょくってやがんのかよ!」 松雪集ーーーゆきあつは、心に一つの心的外傷(トラウマ...
  • マジメな堅物軍人かと思った? 残念、お姉ちゃんでした!!
    「ふぅ、何とか逃げ切れたか」  カールスラントが誇るエースウイッチ・ゲルトルート・バルクホルンはD-4の森林にて安堵の息を吐いていた。  十数分前に遠方の空にて発生した謎の発光現象。  空気が揺れ、森林が割れた。  余波を喰らっただけだというのに、世界が怯えるように揺れていた。  何が起きたのか、と考えるまでもない。  誰かが戦闘を行い、その結果が先の状況だったのだろう。  ウイッチであったとしても、あれだけの現象を起こせるかどうか。  少なくとも、相当な強者がこの殺し合いに参加しているという事は確かだろう。 「それにしても何がどうなっているのか……」  バルクホルンは苦い表情で空を見上げ、思考する。  爆薬の詰められた首輪により命が握られている状況。  自分を含めて四名のエースウイッチが拉致され、殺し合いを強要されているという状況。  最悪とい...
  • 侵略する狂気
    胸をさす痛みは、先ほど刺された時の痛みだろうか。 坂上修一は、その身に怒りと痛みを抱えながら、森の中を歩いていた。 先程坂上は、見知らぬ女子と出会い、交戦し胸に小さな傷を得た。 得たものは、傷だけではない。 彼の心には今、ドス黒いものが浮かんでいた。 (一体…一体どうして僕がこんな目に…!) 頭を支配するのは、どうしようもない現状に対するやりきれない思いと怒り。 坂上は、決して特殊な人間ではない。 スタンドを操れたり、忍者としての教えを受けていたり、オーラをまとって武器をどこからともなく出したりすることなどできない、純粋な一般人だった。 坂上修一は、弱い。 弱く、そして儚い。 それゆえに、どうなってしまうのかは誰にもわからない―― 突然の事態に、坂上は動転していた。 どう動くかも自分の頭とは関係のない方向に身体が動き、気がつくと鬱蒼とした森の中を彷徨って...
  • EDL――――Advance・12
    体育館。別名、体育館ホール。何だっていいんだけれど。 そこに異様な男はいた。最初となんら変わらず、壇上に一人偉そうにふんぞり返っていた。 あたしは用意されていたパイプ椅子に座る。ちなみに場所は体育館のど真ん中。――――嫌がらせにも程がある。 「さて、ご苦労だったな。榎本夏美さん」 「労いありがとう」 「いやいや、、こちらこそ中々に面白かったよ」 不毛である。あたしはともかく向こうも悟ったのか、とっとと本題に入ることとなった。 「で、見事六人の中から生き抜いてきた榎本夏美さんは、これからどうしたいのかな? 願いを得たいか?」 「……ええ、ここまできたら勿論じゃない。その願いとやらを、いただきましょう」 哀哭は既に済んでいる。「あたし」の願いは変わらない。 慟哭は既に終えている。「あたし」の祈りは代わらない。 もう、迷わない。迷う時間はもう済んだ。...
  • ラフ・メーカー
    「おい、オッサン。いつまでここにいるつもりだよ」  佐倉杏子は頭の後ろで手を組みながら、もはや何度目かも分からない呆れたような言葉を吐いた。  一本の木に体重を預け、ズボンが汚れる事も気にせず、地べたへと座り込む。  手持ちの菓子も殆どを食い尽くしてしまった現状、杏子にやれることはなくなっていた。  ただひたすらに待つだけだ。  木々を挟んで向こう側にて立ち尽くすおっさん。  股間にぶら下がるナニを隠そうともせず、ただジッと立ち尽くす中年全裸の変態おっさん。  そのおっさんが動き出すのを、杏子は待っていた。 「もう良いだろ。見てて何が変わるって訳でもないって」  言葉は虚しく宙に消えるだけであった。  おっさんは返事すら返さず、黙りこくって、とある一点を見詰めていた。  地面に横たわる、何故だか何処か嬉しげに微笑んでいるように見える、物言わぬ死体。 ...
  • 天覇絶槍の調
    武田軍。群雄割拠の戦国時代でも名を馳せる武人、武田信玄の率いる強力な軍勢である。 奥州のならず者たちや尾張の魔王、果てには安芸の知将にも匹敵するだけの武力を彼らが持つ理由はただひとつ、稲妻とも称される最強の騎馬隊だ。 強さに決して驕らぬ信玄の心意気に惹かれて集う猛者たちの支えあってこそ、武田は強くいられる。 その中でも一際熱く燃えたぎり、武田軍最強の槍使いと称される一人の青年があった。 「許せぬ……! 許せぬぞ、シャルルとやら……! 拙者は絶対に、貴殿らを許さぬ!!」 彼の名は真田幸村。正しく言うならば真田源次郎幸村。 彼の熱き心を象徴するかのような赤い鉢巻きと、胸元で鈍く輝く六文銭が特徴的な青年だ。 しかしその本質は戦国の乱世にて、数多の武人と矛を交えてきた武田軍最強の武士(もののふ)である。 幸村は、血が滲むくらいに強く右拳を握り締めて、この事態を仕組んだ男...
  • 07 『絶海の孤島・ミステリーツアー』1日目朝の放送
     どれほどの時間そうしていたのかを、サトミはまるで意識できていなかった。  鉄の棺桶の中での目覚めから、放送。そして突然蘇った忌まわしい記憶。  自分がこの手で、娘を殺したということ。  そられ全てが、彼女の意識をかき混ぜ、千々に乱し、思考を阻害していた。  一旦、最初に目覚めた鉄の棺へと戻って、横になり目を瞑ってみた。  そんな事をしたところで、ここでこうしている事がただの夢であり、かつての生活に戻ることが出来るわけなどないことなど、はっきりと分かっている。  数分、数十分、或いは数時間、サトミはただそこで横になって目を瞑り、或いは再び起きあがって辺りをうろうろと徘徊し、また戻っては今度はうつぶせになってみたりを繰り返していた様だった。  その間、少しの間は眠っていたかもしれない。夢と現実の境がはっきりとせず、棺の中で眠り、また目覚めても変わらずにそこにいることを知り、再び...
  • ある日森の中
    4話 ある日森の中 木々が生い茂る、昼間でもやや薄暗い森の中、 私ことテトは支給品の回転式拳銃、S W M27を握りながら歩いていた。 だけど歩けど歩けど森ばかりで何も見付からない。 建物も、他の参加者の姿も。 昨日は何も変わった事の無い一日だった。学校行って、家に帰って、お風呂入って……。 なのに目覚めた時には、最後の一人にならなければ生きて帰れないという殺し合いに 参加させられていた。 名簿を見たらクラスメイトの名前が幾つかあった。全部獣人。 普段よく接したりしている貝町ト子や、思い人のラトの名前は無い。 他にも大勢の名前が書かれていたけど、知っている名前はクラスメイトのみ。 「はあ、これからどうしよう」 殺し合いなんてするつもりは無いけど、首には無理に外そうとしたりすれば 爆発する金属製の首輪。逃げようとしても、主催者に逆らっても、...
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